【第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて…… 更新中!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった 作:初雪空
魔法学校の生徒会室。
広くて、窓際の役員机が生徒会長の席になっているようだ。
他のメンバーが仕事をするための端末と椅子もある。
会議をするためか、海外のオシャレな企業か意識高い系のベンチャーにありそうなテーブルとそれを囲む椅子。
自分の席の前にある椅子に座った生徒会長が、俺たちを見る。
「全員、自由に座りたまえ……。
童顔で姫カットの女子が、ペコリと頭を下げた。
「わ、分かりました!」
パタパタと動き出した女子は、壁際にある給湯室のような電気ポットや水道を使う。
俺たち3人が固まって座れば、その左右を空けるように残りが座った。
泉という女子に紙コップを置かれつつ、上座のメガネ生徒会長がテーブルに両肘をついたままで自己紹介。
「私は、魔法学校の3年で生徒会長の
彼に人望があるのか、恐れられているのか、正門で絡んできた男女は息を潜めたまま。
全体をチラリと見た良高は、俺と
「西洋の魔術を見るのは、私も初めてだ……。秘匿するべき原則は同じだろうから、『ここで披露しろ』『証明しろ』とは言わない」
「どうも」
「……ご理解いただき、幸いですわ」
俺とアレーテの返事に、良高は頷いた。
次に、俺たちを追い返そうとした連中に告げる。
「この兄妹については、私が色々とチェックした……。そこにいる
俺に詰め寄った男子が、耐えきれなかったように返事。
「そう……ですか、申し訳ありません」
座ったままで頭を下げた、男子。
首肯した良高は、指摘する。
「謝る相手が、違うだろう?」
「……生徒会長が言うなら認めますが、謝る気はないです」
絡んできた男子は、不貞腐れたように言い捨てた。
すると、生徒会長のお付きのように座っていた男子が言う。
「若さまに逆らうのか?」
「……落ち着け、
短い黒髪でスポーツ系だが、線の細い男子は、その命令でとまる。
「失礼しました」
「水鏡の兄妹に説明しておこう! 彼は、風紀委員会にいる1年の
俺のほうを見た男子は、自己紹介。
「土御門渡だ! よろしくな?」
「水鏡
「同じく、水鏡アレーテですわ」
少しだけ、和やかになった。
しかし、蚊帳の外にされた男子がバンッと叩きつつ、立ち上がる。
「こ、こいつは、綾ノ瀬さんと同棲しているんですよ!?」
男子の叫びで、生徒会室にいた全員が、それが本音か! と心の中で突っ込んだ気配。
すると、黙っていた女子の1人が、こちらを向いた。
「私たちで黙らせたら、しこりになるわ! いったん、戦わせてみたら?」
落ち着いた声だ。
俺のほうを見た女子は、長い茶髪ロングと、アクアマリンのような青色の瞳。
お姉さん系だ。
「生徒会の副会長、3年の
「はい」
「……夢咲先輩? 先ほど、会長が『手の内は秘匿するもの』と言ったばかりでは?」
アレーテは、敵意のある声。
緊迫した空気に包まれたが、当の本人は肩をすくめただけ。
「まあ、できる範囲で……。ダメ?」
暖簾に腕押しで、アレーテは俺を見た。
「才?」
「……先輩方が見てくれるなら、逆に安全だろう! 手段は?」
パンッと手を叩いたアリアは、笑顔で告げる。
「そうね……。言い出した男子と水鏡の兄のほうが戦う。異能を使うけど、相手の命を奪ったり、後遺症が残ったりする攻撃は不可! どうかしら?」
困惑した綾ノ瀬
「お言葉ですが……。そんな都合よく――」
「ボクは、それで構いません! お前が負けたら、すぐに綾ノ瀬さんの自宅から出て行け!」
勝手なことを言い出した男子――確か、
「これ、どうしたらいいんですか?」
ため息をついた良高は、首を振った。
「やむを得まい……。君のデビュー戦といこう! 綾ノ瀬くんの自宅から出て行くかは別として」
――トレーニングルーム
防音クッションを思わせる凹凸があるパッドのような物体に四方を覆われた、長方形の部屋。
魔法を使ったことでの被害を防ぐため、らしい。
ブレザーの上着を脱いで、水鏡アレーテに渡した。
「どうしますの?」
「どーしたもんかねー?」
選択肢が多すぎて、逆に困る。
しかし、相手を殺さず、狂わせず、後遺症も与えず……。
編入した直後にボッチとなるか、排斥されるような手段もNG。
煽った夢咲アリアは、離れた壁際にある観覧席でワクワクしている。
(いい気なもんだ!)
目が合って、手を振られた。
会釈して、視線を外す。
(この模擬戦は、モニターで見学できるか……。下手すりゃ、全校生徒が見ていると)
俺は、ひたすらに考えた。