ブルーアーカイブ ポケットの中の戦争   作:龍角散ガム

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ブルアカ要素どこ・・・・・・??


Beginning

 

 

人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、半世紀が過ぎていた。地球のまわりの巨大な人口都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。

 

宇宙進出は、人類の新たなる進化の証だ。

だが、地球連邦軍の奴らはそれを認めなかった。

 

俺たち“スペースノイド”が新たな時代を切り拓こうとしているにもかかわらず、地球にしがみついた連中、地球連邦政府は、その考え方を改めようとしなかった。

 

彼らは地球という母なる星に居座り、権力を振りかざし続けていた。まるで、地球の重力に魂を縛られているかのように。

 

だが正直なところ、俺にとってはどうでもよかった。

ジオンがどうだとか、連邦がどうだとか、そんなことはどうでもよかったのだ。

ただ生きて、ご飯を食べて、眠る。

それだけで、俺はよかったのだ。

 

だが、あの人の存在が、俺の中の何かを変えてしまった。

 

 

“赤い彗星 シャア・アズナブル”

 

 

次々に連邦のモビルスーツを撃墜し、ジオンの力を高めていく。

その姿はまるで、子どもの頃に夢見たヒーローのようだった。

 

「俺もあんな風になりたい」

 

そう思うのに、時間はかからなかった。

 

スクールを卒業した俺は、迷うことなくジオン軍への入隊を志願した。

厳しい訓練を経て、銃を扱えるようになり、ついにはモビルスーツの搭乗許可を得た。

 

そして迎えた初めての戦場、“ルナツー侵攻作戦”。

上官は「圧勝だ」と言っていた。だが、現実は違った。

 

連邦軍の戦力は未だ健在で、俺の部隊は次々と撃墜されていった。

無線越しに響くのは、仲間たちの断末魔。

冷や汗が背筋を伝い、恐怖だけが心を支配していく。

 

また一人、仲間がやられた。

 

だがその機体は爆発せず、宇宙の暗闇の中で静かに漂っていた。

もしかしたら、生きているかもしれない。

 

俺はすぐに通信を試みた。

 

——繋がった。

サブモニターに、仲間の機体内部の映像が映し出される。

 

だがそこに、仲間の姿はなかった。

 

映し出されているのは、無重力の空間に浮かぶ血の雫と、ピンク色の“ナニか”。

それらが静かに、無音の闇を漂っていた。

 

強烈な吐き気が俺を襲い、胃の中が逆流する嫌な感覚で溢れかえった。

そして、その後の記憶はあまりない。

 

 

「死にたくない」

 

 

その思いだけで、がむしゃらにザクを操った。

気がついたとき、ルナツーはビグ・ザム軍隊の制圧下にあった。

作戦は終わったのだ。

 

帰還後、母艦の司令室で上官から労いの言葉をかけられた。

 

 

「撃墜数2。お前の戦果だ」

 

 

その数字は、俺が殺した“人の数”でもあった。

実感はなかった。

あのコクピットの映像すら、ゲームや夢の中の出来事のように思えた。

 

だが、時間が経つにつれてその現実がじわじわと心に染み込んでくる。

鈍く、重く、身体の奥底から蝕んでいくように。

 

 

「俺は、人を殺したんだ」

 

 

冷たく静かな痛みだけが、俺の心の奥に大きな傷跡を残した。

 

 

 

 

 

 

 

それからの俺は、上司の命令に従うだけのただの“駒”になった。

 

命じられればモビルスーツに乗り、敵機と交戦し、時には白兵戦に身を投じる。

大義もなく、理想もなく、ただ戦場に自分の身を投げ続けていた。

 

与えられる任務は、どれも重要とは言えなかった。

反ジオン派のレジスタンスを鎮圧するだけの、ありふれた任務。

 

前線で仲間が戦うその背後で、逃げ惑う人を撃つ。

それだけの簡単な仕事だった。

 

 

——簡単な、仕事?

 

 

そんなはずがない。

 

人の命を奪っているんだ。

それがどうして簡単な仕事で終わるのだ。

 

だが、それでも。

その時の俺には、思考する余裕すら残されていなかった。

 

 

「死にたくない」

 

 

それだけが俺の全てだった。

 

ああ、いつから俺は道を踏み外してしまったのだろうか。

子供の頃に夢見た“ヒーロー”とは、こんな姿だったか?

俺は自身への問いに答えることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

そんなある日、上司から一つの命令が下った。

 

『失踪したシャア・アズナブルの捜索任務』

 

俺がルナツーで戦っていた裏で、シャアは、赤いガンダムと共に忽然と姿を消したらしい。

 

本来ならその名を聞けば胸が高鳴るはずだった。

けれど、俺はそれすら感じる余裕はなかった。

心はすり減り、感情は磨耗していた。

もう、何を思うこともできないほどに。

 

——それでも。

わずかに残っていた意志が、胸の奥で囁いた。

 

——これはチャンスだ、と。

 

俺の人生を変えた張本人。

だが、再び彼を追うことによって、たとえ彼を見つけられなかったとしても、もう一度自分を変えることができるのではないか。

 

そんな一筋の希望が、心の奥に灯った。

だから俺は、その任務を選んだのだ。

 

そして時は流れ、宇宙世紀0083年。

シャア大佐を探していた俺の前に、あり得ない光景が広がった。

 

目の前の空間が、歪んだのだ。

空間が裂け、そこから鮮やかなピンク色の光がじわじわと漏れ出し、やがて一気に拡がっていく。

そして、俺に抵抗する猶予も与えず、その光は俺を包み込んだ。

 

身体が引き裂かれるような感覚。

思考が崩れていくような浮遊感。

 

何もわからないまま、俺の意識は闇の中へと沈んでいった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「……っ、ここは……?」

 

 

知らない天井が、そこにあった。

 

ぼんやりとした視界のなか、アルコールと薬品の混ざり合った匂いが鼻をつく。

それは過去の戦場の記憶を呼び起こし、胸の奥がざわついた。

 

ここはおそらく医務室だ。

だが、どこの、誰の?

 

痛む身体を無理やり起こし、周囲を見渡す。

部屋には誰の姿もなく、隣の小机には俺のパイロットスーツが丁寧に畳まれて置かれていた。

意識が徐々に覚醒し、断片的な記憶が脳裏に戻ってくる。

 

 

「そうだ・・・確か俺は、アリスを手榴弾から守って・・・それで・・・・・・」

 

 

言葉にした瞬間、背中がズキリと疼いた。

 

それと同時に、医務室の扉が静かに開く音が響いた。

 

俺は反射的にそちらへ目を向ける。

身体にはまだ力が入らないが、それでも警戒心は抜かない。

 

現れたのは一人の男だった。

 

スーツを着てはいるが、まだ着慣れていないような違和感のある佇まい。

年齢は若い。だがその目、その瞳の奥に宿る光だけは、年齢以上のものを感じさせた。

 

数々の困難を乗り越えてきた者だけが持つ、強く、静かな意志。

俺が今まで見たことのないほど、その目から強い光を放っていた。

 

男は俺を見つけるなり、安堵の表情を浮かべた。

 

 

“よかった、目が覚めたんですね!”

 

 

優しい声だった。

全てを包み込むような柔らかい声。

戦場で聞き慣れた鋭さや怒号とはまるで違う、穏やかな声だった。

それでも、俺はすぐに気を緩めることはできなかった。

 

 

「……アンタは?」

 

 

男は一瞬、はっとしたように微笑んだ。

 

 

“ああ、すみません。あなたが無事だったことが嬉しくて、自己紹介を忘れていました”

 

 

そう言って、男は一歩こちらに近づき、ゆっくりと俺に手を差し伸べてきた。

 

 

“私はシャーレの先生です。よろしくお願いします!”

 

 

 




最後にシャーレの先生が出てきたで
ほなブルアカ小説か

【定期】モチベに繋がりますので引き続き感想・高評価をお願いします!!
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