この小説、かけた労力の割に全然伸びてくれません。
原神とポケモンが半々すぎて原作がどっちか全然分からないのがげんいんでしょうかね。
前作よりよっぽどクオリティ上がってるのに……
蛍の後に続いて、僕とアンバーもジムバッジを手に入れた。
でも、蛍と戦った時ほど白熱はしていなかったし、必殺技も彼女は結局使ってこなかった。
「さすがお兄ちゃん!」
「…蛍の方が全然凄かったよ。」
蛍が僕をヨイショしてくるのは昔からだが、僕こそもっと頑張らないといけないな。
「二人ともー!…あ、邪魔しちゃった?」
「いや、大丈夫。」
「そろそろ出発しようって話なんだけど…」
少し考えこんでいたらアンバーに呼ばれてしまった。
悩みのなさそうなアンバーを見ていると、何となくやる気が出てきた。
「よし、そろそろ行くか。」
「待ってお兄ちゃん。」
「蛍…?」
「…その前に何か甘い物とか食べない?おしゃれなカフェもあったしさ?クレープ屋もあったよね!?」
「………」
結局、僕達はスイーツを堪能してから町を出た。
…この世界の通貨は決して多く持っていないんだが。
「蛍ちゃん…空君が財布を見てゲッソリしてるけど良かったの…?」
「美味しかった!」
「分かったから量はそこそこにしてくれよ…」
「食べ過ぎると太るから気を付けるんだぞ!」
そういうパイモンも蛍程ではないがたくさん食べていた気がする。
一応人の金なんだぞ…?
正午を少し過ぎた頃。
モンド城の見えるシードル湖を右に、街道を歩いていた。
「この道、湖の向こうのほうに抜けるんだっけ?幽夜城よりちょっと遠いかもね!」
蛍は元気そのものだ。
「にしても、ジムリーダーってみんなあんな感じなのかな…」
頭にフィッシュルの決めポーズを思い浮かべたが、あんな感じとしか言いようが無い。
「絶対それは無いと思う、思いたい…!」
「アイツがやばいだけじゃないか?」
「私も一人は知ってるけど、普通にいい人だよ!」
「確かに、歴代一人くらいは変な人いるもんね、主に電気使いに…。」
「次のジムも、あんな感じだったらどうしよ…」
そうアンバーが言いかけたとき、丘の向こうから煙が上がった。
「……あれ、何の煙だ?」
「バーベキューとかじゃなさそう!」
「急ごう!」
近づいてみると、茂みの向こうでは仮面をつけた三人組が壊れた機械をいじっている。
「変な事するから壊れるのニャ!ニャーのポケモンガッポリ作戦が…」
「ニャース!こんなのでホントにポケモンが捕まると思ってるの!?」
「はるばるスネージナヤから来たんだぞ?何かしら成果を…」
いや、正確には男女と喋るポケモン一匹だ…。
機械と言っても、鳥でも引っ掛からないようないわゆる棒を倒すと籠が落ちてくる罠…を無駄に機械化した、といった感じだ。
「ちょっと!何してるの!?」
アンバーが声を上げる。
連中は同時にこちらを振り向いた。
「何してるの!?と聞かれたら!」
「答えてあげるが世の情け!」
「自由が呼んでる声を聴き!」
「北風乗ってやってきた!」
「愛と氷の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役!」
「ヴァシリ!」
「シドレンコ!」
「ニャースでニャース!」
「モンドを駆ける先遣隊のトリオには」
「
「「「ファデュイ!異色三連星!!」」」
目の前でポーズを決める三人を前に、僕達はただ立ち尽くすしかなかった。
蛍は眉をひそめ、僕とアンバーはむしろ関心した。
「お兄ちゃん、すっごい小物感のある変な奴が…」
「オイラもそう思うぞ…」
「そんニャ事言うニャ!」
「いや…ファデュイって言ったらティワット中で問題を起こしてる危ない組織のはず!」
「危ない…?」
「そうは見えないな。」
「えっと…それで、あなた達はいったい何を?」
「決まってるニャ!ポケモンを捕まえて、世界征服するのニャ!」
「モンド支部に栄光あれ!北国の名にかけて、この森のポケモンは全部いただく!」
「…たった今壊れたんじゃなかったか?」
「そこは言うな!」
シドレンコと名乗った細身の男をたしなめるヴァシリと名乗ったリーダー風の女。
悪の組織だそうだが、やっぱり…ネタ集団なんじゃないだろうか。
「とにかく、モンドの自然を荒らすなんて見過ごせないよ!」
「そういうと思ったのニャ!」
「ウパー、やっちまえ!」
「行け!バオップ!」
「さあニャース、いくニャ!」
「それ、自分で言うんだ……」
リーダーのヴァシリはバオップ、シドレンコはウパー…か。
手持ちはあんまり悪の組織らしくないな。
僕達はボールを出した。
「…ヒトカゲ、メリープ、バタフリー。」
「ゼニガメ、行こう!」
「ヤヤコマ!」
ボールの光がはじけ、仲間達が並ぶ。
「そっちのほうが大分多くないか?」
「ズルいわよ!」
「そんな事言われる筋合い無いでしょ!」
「畜生!突撃だ!」
相手は三方向から一斉に飛び出してくる…が、その動きは最初のジムリーダーであったフィッシュルよりも適当だ。
「ヒトカゲはひのこで牽制!メリープはほうでん!バタフリーはしびれごな!」
正面のニャースは炎、電撃、黄色い粉を一気に浴びる。
「ニャ!?熱いし動けないニャーッ!」
「ニャース!畜生…ウパー、みずでっぽう!」
ウパーの水鉄砲がヒトカゲに飛んでいく、が…
「りゅうのいぶき!」
蛍とヒトカゲには通じない。
「バオップ、かえんぐるま!」
「ヤヤコマ、でんこうせっか!」
「ゼニガメ、みずでっぽう!」
正面から二匹がぶつかるも、吹き飛ぶのはバオップの方だ。
弱点の水を受けてバオップは目を回した。
「こ、こんなはずじゃ……ウパー、マッドショット!」
「…もう遅いよ!ヒトカゲ、とっしん!」
一瞬でウパーが弾き飛ばされ、相手のポケモンが見事に撃沈。
「こ、こんな奴らに負けるなんて……」
「これじゃ計画どころじゃないぞ…」
「ニャーは悪くないニャ…」
三人が半泣きで固まる中、蛍が淡々と呟いた。
「どうしよう。警察とかいる?」
「じゃあ、私が騎士団を呼ぶよ。」
「騎士団だと!?そうはさせるか!」
「えぇ…まだやるの?」
「三十六計、逃げるに如かず!!」
「いざ!」
「「やな感じ~!」」
「煙玉…!?」
そう言うと、ファデュイの三人は煙の向こうへ逃げていった。
やっぱり既視感を感じる…
「えっと、勝負あり?」
「何だったんだろう…」
「それにまた何処かで出て来そうな気もする。」
機械の方を向いてアンバーが言った。
「どんなポケモンでも、流石にこんな罠に捕まらないよね…。」
「オイラですら罠ってわかるぞ。」
「まあ、行くか…」
変な邪魔は入ったが、僕達はもともとジムを目指していた筈だ。
が、少し進むと聞いたことのある声が…
「そこの君達、助けてよ~!その声…たしか空と蛍だったっけ?僕と君達の仲なんだからさ!お~い!」
「この声…。」
「ウェンティ、だな…。」
声のする方へ行くと、ついさっき見たのと同じ罠にかかった人間が…
何故か罠に引っかかって上半身が抜けなくなっている。
「アイツ…」
「ほんとに捕まってる奴いた!!」
「あの人、普段大丈夫なの?」
三人がかりでじたばたするウェンティを抜いてあげた。
「いやぁ、助かったよ。それはともかく、また会ったね!どう、元気?」
変な人が出たと言わんばかりにこっちを見る蛍。
「…1日のうちに2度も大丈夫じゃない人に絡まれた。」
「私もそう思う…」
「ゔっ…皆酷い…!仮にも僕には貸りがある筈なんだけど…。このままだと悲しみの詩を歌う羽目になるよ…?」
切実に辞めて欲しい。
吟遊詩人にそれをやられると洒落にならない気がする。
「それはそうと、1つ目のジムは突破出来たんだね?」
「勿論!」
「何とか。」
「そりゃあ良かった。次のジムまでは…おっと。もう見えてるね。」
もうすぐの所にある教会を指差すウェンティ。
「そういえば、公式戦のルールって分かってるよね?」
「勝てば良いんでしょ!」
この調子だと蛍は何も分かっていないだろう。
「えーっと、何だったっけ…?」
「オイラ、ルールに関しては知らないぞ!」
うろ覚えなアンバーと知らない事を無駄にドヤるパイモン。
「何か見た気はするけど…連続交代は無しとか。」
「うんうん。正式な試合では基本攻撃を避ける目的での交代や連続交代は無し。それと、試合中に5つを超える技を指示したら即失格だからね。」
「…即失格!?」
「最初はまずそんなに使えないだろうから教えてなかったけど、伝えとかないとって思ってね。」
意外と真っ当な理由でここに居たらしい。
「ところで、罠に引っ掛かってたのは何で?」
「えーと、聞いちゃダメな事も有るんだよ?」
禁忌に触れたアンバーは置いて、ウェンティに切り出した。
「ウェンティ…さんはどうしてこんなに、僕達の手助けを?」
その瞬間、空気が変わった気がした。
ウェンティは珍しく吟遊詩人らしい真面目な語り口調で話し出す。
「ここ数年のモンドリーグには、気合のある挑戦者が全然いなかったんだよ?…毎年何人かは居ても、僕が最初の一匹を渡そうが渡さまいが…負けても続けられるのに、簡単に諦めちゃうのさ。」
ウェンティの言葉には、嫌に重みがあった。
「でも、今年は違うって風が言ってたんだ。君達ともう1人のあわせて4人は、間違い無くモンドにもたらされた新しい風だよ。」
「ウェンティ…」
珍しく真面目な事を言ったウェンティは、後ろから大きな物体を取り出した。
「そうそう…罠に引っかかってたこれを取ろうとしたんだけど、それで僕が嵌っちゃってね。」
球に近い形状で、白に緑の斑点…。
「それって!?」
「ポケモンのタマゴ…!」
「大正解。で、誰か欲しい?」
勢いよく3人が手を上げる。
「私!」
「…私も欲しい!」
「オイラもだ!」
「ふ~ん…じゃあ、じゃんけんでもして決めたら?」
「…よし。」
僕は遠慮してしまったが、3人とも本気の目をしている。
「「最初はグー…!」」
「「じゃんけんポン!」」
「やったー!」
勝ったのはアンバーだった。
「それじゃあ僕はこの辺で…。」
「…待って!」
皆まだ聞きたい事があったが、突然強風が吹き付ける。
咄嗟に目を閉じると、すぐに風は止んだ。
すると、ウェンティはもう消えていた…
「気を取られた隙に逃がした…!」
「やっぱり謎が多い人だな。」
「このタマゴは私が貰って良い、って事だよね…!?」
「多分だけど。」
アンバーはウェンティから貰ったタマゴを大事そうにしまった。
そこから五分も歩けば、ちょっとした集落とジムのある教会へ着いた。
「教会の敷地内にバトルコートって、こっちだと普通なのかな…?」
「うーん、私も今まで見たことないけど…」
少しよぎった疑問にアンバーが答える。
この世界でも流石に教会でバトルなんてしないだろう。
なお、バトルコートは聖堂の目の前に作ってあった。
不敬極まりない。
コートを超えた蛍が大きな扉を開いて中を覗くが、誰も居ないようだ。
「こっちじゃ無いみたい。」
「そう言えば、ここってあくタイプのジムらしいぞ?」
「教会にあくジム…そんな人居るのかな?」
「あっ、居たぞ!!」
パイモンの言葉に驚いて辺りを見回すと、それらしき人物が視界に入った。
「ダリアはまだ良いけど…。バーバラの奴といい、本当に鬱陶しいわね…隙あらば私を捕まえてお祈りだの合唱だの…」
聖堂の横のベンチで、黒い修道服の女性がこんな時間から酒を飲みつつ槍を手入れしながら愚痴まで吐いている。
「あの人がジムリーダーかな…ひょっとしてまた変な人?」
「ちょっとお兄ちゃん聞いてきて!」
「う、うん。」
何となく近寄り難い雰囲気だったが、勇気を出して話しかける。
「何?祈祷がしたいだけなら、他のシスターに聞いて…ん、信徒じゃない?」
「ここのジムリーダーの人ですか…?」
「あら、そっちの仕事?それなら私よ。」
蛍とアンバーを手招きして丸サインを出す。
「ほんとにジムリーダーだったの!?」
「みたい。」
「そうよ。私はロサリア。私の朝の嗜みを邪魔したんだから、それなりに強いのよね?」
「あれ、もう午後じゃないか…?」
「夜は仕事忙しいから午前なんて皆まだ寝てるでしょ?起きたらまず酒を飲むわよね?」
「「あっ…」」
蛍とアンバーも、この人はやばいのではないかと気付いてしまった。
破戒僧ならぬ破戒シスターといった所か。
あと槍を持ってて夜に仕事する辺り、本職には暗殺者でもやっていそうだ。
ロサリアは酒を飲み干すと、渋々立ち上がって槍を戻してきた。
そしてそのまま、バトルコートに立つ。
「来なさい。」
覚悟を決めてボールを握り直し、仲間たちを見た。
「今回は僕から行く。良いよね…?」
「「もちろん!」」
蛍とアンバーの声がぴったり重なる。
僕はコートの上に立ち、一つ深呼吸した。
シードル湖の向こうにそびえるモンド城をバックに、ただのシスターでは無く、ジムリーダーとしてのロサリアと相対する。
風がふわりと吹いて、静寂が広がった。
それを壊すようにして、ここからでも聞こえる大きな鐘の音が鳴り響く。
まるで示し合わせたかのように、僕とロサリアはボールを取り出した。
「準備はもう良いのね。なら、行かせてもらうわ。」
ジムリーダーの ロサリアが、勝負を仕掛けてきた!
異色三連星:名乗りだけで約200文字を消費する問題児。ご存じR団の某三人組にソックリ…。ニャースはニャース以外のポケモンではキャラが立たなかった為そのまま採用となっている。
同名のキャラクター及び団体が実在の原神に居る場合がありますが、一切関係ありません。
蛍/空は、ポケットモンスター(アニメ)は知らないようだ。