【第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて…… 更新中!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった   作:初雪空

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室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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第13話 義妹を売ることで会員制クラブへ

 翌日の本川(ほんがわ)高校で、動きがあった。

 

 放課後になり、机の中に入っていたメモにあった、待ち合わせの場所へ……。

 

 けれど、人目につかない体育館の裏でゾロゾロと出てきたのは、いかにも不良の群れだ。

 

 不摂生をしていそうなギャルが、俺を見て笑う。

 

「アハハハ! 単純だね、こいつ! じゃ、あたしは帰るよ?」

 

 いかにも格闘技をやっていそうな男子が、それに答える。

 

「おう! あとは、俺らでやる……」

 

 ニヤニヤしながら、男子の壁を抜けていくギャル。

 

 彼女が通ったスペースを埋めた不良どもは、壁を背にした俺を半包囲してくる。

 

 けれど、ギャルに対応した男子を除いて、圧はない。

 

 いわゆる、マイルドヤンキーだ。

 街ですれ違っても、1人であれば不良と思わないだろう。

 

(今の特攻服って、パイセンからの伝統で成人式に着るぐらいだっけ?)

 

 俺は、ちょっと調べたのみ。

 

 正面から近づいた男子が、イキる。

 

「おめー、綾ノ瀬(あやのせ)の彼氏か?」

 

「違いますよ? 言われる心当たりは、転校初日で生徒会長に呼ばれて、クラスメイトの綾ノ瀬さんに案内してもらったぐらいっすけど」

 

 すぐに説明したら、不良のリーダーはキョトンとした。

 

「本当かぁ? 嘘だったら、顔面が腫れ上がるまで殴るぞ?」

 

 すると、取り巻きの1人が答える。

 

「こいつが生徒会室に行ったのは、本当だぜ? それ以降は、一緒に帰るわけでもねーし」

 

 取り巻きのほうへ振り向いたリーダーが、応じる。

 

「そうか……」

 

 向き直ったリーダーは、先ほどまでの圧を引っ込めた。

 

「綾ノ瀬は俺が狙っている女だから、覚えておけよ?」

「はい!」

 

 体育会系らしく答えたら、リーダーは頷いた。

 

「用は、そんだけ! もう帰っていいぞ?」

「お疲れ様です!」

 

 背中を向けながら片手を振ったリーダーは、のしのしと歩き去った。

 

 けれど、取り巻きの1人が残っている。

 

「何ですか?」

「あー、いや……。おめーの妹って、水鏡(すいきょう)アレーテだよな?」

 

「そうですけど?」

 

 モジモジしていた男子は、思い切って告げる。

 

「俺に紹介してくれ! ほら? さっきもフォローしてやったろ?」

 

 ああ、それで……。

 

「先輩! 俺も、いい女子と楽しみたいんですよ! 公園のトイレなんかじゃなくて……。ここら辺に、会員制のあるんでしょ?」

 

「お前、それどこで……。俺がアレーテちゃんと付き合えるまで、責任をもって助けるか?」

 

「会わせるのなら、いつでも」

 

 迷っていた男子は、やがて息を吐いた。

 

「わーった! 本当はダメだけど、てめーも巻き込んだほうが間違いないか! スマホを出しな?」

 

「はい、お願いします」

 

 自分のスマホを出した男子は、指で画面をさわりつつ、ニヤリとした。

 

「てめーは、運がいいよ! わりと面倒なうえ、招待されないと絶対にたどり着けないから」

 

 なに、そのアニメみたいな設定?

 

 心の中でツッコミを入れながら、自分のスマホを持っていたら――

 

 男子は、スマホの画面を向けてきた。

 

 そこには、複雑なマークがある。

 

「こいつをカメラで読みとれ」

「ハイ」

 

 言う通りにしたら、スマホがどこかのサイトへアクセスした。

 

 けれど、繋がらない。

 

「すみません、先輩! ダメみたいで……」

「このURLは自動的に変わっていくから、もう1回やるぞ?」

 

 今度は、成功した。

 

 飲食店のレビューサイトだ。

 

「今から言う通りに、操作しろ!」

「ハイ」

 

 いくつかの操作をしたら、“あなたのアカウントに不正を確認しました” という警告画面に。

 

「そのまま、1時間! 途中で画面をいじったら、パーだぞ?」

「ハイ」

 

 待っている間に、世間話。

 

「そういえば、うちの生徒会長もいい女では? 彼氏を締めなくて、いいんすか?」

 

 意味ありげに笑った男子は、返事をする。

 

炭八馬(すみやま)は、いいんだよ! ククク……。哀れすぎて、いじる気もねーし」

 

「はあ……」

 

 俺の生返事に、男子が予言する。

 

「行けば、分かる! ここで言うのは、勘弁してくれ」

 

 日が暮れた。

 

 部活動の掛け声も終わり、片付けの音。

 

 立ったままで話し続けていたら、俺のスマホが光った。

 

 正面で向かい合う男子が、声を上げる。

 

「来たか! あとは、俺のほうで手続きをして……。あん? 調子が悪いのか?」

 

 すると、俺のスマホに、いかにも自動生成のメッセージ。

 

「そこへ行きな! アレーテちゃんの件、忘れるんじゃねーぞ?」

 

「ありがとうございました!」

 

 男子は、立ち去った。

 

 スマホの画面で、スパムに触る。

 

 この街にある雑居ビルの名前と、日付のボックス。

 

(予約か?)

 

 明日になれば、綾ノ瀬奈々美(ななみ)が失踪する予定だ。

 

 今夜しかない。

 

 今日の日付を選ぶと、やがて表示が変わった。

 

“お越しいただいたら、詳しい説明をいたします”

 

 スマホを仕舞った俺は、ゲートで自宅へ。

 

 私服に着替えた後で、普通に雑居ビルへ向かった。

 

 商業エリアにある、住居兼用の事務所が多い場所。

 

 飾り気のない雑居ビルの入口で、インターホンで指定された番号を押した。

 

『はい……。本日の営業は終了しましたが?』

 

 俺が予約の画面を向けたら、インターホンの向こうで態度が変わる。

 

『失礼いたしました! では、お入りください』

 

 ガーッと、オートロックの扉が左右に開いた。

 

 閉まらないうちに、中へ入る。




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