「よし、これで明後日くらいまでは持つかな。」
今夜も山の中に狩りに出かけ、運よくウサギを見つけて狩ることが出来、廃屋で血抜きをしていた。
今更だが、狩った獲物の皮は服や本になったりすることを思い出したので、先日狩ったイノシシの毛皮をなんとか服に出来ないか試行錯誤中だ。今日狩ったうさぎの毛皮も靴下のようにできないものか。もしくは、この毛皮を買い取ってもらえればお金が手に入るので、買い物でだいぶ生活が楽になるんだが...。
そんな事を思っているとーーーふいに、外の空気が一段階、冷たくなったように感じた。
雪が廃屋の隙間から落ちたのでも、風が吹き込んだわけでもない。
ただ――全身の血が逆流するような、骨の芯まで凍るような冷たさが襲う。
足音はない。
それでも、ーーー来る。
分かってしまった。逃げ場など、初めからないのだと。
「……ごめんください。」
声は低く、静かで、ひどく優しい。
なのに、胸の奥を鋭くえぐられるような感覚が走った。
俺は反射的に声の方向へ向き、正座してうつむく。
逃げても無駄だ。こういう時、誤魔化しも無駄だ。
原作を知っている俺には、この方がどれほど嘘を嫌うか、骨の髄まで刻まれている。
破れかけた障子が軋みを立てて開いた。
伏せているが故にそのお姿は見えないが、間違いない。
ーーー無惨様だ。
真紅の瞳が、ただ俺を見下ろしているだけで、肺が圧し潰されそうになる。
「おまえは――」
「……人を喰っていないな?」
無惨様は、ゆっくりと首を傾けた。
その一言で、背筋が冷たく濡れる。
やはり、気づかれている。
ここで下手な言い訳をすれば、その場で俺の命は散るだろう。
「……はい。」
喉がひりつく。だが、嘘は吐かない。
「……私には何故か未来で生きていた人間の記憶があり、未来の知識があります。」
「……それが分かったのはつい先日で、人を殺してからです。先日までは混乱の中にいましたが、騒ぎを聞きつけた鬼殺隊に今の私が見つかれば即死すると考えました。ですので、この現状を打開した後に、人を喰う事を予定しておりました。」
ーーー嘘はない。全てが事実だ。
無惨様の瞳がわずかに細まった。
怒りか、興味か、それとも軽蔑か。
「……ふん。臆病か、計算高いか……あるいは、その両方か。ほら話のような話を堂々と私に言うとはな。」
「私の血を受けながら、人の肉を拒むなど――聞いたこともない。滑稽だな」
低く笑う声に、背骨を伝う。
その声音には、嘲りと苛立ちと、得体の知れない好奇が混ざっていた。
「理由はどうあれ……今のおまえは、私の益にならぬ。この現状を――どうするつもりだ」
足元の空気が重くなり、視界が狭まる。
その一言で、全身から血の気が引いた。
そして、無惨様がもっとも望んでいる言葉を引き出す。
「――青い彼岸花を探し出します。必ず」
静寂。
その間が、あまりに長い。
「!?がっ、あっ...!ぐううっっっっっっっ!?」
次の瞬間、無惨様が俺の頭を爪で掴んだ、その後猛烈な痛みが頭を襲い、意識が保てなくなりそうになる。無惨様の爪が頭蓋を抉り、視界が白く弾けた。脳が軋み、骨にまで痛みが走り、そこから何かが体に入り込み、力なくそのまま地面に倒れ伏す。
「……よいだろう。だが、忘れるな」
倒れた姿を一瞥せずに放たれたその声は、耳ではなく骨に響いた。
「お前のその言葉が真にならなければ、お前の命は終わると思え」
障子が閉まった瞬間、糸が切れたように全身の力が抜けた。荒い息だけが、廃屋の闇に残った。
やったね主人公君!無惨様から血を貰えたよ!
とりあえず3話まで書けたので同時投稿。次からは不定期に更新していきます。
皆さんに参考までに聞きたいんですど、このまま原作に沿ったルートにするか、それとも原作から大きく離れ、鬼側無双RTAみたいに展開を早くするかどっちがいいですか?
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今まで通り原作準拠で進める
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主人公の血鬼術による鬼側無双ルート
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その他(ifとして後で作る)