【第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて…… 更新中!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった   作:初雪空

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室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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第29話 名探偵の俺は、美少女と同居の謎を解く!

 俺は、宅配のように届けられた料理が並ぶテーブルで女子2人と食事。

 

 いつの間にか運び込まれていた、俺の家財道具。

 

 高級住宅が並ぶエリアとあって、注文住宅は家族で住める広さ。

 

 非常に動きやすく、導線を考えていることを伺える。

 

(気づいたら、義妹の水鏡(すいきょう)アレーテはともかく、綾ノ瀬(あやのせ)奈々美(ななみ)との同居か……)

 

 それぞれに広い個室があり、奈々美の部屋のドアには、“奈々美” と可愛らしい文字のルームプレートがある。

 

 案内してくれた奈々美は、中に入れてくれたうえ、笑顔でどこに何があるのかを教えてくれた。

 

『(ゴムは)常備していないから、(さい)くんに用意してもらえれば……』

 

 そのときに横で立っていたアレーテを見るも、何もない場所を見ているネコみたいな顔で黙ったまま。

 

 悪霊でも、いたのだろうか?

 

 生活感がない、俺の部屋。

 

 人を使う立場になっても使えそうなデザインの学習デスクで、高そうな椅子に座る。

 

(まずは、目星だ!)

 

 壁の天井近くに、空調がある。

 家庭用で、見た目からはランクが分からない。

 

 パッと見では、新品のようだ。

 

 アレーテは渋ったが、彼女の部屋も見た。

 

 俺と似たような間取りで、女子らしいパステルカラーが目立つ。

 

 これから同居するため、俺たちは名前呼びに……。

 

(奈々美との生活……。仮にも探偵である俺には、分かる!)

 

 彼女は、困っているのだ。

 

 案内されている間も、俺が近くによると、立ったままでモジモジし始めて、呼吸も荒くなり、ほおが赤くなった。

 

 腰をくねらせている姿は、妙にエロい。

 

 すぐにアレーテが割り込んで、俺を遠ざけていたが――

 

(ストーカーでもいるのか?)

 

 常識的に考えて、自分の妹と同年代の男子を同居させるわけがない。

 

 俺が探偵であることに、目をつけたのだろう。

 

(高級住宅街らしく、ここにもセンサーの警報装置やらが……)

 

 考えても分からないことから、用意した覚えのないベッドで横になる。

 

 やがて、風呂に入ろうと思い立つ。

 

(注文住宅でも、さすがに2つは作らんよな?)

 

 中庭を含めた露天っぽい檜風呂や、水流ジェットがある風呂はあっても、2つは意味分からん。

 

 二世帯住宅なら、ともかく……。

 

 しかし、女子2人との同居だと、風呂の順番すら気遣う。

 

(えっと……。まだ、話していなかったよな?)

 

 俺は一体、どうしたらいいんだ!?

 

 とりあえず、アレーテの部屋に行く。

 

 コンコンコン

 

『……はい?』

 

「俺だけど、風呂の順番ってどうする? 先か後か」

 

 ゴソゴソとする音。

 

『奈々美は、気にしないと言っていました! わたくしは、今更ですわ』

 

「そうか! じゃ、空いていたら入ればいいと」

 

 廊下を立ち去ろうとしたら、アレーテの声。

 

『才! 湯船が汚れるから、盛り上がったら部屋に行ってくださいまし!』

 

「何の話?」

 

 けれど、アレーテの返事はなし。

 

 首をひねりつつ、自室へ戻り、お風呂セットを濡れてもいいプラ籠で持ち出す。

 

 脱衣所のドアは、少しだけ開いていた。

 

 光が漏れている。

 

 ノックをするも、返事はない。

 

 ドアを開けた。

 

 タオルなどが積まれていて、洗面所もある。

 

(ふむ……)

 

 風呂があるほうにも、明かり。

 

「奈々美? ……いるのか?」

 

 そちらのドアも、少しだけ開いていた。

 

 返事はない。

 

(消し忘れ?)

 

 奈々美の性格で、そういったことは考えにくいが……。

 

(ま、いいか!)

 

 返事がないことから、先に歯を磨く。

 

(魔法学校か……。魔術師が魔法を学ぶって、何のギャグだ?)

 

 魔術を教えてくれ、と言われた日には、どいつも正気を失って発狂するし、大被害になる。

 

 さて、風呂に入るか、と思い、服を脱ぐ――

 

 俺は、衣服を置いておくのにぴったりの棚の前で、固まった。

 

 明らかに女子の服が置いてあったからだ。

 

 その上には、薄いピンク色のレースも。

 

 ご丁寧に、広げた状態で上下がちょこんと……。

 

(あれ? ひょっとして、今は奈々美が!?)

 

 気配を殺しつつ、急いで脱衣所から廊下へ戻ろうと――

 

「あ! 才くんも入るんですか?」

 

 風呂場のドアから顔を出した奈々美が、こちらに話しかけた。

 

「悪い、気づかなかった!」

「……私、お風呂のドアをぴったり閉じていると怖くて。これからも少しだけ開けますが、気にしないで洗面所を利用してくださいね?」

 

「あ、ああ……」

 

 顔を引っ込めた奈々美が、風呂場で水音を立て始めた。

 

(ん? さっきは物音がなかったような……)

 

 探偵らしく考え始めた俺に、また顔を覗かせた奈々美。

 

「あの! それは、戻しておいてもらえると……」

 

 ポタポタと水滴が落ちている奈々美は、恥ずかしそうに微笑んだあとで、ひょいと引っ込む。

 

 俺が自分の右手を見ると、奈々美の大事なところを隠すものが握られていた。

 

 汗をかきつつ、彼女の服が重なっている上に置く。

 

 思い出したように、声をかける。

 

「お前が悩んでいるようなら、すぐに解決してやるぞ?」

『えっ!?』

 

 ガタンッ

 

 物を落とす音に、びっくりした奈々美の気配。

 

『えっと……。とても嬉しいのですが……。心の準備が……。それに、アレーテさんの部屋まで響きますから』

 

「そんなに危険(な相手)か?」

 

『え、ええ……。せめて、(邪魔されずに気兼ねなくという意味で)アレーテさんがいないタイミングのほうが』

 

「分かった」

 

 脱衣所に立っていても仕方ないから、部屋に戻った。

 

 いつになったら、奈々美を狙う犯人が出てくるだろうか?




過去作は、こちらです!
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