【第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて…… 更新中!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった   作:初雪空

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室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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第43話 俺は、地雷系の女に好かれることに定評がある

 警備室で、最後の確認。

 

 “最重要エリア”

 

 俺たちが入れられていた独房と同じ、個室タイプの拘置所みたいな部屋が並ぶ。

 

 危険度に応じた隔離のようで、俺たちの独房が密集しているエリアから廊下を戻って、この警備室から別の廊下を進んだ先にある。

 

 当たり前だが、この警備室から全体を見回しやすく、必ず通るように設計されているのだ。

 

 各エリアの閉鎖、オープンの操作も、ここで遠隔。

 

 システムを弄っているメティスが、不安そうに、俺を見上げた。

 

「ここは、どうする? 正直、関わりたくないけど……」

 

「そのエリアの映像を一覧にしてから、俺に渡してくれ! 見ただけでヤバい可能性があるから、そのタブレットとかで」

 

「分かった……。とりあえず、画面を一括で閉じるボタンも教えておくから」

 

 言いながら操作したメティスが、危険物を扱うように、視線をそらしたまま、俺に差し出した。

 

「はい、ありがと……」

 

 ケーブルで警備コンソールと接続した、タブレットのような端末。

 

 それを受け取り、両手で持った。

 

 4つぐらいの分割画面になっていて、中にある監視カメラの映像。

 

 リアルタイムのようで、現在時刻と、中の様子をチェックできる。

 

(A室は、魔法少女……)

 

 斜め上から見下ろす画面にいるのは、ピンク色の長髪が特徴的な少女だった。

 

 俺の視線を感じたのか、こちらを見上げる。

 

 ピンク色の瞳と、カメラを通して、視線が絡み合う。

 

(童顔だが……女子高生か?)

 

 その時、ニッコリした彼女が、口を開いた。

 

 音声はないものの、読唇術で――

 

『み・つ・け・た!』

 

 満面の笑みだが、氷の中に突っ込まれたような寒気を感じた。

 

 口を閉じた彼女は、スッと立ち上がり、光に包まれたと思ったら、白をベースにピンク色で縁取りした制服のような服装へ。

 

 片腕を床と水平にした後で、光が出口のドアらしき方向へ――

 

(よーし、次はB室を見るか!)

 

 かすかに揺れている床を無視してて――

 

(ヒッ!)

 

 画面いっぱいに、20歳ぐらいの美女の顔のドアップ。

 

 知的な感じで、白い顔だが……その2つの目は黒で塗り潰されている。

 

 だが、目をくりぬかれているわけではない。

 

 スッと降りた彼女は、監視カメラを見上げたまま、上品に微笑んだ。

 

 姫のように両手を正面で組み、監視カメラを見上げたまま、首をかしげる。

 

 また、口パク。

 

『あなたに……加護を』

 

 死神かな?

 

 はい、次!

 

 C室は、インコのような鳥が木に止まっている。

 

 やはり、監視カメラを見上げつつ、円を描くように頭を動かし続けた。

 

 リズムがいい。

 

 D室は、まさに化け物だった……。

 

 画面を閉じるボタンを触った俺は、メティスに端末を返した。

 

「やはり、こちらは近づかないほうがいい! では、このブロックを探索する」

 

 揺れが2種類あるように思えるのは、気のせいだ。

 

 

 ◇

 

 

 このブロックは、警備室から伸びている通路の左右にセル、つまり独房がある。

 

 別のブロックへ移動できる隔壁も見つけたが、あえて開かない。

 

 俺たちを解剖するためか、手術台と上にお馴染みのライトがある部屋。

 

 研究者のためのデスクが集まっている、事務室も。

 

 マリナとメティスが動き出し、置かれたままの端末による情報収集へ。

 

 カタカタという、キーボードの音をBGMに、俺は全体を見て回る。

 

 手持ち無沙汰のケンイチは、気があるのか、マリナの背後からモニターを覗き込んでいる。

 

「気が散るんだけど?」

「……そ、そう言うなよ!」

 

 座っているメティスに近づいたら、プログラムらしき構文が凄まじい勢いで上から下へ流れていき、たまに止まったかと思えば、彼女が手動で打ち込むか呼び出しての再実行。

 

 視線を自分の端末に落としたまま、メティスが文句を言う。

 

「ここから脱出するための偽装や、あとで売るための情報を集めています。集中させてください!」

 

「悪い」

 

 ついに追っ払われたケンイチの代わりに、マリナの傍へ。

 

「どうだ? ここの被験者について、分かったか?」

 

「ええ! CYP(シトクロムP450)酵素による活性化が……何の用?」

 

 専門用語と化学式、グラフなどの図形で埋め尽くされている資料から、マリナがこちらを見た。

 

「メティスは、逃げ出した後に売りさばくデータを集めている! お前も、そうなんだろ?」

 

「そうね! 脱出できなければ、この銃をくわえてトリガーを引いたほうがいいだろうし。逃げ出したら、それに見合った報酬が欲しいわ!」

 

「マリナの視点で、ここの実験はどうだ?」

 

 肩をすくめた彼女は、集めた資料を流し読みしつつ、意見を述べる。

 

「意図した受容体以外にも作用するオフターゲットが多すぎる! 実験体をそのまま廃棄する前提にしたって、雑なやり方よ?」

 

「医学部中退のわりに、ずいぶんと薬物に詳しいな?」

 

 雰囲気を固くしたマリナは、非難がましい目つきに。

 

「あなたが言えと、言ったのよ!? 医者が処方箋を書くのだし、中退とはいえ成績は問題なかったわ! 研究レポートなら、読めば分かる」

 

「すまない……。サンプルやデータの持ち出しは、必要か?」

 

 息を吐いたマリナが、笑顔を作る。

 

「私こそ、ごめんなさい! できるだけ、持ち出したいわ」

 

「マリナ? もし医学や薬学であり得ない現象を確認したら、すぐ俺に言え! その瞬間に当座の問題は解決する」

 

 困惑した彼女は、それでも頷く。

 

「え、ええ……。そうする……」

 

 ちなみに、怪異や魔術的な要因を確認した場合、こちらも遠慮しない。

 

 比例原則だからな?




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