セミナー副会長はとにかく巻き込まれたくない   作:ピンク髪大好きニキ

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ナギサとの語らいまで書こうと思ったんですけどそこまで書くと長くなりそうなんで切りました、次回はナギサとの語らいからスタートすると思います

ヒフミ好きな先生には本当に申し訳ないと思ってる、この作品ヒフミの著しいキャラ崩壊が起きててやべぇなとは思ってる

このヒフミなら素でナギサに「それなりに楽しめたぜェ?? お前とのお友達ごっこぉ!!」とか言いそうで怖い


35話「順調と期待と副顧問」

 

 

 

「遅いぞ、みんな。 私は既に日が昇る前から試験勉強をしていた」

 

「開幕早々ドヤ顔で結構だけど、社会に出たら給料が発生しない無駄な労働だね」

 

「ランさん、労働に何か嫌な事でもあるんですか?」

 

 

あるに決まっている、急に生えてくるタスクは滅ぼした方が良いと思う。

 

……何て冗談はさておき、現在は別館の教室。 昨日? いや日付が変わっていたから今日の美食研究会との鬼ごっこを終えて、より本格的に勉強をしないといけなくなってきた。 既に十分な勉強時間を設けてはいるけど、もう試験まで二日しか残ってないと言うのもまた事実。 苦手分野をもっと重点的に勉強して、万が一が無いようにしなければならない。

 

 

「にしても、アズサちゃん怖いくらい張り切ってるよね。 そんなに張り切ることある?」

 

「ランさん、アレですよアレ……例のご褒美の」

 

「あぁ……」

 

「あの、私が言うのもなんですが。 露骨にテンションが下がりましたね」

 

「理由が分かって嬉しいと言う気持ちより、理由が思った以上にアレだったことが分かって萎えた気持ちの方が勝ったって感じ」

 

 

成る程、アズサちゃんが張り切っている理由はご褒美のモモフレンズのグッズだったか。 補習授業部の中でもヒフミちゃんとアズサちゃんしか興味を持ってないからほとんど話題に上がらなかったんだよね。

 

その分アズサちゃん達の会話はより一層濃密になっていたけども。 今度コラボカフェに行くって言う予定は別に立てていいんだけど、今は目先の問題に集中しようね?

 

 

「って、そうなると私も用意しないといけないのか。 どの道今から模擬試験だよね?」

 

「そうですね、アズサちゃんも張り切ってますし……この勢いのまま模擬試験を行おうかと」

 

「ならその時間を利用して私もご褒美用の私物を持ってこようかな? アズサちゃんは兎も角、ハナコちゃんにコハルちゃんはモモフレンズのグッズクソほども興味ないから

 

「だから言い方ァ!! 何でそんな言い方するんですかペロロ様が何かしたんですか!?」

 

「モモフレンズは何もしてないけど、モモフレンズ関連でブラックマーケットに行ったら大抵不良生徒のカツアゲに巻き込まれて結局殲滅することばっかりでしょ? そりゃ嫌な記憶しか無いよ

 

「その節は本当にご迷惑をおかけしました……」

 

 

ヒフミちゃんがそう言ってすぐさま土下座をする。 いや別に私もモモフレンズアンチって訳じゃないんだよ? でもさ、ヒフミちゃんが「ブラックマーケットでペロロ様の限定グッズが出品されたという情報を情報屋から入手しました! なのでランさん護衛をお願いします!」なんて言って連れ回された挙句ヘルメット団に襲撃されるわ「モモフレンズのコラボカフェが出来たらしいです! 購入グッズを買いたいのでランさん付き合ってください!」って急に言ってきてついて行ったら丁度虫の居所が悪かったトリニティ生徒の銃撃戦に巻き込まれて鬼のような形相で「ペロロ様を侮辱しました? 万死に値するので今すぐ死んで下さい!! 死んで!! 死ねって言ってるでしょうが!あぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」って急に発狂してトリニティ生を一心不乱に殴りつけるヒフミちゃんを必死になって止めに入ったりとか、少し思い返すだけでもいい思い出が全くないんだよ? そりゃ嫌にもなるでしょ。

 

別に、そう何度も言うようで申し訳ないんだけど個人の趣味に関してとやかく言うつもりはないんだよ? ただ限度ってもんがあるでしょ。

 

 

「と言う訳なので。 試験中に一旦自宅に戻って私物の方を持ってきます。 試験監督は先生に一任しました」

 

”分かった、気をつけて行ってね”

 

「了解です。 じゃあみんな、また後で」

 

「い、行ってらっしゃいですランさん! 私頑張るので!」

 

「うんうん、その意気だよ。 でも肩の力は抜くようにね? 力んでちゃ出来る物も出来なくなっちゃうからね」

 

「私も頑張りますね、ご褒美……期待、してます♡」

 

「……ハナコちゃんのだけリオちゃんのストッキングにかえてもバレないんじゃないかな」

 

「本人の目の前でそんなこと言ったらバレるでしょう。 そもそもランさんの私物なら私は臭いで判断できます」

 

「そんな使い道のない特技を自慢そうに披露しなくていいんだよ」

 

 

皆の顔色も意気込みもバッチリな様なので、私は小さく手を振って別館から立ち去ることにした。 時間的にも私が戻って来た時丁度試験の採点が終わるか終わらないかくらいだろうし……ついでにミレニアムにも顔を出しておこうかな? 問題は今のところないって言ってたけど、顔を見ていない分駄々をこねそうなのがいるからね。

 

 

 

────────────────

 

 

 

「……と、今のところはそんな感じになってるよ」

 

「成る程、そんなことになってたんですね」

 

「興味深い話です。 あ、コーヒー淹れましたよ」

 

「ありがとう、ノアちゃん」

 

「ついでに吸いますか? 腋」

 

「また変な電波でも受信した? 病院行きなよ」

 

「すみません、ノアは今日で3徹目で……」

 

「そんなに業務が溜まってるの?」

 

「いえ、C&Cが予定外に破壊した設備の報告書や被害額の算出等でやるべきことが増えちゃって……あ、ちゃんと通常業務は済ませてますよ」

 

「それなら良い……いや良くはないんだけども。 ちゃんと休む時間を設けてね?」

 

 

目の下に隈を作ってコップに入った虚無を啜るノアちゃんは控えめに言ってキチガイなんだよ、私のなんてコーヒーじゃなくて9割ミルクなんだけど? カフェオレとかそう言うレベルの話じゃないぞ。

 

でも業務の滞り自体はないようで安心した。 人員に関しては一つも安心出来ないけども。 とはいえ目立った問題はないようだから安心だね、ウン。

 

 

「それで、大丈夫なんですか? 話を聞く限り周りを全部疑ってかからないといけないような状態だと思うんですけど」

 

「うーん、一応案自体は浮かんでるからそこまで危険視してないよ。 あるとすれば、相手が私も思ってもみない暴走をしなければ、だけど」

 

「退路を失った人は破れかぶれで行動しますからね。 窮鼠猫を嚙むとも言いますしランさんは細心の注意を払って行動してくださいね?」

 

「分かってる、分かってるから上着を脱いで近寄るのは止めようか。 何か貞操の危機を感じる」

 

「ちょっと待っててくださいね……ふんっ!!!!

 

「きゅう……」

 

「……ふう、これで一安心です」

 

「後輩の突然の暴力に先輩は言葉も出ないよ」

 

スッと立ち上がったユウカちゃんがノアちゃんの顔面にストレートを放って気絶させた。 発言から行動まで1秒もかかってないその決断の速さに恐怖しつつ、私は何事もなかったかのようにカフェオレもどきを啜った。 あれこれ言うのは止めよう、何か藪蛇な気がするし。

 

 

「一応聞いておきたいんだけど、ユウカちゃんの立場から見てエデン条約ってどう思う?」

 

「私ですか? 私としては治安が良くなる分には問題ないとは思います。 確かに懸念事項もありますけど……ゲヘナの風紀委員会が力に溺れて、なんて想像もつきません。 ランさんの話からの推測ですけど、もしそんな事態が起きたら空崎ヒナさんが黙ってないと思います。 主にランさんの為に」

 

「それ、暗にヒナちゃんが「ランに余計な手間をかけさせるなよ、あぁん?」ってなるとか言ってる?」

 

「そんな事は一言も。 ですが二校の暴走をはいそうですかと見過ごす方ではないでしょう?」

 

「それはまあ、そうなんだけど」

 

「結局のところ、締結しない事には何を言っても仮定の話ですし。 その時はランさんの指示に従いますよ」

 

「そこはリオちゃんでは?」

 

「顔を見せない会長より顔を見せる副会長でしょう」

 

 

やっぱ顔を出してないのか、そんなんだからミレニアムの生徒に「会長? 知ってる知ってる、ランって言うんだよね?」とか言われるんだぞ。 最早1年の中で顔を知ってる生徒がいるのか怪しいってレベルにまでなっているんだからな。

 

とは言え、意見交換をして少し雑多になっていた頭の中も少しは整理できた。 最近は精神が擦り切れるような陰鬱な物しか見てなかったから心が現れるような気分になれてリフレッシュ出来た、気がする。

 

 

「じゃあ私はヒマリちゃんの所に寄ってからトリニティに戻るよ。 セミナーの事は任せたからね」

 

「ええ、了解です。 いざとなったらコユキを酷使しますので」

 

「この場にいないのに酷使が決まるコユキちゃん可哀想……」

 

「良いんですよ、最近また調子に乗ってますからね。 ここらでお灸を据えないと」

 

「お手柔らかにね……あ、それはそうとトリニティで同人誌を見ちゃって」

 

「? どんな本ですか?」

 

私とユウカちゃんがナメクジみたいなヌルネチョなエロいことしてる本。 それじゃあね」

 

「いや最後の最後に特大の爆弾を残していかないで下さい!! その話もっと詳しく!! 行く前に教えてくださいよ!!」

 

 

後ろでユウカちゃんが何か言っているが私は止まらない。 現物はないけどユウカちゃんも私と同じ痛みを味わってくれたまえ。 そんな気持ちを込めつつ、私はその足でヒマリちゃんの所へと向かうことにした。

 

 

~~~~~

 

 

「ヒマリちゃーん」

 

「おや、珍しいですね。 そのパターンで私に泣きついて来ないとは」

 

「泣きたいのは山々なんだけど、これから戻らないといけない分泣いてる暇がないんだ」

 

「世知辛いですね……それで、今日は何の用ですか? 最近出番のなかった私に態々会いに来たのですから何かしらの要件があるのでは? ですがどんな要件であろうと解決して差し上げましょう、このミレニアムが誇る」

 

「あ、口上はそこまででいいや」

 

「最近私の扱いが雑になって来ていません?」

 

 

メタ発言と長々しい自己紹介をされたら言いたくもなるでしょ、でもヒマリちゃんの方から話を振ってくれたので今私が置かれている状況に関してヒマリちゃんなりの見解を求めようと思った。 ヒマリちゃんの事だから何か情報を入手しているかもしれないと言うのもあるけど、他人の意見だって馬鹿には出来ない。 人と言うものは自分の考えだけで動いていると過ちに気付けずにどんどん深みにはまって行ってしまう生き物なんだから。

 

無論、政治的やら個人情報的に関わる部分は省いてだ。 まあヒマリちゃんなら出された情報から自分で答えに辿り着いてしまいそうなものだけれど。

 

 

「……成る程、大分複雑な状況下に置かれているようですね」

 

「これも私がアビドスの一件で作ってしまったものだから何とも言えないけど。 ヒマリちゃん的にはどう思う?」

 

「そうですねぇ……意図的に情報を伏せている部分は恐らく政治的立場にない故の措置なのでしょうけど、私が危惧するのは別の部分ですね」

 

「別の……?」

 

「エデン条約が本当にトリニティとゲヘナの為に締結されるものなのかと言う事です」

 

「……どういう事? トリニティとゲヘナの双方が手を取り合うからこその物じゃないの?」

 

「確かにそうでしょう。 あくまでも、表に出ている情報だけを見れば……の話になりますが」

 

 

意味深なことを言って私に微笑みかけるヒマリちゃん。 一体どう言う事だろうか?

 

 

「ゲヘナの万魔殿は飛行船の建造を行っているそうです」

 

「あ、それリオちゃんがチラッと言ってたような言ってなかったような……」

 

「おかしな話だとは思いませんか?」

 

「? 別に、条約締結を記念して作るって言う事なら理解できなくもないけど」

 

「ええ、普通はそう思うでしょうね。 しかしこの情報、表沙汰になっていません。 何ならゲヘナでも万魔殿のごく一部の生徒しか知らされていないのですよ。 まああそこの情報部は優秀ですから知っててもおかしくはないでしょうけど」

 

「うん……?」

 

 

おかしいと言えばおかしい。 マコトちゃんは割と自己顕示欲と言うか、そう言う事は大々的にばらして自慢することが多い。 なのにバレないようにするのは……

 

 

「でも、サプライズで大々的にって言う線もまだ残ってるよね?」

 

「そうですね、その可能性もあります」

 

「なら……」

 

「────────では最近、その件の羽沼マコトが人目を忍んで何処かへ向かっていることはご存じですか?」

 

「……?」

 

「いえ、ゲヘナだけではありませんね。 トリニティでもある特定の生徒達が似たような行動を取っています……ティーパーティーのお二方です」

 

「ミカちゃんにナギサちゃんが?」

 

 

もうすぐエデン条約と言うこのタイミングで学園のトップ全員が隠れて行動をしている、と。 その話を聞くと、行動の不自然さは確かにある。

 

特にトリニティは、知らされていないけどセイアちゃんがあんな風になっている以上襲撃の危険性があるから……とも捉えることは出来る、が。 如何せん補習授業部に行っている事を考えると怪しいと言う考えに至るのも不自然ではない。

 

 

「まるで人狼ゲームをやってるみたいだよ」

 

「ふふ、まさにその通りでしょう。 誰が嘘をついて、誰が本当の事を言っているのか……もしかしたら、全員が嘘を言っている可能性だってありますからね」

 

「止めてよ、そんな怖いこと言うのは」

 

「ですが可能性が無い、とは言えないでしょう? 考えたくないと思っていても、その可能性も脳裏に過ったからこそこんな話をしているでしょうし」

 

「……立場のある人って、本当に頭が痛くなるね」

 

「それは力がある故の性とも言えます。 副会長と言う立場に就いた時点で避けられないものですよ」

 

「私は、みんなで仲良く学校生活を楽しみたいだけなんだけどなぁ」

 

「それを叶えたいのであれば、目先に存在するエデン条約をどうにかすることが先決でしょう」

 

 

特異現象捜査部に設置されているモニターを呆然と見つめながら、私は大きなため息を吐いてしまう。 どうしてこう、みんな仲良く出来ないんだろうか。 争いからは何も生まれないと思うんだけど。

 

え? 私も大概美食研究会やら便利屋68やらを追いかける過程で争いを起こしてるって? 良い着眼点だね、首を出そうか。

 

 

「私はアドバイスまでは出しますが答えは言いません。 答えを出すのはランちゃんの役目ですから」

 

「それはもう、分かってる。 可能な限り厄介なことにならないように尽力するよ」

 

「まあ身構えてても厄介事の方からやってくるのがランちゃんなのですが」

 

「勘弁してよ、気にしてるんだから」

 

「とは言え、注意はしてください。 本当なら四六時中見守ってあげたいところですが……私も私で、面倒な案件を抱えていると言いますか」

 

「見守るじゃなくて監視ね? 流石にヒマリちゃんにそんな手間をかけさせるわけにはいかないから」

 

 

そこまで話した後、時計を見たら時刻は既に予定していた滞在時間を過ぎていた。 遅く戻って迷惑をかけるのもどうかとおもうし、パパっと自宅に寄ってトリニティに戻るとしようかな。 帰り際にヒマリちゃんから武器のメンテナンスの話をされたけど、悲しいことにそんな時間は残されていない。 まあ大規模な戦闘があるわけでもないから少しくらい定期メンテからずれても問題ないだろう。

 

 

────────────────

 

 

”お帰り、採点は済んでこれから成績発表をする時間だよ”

 

「なら丁度いい時に帰ったみたいですね……それで、手ごたえはあったかな?」

 

「ケアレスミスさえなければ十分合格ラインに入っている自信がある」

 

「私は可もなく不可もなく、ですかね」

 

「今回は自信があります!」

 

「うんうん、なら早速結果を確認してみようか」

 

「……あの、私には聞いて下さらないんですか?」

 

「分かり切ってるから聞かない」

 

 

その言葉に若干むすっとした顔になるハナコちゃんだが、聞くわけないでしょ。 実力を知ってるんだしこのタイミングでわざと不合格になる必要もないんだから。

 

私とハナコちゃんの会話に苦笑を零しつつ、先生は黒板に試験結果を貼り付ける。 そこに書かれていたのは……

 

 

阿慈谷ヒフミ:78点

 

白洲アズサ:73点

 

下江コハル:72点

 

浦和ハナコ:69点

 

 

────────全員合格と言う、これ以上ない結果であった。

 

 

「よ、よかったぁ……!」

 

「凄いですよアズサちゃん! あの馬鹿みたいな点数からここまで上がりましたね!」

 

「う、うん……馬鹿、馬鹿か……」

 

「ふふ、ランちゃん。 見て下さいあの芸術的な点数を……ちゃんと合格しましたよ♡」

 

「良くやったね、ご褒美にアームロックをあげるよ」

 

「がああああっ!!!」

 

”それ以上いけない”

 

 

先生からストップがかけられたのでハナコちゃんへのアームロックを止める。 何処から出してたんだと言うような野太い声を終えたハナコちゃんは、涙目になりながら此方を見つめてくるけど……しょうもない点数に調整したハナコちゃんが悪いと思うんだよね。 ちゃんと反省してね? 合格ライン超えれば良いって話じゃないんだよ?

 

 

「良かったです……本当に、一時は不安で不安で仕方なかったんですけど、ちゃんと皆合格ラインまで点数を上げることが出来て……」

 

「当然よ! だってランさんから勉強を教えてもらったんだから!」

 

「私はハナコとヒフミが懇切丁寧に教えてくれたからだ、本当に感謝している」

 

「ハナコちゃんも、今回は良く出来たね、凄いね」

 

「……あの、そこまで棒読みだと流石に傷付くのですが」

 

「ソンナコトナイヨ? ちゃんと気持ちは籠ってる」

 

「ハナコちゃんもです。 ……何があったのか分かりませんが、前のような点数が出せるよう私もお手伝いしますので!」

 

「……! ふふ、ありがとうございます」

 

 

あぁ、成る程。 何処でかは分からないけど以前のハナコちゃんのテストか何かの成績を見たんだね。 だからこそのセリフなんだろう。

 

でもこれからは問題ないと思う。 補習授業部の為にもハナコちゃんは力を貸してくれると思うし、安心して試験に臨むといいよ。

 

 

「では、無事テストも合格できたので……約束通り、モモフレンズグッズをお渡ししますね!!」

 

「!!! 待ってたぞ……!」

 

「……あっちはあっちでやるだろうからこっちも済ませちゃおっか」

 

「ら、ランさんが見たこともないような真顔になってる……」

 

「まあ、その。 趣味は人それぞれですから、ね?」

 

「他人の趣味にケチ付けるつもりはないからね。 とりあえず家から適当に見繕って持ってきたけど、この中から選ぶって形でもいい?」

 

 

私はそう言って机の上に私物を置いた。 万年筆に小さくなった制服、それと耐久性に難があって使わなくなった警棒に履かなくなった靴と……一体誰がこんなものを欲しがるのかと言いたくなる私物の数々。 でもこの二人には需要がある辺り、何と言えばいいのやら。

 

 

「どれにしよう……あ、私万年筆でも良いですか?」

 

「良いよ、普段使う機会ってあんまりないかもしれないけど、まあメモ帳とかにはさんでおくとかでも良いし」

 

「やった……! ありがとうございます!」

 

「因みにランちゃん、値段の方はおいくらほどなんですか?」

 

「え? 確か……オーダーメイドだから30万もしないはず」

 

「さんじゅっ……!!?」

 

 

コハルちゃんが驚いた様子で万年筆を落としそうになっているけど、オーダーメイドかつ希少素材で作った一点ものだからこその値段なだけである。 意気込んで作ってもらったのは良いけど、戦闘中に壊してしまう可能性が高すぎて使う機会を見失ってね……基本PCか書類にボールペンの業務だから本当に機会が無いんだよ。

 

 

「そ、そんなに高いもの……良いんですか?」

 

「悲しいことに使う機会が無くてね、宝の持ち腐れ状態ではあるかな。 だからコハルちゃんが使ってあげて?」

 

「は、はい……」

 

「ランちゃん、私はこれを」

 

「制服、で良いの?」

 

「ええ♡ これを着れば何時でもランちゃんに包まれている気分になれそうですから」

 

「……ハナコちゃんがそれで満足するのであれば良いんじゃないかな」

 

 

あげると言ったのは私なんだし、使用用途については聞かないよ。 そう、聞かない。 だって聞いたら碌でもない回答が返ってきそうで怖いんだもん。

 




金曜の更新は間に合えばって感じです。 間に合わなくても土曜は更新すると思うから勘弁な……あと感想以下略

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