げんしん☆もんすたー   作:ちぃの

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※多少は分かりやすくしているのですが、今後横線が入ると、その前と後で視点が切り替わったりする事があります。

評価が集まってないけどこの小説やっぱり原神だった?
でもこの感じ絶対にポケモン…


ジムリーダーは中二病!?

僕たちがここ、モンドに来てから数日が立った日の朝。

 

「今までずっと自分で戦ってたけど、遂にポケモンバトル…!」

「いつもの事だけど、暴れ過ぎないでくれよ…?」

 

観光のついでに、換金した金でモンスターボールときずぐすりにキャンプセット等を揃えた。

ちなみに、ポケモンセンターをやっていたのはジョーイさんではなくキャサリンという知らない人だった。彼女も複数いるのだろうか…

 

モンド城の城門を超え、橋を渡ると眼前に草原が広がっている。

僕達は早速ボールを取り出した。

 

「出て来い!ゼニガメ!」

「レッツゴー!ヒトカゲ!」

「フ…フシギダネっ!」

「…オイラはまだ何も持ってないぞ…」

 

「二人とも、行くよ!たしか東だったよね…」

 

早速駆け出す蛍。

 

「もうちょっと待ってよー。蛍ちゃーん!」

「迷いがちなんだから、あんまり遠くに行くんじゃないぞー。」

 

急いで追いかけたが、すぐ近くで蛍は待っていた。

 

「ここから東って…どっちだっけ?」

「「……」」

 

しばらく東へ、つまりモンド城の正門からまっすぐ進むと、草原が途切れまばらな森に出た。

 

「たしか…ここから先は野生ポケモンが多いはずだよ。」

 

 アンバーが向こうを見ながら言う。

 

「そういえば、ジム戦って3対3であってるよね?」

「うん。挑戦するには3匹はいないとダメなはず。」

「じゃあ、あと二匹ずつ捕まえる必要があるか。」

「了解!」

 

蛍は早速ボールを構えていた。

 

「早速いた、あれ!」

 

指差す先の草むらから、緑の体がのそのそと現れた。

 

「あれって…キャタピーだったっけ?懐かしいな。」

「うん、初代からいる定番中の定番の序盤むしタイプだよ!」

 

蛍は即座にヒトカゲを前に出す。

 

「ヒトカゲ、ひのこ!」

 

火花がかすり、キャタピーは慌てて草むらから飛び出した。

 

「よし!」

 

蛍は豪速球のストレートを投げる。

放たれたボールがキャタピーを吸い込む。

 

「やった! 捕まえた!」

「凄い!いきなり捕まえた…!」

「バタフリーなら結構変化技も覚えるし…便利なはず!」

 

蛍の分析に、アンバーは感心している。僕も同じくである…

 

「ほんと詳しいんだね……」

「まあね。それ程じゃないよ?」

 

蛍は自慢げに笑う。

 

「んっ?」

 

少し先の茂みから、しっぽが生えている…?

 

「あれは…何だろう?この辺りで見たことない…」

「よし…!みずでっぽう!」

 

慌てて草むらから飛び出してきたのは、小さいこと以外は羊のようなポケモン。

 

「オイラの出番か?アイツはわたげポケモンのメリープだな!特性はせいでんきで……」

「特攻が高くて技範囲が広い!」

 

「ゼニガメ、たいあたり!」

 

しかし、当たらない。

 

「待って…」

「来いキャタピー、いとをはく!ヒトカゲ、ひのこ!」

 

逃げていくメリープを、蛍のポケモンが捉えた。

 

「モンスターボール!」

 

ボールは三回揺れて、光を放った。

 

「やったー!」

「…」

「なぁ…今、取られたよな……」

「あっ、ついやっちゃった…」

 

少し進むと、何やら茶色の生き物が寝ているようだ。

 

「…ロコンだ…!」

「…あたり枠っぽい…!」

 

僕は、そーっと近づいてボールを押し当てた。

ボールは星のエフェクトを出し、あっさりと捕まえられた。

 

「二匹目に、ロコンか。」

「なかなかに良いと思う。」

「うんうん!」

 

その後は、ちょっとした洞窟で僕とアンバーは三匹目にあたるポケモンをゲットした。

僕のはもぐらポケモンのディグダ、アンバーのはひのうまポケモンのポニータ…とパイモンが誇らしげに解説していた…。

 

その間に蛍はしれっとキャタピーをトランセルに進化させていたみたいだ。

 

「これで皆3匹揃ったね!」

「うん。明日はジム戦か。」

「どんな人なんだろう、最初のリーダー……」

 

翌朝、日も高く昇らないうちに、キャンプした場所から一つ丘を越えた場所の町へ着いた。

 

「こんな所に町があるなら宿にしとけばよかった~!」

「私はもうすぐ町があるって言ったよ?」

「もう疲れた、動けない、って言ってたのは誰だったか…?」

「間違いなくさっきから愚痴を言ってる奴だぞ…」

「うっ…」

 

町の北の方の丘にある黒塗りの建物がおそらくジムだろう。

 

一応ポケセンで全員を回復させ、ジムの目の前にやって来た。

朝早いからかまだ他の挑戦者は誰もいない。

 

「城って聞いてたけど…思ったより、普通だね。」

「城というよりは、普通の建物って感じ?」

「そうだな…これじゃただの黒い箱だぞ!」

 

そんなことを言っていたら、突然扉がゆっくりと開く…

ジムの主は入れと言いたいらしい。

 

「おじゃましまーす……」

 

中は無駄に荘厳な雰囲気だった。

壁は黒い布で覆われ、一面の天窓から光が差し込んでいる。

バトルコートを挟んで向かいの壁には意味の無さそうな魔法陣が描かれている。

 

ランタンも吊るされているが、どう見ても普通の照明の上に紙をかぶせただけの物だ。

 

「うーん…なんか文化祭の出し物みたいだね。」

「的確な表現だな…。」

 

「静かだけど、誰かいるのかな…?」

「…!あそこに居るぞ…!」

 

よく見ると、魔法陣の下に人影がある。

 

その人影は、こちらを振り向いた。

紫の装飾をまとった少女がゆっくりと姿を現す。

金髪で、左目には眼帯を着けている。

 

「我が名はフィッシュル・ヴォン・ルフシュロス・ナフィードット!」

「闇夜を統べる断罪の皇女にして、この幽夜城の主なり!」

 

「幽夜城!?」

「外にジムって書いてあったけどな…」

 

彼女の強烈なインパクトに言葉を失う3人。

 

「この私の幽夜浄土に踏み入るという事は、貴方達が求むのはこの幽夜バッジ…。でも、雷を超えられない物にその資格はないわよ!」

「やっぱりバッジはここで貰えるんだね!」

「今の話でよく理解できたな…」

「…一応ちゃんとジムリーダーなんだよね?」

「雰囲気の割に、意外と強そう…」

 

フィッシュルが指を鳴らすと同時に紫の照明が灯り、空間が紫に染まる。

 

「凄い演出…!」

 

「さて、闇の契約を望むのは誰かしら……?」

「…えーっと?」

「多分、誰が最初にバトルするか聞かれてる。」

「分かった。じゃあ私!」

 

早速蛍は駆けていき、バトルコートに立った。

手にはボールが構えられている。

 

「…いつでも、OKだよ!」

 

「…断罪の名において、貴方とバトルの契約を結ぶわ!」

 

 

 


 

 

 

ジムリーダーの フィッシュルが しょうぶをしかけてきた!

 

フィッシュルは一歩前へ進み出て、モンスターボールを高く掲げる。

 

「出でよ!雷鳴の走狗、バチュル!」

 

バチッと火花を散らしながら、電気を持った黄色い小蜘蛛が飛び出す。

 

「…行けっ!メリープ!」

 

こっちのボールから現れたのは、静電気を纏う小さな羊。

 

「行かせてもらうわ!エレキネット!」

「うっ…」

 

いきなりバチュルの口元から電気の糸が放たれ、電光の網がメリープの足元に広がる。

足を取られたメリープの動きが一気に鈍る。

 

「バチュル!とびかかりなさい。」

 

エレキネットのせいで、この攻撃は避けようがない。

 

「…耐えてじゅうでんして!」

 

バチュルの一撃を受け切った後、メリープは体毛を逆立たせ、電気を蓄えた。

 

「そのままでんきショック!」

 

効きにくくても、至近距離の放電を受けたバチュルは流石に吹き飛ぶ。

 

「雷を以て雷を制す…なかなか面白いわね。」

「えーっと、効いたって事ね!」

 

バチュルの動きが止まった隙に、さらに畳みかける。

 

「たいあたり!」

 

メリープが飛び込んで、体当たりを決める。

しかしバチュルも怯まずに、目を光らせた。

 

「ほうでん!」

 

小さな体から放たれた稲妻がメリープを直撃し、空気が弾ける。

思わず目を細める。

 

「くっ……大丈夫!?」

 

フィッシュルのバチュルはほうでんした後で動けないようだ。

 

「いける!、とっしん!」

 

今度は正面から突っ込む。

鈍い衝撃音とともに、バチュルが目を回して倒れた。

 

「よしっ!」

「蛍ちゃんナイス!」

「やっぱり強いな…」

 

アンバーが拍手し、パイモンが飛び跳ねる。

だがフィッシュルは動じない。

左目に手を当ててわずかに微笑んだ。

 

「まだ夜想曲は始まったばかりよ。」

 

フィッシュルは次のモンスターボールを掲げる。

 

「来なさい!孤独なる雷の仔、エレズン!」

「エレズンね…。よく頑張った…戻ってメリープ。」

 

メリープはめ~と鳴いてボールに戻った。

 

「手ごたえは…よし。行ける!トランセル…いや、()()()()()!」

 

ボールから出てきたのはトランセル。

でも、すぐにその体は光に包まれていく。

 

光が強くなり、羽ばたく音が空間に響いた。

現れたのは、もちろん大きな羽を持つ蝶のポケモン。

 

「進化した……!」

 

フィッシュルは目を細めて笑った。

 

「エレズン、スパークよ!」

 

電気をまとったエレズンが突っ込んでくる。

速い…!

 

「バタフリー、飛んでかぜおこし!」

 

羽化した蝶は風を巻き起こし、突進してきたエレズンを押し戻す。

激しいスパークが空を切る。

飛んでいるバタフリーには、基本的にエレズンの接触技は当てられないはず…!

どう来るか…

 

「…なら、これでどうかしら。ようかいえき!」

 

エレズンがバタフリーに紫の液体を浴びせてくる。

多分、今のでとくぼうが下がってる…ただでさえバタフリーにはでんきがバツグンだから、攻撃を受けるわけには……

 

「でんげきはで撃ち落としなさい!」

 

エレズンが電気をチャージし始めた。

でんげきは、たしか必中技だったはず…迷ってる場合じゃない!

咄嗟に効果のありそうな技を指示する…

 

「ねむりごな…!」

 

バタフリーが大きく羽ばたき、薄緑の粉が舞う。

 

「今よ!」

 

エレズンの体から放たれた電撃が躱そうとしたバタフリーへ走る。

 

「バタフリー…!」

 

効果ばつぐんの大技を受け、バタフリーはよろめいた。

が…次の瞬間、エレズンも倒れる。

 

「あれっ…?」

 

エレズンはぐっすりと眠ってしまった…

 

ねむりごなはちゃんと効いたみたいだ。

 

 

フィッシュルはエレズンをボールに戻し、決めポーズで最後のボールを目元に掲げた。

 

赤い表面に、黄色で電気のマークがついたボールが宙を舞う。

 

「…この私に本気を出させた事を後悔するといいわ!目覚めよ…電光の従者、デデンネ!!」

 

鳴き声とともに、小さな橙色のハムスターが現れた。

掛け声とのギャップに観客席の三人も啞然としている。

 

「……なんか、名前負けじゃないか!?」

「闇夜を統べる皇女の従者が、デデンネ……?」

「とはいえ、意外と強かったはず…」

 

私は表情を引き締める。

目の前で、フィッシュルが再びポーズを決めた。

 

「バタフリー!まだ行けるね?」

 

バタフリーは私の問いかけに力強く返した。

 

「…こんな所で負けてられない!バタフリー、かぜおこし!」

 

巻き起こった突風が直撃するも、丸い体が軽く弾かれるだけで、すぐに踏みとどまってくる…

 

「デデンネ、ほうでん!」

 

小さな身体から放たれた閃光が、稲妻の尾を引いて広がる。

当たった瞬間、バタフリーが体を震わせた。

 

「ねんりき…!」

 

デデンネに紫の渦が集まると同時に、バタフリーはバランスを崩して墜落してしまった。

 

「ありがとう。無理させすぎちゃったかも…。」

 

バタフリーをボールに戻し、静かに三つ目のボールを取る。

 

「最後は…行くよ、ヒトカゲ!」

 

激しい炎を灯した尻尾がコートを照らす。

やる気は満タンだ。

 

「よし…ヒトカゲ、ひのこ!」

 

牽制の火炎弾をデデンネは軽やかにかわし…

 

「でんこうせっか!」

 

そのまま光の尾を引きながら突進がくる。

 

「スピードが違う…。…避けて!」

 

ヒトカゲは後ろへ跳んで衝撃を受け流した。

突っ込んできたデデンネは受け身が取れないはず…今がチャンス…!

 

「とっしん!」

 

クリーンヒット…今度はそっちが勢いよく吹き飛んだ。

 

「ヒトカゲ、追撃でひっかく!」

「くっ…、デデンネ、ほうでん!」

 

まずい、深追いするべきじゃなかった…!

走り抜ける電撃を浴び、吹き飛ばされた。

でも、ヒトカゲはまだやる気に満ちた顔をしている。

 

「本気を出すしかないようね。デデンネ、雷影のよ!」

 

フィッシュルの決めポーズと共に、デデンネは電気をチャージし始める。

知らない技…?いや、オリジナルの必殺技だ。

 

「それならこっちも!……多分出来るはず!とっしん、かみつく、ひのこを一気にやって!!」

 

チャージし終えたデデンネは、電流を纏いながら高速で向かってくる。

 

かみつくとひのこを同時に使えば、ほのおのキバが再現できるのはもう確認済み。

でも、この技はぶっつけ本番。

 

「ヒトカゲ!今!」

 

電気の弾と成ったデデンネに、私とヒトカゲの最高の一撃がぶつかった。

 

 

…刹那、コートが白と赤の光に包まれる…

 

 

次に見えたのは、立っているヒトカゲと…気絶したデデンネだった。

 

 

「やった……!勝った!!」

 

「ナイスだぞ!」

「流石だね。」

「今の戦い、凄かったよ!」

 

思わず叫んでしまった…

お兄ちゃん達も盛り上がっていたみたい…。

ヒトカゲの尻尾の火が、誇らしげに揺れた。

 

フィッシュルはデデンネをボールに戻し、リモコンを触った。

意味もなく紫に染まっていた照明が元に戻る。

 

「断罪の儀、完了ね。」

「え、あの、つまり……?」

「貴方が勝者ということよ。これを受け取りなさい。」

 

フィッシュルは、私の手の上にバッジを乗せた。

彫られている模様は、雷の鴉…ちゃんと中二病だ。

 

「そのバッジは断罪の皇女に勝った証よ。存分に誇るといいわ!」

「まだ全員倒してなかったけど…」

「もういいわ。…貴方、相当強いわね?」

「ジムリーダーである私に、知らずのうちに本気を出させる…普通の人には出来ないはずよ。」

 

確かに、記憶と比べても最初のジムにしては強すぎだったかもしれない。

 

「次なる試練を望むなら、城から西の教会を目指すといいわ。」

「次なる…?」

「多分、次のジムの事だと思うよ。」

 

とにかく…、私は人生で初めてのジム戦に勝利した。

チャンピオンまで、あと五箇所!




フィッシュル:中二病を患った少女。「フィッシュル皇女物語」なる本の主人公に憧れて今の口調と姿をしている万年コスプレイヤー。本当の名はエミちゃんだとか…

モンドリーグ:この世界の地方の中でも、ファンタジー色が強く、行政が雑なモンドでは前話に書いた通りこのリーグが出来てから十年も経っていない。
それに伴い、小規模かつシンプル(要するに、初代ポケモンスタイル)。民間人の3割くらいは存在を知らないかも。

尚、チャンピオンに勝つとパルデア式でチャンピオンランクになる仕様は、従来の代替わり仕様だと旅を続けにくく面倒だからです。
同じく面倒なのと人員不足で四天王は居ない。
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