【第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて…… 更新中!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった   作:初雪空

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室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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第16話 邪神の上位にいる眷属で囲めば、ようやく倒せるかどうか(後編)

 銃弾を食らいまくり、体の中身も見えたままで倒れた女子。

 

 顔の上半分を隠す仮面も銃弾に吹き飛ばされた水鏡(すいきょう)アレーテは、血だまりと自分の一部が散乱する場所で立ち上がる。

 

 逆再生をするかのように、元の姿へ戻っていく。

 

 服だけは戻らず、銃弾が通り抜けた穴を通して肌が見える……。

 

 銃やナイフを持っている男たちが、思わず後ずさった。

 

「ば、化け物……」

「聞いてねえぞ、こんなの!」

 

 SAN値チェックに失敗した奴らがパニックに陥る中で、まだ生きているリーダーが叫ぶ。

 

「落ち着け! ダメージは与えてんだ! 撃ちまくれば、そのうち死ぬ! こうやってな!」

 

 パァンッ!

 

 景気づけに撃てば、クリティカルなのか、素顔をさらしているアレーテの眉間に小さな穴を開ける。

 

 後ろにのけぞるも、途中で止まり、天井を向いていた顔が水平に戻った……。

 

 小さな穴は見る見るうちに閉じていき、可愛くも怒りを感じる表情だけに。

 

「ムダですわ……。そんな弾じゃ、どれだけ当ててもツボ押しぐらい! ハハハ!」

 

 口を開けて笑う姿は、銃撃で死んだ人の服だけ剥ぎ取り、小悪魔のような美少女に着せたようなミスマッチ。

 

 それでも、リーダーの勇姿に後押しされ、一部の奴らが銃口を向け――

 

 何も持っていないアレーテは、片手で1人を指差す。

 

 その瞬間に、伸びた人差し指に貫かれ、男は両手を下げたあとに倒れる。

 

 伸びた部分は黒い物体で、戻った時には普通の人さし指だ。

 

 たまたま目撃した男は、口が半開きに。

 

「なっ!?」

 

 ルビーのような目を輝かせたアレーテが、説明する。

 

「わたくしは、人間ではありません……。単純な物理攻撃で倒したければ、いずれかの神格に仕える上位の眷属で囲み、ひたすらに叩き続けなさい! それでも、殺せるかは怪しいところですが」

 

 アレーテが言ったことが真なら、水鏡(すいきょう)(さい)は彼女の一族を滅ぼしている。

 

 もはや戦意を失った若い男どもは、アレーテが振り抜いた片手による黒いブレードにより分割される。

 

「ひぃいいいいっ!」

 

 運よく生き残ったリーダーは、ドアから逃げようとするも、一瞬で追いついたアレーテに頭をつかまれた。

 

「質問です! あの禁書と同じものは、どこに?」

 

「し、知るか――」

 パンッ!

 

 アレーテが握っている拳銃で太ももを撃たれ、絶叫するリーダー。

 

「どこにありますの? 答えなさい」

 

 熱を持った銃口を押しつけられた肌が、ジュッと火傷した。

 

 ガタガタと震える、リーダー。

 

「お、お前が読んでいたのを別にすれば、ここを仕切っている兄貴の金庫だ! ……俺と組め! そうすりゃ、俺はクラブの支配人だし、テメエも禁書とやらを――」

 ボフッ!

 

 開いている口に拳銃を突っ込んだアレーテは、あっさりトリガーを引いた。

 

 リーダーは脳を撃たれ、どさりと崩れ落ちる。

 

 アレーテは、片手で持つ拳銃を床に投げ捨てた。

 

「才と合流しないと……。大喜びで突いていたら、邪魔しないほうがいいかも?」

 

 ぼやきながら、ドアを開けて内廊下へ。

 

 吐き気がするような血と臓物の臭いは、閉められたドアで密封される。

 

(さっきの奴らは、自分たちで楽しむつもりだった……)

 

 薄暗い廊下に見張りはおらず、繋がっているラウンジから女子の艶やかな声や笑い声。

 

 角で立っている黒服に、片手で自分の顔を隠しつつ、小さな声で話しかける。

 

「仮面をなくしました……。どこにありますか?」

 

 ジッと見た黒服は、ラウンジからの通路の1つを指差しつつ、同じように小声で命じる。

 

「あっちを進んだ先に、女用のレストルームがある。客に見られる前に、早く行け! っていうか、すげー臭いぞ?」

 

「ええ……。シャワーを浴びておきますわ」

 

 廊下より明るいラウンジの壁に沿うように小走りで、やがて入口と同じようなレストルームを見つけた。

 

 要望に応えるためのコスプレか、有名私立の制服もズラリとある。

 

 さすがに、コピーだと思われる。

 

 持ち主の名前はなく、貸出の手続きもなさそう。

 

(備品……ですわね?)

 

 下着やハンガーにかかっている制服を持ち、空いているシャワールームを使って血の臭いを洗い流しつつ、ボディソープなどで誤魔化す。

 

 改めて女子高生の姿となったアレーテは、顔の上半分を隠す仮面をつけた。

 

 薄暗い廊下に出て、まだ騒ぎになっていないことをチェック。

 

(ラウンジで女の品定めと、指名……。マスターの才も、来ているようですが)

 

 ともあれ、ここで棒立ちは目立ちすぎる。

 

 才の気配がするほうへ歩き出した。

 

(プレイルームは、別にあるはず)

 

 エレベーターの前にも、2人の黒服が立っていた。

 

 そのうちの1人が、アレーテを見る。

 

「何だ?」

 

「今日に初めて来た男子のお相手ですの! ここから行けます?」

 

 堂々と言い返したことで、その黒服は内線を使う。

 

「ちょっと待て! ……お疲れ様です! 今日のニューフェイスで男子はいますか? ホールのエレベーター前に、そいつの相手をするという女子が……。はい! 今から行かせますので! 失礼します!」

 

 手の空いている黒服が、エレベーターを呼び出す。

 

 内線の受話器を置いた黒服も、アレーテを見た。

 

「このエレベーターに乗れ! その男子がいるフロアーで開くから、そのまま降りればいい」

 

「助かりますわ!」

 

 エレベーターは、どこにでもある内装だ。

 

 女が移動するための専用か、広告はなく、代わりに注意事項の張り紙など。

 

 やがて、チーンッとお馴染みの音と共に止まり、左右の扉が引っ込む。




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