数多の忘却との出会い 作:獄華
「しっかしAveMujicaの人気すげーな」
「だねぇ」
ジャンクの所属モデルである梶原海と蕪木那伽は呆然としながらAveMujicaの話題で埋め尽くされるクラスメイト達の様子を見ていた。
「オブリビオニス様本当素敵だよねぇ」
「ティモリス様かっこいい!」
「モーティス様は美しい!」
「アモーリス様は可愛い!」
「ドロリス様は儚い!」
繰り広げられる会話に海の脳内の大半を?マークが占拠する。
「……やべぇ何言ってるか全く分からん。ナカ分かるか?」
「要約するとAveMujicaが最高だって事だよウミ」
「答えになってねーだろ」
「そうよAveMujicaは最高なのよ!」
話に割って来たのは同じクラスメイトでデザイナーとしても海や那伽と一緒に働く有田苺である。
「おわっ!ビックリした!いきなり驚かすなバカ苺!」
「何よヘタレウミ!」
「なんだと鬼軍曹!?」
「言ったわね!俺様ヘタレ!」
「わー!苺ちゃんもウミもストップ!」
「「……しょうがねーな(ないわね)」」
那伽の一言によりあわや大喧嘩に発展しないうちに二人の喧嘩は止まった。
―――この二人性格似てるんだよねぇ……(那伽目線)。
「で、お前は誰が好きなんだよ?」
「断然アモーリスよ!中の人はあのにゃむちだし!劇も堪らないし彼女のコスメも参考になるわ!」
「すげぇ……熱狂振りだな。にゃむちか…確か美容系のインフルエンサーだっけ?」
海は自身のスマホでにゃむを検索すると一番上にAIの要約で堂々と美容系インフルエンサーでAveMujicaのアモーリスと出てきた。
「中々の有名人だな」
「ワンチャン、ナカとウミを超えてるまであるわよ」
「なんか……複雑。アモーリス&にゃむちゃん推しなだけに」
落胆する那伽とは対称的に海は「俺様が無名だと!?」と怒り荒ぶる。
「バカね。誰も無名とは言ってないしアンタ達の影響力だって高校生にしては脅威的だわ。ただAveMujicaはもうそんな論調で語られる程の次元じゃないのよ……。一説によれば彼女含め他の三人もオブリビオニス……豊川祥子さんに人生を預けてるとか」
「私もその噂聞いた事あるよ苺ちゃん。一回解散してより絆が強固になったって」
「……出自が不明だけど妙に説得力があって気になる噂よね〜」
「成る程な……。つうかそんな人気ガールズバンドなら一回見に行ってみてぇな」
「あら?誰と行くの?ダーリンの堤さんと?」
「おまっ!もうその話はよせ!誰がクソ堤なんかと行くか!。ナカに決まってんだろ!」
高らかに宣言してから海は数秒して苺の誘導尋問に引っ掛かった事に気付いたのだった。
「本当墓穴大王ねアンタ」
「い、苺……テメェ……!」
那伽は机に突っ伏したまま耳まで赤く染めていた。
勝ち誇った顔をして苺は教室を後にした。
一方その頃AveMujica―――――。
「にゃむ!やはり貴女でしたのね!あんな浅はかに情報をリークするなんてお仕置きが必要ね♪」
「ちょっと!サキコ!目笑ってなくて怖いよ!。いてて!離してぇ!ウミコ〜!ウイコ〜!ムウコ〜!助けて〜!」
「放っといて祥に任せよ」
「うん……」 「ですね」
睦の一言に二人は頷き傍観を決めた。