もちろんストーリーの方も進めていく予定なので、長い目でお待ちください。
…エタるを選んだ人は作者がエタってもいいんか(困惑)
御冷さん、枯野さん、槙 秀人さん、エチチコンロさん、ノフィックスさん、satakeさん、夜迷子ノエさん誤字報告ありがとうございます!
長男でも卒倒するレベルなんですけど
夜。調査に来たのであろう鬼殺隊員をいつものように傀儡にして鬼殺隊へと送り返し、向こうが手口などが分からないように記憶喪失のように装うようにして一仕事を終える。少しばかりの罪悪感はあったが、原作では下弦の壱に喰われていたはずなので、生きて帰れるだけ幸せだろう。
本人には自分が傀儡になった自覚がないのだから…。
しかし乗客は魘夢に全員もれなく眠らされて喰われてしまったので原作通り、炎柱とかまぼこ隊が直に来るだろう。禰豆子の問題や炎柱と渡り合えるか正直不安である。
不安から来る憂鬱な気持ちを忘れようと乗客のいない客席に座り、窓から夜の景色をぼーっと眺め、ふと思い出す。そういえばここに来るまでには色々な事があった…と。
幸い無限列車の終着駅までにはまだ時間はある。
ここはひとつ過去の記憶でも掘り起こしてみようか。
──これはそう、俺が無限列車に乗る事になる少し前の話だ。
──
──パワハラ会議後の無限城
あの日、パワハラ会議の終わりに帰ろうとした俺を無惨様が呼び止め、褒美と称し大量の血を注ぎ、全身に激痛が走り、痛みで血に汚れた地面を転げ回っていた。
「がっぐぅっ! がっ! あああああああああああっ!!」
「ふむ、人を喰っていないにも関わらず、下弦と私の血に即死せず、耐えるか。やはり貴様は他の有象無象の鬼とは違うようだな、狂酔」
本来無惨様の血に耐えるには人の血肉を喰らい、鬼の肉体の強度を上げなくてはならない。
しかし、一度も人を喰う事のない鬼の肉体では本来耐えられずに死ぬはずだった。だが何故か俺の肉体は破裂し、崩壊するギリギリの状態を維持していた。
朦朧とした意識の中、俺は考える。
──どうしてこうなったのかと。
無惨様は俺が柱に負けると判断し、解体した下弦の鬼と無惨様の血を俺に注いだ。しかし、はたして俺の目的である青い彼岸花を探し出すためにそんなに力は必要なのだろうか。もちろん今後の原作に介入する為にも自衛できる力は欲しかった。だが別に俺は十二鬼月になりたい訳でもなければ、鬼殺隊を殺す力が欲しいわけでもない。
ただ、生き残りたい。それだけにここまで頑張ってきたのだ。
そもそもの話、無惨様が俺をここまで評価してくださっていた事は想定外だった。確かに日ごろから殺されないように無惨様が気に入りそうな行動を意識していたが…。
無惨様から何か言われる前にすぐ土下座して平服し、嘘偽りなく物事を伝え、原作の知識で何が起こるのか知っているのでそれを生かした計画を伝えるという原作の知識で無惨様が好まれそうな言動や行動をして殺されないように立ち回っただけだ。未だ青い彼岸花を見つけておらず、産屋敷邸や刀鍛冶の里も見つけられていない。役に立ったと思える物は累を救い出したぐらいであり、大した成果は残せていない……なのに何故なんだ。
今回の原因は何だったのかと死が近いからか走馬灯のように過去の記憶が溢れてくる。
俺が鬼になる前、そしてなった後の記憶で自分が助かる方法を探しているのだ。
どこか他人事のように記憶を見て、思い返してみてもやはり無惨様が俺を評価した理由は分からなかった。だが、一つだけ生き残れる可能性を見つけた。
「はぁ、はぁ……かひゅっ……っしぃーっ!ヒュッゔっ!……っしぃーっ!、っしぃーっ!うっ!?げほっごほっつ!……っ!!しぃーっ!っしぃーっ……っしぃーっ……!!」
「……何?……鬼狩り共と同じ呼吸だと?」
──俺は、無意識の内に全集中の呼吸を使い、無惨様の血の侵食を抑えた。無惨様の血は一つ間違えれば、猛毒だ。原作では炭治郎が上弦の陸との戦いで、毒の巡りを抑える為に呼吸で少しでも全身に行き渡るのを遅らせていた事を思い出し、なりふり構わず実践した。
しかしそれでも足りないのか、未だ全身には痛みが走り続ける。この意識も痛みで飛んでしまえば意識のないまま死んでしまうかもしれない。故に今は耐える事しかなかった。
…だが、いつまで経ってもこの激痛が終わる事はなく、俺はひたすら苦しみ続けた。その終わらない苦しみに、耐えて、耐えて、ひたすら耐えて…そして耐え消えず意識が途絶えた。
それでも俺の体は意識が気絶した後も生を諦めなかったようで、少しでも眠って体力を回復しつつ無意識に全集中の呼吸を使い続けていたらしい。…こうして今思えばあの時に俺は初めて全集中の常中を使えるようになったのかもしれない。
──そしてそのまま時が流れ、血によって体が崩壊しないようにと細胞が俺の体を構築しなおし、ついに、俺の体に血が馴染んだのである。
──そして……
「……あ、起きた」
……いつまで眠っていたのだろうか。
朦朧とした意識から目覚め、累が視界に映る。
そしてその後ろには衣服を白の基調とした着物を着た無惨様がいた。
そして体の痛みが消え、今までの比にならないほどの体の奥から湧き上がってくるような、この全能感。それを理解した時、俺は、自分が生き残れたのだと確信した。
──
「…ほう、まさか本当にあの血の量に耐えきるとはな。それも人間を喰わずに。……色々と指摘したい事はあるが、まずはよくやったと褒めてやろう狂酔。……だが忘れるな。お前にくれてやった褒美はいわばお前に対する投資だ。その意味を理解し、必ず結果を出せ。……良いな」
そう言い残し、無惨様は鳴女さんの血鬼術によってどこかへ行かれた。
無惨様がいなくなり、この場に残されたのは後ろにいる鳴女さんと俺を上から見ている累、そして血まみれになりボロボロになってへたり込んでいる俺である。魘夢は俺が寝ている間に既にいなくなったようだ。
……どうしよう、めっちゃ気まずい。
なんて事を考えていると累が俺に話しかけて来た。
「……あの量の血に耐えるなんて凄いね、君。人を喰ってないのに。正直あの量を一気に入れられたら僕でも耐えられたか分からないのに」
「!?あ、いえ、その……。自分でも何が何だか分からなくて……えっと累様、今更ですが、那田蜘蛛山の件と夢の件、そして先ほどの件と言い、誠に申し訳ありませんでした!」
そう言って俺は累に深く頭を下げる。…しかし累は気にしてないのか、怒りの気配を感じる事はなく、むしろ感謝をしているような気配でどこか遠い目で別の場所を見る。
「……気にしないでいいよ。君は僕を守る為に頑張ってくれたし、それに僕に新しい役割をくれたんだから。……それと、もう僕に畏まったように話さなくてもいいよ。僕はもう、十二鬼月じゃなくなったんだ」
そう言って累は手で自身の目の近くをなぞる。
そこには以前まであった下弦を示す数字はなく、黒から白になった瞳孔だけだった。
「……分かり、じゃなくて……分かった。…ならこれからは累君と呼んでもいいかな? 今後一緒に人間牧場を経営していく仲間なんだし、仲良くしていきたい」
「……仲間。……僕は家族という繋がりしか知らないから、仲間がどういうものか、よく分からない……それでもいいなら僕もこれからお兄さんと仲良くしたい……と思うよ」
「うん、これからよろしくね。…あ、もちろん鳴女さんも仲間ですからね」
「……。(ぷい)」
……まあ、怒った気配は感じられないからいいか。
こうして俺は死地から脱し、鬼が今後世界と共存していく為に必要な施設、人間牧場を一緒に経営していく仲間が増えたのだった。
──
……そして、次の日。
「まずは人間牧場を作るにあたっての具体的な段取りを決めないとね」
「……あれ、人間牧場ってまだなかったの……? なのに無惨様に僕を管理人にするように言ったの?……お兄さんってもしかして阿呆なの?」
「……何故私まで」
無限城にて累君と鳴女さんの三鬼で、人間牧場設営の会議を開いた。
累君がお腹を空かせているだろうと思い、傀儡達に買わせた動物の肉と口に合わなかった場合の為に稀血の傀儡から集めた血を肴にして。
はい、ということで幕間編開幕となります。
人間牧場の細かい設定はまだ色々と考えているので、書きあがり次第投稿したいと思います。
ではまたその時までー
皆さんに参考までに聞きたいんですど、このまま原作に沿ったルートにするか、それとも原作から大きく離れ、鬼側無双RTAみたいに展開を早くするかどっちがいいですか?
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今まで通り原作準拠で進める
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主人公の血鬼術による鬼側無双ルート
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その他(ifとして後で作る)