無惨様ニコニコで草   作:カラ硝子

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Q.なんでいつも鎹鴉いないの?普通隊士に一羽付いてるよね?
A.もし鎹鴉見つけて傀儡にしたらすぐに産屋敷邸見つけてこのお話終わるんだがいいか?

熱が少し下がったので初投稿

20ルピーさん誤字報告ありがとうございます!


なんか思ってたのと違う

──那田蜘蛛山、そこには鬼が住むと言われる危険な山。

 

 汝、命が惜しくば入るなかれ。そこには鬼の親子が口を開けて待っているのだから。

 

 ──

 

 那田蜘蛛山編が始まった事を知り、原作に介入する為に俺はその足を向けていた。……つもりでした。

 

「──えーと、那田蜘蛛山ってどこにあるんすかねぇ……、ちょっと分からないんで俺を下弦の伍の所まで飛ばしてほしいんですけど……」

 

「……」

 

 俺の話を聞こえないのか……聞こえないふりをしているのか。

 今俺の前にいるのは琵琶を持ち、長い黒髪を垂らして座る鬼、鳴女さんである。

 

 あの日、無惨様は人間牧場の計画で必要と言った鳴女さんとの連絡用のパスを特例で繋いでくれたのだ。そのおかげで鳴女さんに連絡を取り、無限城のこの場所まで連れてきてくださったのだが、どうも様子がおかしいというか、機嫌を損ねているというか……。

 

 はい、これどうみても俺が人間牧場の仕事を増やしたことにぶち切れてますねこれは……。

 

「ナ、鳴女サン? その、前に俺が巻き込んでしまったことやっぱり怒ってらっしゃる……感じですか?」

「(チッ!)」

 

 あれ、今のこれ舌打ちだよね? これ本気で嫌われていない?

 

 このままでは埒が明かない。

 

 このままでは那田蜘蛛山編どころか無限謝罪編になってしまうっ! 覚悟を決めた俺は無惨様に見せる全力の土下座と同等の丁寧な土下座をする──

 

「この度は誠に申し訳ありませんでしたっっ!!」

 

 素晴らしい……極限まで練り上げられた土下座の完成形……これ程の土下座を拝むのは……それこそ三百年ぶりか……と心の中の黒死牟も言っている。

 

 どうか、この土下座に免じて許してはくれないだろうか。

 …というか本当にまじで早く行かないとやばい。

 

「……はぁぁぁぁぁぁああ【ベンッツ!】」

 

 ……めっちゃ長い溜息吐くじゃん。

 

 そう思った次の瞬間、足元が割れたかと思えば、空間が捻じれ、いつの間にやら森?らしき所にいた。どうやら鳴女さんが折れてくれたようで、無事? たどり着くことが出来たらしい。

 

 ……今度会ったらもう一度謝罪しとこ。

 

 何はともあれ、これで原作の現地に辿り着いたんだ。ここから俺は物語に介入し、俺が生きぬく為の土台を作っていかなければならない。

 

 その為には……

 

「ぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!」

 

 ……ん? なんだ……? って!?

 

「伊之助様のお通りじゃぁあああああ!! 「ぐわぁぁぁぁぁぁあああああああ!!?」

 

 ……あん? 今どこかから声がしたような」

 

 突如背後から現れた存在に頭突きをされ、そのまま衝撃を殺しきれず顔面が地面に埋まってしまった。ここら辺は地面が柔らかいのか、埋まる程度ですんでいるが、もし硬い地面だったならば顔が地面に削られ、事故現場となっていただろう。

 

 いつかのトラックにぶつかった時もこんな感じで死んだんだろうか……。

 

 そして突然現れた存在を追いかける存在がまた一つやってくる。

 

「待ってくれ! 伊之助! 一人で行動しちゃ危ないって! って! 何しているんだ伊之助!? というかその地面にめりこんでる人は誰!? 大丈夫ですか!?」

 

 地面にめりこんでいる間に聞こえてくる声は、アニメや漫画でなんども聞いた馴染み深い声である。それが分かったとき、俺は気付く。

 

 よりにもよってこんな場所で原作のキャラクターと出会ってしまったのだと。

 

 ──嘴平伊之助、そして、竈門炭治郎に。

 

 ──

 

 鬼滅の刃の主人公、竈門炭治郎は鼻が効く。彼の鼻は相手がどういう感情か、どのような存在かを見抜く。しかし、今現在彼の鼻は周囲に立ちこめる強烈な刺激臭により、あまり機能していなかった。

 

「大丈夫ですか!? 今頭を掘り起こします! しばらく待っててください!」

 

 そう言って手を使って地面を掘り、俺の頭を地面から出そうとする…てあれ、俺が鬼ってバレてないのか? いや、人を喰ってないし俺からは刺激臭がしないのかもしれない……ってまずい! もし顔を見られてしまえばさすがに鬼と判断されてしまうだろう。

 

 最悪血鬼術でなんとか誤魔化せるかもしれないが……無駄に騒ぎを大きくすれば水柱や蟲柱が来る可能性もある! ダメだ、絶対に抜かれてはいけない!

 

 嘘をついてはダメだ! 匂いで嘘がバレてしまう! バレないよう本当と嘘を混ぜて使うんだ!

 

「き、君! 俺は大丈夫だ!! お、俺よりもこの先に刀を持った人達がよく分からん何かと戦っている! 俺は自分でなんとか地面から出て逃げるから、君たちは彼らを助けてやってくれ! (ふがふが)」

 

「そんなっ! この山には鬼が出るんです! 放ってなんていけません!」

 

「大丈夫だ! こう見ても俺には武道の心得がある! 訳あってこの山に入ったが、君の言う鬼や熊には負けないさ! だから早く先にいる人達を助けてやってくれ!(ふがふが)」

 

 頼むからマジで向こうに行って欲しい

 

「……分かりました、でも絶対に無理はしないでください! 地面から顔を出したらすぐに山を降りてくださいいいですね! 行こう伊之助! 他の隊士達を助けるんだ!」

 

「……ん? ああん!? 俺に命令すんじゃねぇー! 俺の方がお前よりも上だぁ! 忘れんな! カマトカンパチロウ!」

 

「分かったっ! それと名前が違う! 竈門炭治郎だっ!」

 

 ……ドウカオキオツケテー!

 

 その言葉と同時に、二つの気配が走って離れていった。……どうやらなんとかこの場の危機を脱したらしい。

 

「(よし、もういないな)……よいしょっと! って! ペッペッペッ! ああもう口に土が入ってるなぁくそ。……なんでこんな早くに原作キャラと当たってしまうんかなぁー……はぁ、完全に出鼻をくじかれた……」

 

 ──しかし、これで鳴女さんに腹いせで謎の山に飛ばされた訳でなくここが原作の山である事ははっきりした。ここからは他の人間に見つからないように隠密で行動し、物語を変えていかなければならない。

 

 俺はひとまず、いきなり隊士と遭遇した時の為に手に霧血粧を装備し、周囲に気を配って森の中を進み始めた。

 

 ──

 

 ヒノカミ神楽、竈門家に伝わるその神楽の存在を走馬灯のように思い出した竈門炭治郎は、放とうとした水の呼吸からヒノカミ神楽に切り替え、妹を救うために必死の覚悟で下弦の鬼に挑み、妹の血鬼術の力を合わせて首を切った……はずだった。

 

 しかし、首を切られたはずのその鬼は自分の糸で首を切ったと言い、死んではなかった。

 

 地面に倒れ伏し、呼吸の反動によって動けなくなった体を累が血鬼術を使って仕留めにかかる。

 

 

 ──その絶対絶命の危機の前に駆けつけた水柱が血鬼術を破り、今下弦の伍の首を切り落とそうと刀をかけようとした──その瞬間、どこから飛んできた赤い弾丸がこちらに放たれ、それを避けようとして回避して下弦の鬼の首を切り損ねた。

 

 凪で感知していた故に反応できた物の、明らかにこちらを狙っていた銃弾を受けていればどうなるのか、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 冨岡義勇はその事を疑問に感じながらも、こちらを撃った下手人を目視しようと射線先の草木に目を向ける。すると、そこから一人の青年が現れる。

 

 その男は右手に剣のような物を持ち、左手に霧吹きのような物を持っていた。それは黒髪の短髪で、焦げ茶色っぽいコートを着ている人間のようだった。しかし、彼の顔には目から涙のような文様が走り、白目が赤く充血しており普通の人間のようには思えない。

 

 男が暗闇から明るい場所に出たことで、月明かりに照らされたその姿はまさに鬼のようだった。

 

 

「冨岡さん!? はぁ、はぁ……あっ、貴方は!?」

「……お前は、誰だ」

 

「……何、君……。たいした力もないただの鬼の癖にどうして僕を守ったの?」

 

「……あのお方の命だ。悪いが貴方を死なす訳にはいかない。……共にこの場を切り抜けるぞ」

 

 

 この日、世界の歯車が僅かに軋んだ。

 

 




前話の主人公をかっこよくしすぎたからダサくして中和したろというお話でした。

次回、立志編完結。
お楽しみに。

皆さんに参考までに聞きたいんですど、このまま原作に沿ったルートにするか、それとも原作から大きく離れ、鬼側無双RTAみたいに展開を早くするかどっちがいいですか?

  • 今まで通り原作準拠で進める
  • 主人公の血鬼術による鬼側無双ルート
  • その他(ifとして後で作る)
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