セミナー副会長はとにかく巻き込まれたくない 作:ピンク髪大好きニキ
以前の書き方とどっちが良いか気になるんでアンケートすると思います、出来たらどっちの書き方が良いか投票してくれると嬉しいです
「────────お、らぁっ!!!」
「────────ッ!!」
硬いものがぶつかり合う音と共に、暗闇に火花が散る。 その僅かな光の中で、何かが高速で動き回り続ける。
決して広いとは言えないビルの間を練るように、二つの影が離れては近づく。 その度に鈍い音が辺りに響き渡る。
飛び蹴り、回し蹴り、かかと落とし、ハイキック……蹴りや殴り、それの間に挟まれた銃弾と攻撃の応酬が繰り広げられる。
「オイオイ、まだ寝ぼけてるわけじゃねぇよなぁ? さっさと本気出せよ!」
「動きが鈍いって言いたいのかな? 寝てるわけじゃないよ……本気を出すには、まだ足りない、かなっ!!」
「はっ、口だけは達者だなぁ!!」
激しく攻め立てるネルとは反対に、静かに対応をしていくラン。 動きは正反対なれども、その動きは素人でもどちらが優勢劣勢か等と判断できない物であった。
ネルの愛銃であるツインドラゴンから放たれる銃弾の雨を、ランの愛銃であるアドミニストレーターが受け止める。 人一人くらいなら体を隠せるその重厚な銃身が鉛弾を弾く度に、決して軽くない衝撃がランを襲った。
「タイミングと言いその勢いと言い……大方目的はアタシの足止めか? でけぇ啖呵切った割には積極的に攻めるわけでもねぇしな」
「そう考えてるうちは分からないだろうね、私は片手間でもネルちゃんを倒すつもりだけど?」
「あの戦績でそんな絵空事を語れるとはな、それが口だけじゃないのを見せてみろよ!」
「見せるさ、これからね。 ……アドミちゃん、お願いね」
ネルが聞き取れない声量で、ランが何かを呟く。 何事かと訝しんだネルだったが、次の瞬間眩い光を放ち始めたアドミニストレーターを見て、ネルの警戒心は最大まで引き上げられる。 不味い、アレは直撃を受けてはならないと本能が警鐘を発する。
ネルの懸念は当たりであり、ランは放つつもりであったのだ。 生徒であれば誰もが持ち得る神秘の輝き……凝縮した己の神秘で敵を穿つ、必殺の一射、それ即ち
「
「っぐ、おおっ……!?」
人は、それを
アドミニストレーターから放たれた神秘の奔流が、避けたはずのネルの身を掠る。 ほぼ全てを避けたはずのネルの体が、その勢いによって大きく横へ吹き飛ばされた。
体勢を崩してしまったが、何とかビルの外壁に足を付けることによって整えられる。 今しがた自分のいた位置を目視で確認して────────その目を、大きく見開いた。
(…………マジ、かよ)
────────自分のいた後方のビルが、その空間だけポッカリと穴を開けていた。 己の攻撃で開けるような銃弾の荒い跡が残るようなものではない……まるでそこ全てを削り取ったかのような、綺麗な穴。
軽く見積もっても人一人簡単に覆い尽くせるようなその穴に、ネルの背中に冷たいものが走った。
(……何つーか、馬鹿みてぇにでけぇ。 あそこまで強力だとは思わなかった)
慢心していたわけではない、ネル自身口では色々とランに言っていたが、決して彼女の実力を甘く見たことはなかった。 その身に宿した神秘の量やその膂力を、それなりに予想したうえで倒すためのシミュレーションはしてきたつもりだった。
……だが、これはどうだ? ネルが予想していた以上に強大な奥の手を見せられたことで、予想していたランの実力を大幅に上方修正せざるを得なくなった。 そしてそれと同時に……
「……先に謝っておくぞ」
「何かな? 敗北宣言は後で言ってほしいんだけど」
「ンな訳あるか。 大怪我させてセミナーの業務が滞ったら悪いなって思っただけだ」
「何、を……」
「もう一段階ギアを上げるぞ。 ……様子見は、ここで仕舞いだ」
「ッ!?」
────────獰猛な獣のように嗤ったネルの表情に、次はランの警戒心が一気に引き上げられる番であった。
消えたと見間違う速度で、ネルの姿がビルの外壁から消える。 ビルの間を蹴るように音が連続で鳴り響く辺り、彼女の狙いは一つ。
(連続で飛び回って、速度を上げている……!?)
ランはそう判断し、即座にビルを背にして銃を構える。 今一番危惧すべきは背後からの一撃であり、視認外からの不可避の攻撃だ。 撃ち放った杭を再装填しつつ、ランはネルが何処から攻撃してくるのかを冷静に判断しようと、した。
……己の背後から、何かが砕ける音が響くまでは。
「背後ががら空きだ、ぞっ!!」
「ッぐ……!?」
直後、ビルを破壊しながら突っ込んできたネルの蹴りがランの背中を穿つ。 小さくとも強烈な一撃に、ランは思わず顔をしかめる。
だがネルの攻撃はそれだけで終わることはなく、がら空きのランの背中にゼロ距離からの射撃をお見舞いし始める。 連続で与えられる銃弾の雨に、ランの体は無抵抗だった。
「ははっ、見誤ったなぁ!! アタシの間合いで勝てるとでも思ったか!」
「ッ、確か、に……ネルちゃんの間合いで勝てるなんて思ってないよ」
「なら大人しく倒れてな……」
「────────でも間合いで虚を突く事は出来る」
「何を……ッ!? クソがッ!!」
突然的外れなことを言い始めたランに何を言い出すのかと疑問を浮かべたネルだったが、振り返ったランの腹部を見て即座に距離を取ろうとする。 ……が、銃を手放したランの右手が、その行動を阻害する。
ネルは見た、ランの腹部に巧妙に隠されていた爆弾の束を。 つまりは最初から誘われていたのだ……距離を詰めてくる自分を、己の身ごと爆破する為に。
「っぐ、おっ……!」
「痛、ったぁ……でも、ダメージレースでは私の勝ちだね」
爆風に吹き飛ばされてビルに叩きつけられるネルとは対照に、ランはその場から微動だにすることなく立ち続けていた。
ネルが弱いわけではない、彼女自身怪我には強いしそのタフネスさは尋常ではないのだ。 ……だがそんなネルを上回る程に、ランの耐久性は高かった、ただそれだけである。
「っち……騙し合いで勝ったつもりかよ」
「別にそう言うつもりはないよ。 でも大丈夫? フラフラしてない?」
「は、この程度でどうにかなるとか楽観視が過ぎねぇか?」
「だよ、ね。 ……やっぱりそうなるかぁ」
「あ?」
「正面からの戦闘じゃネルちゃんには勝てそうにもないや」
突然の発言に、ネルは思わずポカンと口を開く。 何を言っているのか? と言うより何が言いたいのか? と言った感じでネルは発言の意図を考える。
正面からでは勝てそうにもない? そんな訳がない、攻撃力だって一撃の重さではランの方が上だし耐久性だって自分と同程度。 速さは自分の方が上だが、その情報で何故勝てそうにないと言う結論に至るのだろうか。
「何馬鹿なこと言ってやがる、どう考えたって互角だろうが」
「そう褒めてくれるのは嬉しいけどね、私は素直な感想を述べたまでだよ」
「お前が弱いって言うなよ、キヴォトスの大半の生徒を敵に回すぞ」
「弱いよ。 ……守りたいものも、碌に守れやしないんだから」
突然語り始めたランに、ネルは訝しげな顔をする。 何が目的だ? 自分の足止めか? ……ならもっと別の事を語ればいいはず。 なら彼女の目的は?
目的を把握するためにネルは思考を巡らせるが、そんなネルの事をランが素直に待つわけがない。 ランは銃を拾いなおし、姿勢を低くしてネルを睨みつけ……
「と、言う訳で私は逃げるね!! ネルちゃんお疲れ様!!」
「は?????」
────────瞬間、身を翻して一気に駆け出した。
その後ろ姿をポカンと見つめていたネルだったが、徐々に徐々に自分の中を駆け巡る衝動に駆られてランの後ろ姿を追い始めた。 人はそれを、怒りと呼ぶ。
「待てやオイ!!! ここまでやっておいてとんずらするんじゃねぇ!!」
「いやいや、まともにやって勝てないって分かったなら逃げるのだって一つの手段でしょ? 逃げるのも選択肢の一つだし」
「お前から仕掛けて来た戦いだろーが! しかも公的になんて言いやがって! それでお前の実績に黒星が出来ても良いのかよ!?」
「良いよ、それで守られる何かがあるのならね」
怒りに身を任せて追いかけるネルと、そんなネルを見て笑みを浮かべ続けるラン。 ランの言葉に何かが引っかかるネルだが、今はそれどころではない。
自分に不利益な情報が増えることも厭わずに逃げるその姿は、一周回って清々しささえ感じる。 多分ネルの怒りは見当違いのものだろう、ランの黒星なんてネルが気にすることはないはずなのだから。
「ネルちゃんは、ゲーム開発部の事情は知ってる?」
「あ? あぁそりゃあ……アカネからある程度は」
「確かにさ、これまでまともに実績を上げてこなかったって点ではゲーム開発部にも非はあると思う。 セミナーとしても、廃部と言う判断は間違ってない」
「でもね、私は何処までも甘いからさ。 不純な動機であったとしても彼女達が廃部回避のために頑張るって言うのなら、私は応援してあげたい。 それで私の戦績が悪くなったとしても」
「……お前」
甘い、確かにそう思う。 けれどそれを語るランの横顔は真剣であり、ネルが口を挟む余地がないと言うことも同時に察する。
要は後輩のために泥を被ろうと言うのだろう、自分に何ら得がないと言うのに。
「その覚悟を笑うことはねぇけどよ、だったら何でこっちに来た? 別にここで足止めしなくたって、一緒にいればよかったじゃねぇか」
「不安要素は事前に取り払う方がいいでしょ? その為に保険だって使った」
「保険だぁ?」
「私が知ってる中で最も頼りになる、最強を。 ネルちゃんでも勝てるか分からない彼女に、私は協力を頼んだ」
「……アカネが言ってた、アタシに匹敵する実力者って奴か。 だがアタシでも勝てるかって所は撤回してもらうぞ」
「どうかな? 私だって彼女の本気は見たことがないから」
すっ、と突如ランは立ち止まる。 未だミレニアムタワーは遠くであり、こんな場所で立ち止まったところで何かがあるわけでもない。
何か話したいことでもあるのか? 意図はまだ分からないがネルも立ち止まることにした。
「……お前は、一体何を考えてるんだ?」
「何も? 強いて言えば彼女達の作戦成功を願っているくらいかな」
「アタシがいないとはいえ腐ってもC&Cだぞ? 噂の先生の指揮があったところで成功するとは」
「ホシノちゃんにはそこまでは頼んでないからなぁ。 でもC&Cの足止めくらいはしてくれると思うけど」
成る程、名前はホシノと言うらしいとネルは心の中で記憶する。 機会があったら一度手合わせでも頼もうかと考えていたが……ランの口元に浮かんだ笑みに、ネルは何事かと目を細めた。
「何だよ、何か嬉しいことでもあったか?」
「ううん、何も? どうしてそう思ったの?」
「誤魔化すんじゃねぇよ、口元が笑ってんだよ」
「ああ、ごめんね。 ……ここまで上手くいくとは思ってなかったからさ」
「はぁ? 何がだよ」
「それはね……」
ランが唐突に上を指差す。 ネルはその指先に何があるのかとつられて上を見上げたが……そこには何もない、ただ綺麗な星空が浮かんでいるだけだ。
では一体何が……とそこまで考えたところで、何かが近づいてくるような音がネルの耳に聞こえて来た。 それは徐々に近づいてきているようで……
「────────ありがとうね、予定ドンピシャの位置に立ってくれて」
「……クソがッ!!」
笑いながら距離を取ったランにすぐさま事態を把握したネルだったが、行動するには一手遅かった。
その身を焦がすような閃光と轟音が鳴り響き、ネルの傍に聳え立っていたビルを打ち砕く。 閃光はビル一つだけでは飽き足らず、その周りのビルまで巻き込んで一気に倒壊まで巻き起こした。
「ごめんだけど、そこで暫く生き埋めになっててね……まぁ、聞こえてないだろうけど」
崩れ去ったビルの残骸を見つつ、ランはそうポツリと呟く。
ランが事前に考えていた作戦は成功し、ネルの足止めをすることが出来たのであった。
────────────────
『……ラン先輩からの連絡がありました。 ネル先輩は無事に瓦礫の下に閉じ込めたそうです』
「了解、アリスちゃんもご苦労様」
「はい! ラン先輩からのオーダーを達成しました!」
時間をほぼ同じくして、場所はミレニアムタワー。 窓際に立っていたアリスが、未だ熱を放つ光の剣を手に満面の笑みを浮かべている。
そんなアリスを微笑ましく見つめるホシノ。 その足元にはC&Cのエージェントである一ノ瀬アスナが倒れこんでおり、そのヘイローは既に光を失っていた。
「いやぁ、ここまで作戦が上手く行くだなんて思わなかったよ」
「あの、上手く行ってもらわないと困ってたんですけど……」
「でもこれで鏡も入手できた! 後は撤退するだけだよ!」
ホシノ達の背後から追ってくるように、モモイやミドリの声が聞こえてくる。 その手にはヴェリタスが言っていた鏡が握られており、奪還すると言う目的は達成できていた。
……作戦は、至って単純な話であった。 ゲーム開発部を起点にホシノが追随、ヴェリタスがハッキングを行いエンジニア部が細かな支援を行う。 文字にすれば短いものであるが、その中身は文字以上に中身が詰まっていた。
「ミレニアムのエージェントと聞いて身構えてたけど……これならシロコちゃん達でも対応できるかな? 今度模擬戦でも頼んでみようかな」
「それは別にいいんですけど、今言うことではないと思います……」
「あ、ごめんね? 早いとこ撤退しようか」
「……ま、待ちなさい。 それだけは絶対に阻止しないと……」
先程まで倒れこんでいたユウカが苦しそうに顔を上げるが、すでにその身は満身創痍。 更にアカネはヴェリタスに足止めされているし、カリンはエンジニア部と共に気絶中。 アスナも傍で気絶していることもあり、戦力はないに等しい。
ここに来るまでに設置されていた警備ロボットはホシノの手によって破壊され尽くしているし、頼みの綱であるノアや他の生徒は隔壁に閉じ込められている。 コユキは知らない、ランが絡んでいると知って早々にボイコットを決め込んでいた。
「ユウカちゃんだっけ、セミナーの事情も分かるけど……今回はおじさん的にゲーム開発部の方に手を貸してあげたくてね。 悪いけどこれで終わらせてもらうよ」
「う、ぐっ……」
「……それと、ミレニアムの偉い人達に伝えておいて」
「?」
ホシノが放った言葉に、ユウカは怪訝そうな顔をする。 偉い人、と言われればリオが思い浮かぶが……『達』とは、どういうことだろうか?
そんな事を考えてホシノの顔を見つめたユウカは、その表情を見て硬直する。 その顔は真顔に見えるが……見る人が見れば分かる。
「────────見極めたいのかは知らないけど、それでランに何かあったら私は絶対に許さないって」
怒髪天、その言葉が脳裏を過る。 足元に転がっていたロボットの頭部が踏み砕かれ、その勢いのまま床さえもが数センチ陥没する。
有事の事も考えられて作られた特製の材質がこんな簡単に砕けるのか? その一撃に込められた威力に、ユウカは恐怖を感じた。
「……分かり、ました。 必ず伝えます」
「頼んだよ? ……まあ、ユウカちゃんが伝えなくても聞こえてるみたいだけどね」
「? 一体、何を」
「だんまりは止めてね。 見てるのは分かってるから」
『……そう、ならこれ以上の静観は悪手ね』
ふと聞こえたその場にいないはずの声に、ユウカは視線を向けた。 そこにはミレニアム製のドローンが浮かんでおり、声はそのドローンから聞こえたようであった。
「お前がミレニアムの?」
『ええ、セミナーの会長……調月リオよ』
「ランちゃんが言ってた仕事をしないロクデナシだね」
『ごめんなさい、ちょっと泣くわ』
「冗談だよ。 でも心当たりがあるんなら改めたほうが良いんじゃないかな?」
『善処、するわ。 ……それと、目的は分かってたみたいね』
「何となく、かな? アレを見せられて疑問に思わないはずがないから」
リオとホシノの言っている内容が分からずユウカは首を傾げる。 モモイ達も同様に首を傾げて話の流れをじっと見つめているが、やがてリオから口火を切った。
『……私は、ミレニアムの、ミレニアムに在籍する生徒の安全を第一に考えているわ』
「そっか。 今回で何かわかった?」
『ただ一言、危険と言うことだけは』
「そうだね、見ただけなら私もそう思うよ。 でもランちゃんはそう思ってないんじゃないかな?」
『ランだけではなく、ヒマリもそうみたいだけど……私は、二人ほど物事を柔軟に捉えることが出来ないから』
「それでランちゃんに嫌われても?」
『それでランが救われるなら、本望よ』
真剣に語り合うリオとホシノの剣幕に、誰も言葉を発することが出来ない。 その場にいた先生も事の行く末を静かに見つめていたが、少しでも悪い方向に走ろうものならすぐさま仲裁するつもりであった。
だが険悪なムードになるようなことはなく、どちらからともなく弛緩した空気が漂ってきた。
「……私は他校の生徒だからこれ以上は言わないよ。 でももう少し様子を見てあげても良いんじゃないかな」
『言われなくてもそうするわ。 ……私一人なら行動に移していた、と思うわ。 でも』
「ランちゃんと関わって、思うところがある?」
『……そう、ね。 昔ほど融通が利かない人間だとは思わないわ』
「ま、何でもいいけどね。 後ちゃんと仕事はした方が良いよ? ランちゃんの顔色あんまりよくなかったし」
『それについても申し訳なく思ってるわ。 この件が終わり次第、業務を手伝うつもりよ』
「いや本当に手伝ってくださいね? あと戻ってきたら覚悟してくださいね?」
『……やっぱり今度で良いかしら』
「オイ」
ドスの効いたユウカの声に、姿が見えないはずのリオの頬に冷や汗が流れる幻覚が見える。 モモイ達も顔を真っ青にしているし、ホシノも小さく「うへ、これはアヤネちゃんタイプかぁ」と呟いていた。
『……C&Cにもこれ以上の深追いは不要と伝えておくわ。 ネルに関しては聞こえそうにもないけれど』
「ラン先輩一体何をやらかしたんですか」
「ビルごと動きを封じたみたいだしね、まだ瓦礫の下じゃないかな?」
「いや本当に何をしてるんですか!? 修繕費が……うう、また書類が……」
『元気を出して頂戴』
「誰のせいだと思っているんですか!!?」
場の空気が完全に弛緩したことで、今回の一件は一先ずの決着がついた。 先生達はその場を後にし、ユウカもアスナを連れてその場から離れていく。
……ホシノとリオだけがその場に留まり続け、やがてホシノの方から口を開いた。
「みんなのいる手前だからあんな言い方したけどさ」
『?』
「アリスちゃん、ちゃんと見ておいた方が良いよ。 不安要素が多すぎる」
『それに関しては、全面的に同意ね』
「正直なところ、私はどうでもいいんだ。 ランちゃんが無事でさえいれば」
『……』
まるで他人がどうなっても構わないと言った口ぶりに、リオはドローン越しに顔をしかめる。 セミナーの会長と言う立場上、ミレニアムに在籍する生徒は須らく庇護対象なのだ。 そんなリオが何も思わないわけがない。
そんなリオの様子を察してか、ホシノはまた口を開いた。
「私自身が率先して動くことはないって事だけは知っておいて。 でも要請があったら場合によっては協力してもいい」
『……アビドスの貴女に要請することはないわ』
「だろうね、だから約束して。 ランちゃんだけは、きちんと守り抜いて」
『……一個人を優先するのは、会長としては頷けないわ』
『でも、ランの友人として……その言葉には頷くことにするわ』
「……うん、今はそれでいいや」
ホシノはそう零し、今度こそその場を後にする。
ドローンはその後ろ姿を見えなくなるまで見送り、やがてドローンもその場から離れていくのであった。
『────────それでも私は、これしかないのよ』
小さく聞こえたその言葉は、一体誰に送られたものなのか。 答えを知るものは、何処にもいない。
書き方はどうあれ、戦闘描写とかイラネと思ってたんで書くのしんどかった…
今後書きたくない、とは思いつつもエデン条約とか最終編とか戦闘描写ばっかになる気がするんで今から震えてる、俺に書かせないでくれ
感想、お気に入りお待ちしております
小説の書き方、どっちがいい?
-
これまでの書き方でいいよ
-
新しい書き方でお願い