オイオイオイ、死んだわこの世界 作:あいうえお
「………んん」
置時計のアラームが耳に痛いほど鳴り響き、窓から差し込む日の光の眩しさで目を覚ます朝の時間。
寝ぼけ眼を擦りながら体を起こし、欠伸をひとつ。
体を伸ばせば背骨あたりからパキッと音が鳴る。
そうして、いつものよう辺りを見渡し部屋全体を眺め、頬を抓れば──
「──痛い」
今日も今日とてこの状況が夢じゃないことを実感した。
まずは準備をしよう。
"子供用の服"に着替え、"ランドセル"を準備。
部屋は2階なため、部屋を出て階段を降りれば朝食の匂いが鼻へと漂ってきた。
そうしてリビングに入れば、そこに居たのはもはや見なれた両親。
朝の挨拶を交わし、手にしたランドセルは隅に。
テーブルを囲むように座れば出てくる朝ごはん。
親と会話をしながらの朝食タイム。
食べ終われば洗面台へ行き、歯を磨くなり顔を洗うなりの身支度。
洗面台にある鏡を見れば小学生の体躯の少年が眠たそうな顔のまま目が合った。
唐突だけども自己紹介をしよう。
俺の名前は
"らいむ"って名前女の子みたいって?これでもれっきとした男の子だし気に入ってる名前だからあんまりそんな事言わないで。
前世の死因はなんだったか、もはや覚えてない。ただ漠然と俺には前世があるということだけが頭の中にある。
気がついたら赤ん坊で、感覚としては夢から覚めたみたいな感じ。意識がある中の授乳とかはほんとにしんどかった。羞恥と虚無感が襲ってきてもはや無我の境地に達したまであるね。
とはいえ、転生したからと言って特別な何かはない。
まるで普通の世界で普通の生活。
デジャブを感じる授業を受け、友人と遊び家では家族と談笑してゲームとかする至って普通の日常を送ってる。
ただ不満点はせっかく転生したんだし、よくあるイケメンモテモテちやほや生活を送りたかった。
鏡に映るのはTheフツメン。
ショタという圧倒的プラス要素をもってしても、"あ、こいつフツメンやな"とか思うほどの特徴のない顔。前世と変わらないね。多分。
朧気だけど前世でも女性関係のあーだこーだなかったし今世でもそうなることが確定してるなこれは。なんだか泣けてきた。
身支度も終え、今日も今日とて始まる1日。
意気揚々……とまではいかなくとも懐かしさを感じる小学生生活にルンルン気分で家を出た。
この時はまだ知らなかった。この世界がどんな世界なのかを。
そんな生活を続けていたある日のことだった。
同級生の友達たちと近くの公園で小学生らしく遊んでいた時のことだった。
「……だれあれ?」
そう言ってとある場所に目線を向ける1人の友達。
目を追うと視界に映ったのは公園の入口付近に佇んだ一人の少女。
こちらをじーっと見つめており、何やら興味津々そうだ。
「見たことある?」
「さあ?」
「ライムー、ちょっと声掛けてきなよ」
「え?俺?」
なんで俺なんだ。
そんなことを思いつつ、ため息をこぼし小走りで少女の元へ。
たぶん、もはやこれは運命だったのかもしれないと後になって思う。
「なんか用?」
「んー、何してるの?」
「え?まあ、みんなでサッカー…?」
「ふーん」
興味深そうな顔でボールと俺の顔を交互に見る少女。
身長は同じくらい。おそらく同年代の小学生。この年で顔は整っており将来的にかなりの美人に育つこと間違いなし。
そんな綺麗な人形のような顔がこちらを向き、じっと目を見つめてくる。
「……えーと、一緒に遊ぶ?」
「うん!」
たまらずそんな言葉を返せば満面の笑みで浮べる少女。
みんなにも声をかけ、おっけーは貰えた。
「そういや名前はなんて言うの?」
「ん?私?私はね──」
その名前を聞いた瞬間、俺の背中はゾクッと寒気に似た気味の悪い感覚が走った。
「──
「…………ゑ?」
なんて言った今。
「ごめんもう1回名前言ってもらえる?」
「私の名前は江ノ島盾子だよ!よろしくね!」
そう言ってにこやかに笑う少女。
うわぁ……、
………ここダンガンロンパの世界かよ。
「………………ははは」
「……?どうしたの?」
「んー?ベツニナンデモー?」
死んだ目で乾いた笑いがこぼれる。
ふぅー………、
──オイオイオイ、死んだわこの世界
続けて……いきたいなあ(遠い目)