あ、今日は、原作の下弦のパワハラ会議の日なんですけども、え〜とですねぇ…まぁ…それを防ぐために那田蜘蛛山に行って累を助け出したんですけども…。スゥゥゥゥゥゥ、ほんで〜意気揚々と凱旋して無限城にきた訳なんですけども、何故か累が生きてるのにパワハラ会議が始まってしまいました…スゥゥ一体何がダメだったんでしょうかねぇ〜不思議ですね〜
…ど う し て こ う な っ た
白河上皇さん、カタカケさん、安納芋さん、誤字報告ありがとうございます!
──どうしてパワハラ会議が!?
目の前に映る光景に困惑を隠しきれない。
今現在鳴女さんに呼ばれて無限城に来ているが、柱達を傀儡に出来なかった事による叱責を受けるのだと考え恐怖していた。しかし俺は下弦の鬼達がいる真ん中のスペースとは違う横の位置にてその光景を見るという原作とは違う配置となっていた。
下弦の鬼は魘夢や累は落ち着きを払い、他の下弦の鬼達は困惑している。そして鳴女さんの琵琶の音共に一人の女性が現れる。その姿は横半分は白色もう横半分は真っ黒の着物を来た美しい女性、いや無惨様が下弦の鬼達を睨みつけていた。
俺は無惨様のお姿が視界に入った瞬間、即座に姿勢をただし正座し、地面まで頭を垂れる。
下弦の鬼達を睨みつけていた無惨様は俺が即座に土下座する姿を目視したのか鼻で笑い、下弦の鬼達に低い声で話し始めた。
──
「頭を垂れてつくばえ。平伏せよ」
その瞬間、息が詰まるような重圧が押し寄せてくる。
遠目で見ているだけの俺ですら心臓を掴まれたように感じるぐらいだ。無惨様の眼前にいる鬼達にとっては死を感じるほどだろう。
累は最初から目の前にいる女性が無惨様と分かっていたのか一番に正座をして頭を垂れ、それに続くように他の下弦の鬼達も同様に頭を垂れる。
下弦の肆が原作同様謝罪をするが、誰が喋ってよいと言った、貴様どものくだらぬ意思で物を言うなと一蹴された。十二鬼月が押し黙り、静寂が訪れる。
そんな空気の中無惨様は言葉を続ける。
「先日、累が鬼殺隊に襲われた。下弦の伍だ」
「私が問いたいのは一つのみ、何故下弦の鬼はそれほどまでにも弱く、役に立たないのか」
──十二鬼月と数えられたといって終わりでは無い、そこから始まりと無惨様はそう続け、十二鬼月の上弦は変わらず柱を屠っているにも関わらず、下弦は何度入れ替わったのかと言う。
「今の貴様らは後ろの鳴女や横にいる狂酔よりも力を持っているのにも関わらず、私の役に立っていない」
そう言ってこちらを向く無惨様。
「狂酔、貴様はいつも人を喰わず、力が無いと言っておきながらも、下弦の壱の力ありきとは言え柱二人を相手に退かずに累を救って見せた。もし貴様があの場にいなければ今頃累は殺されていただろう」
「そして私が命令した青い彼岸花を探す為に人を喰う事をせず、常に私の役に立つために常に傀儡を増やし、鬼殺隊にも傀儡を忍ばせ、産屋敷の抹殺を測ろうと尽力している。下弦以下の力を持ちながらだ」
ーーえ、なんか凄い褒めて頂けるのだが……しかし、次の言葉でその感動も消え去る。
「しかし今回柱を傀儡にする事は叶わず、異質の鬼に術をかけただけで逃走したな。何故だ」
空気が張り裂けるほどの威圧感。
冷や汗が顔を伝い、心臓が萎縮する。
しかし、既にその答えは持ち合わせている。
「はっ、異質の鬼の妨害を受け私の血鬼術が燃やされ、傀儡にする事が出来なかった為でございます。そして私の力では柱に対応できず、目的を果たせず死んでいた可能性があるからです」
正直に、そして聞かれた事のみを答える。
「……ならば貴様は今後どのように対処し、目的を達成するつもりだ」
「先程の異質の鬼に今後、私の行動に干渉しないよう術をかけました。今後は更に柱に積極的に近づき、傀儡にするよう努めてまいります。そしてその機会は待たずしてすぐに訪れる事をお約束致します」
下手に取り繕いだりはしない。ただ、事実と原作の未来の情報を真摯にお伝えするだけだ。
「……まあ、いいだろう。このようにこの鬼は常に私の役に立つ為に力を使い、働いている。貴様ら十二鬼月ではないただの鬼が、だ。
では貴様ら下弦はどうか?何か私の為に役に立っているか?…もはや十二鬼月は上弦で良いと思っている。下弦の鬼は解体する」
その言葉に反応した下弦の鬼達が一斉に騒ぎ出す。しかし、その鬼達の考えや言葉には嘘やその場しのぎの言葉、あまつさえ逃亡する者まで現れ、一体一体無惨様によって潰され死んでいく。
そして気がつけば残っているのは下弦の伍と壱のみになっていた。
無惨様は残った下弦の壱に訪ねる。
「貴様は累を救い出すことに貢献した。故に貴様の言葉を聞いてやろう。貴様の思うことを話し、今後どう役に立つのかを言ってみろ」
その言葉を聞き、下弦の壱は語り出す。自身は夢心地であり、無惨様に直接手を下して貰えるかもしれない事。そしてまだ殺さずにいてくれた事で下弦の鬼の断末魔を聞けて楽しかったことで夢に見るほど人の不幸や苦しみが好きな自分には幸せな時間であったこと。
そしてもし生きれるならば無限列車にて人を大量に喰う計画を立てていること。
それを聞いた無惨様は原作のように魘夢を気に入り、大量の血を与え、しかし原作とは違う事を話し出す。
「事情が変わったのでな。そこにいる狂酔を連れて行き、鬼狩りの柱と耳飾りを付けた鬼狩りを傀儡にしろ。そうすればもっと血を分けてやる」
その言葉を聞いたのを最後に魘夢は意識を失った。
──
「さて、下弦の問題はあらかた片付け終わった。次はお前だ、累。…今回お前は柱相手に全く歯が立たず、狂酔に守られなければそのまま死んでいただろう。お前の家族も全て失った今、お前はどのように生き、私の役に立つつもりなのだ?」
無惨様は他の下弦の鬼とは違う柔らかい言葉で累に話し、累は暫くの沈黙の後にぽつりぽつりと話し出す。
「……夢を見ました。あの日、そこにいる下弦の壱の術によって眠らされている間、人間だった頃の記憶、そして父母を殺し、本物の絆を自分の手で切ってしまった事、無惨様に励ましてもらったことを夢の中で全て思い出しました」
当時の父と母を殺した記憶が蘇ったのか、累は自分の両手を見つめ、心の中を吐露する。無惨様はその様子を見ても怒鳴ることはなく、ただ続きを話すことを待っている。
「僕を受け入れてくれない家族が悪い、自分の力を誇るようにと無惨様は言ってくださいました。でも僕は自分が壊してしまった物を埋め合わせるために偽りの家族を作っても、ただ虚しさだけが心を支配していました。誰も僕を守ってくれないから、僕より弱いから……」
「それで思い出したんです。僕が本当に望んでいた物を、父さんと母さんに言いたいんです……ごめんなさい、全部、全部僕が悪かったのだと……でも僕は山ほど人を殺しました。同じ所へはいけません……」
無惨様はその言葉を聞き、静かに累を見続ける。怒っているのか、それとも別の感情なのか。
そして累の顔は項垂れ、無惨様に首を差し出すかのように前へと進む。
「だから、ごめんなさい無惨様。僕はもう人を殺したくありません。そして無惨様のお役に立つ方法も分かりません……ですのでこの命を無惨様に差し出します」
そう言い終わると話は終わりだとでも言うように累は無惨様の前で黙ってしまった。
無惨様は……とても残念そうな表情をしている。恐らくお気に入りの鬼である累を殺したくはないのだ。しかし役に立たず、人を食う気のない鬼を生かしておく必要もない。無惨様は目を瞑り、何かを諦めたような表情から目を開き、累の頭を掴んだ。
しかし、累に死んでもらう訳にはいかない。
俺がこの先、生き残る為にも。
「──無惨様、一つご提案がございます」
──
静寂だった空間は俺が声を出したことによって一変する。正直気まずいがそんな事を言ってはいられない。
「……無惨様、どうか累様を人間牧場の管理人として認めて頂けないでしょうか」
「……何?」
無惨様は俺の言葉に興味が湧いたのか、累の頭から手を話し、こちらに向く。
俺は以前からこの構想を考えていた。青い彼岸花探しで傀儡を作る俺がどのようにして時間を割き、人間牧場を経営していくのか。やはり俺一人の力では難しく、管理人となる存在が必要だ。最初は鳴女さんにお願いするつもりであったが、思っていたよりも彼女の負担が大きい事が分かり、いっそ人間のリーダーを決めて管理することも考えた。
しかし、それでは暴走した鬼が人間牧場を襲撃し、人間を喰われてしまえばせっかくの生産環境もずたずたになる。そこで下弦の伍である累にこの仕事を任せ、今までとは逆に人間を守り、管理して貰おうと考えたのだ。
無論、これには累本人と無惨様の承認が必要だ。だが人の愛情に焦がれる累にとって人間に触れることで少しでも苦痛を抑える鍵になるかもしれない。
それに全てを投げ出して押し付けるつもりも毛頭ない。しっかりと俺がフォローし、人間を育て家族のように接し、そして出荷までを助けるつもりだ。
今現時点で人を殺さない事を宣言した累にとっては無惨様の役に立てる手段として最適と判断した。もちろん決めるのは累本人と無惨様ではあるが……。
俺はここまでの事を踏まえて無惨様に話し、累の有用性を説いた。……そして
「……私に提案を具申するとはいい度胸だな狂酔……。だが、いいだろう。……累、お前がそれを望むならば私がお前を殺す理由はない。どうだ」
「……僕は」
無惨様が認め、累に尋ねる。
ここで、累が首を横に振れば結末は変わらず、命は散ることになるだろう。
それでも……
「累様。もしご自身の手で命を奪ったことを悔いておられるならば、その分意志のない食用の人間を増やし、鬼に襲われる罪なき人間の命を救えばいいと思います」
自分でも悪魔の囁きだとは思うが、俺が累を生き残らせる事が出来る最高のベストだ。
後は累がどうするか。
「……分かりました、出来るだけやってみます。無惨様が僕を救っていただいた恩も返したいですから…」
その答えに無惨様は満足そうに頷いた。
こうして、俺は人間牧場の人材?を増やす事に成功したのである。
とりあえず累はこの無限城で人間牧場が出来るまでは待機する事になった。
──
「おい、どこへ行く狂酔。まだ終わってはいないぞ」
「っ!?はっ!申し訳ございません無惨様!」
累の処遇の話が終わり、例のパワハラ会議も終わってしまったのでそろそろ鳴女さんに元の場所まで戻して貰おうと思っていたのだが、そんな俺の思考を読んだのか俺を引き留めようとする無惨様。急いで姿勢を戻し、土下座する。
【ベベンッ】
その瞬間、鳴女さんの琵琶の音が鳴り、俺は無惨様の前の血まみれの中央へと移動した。
あれ、もしかしてこれから俺にも制裁が下されるのだろうか…そんな事を思いながらも失礼の無いよう深く土下座をする。
「狂酔、お前に制裁を与えるためにお前を呼んだわけではない。今日はお前のこれまでの働きに免じて少しばかり褒美をやろうと思ってな」
無惨様の褒美…褒めて頂けるだけで嬉しいが、一体何をくださるのだろうか…。
そんな事を思っていたその瞬間、俺の首にとんでもない激痛が走った。
「!!?あがぁっっぁっぁぁあっぅあうわああぁあぁぁ!!!」
「つい先ほど処分した無能な下弦の鬼共の血をお前にやろうと思ってな。下弦とはいえ十二鬼月四人分の血だ。更に私自身の血も多めに分けてやる。
この血の量をお前が受ければ人を喰っていないお前の肉体は耐えられず死ぬかもしれん。
しかしお前の視界で見た限り、お前の力では鬼狩りの柱には及ばず、敗北すると考えた。
故に狂酔。私の期待に応え、耐えてみせろ」
「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
そして、狂酔は血の量に耐えきれず……
数ヶ月後。
「本当にいいのぉ? 乗客全部、俺が食べちゃってぇ……」
「ああ、はい……。俺はずっと人間を喰わないせいかは分かりませんが、人間に対して食欲が湧かなくなったので……魘夢様が全て食べてくださって大丈夫ですよ…」
死にかけたが、狂酔は試練に耐え、無限列車に乗り原作の時を待っていた。
累生存ルートがこれしか思いつかんかった。許せサ〇ケ。ちなみに累が人間の記憶を思い出したのは魘夢が累のトラウマをほじくりだしたからです。
これにて立志編完!ここまで見てくださった方ありがとうございました!
また気が向いたら書いていくのでまたお会いしましたらよろしくお願いします!
皆さんに参考までに聞きたいんですど、このまま原作に沿ったルートにするか、それとも原作から大きく離れ、鬼側無双RTAみたいに展開を早くするかどっちがいいですか?
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今まで通り原作準拠で進める
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主人公の血鬼術による鬼側無双ルート
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その他(ifとして後で作る)