急所柱   作:邪魅魔魅

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説明しよう!神南備(かむなび)くんは捨て子でサバイバル生活をしていたぞ!
言葉を話せる理由とかはおいおいやるぞ


急所の有効性

 

花柱、胡蝶カナエは特に目立つ負傷はないが、極度の息切れを起こしうずくまっていた。羽織りは所々破け、右腕は何故か氷で覆われていた。

 

「ぜっ、ぜっ、神南備っ、くん…逃げ…」

 

カナエは悟った。

この上弦には勝てない。

 

柱。それも三人以上いなければ倒せない。いや、それでも倒せるかどうか。

それ程の鬼だと実感した。

 

 

───だがそれは、鬼が万全の状態である時だ。

 

「大丈夫だ花柱ァ⭐︎俺だけじゃないよ⭐︎」

 

もし急所を打たれ、哀れに悶絶し泣き叫んでいたら?

再生しても尚残る「痛み」。

 

そして多くの面積を根こそぎ抉り斬られたらどうなるのだろうか。

 

 

「あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“いだい〝い“い“い“」

 

 

それは、神南備が弐ノ型を繰り出す前より溜めていた。

そして作り出した好奇。

燃える龍(煉獄)はカナエ、神南備の後方で2回ほど大きく唸り───

 

 

絶叫した。

 

 

 

 

 

「煉獄ァ!!!!」

 

 

 

 

 

ドォン!!!という大火山の噴火のような響き。

 

彼がいた場所は地面がめり込み、周囲の建物はそこを中心に傾き、煉獄は童磨へ斬りかかる。

 

大気を割って裂く煉獄の跡を、追って襖や屋根が巻き飛ばされていく。

 

 

 

「血鬼術 凍て曇」

 

 

 

童磨は血鬼術で冷気の煙幕を発生させる。だが煉獄は止まらない。

 

 

「うおおおおおおおおああああああああああ!!!!!」

 

 

煉獄の刀が体勢を直そうとし、無理やり血鬼術を放った童磨の首を───

 

 

 

断つことは無かった。

人間なら死んでいるであろう首の角度に無理やり腕で首を曲げていた。

斬ったのは右の耳だけ。

 

 

 

煉獄はその勢いのまま直進方向の建物の壁を蹴ってとんぼかえりし、もう一度斬りかかるが、童磨の急所も全再生が完了しており、両手の扇でいなされ、かわされた。

 

 

分が悪いと判断して煉獄は神南備の元へ後退する。

 

 

「…むう」

 

「アハハハハ!!鬼でもそこは痛いんだね!!俺こんなに驚いたの久しぶりだよ!アハハハハハハ!!!」

 

「お前⭐︎上弦の弐だなァ⭐︎」

 

 

神南備は右手を鷲掴みのようにぐっぱぐっぱさせてじわじわ近づいていく。

 

 

「いかにも!俺は上弦の弐、童磨。《万世極楽教》の教祖だよ。辛い事があったりしたら俺に話してね…と、言いたいとこなんだけど…」

 

 

と、童磨は上を見上げる。

 

 

「もう朝が来ちゃうから帰るね。あっ、そこの女の子!今度あったら必ず食べるからね!!」

 

「帰るじゃなくて逃げるってのが言い方正しいだろうがァ⭐︎柱でもない二人相手に尻尾まいて逃げてきましたって鬼舞辻に言えやコラァ⭐︎」

 

 

「え!初対面なのに結構言うね!じゃあ次あったら真っ先に殺すね!それじゃあ!!」

 

 

 

『血鬼術 散り蓮華』

 

 

広範囲に蓮葉のような氷が扇子を通して散布される。逃げ道を作るつもりなのだろうが、意味はない。

 

 

「炎の呼吸!肆ノ型!盛炎のうねり⭐︎」

 

 

氷の障壁へ向けて拳をアッパーのように猛烈に繰り出し、氷の霧は上空へ飛ばされた。

 

 

「炎の呼吸!伍ノ型ァ!炎虎ォォッ!!」

 

 

煉獄は再度童磨に斬りかかる。

 

 

 

「…しつこいよ君」

 

 

 

煉獄はぞくりと背筋が震え、鼓動が加速した。

おそらくこのまま斬りかかれば死ぬ。煉獄が培ってきた戦闘経験から基づく第六感が警告している。

 

相手は血鬼術の中でも特に強い、命を奪う技を使用してくる。

間違いないと思った。そして自分は死ぬと。

 

煉獄は直後に地面を蹴って軌道を変え、建物の壁を蹴って神南備の元へとんぼがえりした。

 

 

再度童磨へ視線を向けるが既にいなかった。

あるのは氷の霧だけ。

 

 

 

戦闘は終わった。

 

 

 

「花柱殿!ご無事ですか!?」

 

 

煉獄がカナエへ駆け寄る。カナエの激しい息切れはおさまり、右腕に纏わりついていた氷も溶けていた。

 

だが右腕は白くなっており、明らかに凍傷の症状が出始めていた。

 

 

「花柱殿!蝶屋敷へとおぶって向かいます!汚い布ですがこちらを腕に巻いてください!少しでも腕を温かくして下さい!」

 

 

煉獄は隊服を脱いでカナエの右腕に巻き、おぶった。

 

「神南備。君は現場の報告と、花柱の妹さんに説明を。烏からの伝令で妹さんがここへ向かっていることが分かった」

 

「了解」

 

 

「神南備くん…しのぶにはいつも通りで接してあげてね…」

 

「…ですが」

 

「怖がらせたくないのよ…お願いね…」

 

カナエは力のない顔で微笑む。

ならばその思いを汲むべきだと神南備は判断した。

 

「了解ィ⭐︎はやく元気になって下さい花柱⭐︎」

 

「ではな!頼むぞ神南備!」

 

 

煉獄とカナエは砂埃と衝撃音を残して消えた。

 

 

(あれが上弦…)

 

今まであれで倒せなかった鬼はいなかった。

だがあの再生速度に血鬼術の効果範囲。

 

今まで戦った鬼の中でも格段に強かった。

 

 

(今のままじゃ…今度会ったら死ぬゥ⭐︎)

 

 

ぞくりと背中が震える。

朝日が来なければ死んでいたと今更分かった。

 

 

「とりあえずしのぶちゃんに報告だね⭐︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

『報告書 階級 戊 神南備作

 

市街地にて 丙 煉獄杏寿郎、戊 神南備は上弦の弍、童磨と戦闘。

花柱 胡蝶カナエ殿は既に交戦を終え、入れ替わりで上記二名が戦闘へ参加。

二人がかりでの奇襲攻撃だったが上弦の弐は逃亡した。

 

 

 

上弦の弐について

童磨は虹色の両眼、白い神、頭の寸法と合わない小さな帽子。

万歳極楽教の教祖であり、二つの鋭い金色の扇を用いて攻撃する。

 

血鬼術について

凍った血液を扇を用いて散布する。

かなりの効果範囲があり、範囲内での呼吸は自殺行為と予想する。

 

また、使用していない血鬼術も複数残っていると考えており、目撃したら速やかにその場から逃げる事を推奨。

 

柱は単独での戦闘を避け、交戦する際は最低二人以上での戦闘を推奨。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追記

 

股間への攻撃は有効である。極力狙うように』

 

 

 

「…んふっ」

 

「旦那様…」

 

「いや…あまね…だってこれ…」

 

「こんな…破廉恥な事が…鬼の弱点とは…」

 

「ああ、なんだかいい気分だね。神南備…会ってみたいな…」




カナエ、煉獄、神南備くんの共同戦線も良かったかもしれない。
その内やるかも
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