セミナー副会長はとにかく巻き込まれたくない 作:ピンク髪大好きニキ
終わりのはずです、そろそろ本編進めないといけない。 気づいたら閑話も含めて20万文字超えてることに恐怖を感じてるんだ俺は
ランが幼女化してから早数日、もう数日もすれば薬の効果も切れるだろうとセミナーのみんなが話をしていた頃……件のランの姿は、トリニティの校内にあった。
「わー、可愛い! ランちゃんって小さい頃こんなに可愛かったんだね」
「その言い方だと普段あっていたランさんが可愛くないみたいな聞こえ方ですよ? 今のランさんも可愛いですが、ちゃんと普段のランさんも可愛いですよ」
「もー分かってるってば! 今のは言葉の綾って奴だから! ねね、ランちゃんこれも食べてみて?」
「んむ……おいしい! みかおねーちゃんこれなに?」
「これはね、私が作ったフィナンシェだよ」
「みかおねーちゃんってりょうりもじょうずなんだね! まるでおひめさまみたい!」
「……うん、そうだね。 私はランちゃんだけの」
「言わせませんよ!? ミカさんだけの物ではないです、私も入っていますのでその辺は悪しからず」
「ナギちゃんって、結構独占欲強い感じ? そんなんじゃ嫌われちゃうよ?」
「ご冗談を、それは自分自身に言い聞かせているのではないですか?」
「あはは、面白いこと言うね?」
幼女の前で睨み合いをするこの二人は、勿論ティーパーティーのナギサとミカである。 最早他のティーパーティーの生徒ですら「あぁこいつらまたやってるよ」みたいな顔をしながら白けているし、何ならこっそりランに餌付けする生徒までいた。
幼女の笑顔は、今はまだ効かないが何れ癌に効くようになる。 そんな感じの何かアレな感じがする、気がする、多分。
「ランさん、こっちも食べてみて下さい」
「あ、ちょっと! 今私が食べさせてたのよ」
「良いでしょ、早い者勝ちよ。 はーいランちゃん、これも食べてみてね」
「んぐっ……おいしい!」
「「「可愛い………」」」
「……貴女たち、何をしているんですか」
「私とナギちゃんが話してるからってしれっと餌付けしないでくれる?」
「でもお二方、ハムスターみたいにもぐもぐしてるランさんを見て何もしないのは野暮でしょう?」
「それは、まあ」
「気持ちは分かるけどさぁ」
「故に私たちは何も後ろめたいことはしていないのです、これは母性に従ったまでのこと」
「キメ顔で言わないでね?」
女子が三人集まれば姦しいと言うが、女子が三人以上いるので姦しいどころの話ではない。 わちゃわちゃした空気の中、一人の生徒がおずおずと口を開いた。
「ところでナギサ様。 こうしてお茶会を開いているのはいいのですが……この後のご予定は?」
「ランさんにトリニティの中を案内して差し上げようかと」
「そうですか。 正義実現委員会を? それとも救護騎士団でしょうか?」
「今のランさんは何処でも新鮮でしょうからね、順番に巡って行ってもよろしいでしょう」
「了解いたしました。 では私は方々に通達の方を」
「お願いしますね。 ではランさん、今日はトリニティを隅々まで堪能していってくださいね」
「うん! ……あ、でも」
「? どうかいたしましたか?」
「らんね、なぎさおねーちゃんとてをつなぎたいなって」
「ッ!!!! はい、ナギサ”お姉ちゃん”と手を繋ぎましょうね」
「抜け駆けは許さないよ!? ランちゃん、ミカ”お姉ちゃん”とも手を繋ごうね?」
「わかった! ふたりとてをつなぐ!」
ニコニコと笑うランが何も躊躇うことなく二人と手を繋ぐ。 恐れとか汚れとか。そう言ったものを一切知らないようなその姿に、ナギサとミカは「でも私達下心満載で手を繋ぐって提案したんだよね……」と今更ながらな罪悪感が募る。
でもそれはそれとして繋いだ手は離さない、Rainbowflowerが脳内で再生されていた。 きっと右打ちをするに違いない。
~~~~~
「まずは正義実現委員会です。 ここは……そうですね、言うなればトリニティの安全を守ってくれている凄い人たちがいるんですよ」
「せいぎのみかただ! きりつぐだ!」
「でもその正義、時間制限があるんじゃないかな」
ナギサとミカの二人と手を繋ぐラン、そしてそんな三人の後ろをカルガモのようについてくるティーパーティーの生徒がやって来たのは、つい今しがた話していた正義実現委員会の宿舎であった。
現在進行形で訓練やら休憩やらを行っており、ナギサたちを見かけて挨拶をしてくる。 ランが元気よく挨拶を返すと、その姿を見た生徒達から黄色い歓声が返って来た。
「ふふ、小さくなったランさんは何処でも人気者ですね」
「でもちょっと複雑な気分かなぁ。 ランちゃんの可愛さは私だけが知ってればいいと思うんだ」
「そんな事が罷り通る訳がないでしょう? と言うかランさんの性格上バレないはずがありません」
「ランちゃん、誰とでも仲良くなれるもんね」
「そうですね、本人は否定しますけど」
きっとランの意識が子供でなかったら即座に否定の言葉が出たことだろう。 「私人見知りだから、コミュ障だから。 初対面の人に気軽に話しかけるとか無理な話だからね?」と言ったであろうが、実際ランの交友関係を見ればそんなはずがない。
会話回数が少ないくせにパーフェクトコミュニケーションばかり叩き出すせいで誰とでも仲良くなれるヤバい女である。
「これは、ナギサ様……お話は伺ってます。 ランさ……ちゃん? 初めましてと言えばいいのでしょうか?」
「ハスミさん、ええ……こちらがランさんですよ」
「はすみおねーちゃんこんにちは! わたしのなまえはあまみらんです!」
「……ふふ、これはご丁寧に。 私の名前は羽川ハスミです」
「ハスミおねーちゃんおっきいね!」
「ウッグッ!!!!!」
ハスミは吐血した。 自分が気にしていた事を隠すことなく正面から言われてそれはもう滅茶苦茶ダメージを受けていた。 最近ランの手作りスイーツではなく店で食べる巨大パフェを食べているせいで体重が増えているのも後押ししているが、それはただの言い訳である。
突如胸を押さえてしゃがみ込んだハスミの事を心配してランが駆け寄るが、その後ろでナギサたちは「あぁ、また体重が増えた(んだ)のですね」と凡その原因を察していた。 何なら自分達も最近スイーツの試作で味見をしているせいで体重計に乗るのが怖いとは死んでも言えない。
「はすみおねーちゃんだいじょうぶ!? どこかいたいの?」
「な、何でもないですよ……ランちゃんは、大きい女性はどう思いますか?」
「? わたしもおおきくなったらいいなっておもうよ? どうしたらおおきくなれる?」
「夜更かしせず、ちゃんとお腹いっぱいご飯を食べたら大きくなれると思いますよ。 心配しなくてもランちゃんなら私よりも大きくなれます」
「はやくおおきくなりたいなぁ……」
(体重が)重いとか(身長が)大きいとか、まだ小さいランにとっては何ら心配することのないことの為特に含むことなく言えるランに羨ましさを覚えるハスミ。 自分が小さい時はこんなだったろうか? 少なくとも大人のレディに憧れていた期間はあったかもしれない。
安心してほしい、ちゃんとランはハスミよりも大きくなる。 体重はハスミの方が多いかもしれないけれど。
と、そんな話をしていた時だった。 生徒の間を縫うようにしてやってきた……ツルギが、しゃがみ込むハスミと不思議そうな顔でハスミを見る小さなラン、そしてその背後で後方母親面しているティーパーティーの二人を視界に入れていた。
「……ハスミ」
「あぁ、ツルギでしたか。 話は聞いていると思いますが、此方がランちゃんです」
「……あぁ」
「おぉ……」
「……」
「……」
無言でランを見下ろすツルギと、そんなツルギを無言で見上げるラン。 双方ともに一言も発することのないその様子に、傍で見ているハスミやナギサは何故か無性に緊張していた。
そう言えば、とハスミは思い出す。 以前ツルギから「ランと面と向かって話が出来ない、辛い」と愚痴を零されたことを。
ナギサは思い出す。 以前ランから「ツルギちゃんから避けられている気がする、辛い」と泣かれたことを。 ちゃっかりナギサの太腿にしがみついて深呼吸されたのはいい思い出である。
ここからどうなってしまうのか……とハスミたちがハラハラする中、最初に口火を切ったのはランの方であった。
「おねーちゃん……」
「……ッ!」
「かっこいい……! つよそう!」
「ッ!!!!」
「……な、泣いてる……」
ランから言われた一言で、ツルギの双眸からは止めどなく涙が流れ続けていた。 正直避けられているかと思っていた理由の一つに「怖そう」とか内心思われてるんじゃないかなぁと考えていたため、子供ではあるがランからの純粋な一言に涙を禁じ得なかったのだ。
少なくとも怖がられているわけではないみたいなので、今度会った時こそちゃんと話をしよう……そう考え、ツルギは言葉を発することなくランの頭を撫でてその場を後にした。 言葉などいらない、と言う訳ではなくただ単純に今口を開いたら汚い慟哭が漏れ出そうで怖いからである。
「ぁ、いっちゃった」
「……そっとしておきましょう。 ランちゃんの事を怖がらせたくないんですよ」
「そうなの?」
「そうなんですよ」
「……コホン、ランちゃん? そろそろ次の場所に行きましょうか。 ハスミさんたちにもやることがありますからね」
「わかった! はすみおねーちゃんばいばい!」
「ふふ、ええ。 また今度遊びましょうね」
後ろ髪を引かれる思いで、ランはその場を後にする。 まだ色々と話してみたいことがあったのだが、子供故にちゃんと聞き分けがいい。 素直にナギサたちと手を繋いで歩く姿は親子や姉妹と言われても何ら違和感がなかった。
尚その姿を見たトリニティ生徒が「何あれ、連行される宇宙人みt」と言い終わる前に水着姿の生徒によって顔面を叩きつけられていたが、幸いにもその様子はランに見られることはなかった。
~~~~~
「ランちゃん、こちらが救護騎士団です」
「救護騎士団は……何だろ、一言で言えばお医者さん?」
「微妙にニュアンスが違う気がしますが、まあそのような物と思ってください」
「たたかうおいしゃさん!? えむぅ!!」
「流石に土管からコンティニューは無いかもね」
次にやって来たのは救護騎士団。 こちらは正義実現委員会と違って急を要する事態が起こっていない限りは暇なようで、今は閑散としていた。
道すがらニコニコと寄ってくる生徒と握手をしつつ、ランは嗅ぎ慣れない消毒液の匂いに顔をしかめていた。
「うぅ……わたし、びょういんきらい」
「病院ではないですけどね。 ランちゃんはこの匂いが好きじゃないみたいですね」
「よぼうせっしゅ、きらい」
「あぁ……注射は確かに苦手な人もいますからね」
「注射なんて悪だよ、錠剤で全部済めばいいと思うんだ」
「ほらここにも一人」
「うえ~」と二人して顔をしかめるのを見ると、似た者同士だなと言う感想を思い浮かべてしまう。 その様子に微笑ましさを覚える半分、息ぴったりな様子に若干の嫉妬を覚えたナギサは無言でミカの脇腹をどついていた。
「痛ったっ!!? 何で、何で今どついたのナギちゃん!?」
「何かムカついたので」
「子供かな? 理由が幼稚すぎるよ」
「ふたりとも、けんかしちゃだめだよ?」
「喧嘩ではありませんよ? 仲のいい二人のじゃれ合いです」
「じゃれ合いって言うんならこの脇腹をつねるこの手を離してもらっていいかな?」
「おっと失礼、摘まみやすい出っ張りかと思たらミカさんの脇腹でしたか」
「この女……」
ギリィ!! と歯ぎしりをする音が聞こえてくるが気にしない、桐藤ナギサは細かいことは気にしない女なのだ。
やいのやいのと言っているうちに予定していた場所へと辿り着く。 ノックをして中に入ると、そこには三人の生徒が椅子に座って歓談していた。
「……あら、ナギサ様。 もうそんな時間だったのですね、歓迎の準備が出来ず申し訳ありません」
「いえ、咎めることはありませんよ。 こちらがランさんです」
「は、はじめまして! あまみらんです!」
「ふふ、私の名前は蒼森ミネと申します。 ……それにしても」
「? ミネ団長、どうかいたしましたか?」
「いえ、妹と言う言葉がよく似合う容姿になってしまっているな、と。 妹を名乗るのは私の役目だと思っていたのですが……」
「????」
突拍子もないことを急に言い始めたミネに、ナギサは困惑の顔で見つめることしか出来ない。 多分それは女神とかいーすんとか別枠の話だと思うのでナギサが知らないのも無理はないのだが。 と言うか何でミネがそれを知っているのかと言う話にもなってくるのだが、ナギサはそれ以上特に追及することはしなかった。
ミネの傍にいた鷲見セリナや朝顔ハナエも同様に挨拶をし、用意していた紅茶や茶菓子を並べて歓談の続きを始める。 特に問題もなく話も盛り上がっている、そうナギサは考えていたのだが……
「……あの、ランさん」
「なぎさおねーちゃん、どうしたの?」
「その、どうしてミネ団長の膝の上に座っているのかな、と」
「うーん……なんか、おちつく?」
「お、落ち着くですか……」
「ランちゃんは分かっているんですね、私が『姉』だと」
「でも貴女さっき妹と」
「姉です、今私が決めました」
「ミネ団長、可愛い物好きですからね……」
「時々距離感がおかしいって他の生徒に言われてましたけど、今回は特に近くないですか?」
同じ救護騎士団であるセリナやハナエですらこう言っているのだ、おかしいと思っていたのはナギサ一人と言う訳ではなかったらしい。 こう言う時ミカが一番五月蠅そうと思っていたのにやけに静かだったのでどうしたのかと視線を移すと、ミカはミネとランの姿を写真にとるので忙しくしていた。
良いのか、それで。 今まさに姉の立場を奪われそうになっているのに。 だから負けヒロインって言われるんだぞ。
「ふふ、ランちゃん。 次は此方を食べてみて下さい」
「これもおいしいね! みねおねーちゃんがつくったの?」
「残念ですが、私は料理があまり上手くないので……市販品ですが、トリニティで有名なお店なので味の方は保証しますよ」
「わたしもりょうりがうまくなりたいけど、どうしたらいいかな?」
「……火力、ですかね」
「何でその結論に至るんですか、普通にレシピを見ながらコツコツと練習するでいいではないですか」
「レシピを見ても何故か炭が出来てしまうんですよね」
「何故……?」
はて、CV堀江由衣はメシマズだったかとナギサは思案するが、そも堀江由衣とは一体誰だったかと即座に頭を振る。 それを抜きにしても不良生徒に対して「救護」とか称してタコ殴りにしているような生徒に繊細な料理が出来るとも思っていないため深く考えるのをやめた。
出来なくてもいい、だってライバルが減るんだもの。
「ランちゃんは将来どんな女の子になりたいですか?」
「しょうらい? うーんと……」
「ん? 私を見てどうしたの?」
セリナから問われた将来の話に、ランはミカの方を見つめて無言になる。 今の話の流れで何故自分を見ているのかとミカは疑問に思っていたのだが……
「みかおねーちゃんみたいな、おひめさま!」
「……ぼ」
「ぼ?」
「ぼくのかんがえたさいきょうのかのじょ……ッ!」
「自惚れるのも大概にしなさい」
ワナワナと震えだしたミカを白けた目で見つつ、ナギサはまだかすかに温かい紅茶を啜る。 何がお姫様だ、トリニティピンクゴリラのくせにと。
その後も茶菓子片手に程よく盛り上がっていたお茶会だったが、そろそろ予定していた時刻へと差し掛かる。 予定ならあと少しでミレニアムから迎えの生徒がやってくる手はずとなっていたので、名残惜しさを感じつつもナギサはお開きの旨をミネに伝えることにする。
「ミネ団長、そろそろ時間が」
「おや、もうそんな時間でしたか。 楽しい時間はあっという間ですね」
「ほんとにね、ランちゃんがもう少しこの姿でいてくれれば良かったのになぁ」
「それはランさんに失礼と言うか……なりたくてなったわけではないのですよ?」
「それは分かってるけどさ? たまにこの姿で一緒に遊びたいって思わないの?」
「……思わないと言ったら、嘘にはなりますけども」
「でしょ? 戻ったら聞くだけ聞いてみようかな」
「でもミカさん。 仮にランさんが「じゃあ次はミカちゃんも幼女になってね」って言ってきたらどうするんですか?」
「えー? 私が幼女になっちゃったらランちゃんが私の可愛さにメロメロになっちゃうからダメだよ?」
「自己評価が高いですね。 その点だけは素直に賞賛できます」
締まりは良くなかったものの、概ねトリニティでの一日はランにとって楽しい物であったと言えるだろう。 会う人はみな優しかったし、お菓子も美味しかった。
ランは忘れない、今日だけでなくここ数日の楽しかった思い出を。 ……そう、忘れないのだ。
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「う゛ぅぅぅぅあぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!」
或る日のセミナー内に、彼女の汚い叫び声が響き渡る。 その様子を見たノアは「私の力不足のせいで……ッ!」とか誰目線なのか分からない後悔の念を露にしていたし、ユウカはもうなんか凄い顔になって死刑執行を待っている。
端的に言おう、幼女になっていた時の記憶が無くならなかったランは現在進行形で羞恥に悶えて床を転げまわっていた。 尚幼女のランを撮影、かつその映像を嬉々としてランに見せていたリオとヒマリは既にランに〆られて床に無残に転がっている。
怒らないで聞いてくださいね、馬鹿なんじゃないかと。 何で見える地雷を踏みに行くんだキミたち。
今週も土日はストーリー見直す時間に費やしたいので更新はないと思う
多分なんですけど、エデン条約編から原作と少しずつ乖離していくかもしれないので事前にここで伝えておきますね
小説の書き方、どっちがいい?
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これまでの書き方でいいよ
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新しい書き方でお願い