闇AUとholoXのインクサンズ争奪戦   作:ヘビーなしっぽ

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Assassin and occisor(暗殺者と殺人鬼)

「ぁあっはっは!楽しいねぇ!こんなのいつぶりかなぁ?!」

カラカラケラケラゲラゲラゲラと声高に嗤いながらキラーはブンブンとナイフを振り回す。

だが、その猛攻を弾き続ける者がキラーの目の前に居た。

「よっ!ほっ!たぁっ!」

先程キラーに重力操作で吹き飛ばされた。沙花叉だ。

よっ!はいっ!よっこらせ!と珍妙な掛け声を上げながらほんもののナイフの猛攻を自身のボウィナイフで弾き続ける。

キィンキィンガキンッと小気味のいい刃物がぶつかる硬質な音があたりに反響する。

「ほぅら行ってらっしゃい!」

キラーはそう言うと、ナイフの鍔迫り合いの中、左足で沙花叉の脇腹を垂直に蹴る。

「けっほっ…!」

小さく声を上げながら沙花叉の体がキラーから見て右側に地面スレスレを吹っ飛んでいく。

それを見ながらキラーは、沙花叉の着地予測地点には骨を雑木林の様に生やしまくり、飛んでいく沙花叉の足元スレスレの地面にブラスターを断続的に発射し続け。着地を阻害する。

「くっ…」

沙花叉は小さく声を上げながらブラスターが連発される地面に足をついた。

直後に、ジュウウウゥゥゥウウ…!と肉が焼ける音が聞こえて来た。

「あぐっ…うううう…!」

沙花叉の足が焼ける音だ。

だが沙花叉は歯を食いしばって耐えながら着地と同時に跳躍する。

「ひゅ〜、流石だね。さっき言った落ちこぼれたっての撤回。いいね。質が上がってて」

キラーは口笛を吹きながら楽しそうに嗤う。

「でもさ。いいの?空中なんかに逃げちゃって。格好の的になっちゃうけど?」

言うとキラーは、沙花叉の体を覆う様にブラスターを設置しまくった。

空中に白い球ができている。それ全てがブラスターによるものだった。

「あっはっは!GOOD BYE!いい夢見てね〜!」

キラーが笑顔でブンブンと腕を振った。

だが、武器を大量に隠し持つ彼女にこの程度の包囲。抜け出すのは訳ない。

沙花叉は懐から手榴弾を取り出し、なんの躊躇いもなくピンを引き抜いた。

直後に、ブラスターの球体の中心部が爆発し、球を作るブラスターに引火し連鎖爆発を引き起こした。

ドドドドドドドォォォン!と断続した爆発音と炎が辺りを蹂躙した。

キラーは、爆発の余波を真正面から体で受けながら爆心地をジッと見つめていた。

どうにも、爆心地辺りからニンゲの気配がしないのだ。

キラーは取り敢えずショートカットで、煙が舞う現在地から離脱し、ちょうど側にあった巨大な木の太い枝の上に移動した。

瞬間、ほんの数刻前までキラーが居た場所に眩い閃光が迸った。

「へえ、やんじゃん。いいエイムしてんね」

キラーは、あっはっは。と乾いた笑いをしながら銃弾の軌跡を目で辿った。

だが、発砲したと思われる場所に沙花叉の姿はなかった。

「はっは!移動しながらほぼノールックで撃ってやがんのか?!良い感じに頭イカレてんねえ!」

そう言った瞬間、キラーの居る枝の根元にマシンガンの物と思しき銃弾が殺到し、枝を幹から切り離した。

「判断早いね!しかも的確でいい判断だ!」

キラーは言いながらショートカットで再び煙が満ちる爆心地の直下に移動した。

「煙で相手が見えない状況に…どう対処するかな?」

キラーは楽しそうに笑う。

すると、キラーの頬に何かが掠った。

「あー…へえ、そう来たか…」

と、その言葉に反応したかの様にキラーの背後が爆発した。その余波で煙がボワっと移動し、空中からキラーの姿が丸見えになった。

そう。先ほどキラーの頬を掠ったのはグレネードランチャーの弾だ。

キラーは、このまま丸焦げにされるのは勘弁だ…と思い一旦空中にショートカットしようと上を見上げる。

だが、キラーはその瞬間表情を凍り付かせた。

何故なら、上から手榴弾。しかもピンが抜き取られた物が落下してきているからだ。

だが、一個ならキラーをここまで動揺させられなかっただろう。量が量なのだ。

手榴弾の雨。

そう表現するのが恐らくぴったりなのだろう。

下品な表現になってしまうが、莫大な量の手榴弾が卵子に群がる精子の如くキラーに殺到しているのだ。そりゃあ表情くらい凍る。

「わお、くっそ尼が!やりやがったな!」

キラーは悪態を吐きながら自身の体を大量のナイフの球体で包み込んだ。

なぜ、キラーがショートカットで逃げないのかと言うと、まずは上から落下してきている手榴弾のせいで、もう一つは沙花叉のせいだった。

キラーがもしショートカットで手榴弾の上の空中に逃げようものなら、沙花叉にスナイパーライフルで文字通り動かぬ的にされ、煙の向こうに出ても、これまた沙花叉に場所を気取られ狙い撃ちされる。

全くもって無理ゲー。これに引っかかっていたのがホラーだったらかなり痛手を負ったんじゃないかな…なんて事をナイフの球体の中に身を潜めるキラーは思った。

直後、”雨“がナイフの塊と接触した。

周囲の地面が次々と抉られていき、隕石でも落ちたかの様な地面が続々と形成されていく。

そんな中、キラーは耐えていた。

理由は、自らの体を覆った。ナイフ。…いや、ほんもののナイフが理由だ。

ほんもののナイフは、本家キャラの持つ全てを壊すナイフ。故に刃触れれば最後。なのである。

流石に物相手には作動しないが、それが断続的に行われれば、爆発する前に手榴弾を破壊することも可能だ。

ブラスターを連鎖爆発させた時のような爆発音が延々と響き渡る。

だが、ついに終わりが来た。

最後の手榴弾が地面と接触し、バゴンっとくぐもった音を立てながら爆発した後、キラーは自らの体を囲っていたナイフを吹き飛ばした。

いや、正確には撃ち飛ばした。

球体になっていたナイフが、一気に飛ばされたらどうなるか。

結果は勿論、四方八方…いや、後ろにしか逃げ道の無い弾幕を張り巡らせるだけだ。

キラーが先程までいた木の、別の枝の上からそれを確認した沙花叉は、サブマシンガンを取り出すと、手当たり次第連射した。

だが、無意味。先程の手榴弾の様な爆発物でも無いのだ。弾は、ナイフに当たった瞬間寸断され、見事に真っ二つに切り裂かれていく。

「さっきまでの見てたかなぁ?!学ぼうよしっかり!」

キラーが渾身の煽りを発揮する、右手に握られたナイフを親指と手のひらで手中に収め、人差し指で頭を指して舌を出すのも忘れない。

「うっざいなぁ!もう!」

沙花叉は苛立ちを露わにしながらも、木から飛び降り、木の裏に隠れた。

「そんなんで回避できると思ってんの?!相当頭湧いてんね!」

キラーは言いながらブラスターを一体呼び出し、木に向かって発射した。

まあ勿論の如く木は根本からへし折れ、崩落を始めた。

「っ?!こんちくしょぉ!」

沙花叉は悪態を吐きながら木の下敷きにならない様にその場から撤退する。

だが、時すでに遅し。

ナイフの弾幕が既に沙花叉の眼前に迫っていた。

沙花叉は咄嗟にスナイパーライフルを翳して盾にする。

だが、それは無意味に終わった。

横から、2本の赤い双大剣が伸びてきてナイフを全て粉微塵に粉砕したからだ。

「……ふぅん?どういうつもり?」

キラーは、いかにも不機嫌そうに顔を歪めながらナイフを木っ端微塵に消し飛ばした人物を見た。

「はぁ…これだから行きたくは無かったんだ…」

言いながら双大剣を双剣に変え、腰にしまったのは…。他でも無いクロスだ。

「それで?返答によってはボスに報告させてもらうけど?」

キラーの声にクロスは顔を顰める。

「思い出してください。キラー先輩。俺達は先輩に。ドリームになんて言われたか覚えてますか?」

クロスの言葉に、キラーはおどけた様子で言う。

「さあ〜?覚えて無いね〜」

クロスはそれを聞いて、深い溜息を吐きながら遠くにいるキラーを睨みつけた。

「先輩は、拷問するから生け取りにしろ。つまり殺しは無し。そしてドリームからは、戦意が無さそうだったら何もするな。ですよ」

その言葉にキラーは訝しげに眉を顰めた。

「…それで?ソイツは別に戦意喪失なんてしてないと思うんだけど?」

キラーが言う。

それは無論だ。事実、沙花叉はクロスの後ろでまだ銃を構えている。

「…聞きました?戦闘前に」

「……あ」

そこでキラーは思い至った。何も聞いていなかった事に。

そして、やっべぇ…と正気に戻ったキラーは汗をかく。

「そして2つ目。さっきの攻撃…完全に殺すつもりでしたよね?」

クロスの目の奥が笑っていない笑みがキラーに突き刺さる。

ガチキレモードと化したクロスにキラーは冷や汗を滲ませる。

「殺しは無し。ですよ?もしさっきキャラが割り込まなかったらキラー先輩多分先輩に殺されてましたよ?」

ともっともな意見をクロスは口にする。

「…う〜い……その通りですよ…」

キラーは、唇を尖らせながら言う。

「はぁ…テンション上がるとああなるんですから…少しは自制してください」

クロスが溜息を吐きながら言うと、すぐに沙花叉に振り返った。

そして、そのまま瞬時に双剣を抜き、沙花叉の構えるピストルを微塵切りにすると、足払いをかけて転ばせ、上に馬乗りになる。

「そんで今の話聞いてたら分かると思うんですけど、降伏とかってします?」

クロスが言う。

沙花叉は、内心若干冷や汗をかきながら聞く。

「降伏したらどうなるの?」

「貴方達が攫った守護者の居場所を吐いてもらいます。もし吐かなかった場合は、強制的に拷問行き。吐いたら即時解放。どうです?」

クロスは淡々と言う。

沙花叉は少し悩む。

確かにこのまま戦闘を続けるには、2体1と武が悪い。その上、弾薬にも限りがある。その一方でサンズ達には弾薬切れという概念が存在しない。明らかに自分が不利。

沙花叉が悩む中、クロスは、あ。と声を発してから言葉を紡ぐ。

「そういえば仲間の方が今拷問中ですよ。…もっとも連れてったの俺ですけど…」

クロスは若干目を逸らしつつ言う。

「結構キツそうですよ。聞いた話、指全損。太腿に銃弾撃ち込まれて、首絞められて、顔面蹴られて、鞭打ちされて、得体の知れない薬飲まされて…。どうします?貴方もご一緒したいって言うなら止めませんけど」

クロスの言葉に沙花叉は顔を引き攣らせる。

なんだそれはと。

沙花叉達holoXは、闇AUの全貌を知らない。

それに、今回の相手は闇AUだけだと思っていたのだ。その後ろに拷問を行う組織があることなんて全くもって無知であったし、拷問内容を聞くに、まだまだえげつないものが後に続きそうだ。

沙花叉はそう判断すると、言葉を発した。

「そっか。じゃあ降伏でもしようかな」

沙花叉の言葉に、クロスは頷くと、沙花叉の両手を取り、手錠をつけてから立ち上がらせた。

「…賢明な判断をしてくれて助かりますよ。なにより、相棒が五月蝿いんで…」

クロスは辟易したように言う。

すると、クロスの握っていた双剣が再び双大剣に切り替わり、キャラが声を上げる。

「あーくそっ!!あんの糞骨共が!加減って言葉を知らないのか蛆虫め!粉々にしてから上書きで再生して繰り返してやるうううううううう!」

と、怒りに顔を歪ませ、怨嗟に満ちた声を上げる。

それに沙花叉は驚いた様にビクッと体を揺らした。

「…はぁ〜……はいはい、そこまでにしなね」

まだ言い足りない!とばかりに再び口を開こうとしたキャラの口を背後から塞ぐキラー。

「ん“ー!ん”ん“ー!」

とキャラが唸り声を上げる。

「あ、そうそう。逃げようとか考えないほうがいいからね」

キラーは横で立ちすくむ沙花叉を見て言った。

「逃げられでもしたらボスに殺されかねないし…。何より殺しちゃうかもしれないからね」

というキラーの言葉に沙花叉は体を震わせた。

「んじゃ、インクの所在地。吐いてもらってもいい?」

キラーは、沙花叉の首筋に赤く光を放つナイフを突きつけながら冷酷にそう言った。

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