セミナー副会長はとにかく巻き込まれたくない   作:ピンク髪大好きニキ

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グッバイコメディ、ウェルカムシリアス
今回からエデン条約編に突入です、天海ランには沢山?精一杯?心行くまで?苦しんでもらいましょう

私はね、女の子が友達の為に頑張りに頑張り抜いて漸く手が届く……寸前に、その手ごと叩き落してどん底に落とすのが大好きなんだ
でも勘違いしないでほしい、別に不幸になってほしい訳じゃない。 ちゃんと最後にはハッピーエンドが待っているんですよ? 尚その過程で嫌と言うほど不幸な目に遭うかもしれないし精神がズタボロになるかもしれないけれど、まあ幸せになるから不幸の度合いは誤差でしょ(適当)

天海ラン、キミはよく頑張ったよ
親友が死んだときも、精神的に壊れかけたけど立ち直ったね?
親友と一緒に通った店が壊れても、最終的には何とかなった
不安要素がミレニアム内に増えたけど、自分がどうにかするって心に誓ったね?
後輩のために頑張れる健気で優しいいい先輩だと思うよ、いやホント、そう思ってるって

じゃあ今回も頑張れるよね?
トリニティ内は疑心暗鬼に満ち溢れ
誰が誰を狙っているかなんて知ったこっちゃない
友からは良く分からないことを言われ
暗躍が繰り広げられる中、一生懸命に退学阻止を誓う

頑張れ♡頑張れ♡
キミの頑張り次第で未来はいい結果に近づくんだよ、キミが頑張るんだ、今度こそ手のひらから零れ落とさないようにね
その結果、キミがどんなことになってしまうかなんて知らんけど。 まあ生きてりゃ儲けもんじゃない?生きるって素晴らしいね!






親友は死なせたくせにな


副顧問と補習授業部
27話「補習授業部と副顧問」


 

 

 

────────これはきっと夢だ。 と、ランは感じた。

 

何処までも透き通り、何処か夢見心地なフワフワとした感覚のまま、空も地面もない空間を揺蕩う。 知らないようで知っている、そんな不思議な感覚を味わいながら……体は目的地を知っているかのように動き続ける。

 

やがて『その場所』に辿り着いた体が動きを止める。 紅茶と茶菓子が並んだその長いテーブルには見覚えがあった、ティーパーティーでよく見るあのセットだ。

 

 

「来たね、ラン。 待っていたよ」

 

 

突然の光景に疑問が溢れ続けるランの耳に、懐かしい声が降りかかる。 声の主はゆっくりとその場に姿を現し、流れるような手つきでティーカップに紅茶を注ぎ始めた。

 

────────百合園セイア、現ティーパーティーの代表の一人であり……長くその姿を見せていないランの親友であった。

 

 

「セイア……ちゃん?」

 

「どうしたんだい、そんな幽霊でも見たかのような顔をして。 見ての通り私はこうして二本足で立っているとも」

 

「それは、見れば分かるんだけど……」

 

「……まあ、このような話をしても無意味なのだがね。 この記憶を、キミが覚えていられるかすら分からないのだから」

 

 

ランの声が聞こえているのか分からない答え方をしたセイアは、椅子に座り込んで紅茶を啜る。 ランも静かに座って茶菓子を摘み始めると、思い出したかのようにセイアの口が開かれた。

 

 

「キミは、運命と言うものを信じるかい?」

 

「運命? 急にどうしたの?」

 

「なに、純粋な疑問さ。 深く考えずに答えてほしい」

 

「……運命かどうかは分からないけど、物事には決められた流れがあって、その流れは並大抵の事では変えられない。 とは思ってる」

 

 

そう答え、苦々しい表情をするラン。

 

ランの脳裏に浮かんでいたのは、震える手で彼女が大切にしていた『盾』を握りしめる親友の姿だった。 変えられるものなら、何をしてでも変えたかった。 でもその未来は、一生訪れることが無くて……

 

 

「そう、か。 やはりキミは……」

 

 

ランの答えに納得したのかしていないのか、セイアは思案するように俯く。 時間にして5分と言った所だろうか? 淹れた紅茶が温くなり始めたころに、漸くセイアは俯かせていた顔を上げてランの顔を正面から見つめる。

 

 

「端的に言おう、ラン。 キミはこの先大きな出来事によってその力の大半を失うことになる」

 

「……変な質問をしたかと思ったら、急に怖いことを言うんだね」

 

「すまない、茶化しているつもりはないんだ。 これもまた運命、決められたレールに沿った流れには逆らえない」

 

「そもそも、キミ自体が世界のバグそのものなんだ

 

「何を、言って……」

 

「本来、天海ランと言う存在はいない。 何処にもいないんだ、私が観測した中では」

 

 

突拍子もないことを言われて思考が止まりかけるが、それでも何とか反論しようとランは言葉を紡ぐ。 自分が存在しない? 現にこうして生きているし話も出来ている。 なのになぜそのような結論に至るのかが全く理解できない。

 

 

「世界が生んでしまったバグを、これまた世界が修正しようとする。 本来の流れに戻るように、世界がランの力を削ぐ為に動く

 

「待って、待ってよセイアちゃん。 私がバグって……そんな」

 

「私だって、否定したいさ。 キミは親友で、かけがえのない私の数少ない友なのだから」

 

「だからこそ、この真実に辿り着いてしまったのが残酷だ。 良き理解者でありたい私が、誰よりも深くこの真実に打ちのめされてしまっているのだから」

 

「だから、だからこそランには抗ってほしい。 この先に待ち受ける残酷な運命に。 酷く憂鬱で、不快で、忌まわしい……過去が生み出してしまった軋轢に、バグであるキミにしかできない方法で、必ずや……」

 

「その運命ってのは何なの? どうすれば抗えるって言うの? それが分からないと私にもどうしようもできないよ」

 

 

ランはそう言って懇願するが、セイアは具体的な事は何一つ言ってくれない。 まるでランに話しかけているのに、そのランの姿を視認出来ていないかのようだった。

 

 

「……エデン条約」

 

「え?」

 

「エデン条約を、乗り切ってほしい。 今の私には何もできない、こうやって言葉で忠告することしか出来ない」

 

「頼む、ランだけが頼りだ。 ランにしか頼むことが出来ない。 ナギサを、ミカを……そして、それに巻き込まれてしまった彼女達を、どうか救ってほしい」

 

 

要領を得ない……いや、話が滅茶苦茶で何を伝えたいのかが明確に判断できないその会話に、ランは酷く不信感を募らせる。 セイアは、百合園セイアと言う少女はこんな生徒ではなかったはずだ。 常に冷静で、物事を順序立てて話す……そんな彼女が、こんな話し方をするだろうか?

 

彼女に何か問題が起きているのではないのか? だとしたらその問題とは一体? 分からない事だけが増えて行き、ランの頭はパニックになりかけていた。

 

 

「……すまない、どの道覚えていないだろうキミに一方的に話をしてしまった」

 

「ただこれだけは覚えていてほしい。 私はキミの理解者であり続けたいと思っているし、親友だとも思っている」

 

「願わくば、全てを乗り切った先でキミとまた面と向かって笑い合えることを」

 

 

視界がぼやける、セイアの姿が霞んでいく。 それは時間切れの合図であり……夢から覚める、時間である。

 

ランは手を伸ばす。 今伸ばさなければ、何か大切な物を失ってしまうような……そんな気がしてならなかった。 しかし伸ばした手は空を切り、セイアはより不明瞭になっていく。

 

 

「────────に、────────を」

 

「────────なら、きっと────────」

 

 

最後に聞こえたセイアの声も、殆ど聞き取れないくらいになっていく。 それに伴ってランの意識も、いや記憶すらも曖昧になっていく。

 

忘れたくない物が、手から零れ落ちる。 最後、ほんの最後の瞬間に一瞬だけセイアではない他の誰かの伸ばした手がランの手を掴み────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「────────ぁ、え……?」

 

 

 

 

 

 

 

────────砕けたヘイローの残滓が、辺りを漂っていた。

 

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

 

 

 

「……補習授業部?」

 

「ええ、ランさんにはそこの副顧問になって頂きたいのです」

 

 

或る日のトリニティ、ティーパーティーのテラスにて。 ランは以前と同様に椅子に座って茶菓子を食べつつ、今回ランを呼んだ張本人であるナギサの話を聞いていた。

 

またこの場所にはミカや先生も一緒におり、今回の呼び出しには先生も関わってくる話であるようであった。

 

 

「……いえ、その前に先ずは先生にトリニティの内情についてお話ししたほうがよろしいでしょうか? エデン条約の絡みもありますし」

 

「パテルとかその辺りの話なら私が後でやってもいいけど」

 

「で、あるならば今は置いておきましょうか。 優先すべきは補習授業部の顧問の方ですので」

 

「さっきから言ってるその補習授業部って何かな? 私トリニティにそれなりに来てるけど初めて聞いた部活だよ」

 

「それはそうでしょう、何せこの部活は最近急遽作られたものですからね」

 

 

紅茶で唇を湿らせつつ、ナギサは話を続ける。

 

 

「部と銘打っていますが、実際のところ部と呼ぶには些か……いえ、今はいいでしょう。 要は『落第の危機にある生徒を救う』のが今回の依頼なのです。 ランさんに関しては以前のアビドスでの救援に対してのお願い事になりますね」

 

”その件に関しては、私からもランに感謝を述べないとね”

 

「いえ、良いんですよ。 私は友達を救いたいがための行動ですから」

 

”そう言ってくれると助かるよ……あぁ、ごめん。 話の腰を折っちゃったね”

 

「お構いなく。 話を戻しますと、トリニティは古来より文武両道を掲げている歴史のある学園なのですが……嘆かわしい事に、現在4名の生徒が成績不振に陥っておりまして」

 

「それは、珍しいと言うかなんというか」

 

 

ナギサの言葉にランは驚愕で目を開く。 何だかんだ、そう何だかんだ言ってあの素行の悪い生徒や陰で陰湿ないじめを行う生徒ですらテストの成績はいいのだ。 あんななりでも頭の方はそこまで悪くないのだ。

 

それなのにそんなトリニティで成績不振の生徒が存在する……要は、伝統や面子的にそのような生徒がいるのはあまりよろしくないからどうにかしてほしいと言うことだろう。 疑問なのはそれをトリニティ内で完結させるのではなくて先生を、そして完全に部外者であるランに任せようとしている点なのだが。

 

 

「……先生に対してならまだ分からなくもないけど、それって部外者の私に話してもいいことなの?」

 

「ランさんの懸念も理解できます。 ですが今回に限っては、ランさんがいた方が話もスムーズに纏まると思いまして」

 

「……?」

 

”……?”

 

「百聞は一見に如かず、補習授業部に所属予定の生徒を見て頂けると分かると思います」

 

 

そう言って数枚の紙を先生へと手渡すナギサ。 先生はその紙を捲り……何故か一枚の紙で動きを止め、少しだけ目を見開いていたが、直ぐに我に返ってランへと紙を渡してきた。

 

一体何かとランも紙を捲ってみると、そこには所属予定らしい生徒のプロフィールが載った書類だったらしい。 その名簿を見て、ランはナギサが言いたかったことを理解することが出来た。

 

 

「……4人中3人が見事に知り合いだね」

 

「やはり、そうでしたか。 2人は確証がありましたが、1人は話を又聞きしただけだったので安心しました」

 

「この4人が、成績不振者……か」

 

 

羅列されていた生徒の名前には見覚えがあった。 いや、ありすぎたと言ってもいいだろう。

 

阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、下江コハル……面識の差はあれど、そのどれもが自分と知り合いなのだ。 唯一白洲アズサだけが面識なしとなってはいるが、ほぼ知り合いだらけの部活と言っていいだろう。

 

 

「見て頂いて分かったとは思いますが、補習授業部はランさんの知り合いも含まれています。 最初は成績の振るわない生徒を救済する……即ち、困っている生徒に手を差し伸べるシャーレの先生としてのお力をお借りする予定でしたが、面子の関係で部のコミュニケーションを円滑にするためにランさんにも声をかけた次第です」

 

「……うん、そう言うことなら。 話は理解したよ」

 

”こっちも問題ないよ、困っている生徒がいるのなら助けるのが先生だからね……でも一つ聞いていいかな?”

 

「はい? 何でしょうか」

 

”さっき少しだけ聞いたエデン条約って、何かな? 記憶が正しければ以前ゲヘナの生徒からもその単語を聞いた気がするんだけど”

 

「……成る程。 ではエデン条約に関しても、と言いたいところですが。 この件に関しては補習授業部に関係のないことなので後日改めて説明の席を設けると言った形でも問題ないでしょうか? 今は少しばかり予定が立て込んでおりまして」

 

”うん、それでも大丈夫だよ”

 

「ありがとうございます。 他に聞きたい事は御座いませんか?」

 

”うーん……強いて言うなら、あと一人の生徒会長について聞きたいかな。 この場にいないからどうしたのかなって思って”

 

「あー、その……」

 

「……セイアさん、ティーパーティーのもう一人の生徒会長の名前なのですが。 今はいないんです、入院中で」

 

「確か、本来ならセイアちゃんがホストだったけどその関係で今は臨時でナギサちゃんが務めてるんだっけ?」

 

「ええ、そうなりますね」

 

”そっか、ならこれ以上聞きたいことはないかな”

 

 

最後の方は少しだけ空気が重くなったものの、今回ランと先生が呼び出された件に関しては一通り話し終えたと言えるだろう。 その後は所属予定の生徒と顔合わせをすると言った話しに纏まり、お茶会はお開きとなる。

 

一足先に顔合わせに向かうと言ってその場を去った先生。 ランも後に続こうとして……背後から自分を呼び止める声に、足を止めた。

 

 

「ランさん」

 

「ナギサちゃん? どうかしたの?」

 

「いえ……その、何と言いますか」

 

「……?」

 

 

先程までの様子から一変、何やら煮え切らない態度にランは訝しむ。 伝え忘れたことがあったのならばすぐに伝えるだろう、ならば直接は関係のない話か何かなのだろうか? そう考えつつナギサの言葉の続きを静かに待つ。

 

 

「……いえ、何でもありません。 どうか彼女達を、よろしくお願いします」

 

「私がどうこう出来るかは分かんないけど、可能な範囲で力になるよ」

 

「その言葉だけでも助かります。 ではまた、次はゆっくりとお茶を楽しめることを願っていますよ」

 

 

何を伝えたかったのかは不明のままだったが、一先ずの話し合いは終わったのでランもその場を後にする。

 

後に残ったのは、何を考えているのか分からないミカと……今もなお考え込むような表情で下を見つめるナギサだけであった。

 

 

 

 

────────────────

 

 

 

 

「先生、今は何処に?」

 

”先ずは、名簿の中でも面識のある生徒の所にと思ってね”

 

 

ナギサたちに別れを告げた先生が向かっていたのは、資料に添付された補習授業部の生徒の居場所であった。 トリニティ内はそれなりの大きさで初見だと道に迷ってしまうことが多いのだが……そこはランが先導することによって、大の大人が迷子と言う状況を回避していた。

 

曲がり角を何度か曲がり、目的の教室へと辿り着く。 ノックをして中に入ると、そこには都合よく目当ての生徒のみが教室に残っていたらしい。

 

 

”やっぱり……”

 

「何やってるの、ヒフミちゃん」

 

「あ、あはは……こんにちは、先生にランさん」

 

 

そこにいたのは阿慈谷ヒフミ。 補習授業部の部長的立場になるであろう生徒である。

 

尚ヒフミ本人は非常に気まずそうな顔をして先生とランを見ているのだが……こればかりは仕方ない、補習授業部入りした原因を他でもない本人が自覚していることもあるが……その原因が、ランに知られたら絶対に冷たい目で見られると知っているからだ。

 

 

”それで、補習授業部何かに入ることになった理由を聞いてもいいかな?”

 

「えっとぉ……それは、その」

 

「大方ペロロ関連のイベントの為に学校行事をサボりました! 何て言うんじゃないのかな」

 

「あう……」

 

”当たってるんだ……”

 

「そんな事だろうと思ったよ」

 

「ま、待ってください! 言い訳させてください! 私ちゃんと試験の日程は把握していたはずなんです!」

 

「でも現実は試験をサボった事になっている、結果が物語ってると思うんだけど」

 

「う゛っ……ご、ごめんなさい」

 

 

ランからの容赦ない言葉と冷たい眼差しに、ヒフミの心は折れた。 ペロロ様関連のイベントがある度にランに連絡して一緒に楽しんだり(強制)ペロロ様のグッズが発売されたら一緒に買いに行ったり(強制)ペロロ様関連でヘルメット団に襲われたらランに助けを求めたり(強制)してきたことが裏目に出ているのかもしれない、多分それは自業自得だと思う。

 

暫しの間無言でヒフミを見つめていたランだったが……やがて大きく溜息を吐いて肩を落とした。

 

 

「はぁ、今に始まった事じゃないから必要以上にがみがみ言うつもりはないけどもさ。 今度から気を付けようか」

 

「仰る通りです……大変申し訳ありません」

 

「なら私からはこれ以上言うことはないけど、ナギサちゃんから何か言伝預かってたりしないかな」

 

「あ、確かに言われてます。 今回は先生とランさんのサポートを頼みたいと」

 

「サポート、ね。 どちらかと言うとトリニティにあまり詳しくない先生のサポートって所かな」

 

”そうなんだ、それはお世話になるかも”

 

「任せてください! トリニティの事であれば私が詳しいので!」

 

 

そりゃトリニティ生なのだから詳しくなければ困る、とはランは思っても口には出さない。 余計なことを言ってこれ以上ヒフミの精神をボロボロにするわけにはいかないのだ。

 

 

「今日は一先ず顔合わせだけね。 先生の方もシャーレの仕事とか引継ぎの関係で今すぐに行動に移せるって訳ではないから」

 

「分かりました、では早速次の生徒の場所に行きましょうか」

 

”お願いするね……えっと、資料だと次の生徒は”

 

「正義実現委員会ですね、教室の場所は把握しているので着いてきてください!」

 

 

やけにやる気を出したヒフミの後に続くようにして教室から出る。 ラン達が次に目指すのは正義実現委員会の教室であり……自分が間違っていなければ、このような形で再開したくなかった相手がいるはずであろう場所である。

 

道すがら先生やランの事を知っている生徒からの挨拶に返答しつつ、一行は目的地であった正義実現委員会の教室へと辿り着いた。 ヒフミが先頭に立って中へと入り、その次に先生が中へと入る。 ランはその教室に入ることすら久しぶりだったため少しだけ感慨深さを感じつつも、今はそんなことを考えている場合ではないと気を取り直してドアを開いた。

 

 

「だから、私は人見知りなんかじゃ……ッ!? ら、ラン先輩!?」

 

「久し振り、元気そうで嬉しいよコハルちゃん」

 

「あ、えと、その……私も嬉しいです!!」

 

”私の時とは全然違った反応だ……”

 

「あ、あはは……」

 

 

中へ入ると先生と言い争い紛いな会話を繰り広げていたコハルが目に入るが、ランを見た途端に人懐っこい犬の様な態度となるコハル。 その変わりように先生とヒフミは苦笑するしかなかったが、話がスムーズになると思って敢えて何も言うことはなかった。

 

尻尾があったら絶対ブンブンしてる、こんなに懐かれるとは思わなかったランは困惑しつつもそんな態度はおくびにも出さずに会話を続ける。 別に何も考えてない適当な激励で誤魔化したことに対しての罪悪感があるわけではない、決して、そう決してそうではない。

 

 

「あの、ラン先輩。 正義実現委員会の教室に何か用事があって……?」

 

「まあ、そうだね。 多分ここに目的の生徒がいると思うんだ」

 

「目的……?」

 

「補習授業部って言う、成績不振な生徒が集まる部活が発足されるんだよ。 因みにコハルちゃんもその一人ね」

 

「エッ」

 

「……訓練は頑張ってるみたいだってハスミちゃんから聞いたけど、勉強の方はまだみたいだね」

 

「う、うぅ……」

 

「────────あら、ランさんではないですか。 こんな所で会うなんて奇遇ですね?」

 

「痴女ォ!!!!!」

 

 

思わず叫んでしまったランは悪くないと思う、誰だって校内でスク水痴女が歩いてたら叫ぶに違いない。

 

スク水痴女もとい、浦和ハナコはランの姿を視認した途端満面の笑みで歩み寄ってくる。 見ろよ、スク水巨乳痴女がトリニティ内を練り歩いているぞ。

 

 

「見慣れない大人の方……成る程、先生ですね。 そしてその傍にいる阿慈谷ヒフミさんと、正義実現委員会の下江コハルさん。 つまり補習授業部の件でしょうか」

 

「その察しの良さには驚くけど、それ以上にそのスク水についても驚きを隠せないよ」

 

「私はただ水着で校内を徘徊しただけですのに……正義実現委員会に捕まってしまって」

 

「突っ込む所しかないからね? でも、うん、そっか」

 

「? どうかしましたか?」

 

「ううん、何でもないよ」

 

 

言いたいことは多々あれど、人がいるこの場で言うことではない。 ランはそう考えて口を噤んだ。

 

ランのその様子に何かを感じつつも、ハナコも何も言うことはなく辺りには妙な静けさに包まれる。 別に「この面子絶対に面倒なことになる」とか思っていない、多少厄介事に巻き込まれたことに関してナギサを恨んでいない事もないが、自分が頼んだことに対してのお願いな為あまり強く言うことが出来ない。

 

願わくば最後の一人がまともであってほしいと切に願うラン。 ヒフミはまともだと思いたいが、ペロロが絡むと手段を択ばないナチュラルサイコパスペロロキチにそんな期待はしていないのだ。

 

そう考えて待っていた最後の一人である白洲アズサはと言うと……

 

 

「────────惜しかった。 弾薬さえ足りていれば、もう少し道連れに出来たのに」

 

 

前言撤回、やっぱ最後の生徒もまともじゃなかった。

 

これから起こるであろう波乱の展開に、ランは既に胃薬が欲しくなっていた。

 




多分、きっと、この回が更新されている頃には天海ランのプロフィールが公開されていると思う。 されてなかったらまとめ切れてないんだと思うわ、すまん

立ち絵が公開されたことに伴ってFAが増えたらいいなって下心がない……とは言わない、めっちゃ待ってる。それと同時に最新話を見てる人達にはまたプロローグから見直していってほしいなとも思う

立ち絵があるからこそ「コイツこの見た目で作中こんなことになってるんだよな」って笑えると思うからね、みんなで笑おうね?か弱いなりに足搔き続ける天海ランの頑張りをさ

小説の書き方、どっちがいい?

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