Black Archive   作:アストラ連合学園中央生徒会

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生徒会長たる者の心得



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アストラ連合学園 校章


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ロルン社 社章


第三章 ペル・アスペラ・アド・アストラ
1話


 

 本文章は全て機密事項である。複製、持ち出しの一切を禁ず。

 

 なお、本文章はA.S.D.R.A(Abandoned School District Revitalization Alliance)。━━通称、アストラ連合学園(旧称、廃校連合同盟)━━に於ける中央生徒会会長並びに各分校生徒会会長にのみ観覧を許された物であると心得られたし。

 

 

 

[   ]年 [3]月 [8]日

 我々の始まりの日。空を裂き、轟く轟音と共に飛来した1人の悪魔と15名の配下。

 彼等は、瞬く間に旧[    ]学園(現アストラ連合学園第01中央行政区画)に不法占拠していた暴徒を鎮圧。

 その後、短い交渉の末に旧[    ]学園生徒会より行政権の譲渡を受けた。

 この日こそが廃校連合同盟を経て後に廃校地区復興同盟(A.S.D.R.A)━━アストラ連合学園と呼ばれるまでになる━━の歩みの始まりである。

 彼の名はゴートマン。山羊の頭蓋骨を浮かべ、青い炎の瞳を持つ異形の大人。

 アストラ連合学園を支えるL.R.N.(Lost Rest Not)社の創始者でもあり、我々北方の生徒にとって、彼は常に静かな守護者であった。

 私たちを見守り続けたその姿に、多くの生徒が畏怖と畏敬の念を抱いている。

 

 

 

[   ]年 [3]月 [10]日

 旧[    ]学園を不法占拠した暴徒━━後の調査により、複数の廃校となった生徒の徒党であった━━56名を旧[    ]学園生徒会会長の慈悲により分校生として編入した。

 廃校となった生徒を分校生として受け入れるという決定は、廃校連合同盟の最初の事例となった。

 本決定は、連合の基本方針である「廃校出身生徒の保護及び再編」に繋がる重要な前例として記録される。

 

 なお、同様の事例はその後も確認されている。別紙記載。

 

別紙01

[   ]年 [ ]月 [ ]日

 旧[    ]学園では、廃校直後の混乱に乗じて不良生徒集団が校舎を占拠する事件が発生した。

 脱出した生徒会役員による救援要請を受けたL.R.N.社が部隊を派遣し短時間で鎮圧、占拠者14名を捕縛。校舎に囚われていた6名の元学園生を保護、後に分校生として編入した。

 

別紙02

[   ]年 [ ]月 [ ]日

 旧[    ]学園では、食料不足による暴動が発生。生徒たちが近隣の輸送ルートを襲撃する事態となった。

 襲撃に加担しなかった生徒により、L.R.N.社へ情報提供がなされた。これを受けL.R.N.社は部隊を派遣し、襲撃準備中の生徒を強襲。加担者16名を捕縛した。

 

 これらの事例から、廃校連合同盟は「廃校出身生徒の保護」を基本原則の一つとして位置づけている。

 ただし、犯罪行為者の編入後の監視および再教育は厳格に行われ、自治区内の奉仕活動をもって罪の清算としているが、再犯者は即時追放されるものとする。

 伸ばした手に噛み付くのであれば、最早共存は出来ない。

 

 

 

[   ]年 [6]月 [22]日

 A.S.D.R.A━━当時はまだアストラ連合学園と呼ばれていなかった━━始まって以来の大被害を被った出来事である。それと同時にアストラ連合学園と呼ばれ始める出来事でもある。

 

 A.S.D.R.A及びL.R.N.社の精力的なの活動により北方外郭自治区の治安が急速に向上し、人の出入りが大幅に増加した結果、産業活動が活発化し経済的流動が生まれた。

 

 これらの利益を狙ったレッドウィンター連邦学園が、自治区に対する大規模侵攻を仕掛けた。

 

 本作戦は、同校内部で「北方資源獲得派」が主導したもので、経済的逼迫と内部派閥対立を背景に計画された。

 

 侵攻規模は同校の正規戦闘部隊および支援部隊を含め、総勢1200名以上。

 

 主力は機甲部隊(戦車・重装オートマタ)、砲兵部隊、歩兵突撃部隊で構成され、北方の雪嵐を活かした欺瞞・突破・包囲を主眼とした大規模作戦であった。

 

 作戦の主な経過は以下の通りである。

• 初動段階


 レッドウィンター側は猛烈な雪嵐を隠れ蓑に大規模砲撃を実施。
複数の陽動部隊を展開し、A.S.D.R.A側の注意を分散させる欺瞞工作を行った。

 
これにより中央行政区画の外周防衛線に突破口を開くことに成功したが、A.S.D.R.A(主力はL.R.N.社)側の即応により激しい砲撃戦が勃発した。

 

• 中盤段階


 機甲部隊を主力とした本隊が突破口から一気に深部へ侵入。
戦車と重装オートマタによる圧倒的な火力支援のもと、歩兵部隊が中央行政区画へ繋がる分校区画への包囲を試みた。

 
A.S.D.R.A側はL.R.N.社の緊急支援を受け、オートマタ工兵による即席防壁構築と分校生徒会を中心としたゲリラ戦術でこれを迎え撃った。


 この段階で市街戦が激化し、校舎や通路が砲撃と銃撃で崩壊。双方の負傷者が急増した。

 

• 終盤段階


 レッドウィンター側は残存攻勢部隊の全てを動員し総力戦を試みたが、A.S.D.R.A側の防衛とL.R.N.社の空挺部隊(ゴートマン本人を含む)の活躍により惜敗。

 特に中央生徒会会長率いる防衛局の決死の抵抗は凄まじく、崩壊寸前の防衛線で自ら最前線に立ち、オートマタ兵と連携して敵の突破を何度も阻止した。

 
また、オートマタ兵の戦術リンクシステムによる、効率的な同時攻撃により敵前線を釘付けにし、L.R.N.社の偵察ドローンによる敵補給線の発見と空挺部隊による敵補給線を的確に遮断したことが決定的な要因となった。


 最終的にレッドウィンター側の包囲網が崩壊し、撤退を余儀なくされた。

 戦闘は[   ]日間に及び、両者に甚大な被害が出た。

 

 A.S.D.R.A側は施設の約45%に損傷を受け、L.R.N.社の人的被害も深刻で戦闘用オートマタの7割弱、非戦闘用オートマタの4割が損壊したが、最終的に防衛に成功した。

 

 この勝利は、中央生徒会会長をはじめとする防衛局、並びに分校生徒会と分校生の勇敢な奮戦と、L.R.N.社のオートマタ兵の献身的な連携によってもたらされたものである。

 

 本事件は、レッドウィンター連邦学園の内部事情を外部に露呈させる結果となり、当時の書記長(生徒会長相当)は影響力を失い、軍事クーデターにより粛清されている。

 

 同時に、A.S.D.R.Aの防衛力の殆どがL.R.N.社に依存している事を自覚するに至り、A.S.D.R.Aが防衛力に力を入れ始める切掛でもある。

 

 以下の文章は、レッドウィンター攻勢部隊が総力戦を仕掛けてくることを察知し、一般生徒すら召集し、士気が低下した際に中央生徒会会長が行った演説の抜粋である。

 

 

 

 

 

 

 私は……私達は戦わなくちゃいけない!

 

 私達は護られるだけの存在じゃないって、彼等に力を持って教えなくちゃいけない!

 

 卒業した先輩は迫り来る悪に屈した、だがあの世代では仕方なのない事だったんだ。

 

 じゃあ私達は?私達の世代はどうなんだ?

 

 彼等の庇護の元で危険から遠ざけられ、ぬくぬくと膝下で丸まってるだけだ!

 

 先輩達は悪に屈した!しかしそれは、必死に戦った上で敵わなかったんだ!

 

 私達はどうだ!?戦う事もせず見て見ぬ振りだ!彼等が撃たれた所を見なかった奴はいるか!?倒れた所を見なかった奴はっ!?

 

 動かなくなった彼等が運ばれていくのを見なかった奴はいるのかっ!?

 

 私は、私達は戦わなくちゃいけないんだ!彼等の両手で護ってもらうだけじゃない!彼等と肩を並べて一緒に戦うんだ!

 

 私達の手で!この自治区を狙う有象無象どもに鉛玉を叩き込んでやらなくちゃいけないんだ!!

 

 銃を取れ、弾を込めろ、意識を失うその直前まで引き金を引き続けろ!

 

 さぁ覚悟はいいな、行くぞ!

 

 

 我々はこの想いを常々忘れてはいけない。あの時、銃を、砲弾を、医療品を、工具を、無線機を━━それぞれが手に取れるものを手に取り、全力で戦った生徒の意思を護らなくてはならない。

 

 




報告書的なテキスト好き。
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