【第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて…… 更新中!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった   作:初雪空

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室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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第2話 エロゲのバッドエンドになりそうな妹を助けてくれ!

 怖いお兄さん達に、自宅が占拠された。

 

 拳銃を突きつけられ、このまま18禁の展開か!? と思いきや……。

 

「若、お気をつけください!」

「ああ、すまない」

 

 玄関から入ってきたのは、大学生ぐらいの男子だった。

 

 短い髪型だが、よく考えられた黒髪。

 

 それに、薄い青色、ペール・ブルーの瞳。

 

 上はジャケットだが、カジュアル寄りのセミフォーマルだ。

 

 知的な美形と言われそうな顔をした御曹司は、俺の前に立った。

 

「本当に、すまない……。オカルト探偵の君に依頼しに来たが、受けてくれなくても一連の費用はこちらで持つ」

 

「それは当然ですね……。とにかく、おかけください。あと……」

 

 振り向いた男子が、命じる。

 

「お前たちは、外に出ていろ! 取り上げた銃も、返すように」

 

 反論しようとした黒服だが、すぐに応じる。

 

「……承知しました」

 

 せめてもの抵抗か、俺のリボルバーをソファーの上に置いた。

 

 一部の黒服は、拳銃をホルスターに収める。

 

 それ以外は、俺を気にしながら、銃口を下げた拳銃を持ったままで廊下へ。

 

 バタンと、玄関ドアが閉じられた。

 

 見届けた男子は、置かれたリボルバーを手にとった。

 

「ダブルアクションだけの、ハンマーが内蔵されたタイプか……。大手メーカー製だが、自宅でこれかい?」

 

 銃口を横にしたままで、リボルバーが差し出された。

 

「どうも……。家の中でズボンの前に突っ込むホルスターや、肩に吊るすショルダーホルスターを身に着ける気はないです! ポケットに入れっぱなしで抜けるから、近所のコンビニに行くときも重宝しています」

 

 リボルバーを受け取りつつ、トリガーに指を触れないよう、誰にも当たらないほうへ銃口を向けたまま、すぐに掴めない位置へ置いた。

 

 俺と向き合うようにソファーに座った男子が、苦笑する。

 

「それはそうだ……。最初に、自己紹介をしよう」

 

 出されたIDには、こいつの顔写真と、綾ノ瀬(あやのせ)一京(いっきょう)という名前。

 

「今は、大学生と会社経営を両立させている……。依頼したいのは、妹の発見と救出だ」

 

 IDを仕舞いつつの発言に、俺は眉をひそめた。

 

「警察に言ってください……。綾ノ瀬だったら、さっきの奴らのように私兵もいるでしょう?」

 

 頷いた一京は、自分に言い聞かせるように説明。

 

「その通りだが……。妹の綾ノ瀬奈々美(ななみ)がいるのは、観察特区の外にある高校でね? いくら綾ノ瀬でも、強引に動けない」

 

「待ってください! 話が見えません」

 

 再び頷いた一京は、スマホで1枚の写真を見せてきた。

 

 兄妹らしく同じ黒髪だが、こちらはストレートのロング。

 

 美人と呼べる顔にあるペール・ブルーの瞳は、俺を見ている。

 

 微笑んだまま。

 

(正確には、これを撮影した兄に……)

 

 見惚れていたら、一京が話す。

 

「奈々美は、特区にある魔法学校で首席だ! しかし、本川(ほんがわ)高校に潜入したきり、音信不通になった……。妹は、正義感が強くてな? 魔法学校で騙されて、単身の潜入捜査に行ったようだ! 俺はちょうど海外に行っていて、帰国後に知らされたよ」

 

「騙した奴らは?」

 

 意味ありげに微笑んだ一京は、事もなげに言う。

 

「どいつも、しっかり分からせた! 魔法犯罪を取り締まる綾ノ瀬が、よっぽど目障りだったようでな? 奈々美を焚きつけて、本川高校へ編入させた。どうも、その高校では行方不明になる生徒が続出しているようで……」

 

 断りを入れて、スマホで検索する。

 

“本川高校で、11名の生徒が失踪! 警視庁は校内への立ち入り調査を求めており――”

 

 顔を上げて、一京を見る。

 

「俺に、潜入捜査をしろと?」

 

「そうだ! 正直に申告するが、大手の探偵事務所などに依頼した後なんだ」

 

 緊張した俺は、おずおずと尋ねる。

 

「どうなりました?」

 

 首を横に振った一京が、言い捨てる。

 

「1人は、そこの女子との淫行で逮捕された。別の1人も、同様で……。ならばと、高校生に見える女を送り込んだが……」

 

「だが?」

 

「やはり音信不通になった挙句、成金が集まっているタワマンの乱交パーティーに参加していた! ついに、全ての調査が打ち切られたわけだ」

 

 うつむいた一京は、意気消沈。

 

 片手で前髪をかきあげるように、自分の顔を覆った。

 

「今ごろ、奈々美も……。くそっ! 俺が目を離さなければ!」

 

「手段を選ばなくて良ければ、俺が行きます」

 

 一京は、顔を上げた。

 

水鏡(すいきょう)くん?」

 

 それを見たままで、告げる。

 

「最善は尽くします! けれど、今の時点で手遅れの可能性もあります……。それに、本川高校の犠牲がどれだけになるかも、お約束できません」

 

 立ち上がった一京は、力強く頷いた。

 

「分かった! いくらかかっても、構わない! 妹を……奈々美を助けてくれ! お願いだ! 本川高校への編入は、すぐに手配する」

 

「ああ、そうだ! 俺の他に、女子1人分の学籍もお願いします」

 

 首をかしげた一京が、尋ねる。

 

「君の……何だ?」

 

「この探偵事務所にいる所員で……。荒事にも向いていますから」

 

 反対しかけた一京は、首を振った。

 

「そうか! 時間が惜しい。男女の2人で、本川高校の編入手続きを急ごう」




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