セミナー副会長はとにかく巻き込まれたくない   作:ピンク髪大好きニキ

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小説を書き始めてから他人の作品を読む時間が減って危機感を覚えてる

感想で書かれてたから気になったんだけど、これのR18って需要あるのか…?
女同士は書いたことがねぇんだ、生えてるのしか書いたことない。 それか先生×生徒モノ




14話「廃墟と災厄とセミナー副会長」

 

 

 

 

ここは廃墟。 キヴォトス中の忘れ去られたものが流れ着く時代の下水道です。

 

連邦生徒会が警備から撤退した今、ここは実質無法地帯と言っても過言ではないでしょう。 ……そろそろ現実逃避するのは止めようか。 私はこの光景を直視しなければならない。

 

 

「ひえ……」

 

「お、お姉ちゃん」

 

”あはは……久しぶり、かな?”

 

 

「ふふ、ふふふ……ランさん、今日はよろしくお願いいたしますね?」

 

「……うん、ヨロシクネ

 

 

【悲報】私が呼んだ助っ人で場の空気が完全お通夜状態について【助言求む】

 

 

いやね、確かに「助っ人は行ってからのお楽しみです!」なんて言った私が悪いとは思うよ? でもここまでワカモちゃんの悪名が広まってるなんて思いもよらなかったんだよ。 精々七囚人の一人程度の認識だと思ってたんだ。

 

まさかそう言うのに興味がなさそうなモモイちゃんたちまで知ってるようなレベルだなんて誰が予想できただろうか? 多分これはワカモちゃんが悪いね(責任転嫁)

 

 

「今日は来てくれてありがとうね」

 

「いえ、他でもないランさんが頼ってくださったのですから……その為なら、例えどのような場所であろうと、力になりましょう」

 

「……そ、そう言ってくれると、嬉しいなぁ」

 

「出来れば、二人きりで楽しむのも良いと思いましたが……それは、またの機会に取っておきましょうか♡」

 

「ヒャイ」

 

 

……これなんだよなぁ~~~~!!!! 何でか未だに分からない謎に親密度の高いワカモちゃん! 気持ちは嬉しいし何かと助けにはなってくれる分、後で何を要求されるか全くわからない恐怖!

 

何回もこの親密度と距離感の近さについて理由を聞いてみたけど一回も答えてくれない。 人って未知を恐れるって聞いたことがあるけど、まさにこれが未知への恐怖ってやつなんだ、そうに違いない。

 

 

”でも驚いたよ、以前の戦闘の時に知り合いみたいな雰囲気は出してたけど……こんなに仲が良かったんだね”

 

「まあ、仲は悪くはないですけど」

 

「私とランさんには切っても切れない物があるのです」

 

「それ何時も聞くけど、未だに教えてくれないよね」

 

「ふふ、秘密は多い方が良いんです」

 

 

だからって当人にまで秘密にしておく必要性はあるのだろうか……?

 

って、そうじゃない。 今は廃墟の探索が重要なんだからそろそろ行かないと。

 

 

「ワカモちゃん、それに先生たちも。 準備は良いですか?」

 

「ええ、私は何時でも問題ありません」

 

”こっちも大丈夫、ランのタイミングで行っても良いよ”

 

「了解です。 では行きましょう」

 

「中にはロボットが徘徊しているみたいです。 この面子なら戦闘自体は可能ですが、どれだけの量がいるかもわかりませんし包囲されたら危険です。 なるべく戦闘は避けつつ目的地まで進みましょう」

 

「了解! 腕が鳴るね!」

 

「お姉ちゃん、隠密が大事なんだから大声出しちゃダメだよ」

 

 

みんなの準備が出来たのを確認して、私達は廃墟の中へと足を踏み入れる。

 

事前にリオちゃんからある程度のマップ情報は貰っているし、流石に迷うことはないだろう……怖いのは急な包囲で分断されることくらいだけど。

 

 

 

~~~~~

 

 

 

「ワカモちゃん、そっちは?」

 

「接近してくるロボットは制圧しました。 此方は問題ありませんね」

 

「了解、モモイちゃんはミドリちゃんと協力して先生の安全確保を!」

 

「わ、分かった!」

 

「先生、足元に気を付けてくださいね」

 

”ありがとう……それにしても”

 

「多い、ですね」

 

 

廃墟に入って30分、既に戦闘回数は5回に及んでいる。 幸いルートを確保しているため包囲されることはないけど……ロボット同士で意思疎通をしているらしく、周囲からロボットが集まってくるような気配を感じる。

 

一体一体の戦闘力は高くはないけど、連戦によって弾薬が無くなったら一大事、かな。

 

 

「包囲されるほうが面倒だし、多少無理しても突っ切って行くよ」

 

 

私はリーベちゃんを片手に、通路に立ち塞がっていたロボットに接近する。 何か射撃準備をしているようだけど、その隙を見過ごすほど私は遅くないよ。

 

リーベちゃんはパイルバンカーでも対戦車ライフルでもない、しかしながらマシンガンの弾倉を装填できるから屋内の制圧力は十二分にある。 正面に立っていた一体に押し当て、そのまま引き金を引き続ける。 ロボットの頭部を破壊しきったのを確認して、無駄に硬い銃身をその傍に立っていたもう一体に叩きつけて胴体を両断。

 

ワカモちゃんたちも後ろから付いてきている気配を感じるし、私はこのまま前のロボットを破壊して進んでいこう。

 

 

「す、凄い……」

 

「やっぱりラン先輩強いね! ロボットがあんな風に千切れるなんて初めて知ったよ」

 

「ふふ、ありがとうね」

 

 

ロボットはね、モノによっては材質が粗悪だからこんな事も出来るんだよ。 警備目的で迎撃は二の次だったみたいだし、本格的な個体が出てきたらこんな風には出来なくなるだろうけどね。

 

撃ち切ったマガジンをロボットにぶん投げて、替えのマガジンを装填する。 残りも少ないし、全部撃ち切るまでには勝負をつけたい……そう考えていた時、前方の敵影が減ったことに気付いた。

 

 

「前の敵が減ってる、理由は分からないけどこのまま突っ切ります」

 

”分かった、みんなも援護してあげて!”

 

「ええ、承知しました」

 

「ミドリは先生を! 私も撃っちゃうよー!」

 

 

殿をミドリちゃんに任せて、私はワカモちゃんとモモイちゃんと一緒に弾幕を張る。 やはり数だよ兄貴、ロボットが次々溶けていくよ。

 

右に左、真っ直ぐにまた右……と、進んでいくと漸く前方からロボットの姿が消えた。 後ろの方も目視で確認できないけど……気配は、感じる?

 

 

「……? 追って、来ない?」

 

「おかしいですね、私達を見つけてからは執拗に襲ってきたというのに」

 

「良く分かんないけど何とかなったんだからオッケー!」

 

「オッケー、じゃないよお姉ちゃん……生きた心地がしなかったんだから」

 

”ひ、久しぶりにこんなに走った……はぁ、はぁ……”

 

 

私とワカモちゃんはまだ余裕、モモイちゃんとミドリちゃんは少し疲れ気味、先生は……息も絶え絶え。 三者三様と言った具合ながらも、一先ず危機的状態は脱することは出来たみたいなのでもーまんたい。

 

で、そうなると次は何故ロボットが急に追いかけてこなくなったのかと言う話に移っていくんだけど……よく見たら、この通路さっきまでと少し違う?

 

 

「ワカモちゃん、ここ」

 

「……ええ、先程までの通路とは違いますね」

 

”あ、本当だ。 何と言うか……高級感?”

 

「高級感……まあ、材質はワンランク上みたいに思えますけど」

 

 

高級、と言うよりは材質のいいもので拵えたというべきかな? 耐久性が先程までの通路とは違う感じだなと体感的に感じる。

 

途中からマップの通路を忘れて走ってたけど……恐らく、目的地の付近に来たんだろう。

 

 

 

『────────接近を確認』

 

 

 

やはりそうらしい。 警戒しながら進んでいたからか、私達はすぐに銃を構えて周囲を警戒する。 でも敵影は見えないし……どこかからスピーカー経由で聞こえてるだけみたいだ。

 

 

「な、何この声? 部屋全体から聞こえてくるんだけど」

 

「ロボットが稼働している時点で予想はしてましたが……何かしらの機構は、未だに動いているようですね」

 

「でもおかしいよね? 廃墟って時代の下水道なんでしょ? 何でこんな良く分かんない機能が付いてるの?」

 

「判断するための情報が足りないから、何とも言えないかな」

 

 

『対象の身元を確認します。 ……才羽モモイ、資格がありません』

 

 

ッ!? 個人の名前を把握してる? 廃墟の何かしらが、いち生徒の名前まで把握しているって言うのは明らかにおかしい。

 

私の動揺を感じ取ったのか、ワカモちゃんが近寄ってきて周囲を警戒してくれる。

 

 

「ランさん、これは……」

 

「廃墟が個人の名前を知ってるなんて、おかしいと思わない?」

 

 

『対象の身元を確認します。 ……才羽ミドリ、資格がありません』

 

 

「え、えっ? 私の名前も?」

 

「おかしいでしょー! 何で私達の名前なんて知ってるの!?」

 

 

『対象の身元を確認します。 ……狐坂ワカモ、資格がありません』

 

 

「……気味が悪いですね。 見ず知らずの機械に名前を知られているというのは」

 

「それに関しては同意だね」

 

 

益々気味が悪い。 これなら私の名前も知られているんだろう……何のために、確認しているのかは分からないけど。

 

そう、思っていたその時だ。

 

 

 

 

『対象の身元を確認。 ………天海ラン………』

 

 

 

 

オイ、そこで止めるな。 怖くなるだろ。

 

 

『………一部資格の有無を確認、限定的な入室権限を付与』

 

 

?????? はいぃ????

 

 

「ランさん……」

 

「そんな目で見ないで、私も困惑で一杯なんだけど」

 

「ラン先輩何かしたの?」

 

「全く身に覚えがありません」

 

 

ないよ、あったら逆に凄いだろこの状況だと。 廃墟に来たのだって今日初めてなんだよこっちは。

 

 

『対象の身元を確認。 ……■■先生……』

 

『資格を確認しました、入室権限を付与します』

 

 

”えぇ? 私も?”

 

「まあ先生ならあるって言われてもおかしくはないか……」

 

”何かその反応は突っ込みたくなるんだけど”

 

 

想定外の事はあったけど、無事先生に資格があることは確認できた。

 

問題は私だよ、何で一部とはいえ私にも資格が付与されるんだ。 私が何したって言うんだ。 帰ったらリオちゃんとヒマリちゃんに聞いてみないといけないかな……

 

 

『才羽モモイ、才羽ミドリ、狐坂ワカモの三名を先生の生徒として認定。 同行者である生徒にも資格を付与します。 ……承認しました、下部の扉を開放します』

 

 

下部の扉? それって……ッ!!?

 

下ァ!! 床じゃねぇか!! それは扉なんて呼ばないんだ、床って言うんだ機械音声くん。

 

 

”うわっ、落ちる……!?”

 

「ッ、ワカモちゃん二人をお願い!!」

 

「ええ!」

 

 

床が開いて落ち始めた先生を見て、咄嗟にリーベちゃんを手放して先生へと飛び込む。 高さは分からないけど……余程の高さじゃなければ大丈夫、そう考えて先生をお姫様抱っこして落下の衝撃に備えた。

 

横目にワカモちゃんを見ればきちんと二人を抱えてくれている、そして漸く床も見えて来た……着地、今!!

 

 

「……ふう、先生大丈夫ですか?」

 

”うん、ありがとうね”

 

「いえ、流石にヘイローのない先生がこのまま受け身をとらずに落ちれば怪我をしてたかもしれませんので」

 

 

先生も何事もなかったようだし、ワカモちゃんの方も大事ないみたいだ。 ……それにしても、前方に扉があったのに何で床を開くんだ、あの扉は飾りか?

 

 

「う、うぅ……酷い目に遭った」

 

「あの、ありがとうございますワカモさん」

 

「ふふ、お気になさらず。 ……それにしても、実に不思議ですねここは」

 

「それに関しては同意かな」

 

 

落ちた先の場所も、不思議なところだった。 一つの大きな空間で、少なくとも敵影は……

 

 

「……えっ!?」

 

「どうしたのお姉ちゃ……ん」

 

「……ランさん、あれを」

 

「あれ、は」

 

 

モモイちゃんが驚いていた方向を向いたら、『それ』はすぐに目に入った。

 

手術台のような、診察台のような場所に鎮座する……一人の女の子。 恐る恐る皆で近付いてみるけど、特に何の反応もない。 寝ている……にしては、胸部は動いていない。

 

 

「返事がない、ただの屍の……」

 

「不謹慎が過ぎるよお姉ちゃん」

 

「でも呼吸をしているようには見えませんね、あら? 何かここに……」

 

 

ワカモちゃんが声を上げた部分を私も確認してみると、そこには『AL-1S』の表記があった。 ……えーえる、いちえす? 人物名と言うよりは……まるで、機械のナンバーのような。

 

ならこれが、リオちゃんの言っていたオーパーツらしき、もの? 人の形をしたオーパーツ……?

 

 

「何でこんなところに? それに、一人で?」

 

「手っ取り早いのはこの子に聞くことですけど……まずは、服を着せたほうがいいのかな?」

 

「私が上着を着せるよ。 他は……」

 

「あ、なら私が替えの下着を」

 

 

何で替えの下着を持ってきているんだろう。 いや今はそんなことは良いか、一先ず私の上着を着せて、下着も着せて……前は閉じておこう、そこはかとなく犯罪臭が漂ってくる。

 

そうして服を着せ終わると、唐突に機械音が鳴ったような気がした。 近くにロボットは見えないし、彼女から聞こえたのかな?

 

 

「今の音は?」

 

「彼女から聞こえたようですが……まさか本当に、機械だとでも?」

 

『状態の変化、及び接触許可対象を感知。 休眠状態を解除します』

 

「……ミドリちゃん、私の後ろに」

 

「あ、はい!」

 

 

私の声に慌てて下がるミドリちゃんを庇うように、私は一歩前へ出る。 リーベちゃんは落下の時に放り投げたから手元にないけど……殴れば行けるか…?

 

そんな事を考えている私を他所に、直立不動のまま何も動かなかった彼女が突然目を開き、私や背後の先生たちを一瞥し始めた。

 

 

「…………」

 

「……」

 

「………」

 

「あの、何かしゃべってよ」

 

「状況把握、難航」

 

 

それはこっちのセリフなんだよ。 私達だって良く分からないままここに落ちたんだからな?

 

 

「会話を試みます……説明を、お願いできますか」

 

「私達も全てを把握できていないの。 まずは貴女の名前を教えて?」

 

「本機の自我、記憶、目的は消失状態にあります。 データがありません」

 

「……これはますます、機械染みて来たかぁ」

 

「あ、あの。 いきなり攻撃とかしてきませんよね?」

 

「肯定。 接触許可対象への遭遇時、本機の敵対意志は発動しません」

 

 

それは逆に言えば『接触が許可されていない対象がいた時は敵対意志が発動する』って事だよね? 場合によっては戦闘になる可能性も、ゼロではないと。

 

 

「うわ、すごい! ロボットの市民ならキヴォトスでよく見かけるけど……ここまで私達にそっくりなロボットなんて初めて!」

 

 

無邪気にモモイちゃんが言ってるけど……私的には、そう楽観視出来ない。 確かにロボットならスペアボディやデータ共有で容易に、となるけど……さっき服を着せた時の感触は、私達と何ら変わりないモノだった。

 

私達に極限まで似せたボディが容易にスペアを作れるとは思えない。 何らかの目的で作られたのだろうけど、彼女は本当に何なんだ?

 

 

「先生、どうします?」

 

”接触許可対象って、どういうことなのか説明してもらえるかな?”

 

「回答不可。 本機の深層意識における第一反応が発生したものと思われます」

 

 

漸く先生も質問できたけど、帰って来たのは望みのものではなかった。 まさに八方ふさがり……はて、これは対処に困った。

 

 

「廃墟の地下に、全裸の女の子、そして記憶喪失……ふふ、良いこと思いついた!」

 

「その羅列では、何ら良いことを思いつけるとは思いませんが……」

 

 

分かる、私も同じ反応だけど……モモイちゃん、一体何をする気?

 

 

 

────────────────

 

 

 

「????」

 

「なんでぇ????」

 

「ちょ、お姉ちゃん!!? 部室まで連れてきちゃったよ!?」

 

 

マジかよお前、やりやがったな!! ……と、言いたいところだけど私も何も言わずにここまで連れて来たから同罪か。

 

対処を考えなかったわけじゃない。 でも私達と同じ姿をした彼女を見て……躊躇した、そんなわけだ。 まだ何もしていない、危害を誰かに与えたわけじゃないから判断に迷ってしまったわけである。

 

……少なくとも、無害な存在を一方的に壊すほど私も見境ない訳じゃない。 これはリオちゃんとヒマリちゃんに相談かな……流石に私だけじゃ判断に困るし。

 

 

「あぁ、私のWeeリモコン食べないで!!」

 

「モモイちゃん、本当に連れてきちゃったけど」

 

「で、でも……あんな危ないロボットが沢山いる場所に放置するのも可哀想でしょ?」

 

「それに関しては、確かにそうなんだけど」

 

「連邦生徒会かヴァルキューレに連絡と言う考えは?」

 

「それも考えたんだけど……まだ、かな。 まずは私達の目的を達成してから」

 

 

……もしかして、ゲーム開発部の部員にしようとしてる? よりにもよってセミナー副会長の前で? ウッソだろお前。

 

 

「何をするにしてもまずは名前だよねー! アリスで良いよね?」

 

「いや、安直すぎるよお姉ちゃん。 しかもAL-1Sだし」

 

「……本機の名称、アリス。 確認を」

 

「納得しちゃったよ……」

 

 

良いんだ……安直につけた名前なのに。 いや記憶も何もない以上思案するということを知らない、訳じゃないよなぁ。

 

 

「よし、名前も決まったし早速次のステップに進もう!」

 

「次? 次は何なの?」

 

「ふっふっふ……ミドリ、私達は何のために廃墟に行ったと思う?」

 

「何のためって……それは、G.Bibleを手に入れるためにでしょ?」

 

「そう、その為だった。 でも部の存続に関してはもう一つの解決方法が、ある!」

 

「え、まさか……」

 

 

 

「────────アリスを、ゲーム開発部の部員に、します!!」

 

 

 

「……ごめんだけど、それセミナー副会長の前で堂々と宣言する?」

 

「「あっ」」

 

 

あっ、じゃないんだよなぁ……

 

 

「え、えっとラン先輩……」

 

「ラン先輩は、ちょおっと目を瞑ってくれたら、嬉しいなぁって……」

 

「………」

 

「だ、ダメ……?」

 

 

うううん……頭を抱えるしかない。 明らかに身元不明なロボット……アンドロイド? をミレニアム生徒に偽装して、尚且つゲーム開発部の部員にすると言うのは流石に。

 

いやでも微力ながら手助けすると言ってる以上なぁ……ッ!!

 

 

「ッスゥ……先生」

 

”な、何かなラン?”

 

「私は、廃墟から脱出した後ワカモちゃんと一緒にご飯を食べに行きました」

 

”うん……うん??”

 

「だから、私は今からワカモちゃんとご飯に行ってきます」

 

「ら、ラン先輩……!」

 

「………学生証は、うーん……ちょっと待って」

 

 

私はモモイちゃんに断りを入れて端末を開く。 時間的に帰っているか徹夜で作業しているかもしれないけど……私の連絡はすぐに反応してくれるから多分大丈夫のはずだ。

 

 

 

『チヒロちゃん、今ちょっといい?』

 

『珍しいね、どうかした?』

 

『ちょっと学生証を偽装してほしいんだ』

 

『……セミナー副会長としてそのセリフはどうなの?』

 

『ものすごくいけないけど、そうしないといけない状況に陥ったというか』

 

『……明日、部室に来たらやってあげる』

 

『やってあげるけど、あんまり無茶なことはしない事』

 

『チヒロちゃん大好き、ありがとう!』

 

『はいはい』

 

『明日モモイちゃんが向かうと思うから、来たら対応してあげてね』

 

『了解、じゃあね』

 

 

 

流石チヒロちゃん、急なお願いだったのにすぐに話を聞いてくれる。 今度会いに行った時に首に顔を押し当てて深呼吸してあげないと。

 

 

「チヒロちゃんには話を通したから、明日の朝にモモイちゃんが行ってね」

 

「やった! ありがとうラン先輩!」

 

「お姉ちゃんが迷惑をかけて本当にすみません……」

 

「気にしないで、手伝うって言っちゃったからね……じゃあ、私はワカモちゃんとご飯に行くから」

 

”ラン、大丈夫だとは思うけど気を付けてね”

 

 

私はみんなの言葉に手を振りながら部室を後にする。 ワカモちゃんもついてきてるし、後は何食わぬ顔でご飯を食べに行くとしよう。

 

 

「ふふ、ランさんも中々にあくどいことをしますね」

 

「言わないで、私も悩みに悩んだんだから」

 

「ですが、本当によろしいので? 今は何も問題は起きていませんが……不明な部分が多すぎて危険では?」

 

「分かっては、いるんだけどさ。 まだ何もしてないのに一方的に対処するというのは、可哀想じゃないかな」

 

「……まあ、他でもない貴女がそう判断するのであれば私がこれ以上何か言うのも野暮、と言う所ですか」

 

 

こういう時は聞き訳が良いというか、素直に話を聞いてくれるんだけどなぁ。

 

 

 

~~~~~

 

 

 

「ワカモちゃんも遠慮なく食べてね。 ここは私が奢るから」

 

「ではお言葉に甘えましょうか。 この日替わり定食を一つ」

 

「私はかつ丼を、大盛りでお願いします」

 

『畏まりました』

 

 

ミレニアムから離れた地区の、とある定食屋。 そこでご飯を食べることにした私達は料理が運ばれてくるのを待ちつつ、今日の事に関して話し合いをすることにした。 既に端末をテーブルに置いてリオちゃんとヒマリちゃんに通話を入れておいた。

 

 

『……成る程、話は大体わかったわ』

 

『私もです。 ですが、人の形を模したアンドロイド、ですか』

 

『肌触りまでほぼ同じと考えると、その少女……アリスだったかしら? それがオーパーツだと考えていいでしょうね』

 

「ごめんね、二人とも。 本来なら遭遇した段階で連絡するべきだったんだろうけど……」

 

『……短慮だった、と言い切りたいところだけれど』

 

『私は賛成ですよ? 私達が頼んだことですしね』

 

『そう、ね。 私も、ランに頼んだ以上ランの判断を尊重するわ』

 

「ありがとう」

 

 

二人は怒っている感じではない、まあ困惑の色は強いけどもね。

 

 

『でもそうなると、そのアリスの対処よね。 今後注意すべきことは』

 

『私達がアリスの事を知らない体で行くのは当たり前ですが……何も起きてない以上、特にすることはないのでは?』

 

『楽観視が過ぎるわ。 今は問題ないとしても、今後も問題が無いとは断言できない』

 

『ですが記憶が無いのでしょう? ならば懇切丁寧に常識を学ばせれば万が一が起きない可能性もあるでしょう』

 

『あくまでも可能性、よ。 ミレニアムに危害を加える可能性もある』

 

『それもまた可能性でしょう? このままでは話は平行線ですよ』

 

 

何も起きない可能性と、危害を加える可能性。 ミレニアムに何かあるのであれば、アリスちゃんをどうにかしなければならない。 でもそうなるのかすら分からない。

 

あぁ、嫌になる。 その『もしも』を考えて、私は手を汚せるのかなんて考えてしまう。

 

 

「……お二方、それ以上は収拾がつかないのでお止めになっては? ランさんも怖い顔になってしまっています」

 

『……ごめんなさい、困らせてしまったわね』

 

『私も、少々熱くなりすぎてしまいました』

 

「ううん、二人の考えは分かるから。 ……今は、見守ってあげよう。 私は、アリスちゃんの善性を信じてあげたい」

 

「それで何かあったら………私が、彼女を、壊す

 

 

二人の息をのむ音が、端末越しに聞こえる。 ワカモちゃんも顔には出さないが、空気が変わったのだけは何となくわかった。

 

 

『駄目、駄目よ。 貴女が手を汚す必要はない』

 

『早まらないで下さいね? その判断をするにはまだ……』

 

「遅かれ早かれ、でしょ。 それに私がやらないとなれば誰がやるの? 私が連れて来たのにリオちゃんに手を汚させるの? 無責任でしょ」

 

『……大丈夫、だから。 方法は私が考えるわ、だから今は何も考えないで頂戴』

 

『私も協力しますから、この話はこれ以上は止めましょう』

 

 

場に沈黙が流れる。 ご飯を食べる雰囲気からは凄く変わってしまったけど、野放しにして良い話ではないんだから。

 

本当に悩みが増えてしまった。 こんなテンションで明日どんな顔をして会えばいいんだろう……

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

「おぉ、其方がもう一人の仲間か。 待ちくたびれたぞ」

 

「???」

 

「其方が来るのを待っていました。 アリスは貴女を歓迎します」

 

「????」

 

「さぁ、アリスと共に世界を救う旅をしましょう!!」

 

「?????」

 

 

 

 

 

なぁ、昨日のしんみりした空気返せよ?????

 

何だこれ、モモイちゃんたちは昨日私が帰った後に何をしたの? 洗脳??

 




執筆に時間かけれるようになったから文章も量が増えて読みごたえが増えたのはいいが誤字が怖すぎる

毎回誤字報告してもらって感謝です。 多分今後も誤字しまくるんで報告して、私もなるべく読み返して減らすようにはするけども

感想、お気に入りお待ちしております
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