【第三章 滅んでしまった未来に愛を込めて…… 更新中!】宇宙の神秘を詰め込まれてオカルト探偵になった 作:初雪空
(オープンにして彼女たちと協力するか、それとも……)
アレーテは少し悩んだ後で、論点をそらす。
「
肩透かしの『あいか』は、ふうっと息を吐いた。
「ええ、そうよ! 1年4組にいる綾ノ瀬
「そうですか、そうですか……。フフフ!」
嬉しそうなアレーテに、怪訝そうな顔をする
さすがに、生徒会長の百合はムッとした。
「
不謹慎だと、言わんばかり。
片手を上げたアレーテは、すぐに謝る。
「ごめんなさい! そうね、遊びじゃない……。わたくしは、綾ノ瀬さんと会ってみますわ!」
ここで、あいかが気を遣う。
「水鏡さんは、気分が悪くないかしら? 女子には、刺激が強い話だから……」
「いえ、大丈夫ですわ! 今後も情報交換はしましょう? 暗くなる前に帰りたいから、そろそろ失礼します」
息を吐いた『あいか』は、妥協する。
「こまめに報告してちょうだい! 寄り道をせず、帰ったほうがいいわよ?」
「ご心配なく……。ところで、生徒会長?」
立ち上がったアレーテは、自分のスマホで1枚の写真を見せた。
「どう思います?」
しげしげと写真を見つめた百合が、呟く。
「……仲がいいわね! これが、どうしたの?」
ニマッと笑ったアレーテは、スマホを引っ込めた。
「いえ、わたくしの彼氏ですわ!」
「そう……。私にも、彼氏がいるわよ? いつも一緒に――」
「古波津さん! 何を見たの?」
あいかが、焦った様子で訊ねてきた。
そちらを向いた百合は、事もなげに答える。
「水鏡さんの彼氏との写真です! えっと、何か?」
「それなら、いいの……」
あいかは、自分に見せないのか? という視線。
アレーテは、そのプレッシャーをはねのける。
「女子同士の秘密ですわ! 先生にも……」
「分かった! 浅岡先生には、黙っておく!」
わざとらしい会話に、あいかが文句を言う。
「2人とも! ハアッ……」
コンコンコン
『あの! 3年の
「来た来た! 入って!」
百合の嬉しそうな声に、生徒会室の引き戸が横へ動いた。
女3人に見られた炭八馬はビクッとするも、奥にいる百合が駆け寄ったことで笑顔に。
「や、やあ!」
「いつも、悪いわね? じゃ、私も帰りますので!」
肩をすくめた『あいか』は、許可する。
「戸締りは、やっておくわ! そうそう、古波津さんにはまた生徒会の仕事があるから……。メッセージで連絡する」
「ハーイ! 行こう、
「う、うん……。失礼します!」
初々しいカップルは、横に並び、腕を組みながら立ち去った。
立っているアレーテが、あいかに向き直る。
「戸締りは?」
「……私がやっておくわ! あなたは、もう帰りなさい」
下校するアレーテは、歩きながらスマホを見た。
先ほど、古波津百合に見せた写真は――
アレーテが冗談半分で自撮りした、いかにもベッドで終わった直後というシチュでの年齢制限がつきそうな構図。
自宅のベッドでまだ寝ている水鏡
(何の含みもなかった……)
思春期の女子、それも生徒会長であるのに……。
写真からアイコン画面に切り替えつつ、スマホを仕舞った。
(冷静を装ったにしても、わたくしの心配をするか、せめてゴムを使えと説教するはず! 言い方は別として)
でなければ、不自然すぎる。
アレーテが見聞きした範囲では、あの生徒会長は優等生だ。
悪い噂もなく、売りなんて論外。
直接会った感想としても、同じ。
(気になるのは、あの男子がとても釣り合わないこと……)
炭八馬佳守は、典型的な陰キャだ。
オドオドしていて、がり勉で成績は上という感じだが、忙しい部活に明け暮れながら要領よく勉強する男子とは全く別。
(覇気がなさすぎる……。彼女ができても、文系のマイナーな部活でよく話す陰キャの女子ぐらい? 容姿は、中の中がせいぜい)
それ以上の美人なら、目立ったことで陽キャに口説かれて終わるだけ。
陰キャにチャンスはない。
百合は
(美貌と覇気がある! 生徒会室に来るけど、女子をリードしていない炭八馬にはもったいない)
そして、アレーテの中に出されたような写真への態度。
(これで、だいたい分かりましたわ! 綾ノ瀬奈々美に接触しないと……)
奈々美を回収すれば、依頼は達成だ。
水鏡才にも、本川高校の犠牲は問わないと言われた。
先行したエージェントの成果としては、十分すぎる。
(あとは……失踪した11名の内訳ぐらい?)
最寄り駅に辿り着いたアレーテは、再びスマホを取り出し、アプリを起動。
改札の一部に画面を押し当てることで、そのまま通る。