今度こそ寝ます。
竹輪大納言善照様、ムッシー様。誤字報告ありがとうございました!
その日の夜、テンションが上がりいつもの二倍傀儡を増やす速度で家を訪問して回り、傀儡を増やしていた。
「ごめんくださいっ! 今急ぎで困っていまして!」
周囲に人間がいないことを確認し、あまり人気の少ない孤立しているような民家を狙い、どんどんと引き戸を叩き、切羽詰まったような声で呼びかける。
これは今までの二年間の内に培った経験で、普通に挨拶をしたり、宗教勧誘を装ったりと色々と試す中で最も効率のいいやり方であり、善良な人間は焦った声を聞いてドアを開けようとし、その他の人間もドア戸を叩く音がうるさい為、黙るように言うために顔を出すのだ。
「……なんなんだ一体……うおっ!」
そうこうしていると引き戸の先に人影が見え始め、小さな隙間を開けてこちらを覗こうと扉を開こうとする……その瞬間を見逃さず指を隙間に入れ、力を込めて一杯に扉を開ける。
「ぶっっ! な、なんだお前……はっ、……」
現れたその男が大声を出して近所に声を響かせる前に、俺は事前に血で生み出しておいた物を相手に吹きかけて沈黙させる。
俺が手にしている物──それは霧吹きである。
もちろんただの霧吹きではない。使用する液体は俺の血であり、霧にして相手に浴びせて強制的に血鬼術の発動条件である血を吸入させるのだ。
【霧血粧】相手に吹きかけて顔に着き、化粧水のようにかかる俺の血からその名を付けた。
これは俺もまた二年間の内に生み出した知恵と努力の結晶であり、対鬼殺隊に対しての最終兵器でもある。相手がバカ正直に突っ込んで来るならばこの霧を相手に吹きかけるだけで簡単に術が発動する事が出来、更に周り全体に霧を散らすことで目に見えないほどの血が風に流れて気付かぬ内に術にかけることが出来るのだ。
ちなみに他にも相手に術をかける術はあるのだが……と自語りをする前にまずは先にせっかく洗脳状態にした男に命令をしなければならない。
「お前は今日から俺の傀儡だ。お前はこれから俺の命令と存在全てを問答無用で受け入れろ。そして青い彼岸花を探して俺に伝えろ。傀儡に変わったことは他の人間に悟らせるな」
いつもの言い慣れた言葉を伝えると相手は承諾したように首を縦に振り、戸を閉めていく。この言葉を言うことで相手は半永久的に俺の言葉を聞き、青い彼岸花を探すようになる。更に他の人間に傀儡となったことを悟らせないように伝えれば、俺の事を嗅ぎ回る鬼殺隊に遭遇するリスクを限りなく減らせるのだ。
既にこの家で10件は回っている。いつもはリスクを考えて4、5件ほどだがこれだけ傀儡を作れたならば十分だろう。そう考え、拠点に戻ろうとしたその時──。
「な、なんだ今のは……はっ、まさかお前! お前が例の幽鬼だな! 悪鬼め! 今日こそお前の首を切ってやる!」
鬼狩りに見つかってしまった。
……だる。
──
俺が人を洗脳し、命令した光景を見られていたのか俺をすぐに鬼と判断して鬼殺隊士が日輪刀を抜く。
その光景が俺の二年前のトラウマを刺激し、不快感を与える。
ここ数ヶ月は鬼殺隊士と出会うことはなかったのに、俺が浮かれて下手な事をしたせいで面倒な状況となってしまった。
奴が俺を幽鬼と呼んだのは、かつて俺がしくじった事が原因だ。というのも、二年前に水柱との戦いでなんとか勝利したあの戦いを彼の鎹鴉が見ていたようで、それにより俺の存在を認知されてしまったのだ。
幸いにもその鎹鴉は俺を遠目から見ていた事と、高齢だった事で記憶があやふやになったらしく、俺が放心する柱を襲わず、その姿をくらました事から幽鬼という名が付き、鬼殺隊は俺を探しているようなのである。
……という話を以前傀儡にした鬼殺隊士に聞いていた。
しかし、幽鬼かぁ……正直めっちゃかっこいいし、俺もそう名乗ろうかと思っていたが既に無惨様から狂酔という名を頂いてしまったので、残念だが仕方あるまい。
よし、ここはひとつ名乗りといこうか。
──
「……俺の名は幽鬼ではない。俺にはあの方から頂いた狂酔という名がある。覚えておくがいい、俺から逃げ切れるならばなっ!!」
そう言い放つと俺は右手に血を使った武器を作り出し、相手の方へと向ける。その武器は月の光に反射して白く光り出す。それは先程使った霧血粧とは異なり、更に実践に特化させた武器であり、俺が戦う時にもっとも愛用する武器だ。
「……なんだそれは、剣なのか?」
「……残念惜しいな、答えは──剣銃だよっ!」
──その瞬間、銃口から赤い弾丸達が放たれた
「! ヒュゥゥゥ、っ水の呼吸、参の型っ!【流流舞い】!」
──銃口から放たれたそれは、俺から作り出した血の弾丸。火薬ではなく鬼の力によって瞬時に弾を加速させ、連続して相手の顔へと向かっていく。
この剣銃の名は【血鉄砲】。名前の通り普通の銃のような鉛玉を発射するのではなく、水鉄砲のように血を充填し、発射する。武器の見た目は、ガンブレードのようになっており、剣と銃が合体したような形をしている。武器の持ち手がやや曲がっており、見た目だけならば曲刀のように見るだろう。
常人ならば、この弾を見切るどころか回避することも難しいだろう。不意打ちならば尚更だ。しかしこの隊士は中々やるようで、水の呼吸を使い、俺の撃った弾丸を回避に特化させた型で避けきった。もしかすると位も割と高いのかもしれない。
──だが、一度放ってしまった型を途中で変えることは難しい。仮に途中で型変えても威力が落ちたり、無理な姿勢によるダメージを受けるだろう。
相手が型を使い回避した瞬間、俺は、右手の剣銃を右肩の後ろへと回し、姿勢を低くし、肺に空気を送り込んだ。
──鬼の血と、空気の酸素で増強した足は地面を爆発したかのように蹴って相手の間合いへと飛び、右から剣銃を振り下ろし、相手の日輪刀と俺の剣銃をぶつけた。
その爆発するような勢いと剣は、──雷の呼吸を彷彿とさせた。
「なっ何!? 鬼が……呼吸を使うだと!?」
「──初見殺しで悪いが、あまりうかうかしてられないんでな……。詰みだ」
そう言うと俺は鍔迫り合いで動けない相手の目の前に霧血粧を生み出し、相手に吹きかけた。俺の血の霧を吸った瞬間、隊士の瞳は濁った。
それを確認した俺は戦闘が終わったと判断し、いつもの言葉をかけ、同時に刀鍛冶の里へと行き、着いたら知らせるようにと指示をする。これで上弦の伍である玉壺よりも早くに刀鍛冶の里を見つけることが出来るだろう。俺は周囲に人がいないか確認し、鎹鴉が周囲にいるか気配を探り、いないことを確認し、傀儡となった隊士を後ろ目にその場を離れた。
──初見殺しの技で相手のペースを崩し、一気に畳み掛けて術をかける。これが鬼殺隊に出会った場合の二年間の内に身につけた攻略法である──。
──
…そして、その日から数ヶ月後、俺は傀儡にした隊士から那田蜘蛛山での鬼の討伐作戦を知り、足を向けた。
──ついに俺が原作に介入する時がきたのである。
こいつなんでいきなり呼吸使ってんだ()
はい、ちゃんと別の機会に理由は言うのでお許しをお許しを…。
ちなみに一つだけネタバレというか、主人公が使った技は型ではなく、某浮遊城のソ〇ドス〇ルを参考にしたり、してなかったりしています。
おまけ、NGシーン
「ごめんくださいっ! 今急ぎで困っていまして!」
「………。」
「あの、大変なんです!どうか話をっ!!」
「………zzZ」
「………なんだ留守か」
「なんだ?酔っ払いか?」
こうして市民の平和は守られた。
そして盛大に何も始まらなかった。
完
皆さんに参考までに聞きたいんですど、このまま原作に沿ったルートにするか、それとも原作から大きく離れ、鬼側無双RTAみたいに展開を早くするかどっちがいいですか?
-
今まで通り原作準拠で進める
-
主人公の血鬼術による鬼側無双ルート
-
その他(ifとして後で作る)