Side:彰人
「彰人!起きて!今すぐ!」
杏の大声で目が覚めた。聞き返す暇もなく、部屋から引っ張り出された。こっちは確か、朱鷺人の部屋の方だ。
「おい、なんだよ杏。まだ寝起きなんだ──。」
「話は後!いいから早く!全員招集なの!」
訳も分からず来てみれば、
「全員揃ったかな?それじゃあ簡潔に状況を説明するとしよう。」
「魔物襲来だ、初陣だぞ。」
しれっと爆弾投下。やばくね?
Side:主人公
ま、長の皆があたふたしてる時点で察したけどな。大方、襲来の兆候があって抑えに行ったはいいけど、抑えきれずに突破されて俺たちの所まで来た、とかだろ。
「ほぼ全員寝起きのとこ悪いが、【
よし、バッチリ覚醒。
「概要を説明するぞ、モンスター襲来、数はおおよそ5000弱、低級魔物が大半、中級下位〜上位の下の方クラスが2割、中級の上位の中くらいのがボスだ。全員勝てない相手じゃない。」
「ちなみに騎士長や魔法師長も帰ってきているよ、戦力として出られるそうだ。皆、武器のメンテナンスは怠っていないね?」
類、優秀。流石だなぁ、やっぱり天才は違うわ。
「というわけだ、全員、まずは服着替えて、食堂に集合。飯食うぞ。」
この流れで?みたいな視線が突き刺さってるな、当たり前か。
「腹が減っては戦はできぬ、だ。しっかり動けるようにしねぇとな。」
食後
「今回、お前らには
チームは、
一歌ちゃん、穂波ちゃん、雫ちゃん、司、えむちゃんの組。
彰人、冬弥、まふゆちゃん、瑞希、絵名ちゃんの組。
志歩ちゃん、類、寧々ちゃん、杏ちゃん、こはねちゃんの組。
咲希ちゃん、みのりちゃん、遥ちゃん、愛莉ちゃん、奏ちゃんの組。
相棒枠は連携のために合わせたけど、それでもバランスをとると歪になるなぁ。
「基本その組で動いてくれ、アドリブで合わさるのはいいが固まりすぎるとカバーできる範囲が狭くなる。連携の練習はしてもらっただろ。」
「了解。でも、回復役がいないところがあるけど、それは?」
「俺謹製のポーション、材料なかったからいいの作れなかったけどそれでも骨折くらいなら治る。それじゃ、それぞれ言った順に東西南北に別れてくれ。」
「アン、東西南北わかるの?」
ルナさん、バカにしすぎよ。
「それくらいわかるよ!にしひがしきたみなみ、でしょ?」
オーマイガー(ピクチューバーの緑犬並感)
「杏ちゃん、ひがしにしみなみきた、だよ。」
プルプル震えてるのは無視。
「あ、それとこれ渡しとく。通信器具だ、失くすなよ。それじゃ、作戦開始!」
『了解!』
「…あれ、朱鷺人どうするの?」
「カバーしきれてないところカバーしに行く。だから別行動だ、死ぬなよ!」
Side:杏
…死ぬなよって、そっか、これ死ぬかもしれないんだ。ちょっと怖いかも。
「杏ちゃん、大丈夫?」
「…うん。多分、大丈夫。」
「大丈夫だよ白石さん、私も怖いし。」
「そうだね、こればかりは怖くない方がおかしいさ。だけど、そんな僕たちより小さな子供たちも同じように怖いんだよ。」
「…類が、いいこと言ってる…。まさか偽物…?」
「寧々?」
「…ぷっ、あはは。そうだね、行こう!」
私たちが行くのは南門、確か説明通りならそっちには…
「おお!来てくれましたか、シライシ殿。」
「杏でいいって言ったじゃないですか。」
私に訓練をつけてくれてた、国軍暗部のキュレナさん。
「いえいえ、私が勇者様を名前で呼ぶなとできませんよ。」
お堅いけど、いい人なんだよね。
「すいません、自己紹介を。僕は神代類です。」
「草薙寧々、です。」
「日野森志歩です。」
「小豆沢こはねです。」
「早速ですが、戦況は?」
「ここには主にオークの群れ、ゴブリンの群れが来ています。我々は魔物の襲撃をスタンピードと呼んでいますが、その発生源に近かったのが少し辛いところです。倒しても倒しても補充されるのでキリがないように思えます。」
「なるほど、負傷者と死者は?」
「今のところ魔法と弓などで砲撃しているため、死者はおりません。ですが、討伐に行っていた部隊のものが十名怪我を。治癒師がいないのも辛いところです。」
「あ、あの!私、治癒師です!」
「本当ですか!では、治療をお願いできますか?」
「はい。怪我人の方はどちらに?」
「案内します。」
移動中
「ここです。怪我自体は命に別状がない程度ですが、いかんせん治癒師がいないので復帰が難しいのです。」
「任せてください!『癒しの祈祷』、
わ、完治。こはね凄いなぁ。
「おぉ、ありがたい。これでまた戦いに行けます。」
「ありがとうございます。では、みなさんも出撃の準備を。治癒師に関しては城から補給部隊が派遣されているそうです。遅くても6時間ほどで着くと。」
「それでは、僕たちは行こう。失礼します。」
う〜、緊張してきた。
「役割の確認をしておくよ。白石くんが基本的に敵の注意を引く、日野森くんがダメージディーラー、僕と寧々が中、遠距離の支援、小豆沢くんが戦闘中、戦闘後の回復を担当する。白石くんと日野森くんは状況に応じて役割をスイッチ。いいね?」
「「「「了解。」」」」
「では行こう。まずは城壁の上からの範囲攻撃をセットする。」
移動
「神代先輩、範囲攻撃ってどうするんですか?」
「前々から考えていた案があってね、それを朱鷺人と協力して実現したんだ。その名も「魔力稼働爆発式戦略弾」、通称魔法ミサイルだ。」
「全員伏せて!大きな音と衝撃に備えて〜!」
「発射準備完了、発射!」
チュドォォォォォォン
「…魔物壊滅してますよね?」
「ふむ、込めたのが火魔法だったからかな?想定の1.3倍ほど被害が大きい。」
「…まさか、これ元の世界で作れないですよね?」
「少し無茶をすればいけるよ。でも合法スレスレを攻めることになるねぇ。」
「絶対にやらないでください!」
本当に、神代先輩は、もう…。
「そんなことより、今。チャンスなんでしょ?」
「そうだね。では行こう。」
城門から外に出てすぐに魔物はいなくなってる。さっきの爆撃、効いたんだろうなぁ。
「寧々!」
「分かってる、まずは蹴散らす…!
「流石だね。素晴らしい命中率だ。」
「でも、レベル上がらない。なんでだろ。」
「僕は上がっていたから、戦線から離脱したら上がるかもね。では行こう、突撃!」
『 うおぉぉぉぉ!』
兵士の皆も行くんだ!よ〜〜し!
「日野森さん、まず私が前に出る!撃ち漏らしお願い!」
「志歩でいいよ、白石さん!」
「じゃあ私も杏って呼んで!」
手近なオーク、私に注意が向いてない!空いてるのは、首!
「あれ?」
刺した手応えはあるのに、血が流れないや。なんでだろ?
『…アー、アー、聞こえてるか?』
「朱鷺人!どうしたの?」
『そろそろ誰かが魔物倒したかと思ってな。この世界で魔物を倒したらゲーム的な感じで消えるから、グロ画像にはならんぞ。遠慮なくやるといい。んじゃ!』
「…なるほどね。なら、」
「遠慮はいらないかな?」
「「いくよ!」」
「…息ピッタリ。なんだか意外かも。」
「そうかい?あの二人、相性は良さそうだったからねぇ。心配はしていないよ。」
「杏ちゃん、大丈夫かな…。」
足を崩して、脇腹!跳んで脳天!身体動きやすい!なんか楽しい!
〔スキル『
キタ!よーし、狩ってくよー!
スキル:
発動者が本心からの感情を発露している戦闘時起動。1分毎にステータスどれかに+2、10分毎に全ステータス+2。このスキルは如何なるバフとも重複する。このスキルのバフは永続する。
Side:司
…今の爆発、類だな。あいつはこの世界でも変わらんな…。
「では最終確認だ。基本俺が前衛、えむが大きな一撃を入れる、雫は相手の注意を引き付けつつ当てられそうなら当ててくれ。一歌は雫を守りつつ遠方の敵を攻撃、穂波は怪我や魔力切れに回復を頼む。」
「「「「はい!」」」」
「では、行くぞ!」
「ここは北城門前ですけど、そんなに多くないかもしれませんね。」
「いっくよ〜〜!えーい!」
えむは朱鷺人に武器を作ってもらっていたな。確か、メイスと言っていたか。最も持ち手がえむの腕より長いが、それを扱えるというある種の信頼だろう。実際、ペンでも回すかのように扱えているわけだしな。
「俺も負けていられない…!
「
「
連携が上手いな!?いつの間にそこまで…。
「司くん!強そうなのが来たよ!」
あれは、オークビースト!確か知性をほぼ無くす代わりに耐久力と力と速度が上がっているのだったか。ほぼ猪は禁句だと朱鷺人が言っていたな。
「えむ!止めるから上から打て!」
「分かった!とうっ!」
「
先程の掌打では威力が足りなかったからな、少し強くしてみたが、それでも一瞬押されたな。流石に強い。だが、拮抗したなら!
「いっくよ〜!
えむが直撃を当てて倒せる!
「さすがだな、えむ。」
「司くんが止めてくれたおかげだよ〜!」
「あら〜、仲がいいのね〜。」
「おお、ツカサ!来てたんか!」
「ああ、こんにちは闘士長。楽しそうですね。」
「いやいや、ジジイにゃキッツイぜ、こいつはよ。」
「司くん、このおじさんは?」
「おじさんじゃない!この人は闘士長のバルルさんだ。65歳のご高齢ながら、オレたち闘士50人を笑って打ちのめせる凄い人だ。」
「持ち上げすぎだ、あんときゃキツかったんだぜ?」
「はは、ご謙遜を。息切れひとつしてはいなかったでは無いですか。」
「ありがとよ。んじゃ俺は行くぜ。新米共のしり拭いをせにゃならん。」
「…ご無事で。」
「お前もな。これが終わったら酒でも飲もうぜ。」
「オレは未成年ですよ!?」
「この国じゃ15で酒は解禁じゃ!」
…行ってしまわれた。そうだったのか…。
「終わったあとのお楽しみができたね!」
「そうね〜、頑張らないと。」
「ですね。私もまだ余力は残ってます。」
「回復薬も魔力も山盛りですよ!」
「…ふふ、そうだな!では、行くぞ!」
「「「「オー!」」」」
Side:愛莉
…今、すごい音したわね。爆発音なら、神代さんかしら…?
「それじゃ、基本的に私とみのりで前衛、要所要所で宵崎さんと愛莉がサポート。もし危なくなったり、強い敵が出たりしたら咲希に強化、もしくは相手の弱体化を入れてもらう。良い?」
「了解。それ以外にも遠方の狙撃もやっていくわ。」
「なんて言うんだっけ、お祓いみたいな…。」
「…露払い、かな?」
「それです!ありがとうございます宵崎さん!」
「ウワッ꜀(。⌓°꜀꒷꒦⎞」
「宵崎さーん!?」
溶けた!?
「宵崎さん人じゃなかったんですか!?」
ちょっと待ってそれツボ。
「あ、あいり先輩とはるかちゃんが…!」
「
なんで、そうも的確にツボをぉ…!
閑話休題。
「ンフフ…。ゴホンッ。それじゃ行こうか。」
「分かった。まず道を作るね。
…うっわぁ、道どころか広場くらいできてるじゃない…。
「ありがとう宵崎さん。みのり、いくよ。」
「はいっ!
「…出番ないわね。」
「ですね…。」
「仕方ないから遠距離の敵でも倒しましょ。強化お願い。」
「はい!【魔力と成せ】、
「【吹き荒ぶ旋風、降り落ちる雫、合わせ併せて嵐とす】!
「…吹っ飛んで空中分解した魔物が13匹くらいかな。流石だね愛莉。」
…人間離れしていってるみたいで、嬉しいような嬉しくないような…。
「よーし、この調子で狩っていくぞー!」
「「「オー!」」」
「お、オー…?」
Side:瑞希
うひゃ〜、うようよいるよ。気持ち悪。
「それじゃあ、今回の作戦の確認。私と弟くんで前、絵名と瑞希が中衛、青柳くんが最後衛から援護、でいいかな?」
「了解です。朝比奈さん、基本的に俺がヘイトを買ってダメージディーラーを朝比奈さんにお願いしたいんですが、良いですか?」
「うん。」
「じゃあ行こっか。ボク達の力見せてやる〜!特訓の成果が発揮されるときだ!」
「あの地獄がな…。」
「ね…。」
「何があったんだ…?」
「分かんないなぁ…。」
「…ちょっと、私たち今からあそこに入るの…?見た限りアリの巣にいるアリくらい多いんだけど…!?」
「はい。なので俺と暁山、それと出来れば絵名さんも手伝っていただいて、あの中に穴を空けます。」
「よ〜し、やっちゃうよ〜!」
「…あぁもう、やってやるわよ!」
「ありがとうございます。合わせてください。『
「『 我が身に宿すは大地の加護、進み続ける
「『 我が
…うひょう、大成功。
「よし、行こう。彰人!」
「分かってる…!オラァ!」
流石だね、スキルの使い方が上手いや。。これなら大丈夫だね。
「私も行くね。
…斬撃が当たる瞬間にスキルを発動させてるんだ。なるほど、威力をバラけさせないための工夫、まふゆらしいや。
「俺たちは温存しておこう、もし遠くから狙ってくる敵がいた時のために。」
「了解!」
Side:主人公
戦況は五分、大いに結構。
「ひっさびさに暴れよっか、
俺の愛刀ちゃん、機嫌損ねないでくれよ〜…?
「居合一刀、
…むぅ、鈍ったな。20体ほどしか斬れてない。
「まぁ良い、どんどんいくぜ!」
オークさん横を失礼、さよなら。ゴブリンくん足場になってね、さよなら。珍しい、オーガくんじゃないか。挨拶がてらさよなら。
「…多い、めんどい。
回転斬り、かっこいいよね。…そこ、エンジンから連想しちゃいけない。ゴー〇ンジャーじゃない。
「レッツ大暴れ&レベリングじゃー!フハハハハハァー!」
はい、ごめんなさい。
1ヶ月空くとかアホかよって思う方、正解です。私はアホです。
なんでこんなに空いたかって、私のリアルイベがまぁ詰まること詰まること。言い訳ですから聞き流してください。
さて、戦闘シーンでした。書いてて小説家さんたちすげぇな、って何回も思いました。私がよく参考にしてるのは特撮、あと硬梨菜先生の「シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜」、壬裕 祐先生の「アルカディア〜サービス開始から三年、今更始める仮想世界攻略〜」です。名作なんですよ。(オタク並感)
あ、あと拙作が知らない間に2400UAとかいっててバチビビりました。さっき確認してんぇって声でました。読んでくださっている皆様、ありがとうございます。更新は変わらず遅いと思いますが、引き続きこの「プロセカ・異世界バトル譚」をよろしくお願いします。
…コメントとかあると、更新早くなる、かも…?