セミナー副会長はとにかく巻き込まれたくない   作:ピンク髪大好きニキ

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今回めっちゃ短い理由は読んだら分かる、最後の方思いっきり原作から乖離し始めるから

原作が嫌いって訳じゃないけど、オリ主出してるわやりたい放題してるわだからここらで思いっきり原作から離れても…ママエアロ

原作準拠を楽しみにしてた人には申し訳ないけど、この作品はエデン条約以降は色々変わっていくと思います


38話「それでもと言い続ける副顧問」

 

 

 

 

「……試験勉強して、意味ってあるんですか?」

 

「急に哲学みたいなこと言い始めたけど、あるからやってるんじゃないかな」

 

「言いたいことは分かりますけど、ここで諦めたら相手の思う壺ですよ?」

 

 

二次試験……まあ、ナギサちゃんの企みによって全て台無しになってしまった、その翌日。 別館の教室で補習授業部の面々と私達は集まっていた。

 

机に模擬試験の用紙やら何やらを開いてはいるけど、あまり身に入っている……とは、とてもじゃないけど言えない。 まあ仕方もないよね、頑張ってきたその全てがまさか勉強以外の要素で無駄になってしまったんだから。 あの後ナギサちゃんを殴らなかった私を褒めてほしいくらいだよ。

 

 

「で、ですがこうして集まっているのもそもそもが退学にならないようにするためですし……」

 

「でもああやって勉強以前の妨害されちゃったら意味がないって事でしょ!? そんなの一体どうすればいいって言うのよ!」

 

「やっぱあの時殴って帰れば……」

 

”ラン、一瞬だけでも殴っていいよと思ってしまった私も悪いけど、立ち止まってくれて良かったと思うよ”

 

「しかしながら、何かしらの方法を見つけなければ一週間後には本当に皆で退学……と、言う事になってしまいますね。 どうしましょうか?」

 

「……因みに先生、ナギサちゃんは?」

 

”さっきまで探してみたけど、見つからなかったよ”

 

「そう、ですか」

 

 

そう言った先生と共に、私は二人して小さく溜息を吐く。 急いで様子を見に行こうとした私のミスだ、目を離した一瞬でセーフルームにでも隠れたに違いない。 先生も先生で問い質したいことがあったみたいだけど、姿を隠してしまった以上それも難しいだろう。

 

八方塞がり、その言葉が頭を過る。 努力してもそれ以外の妨害で報われず、どんなに足搔こうと話を聞いてくれないだなんて一体どうすればいいんだって話だしね。

 

 

「こうして集まってはいるけど、いい案なんて出てこないしどうすればいいってのよ……」

 

「確かに言いたいことは分かります。 真面目に勉強しても今回のような手法で邪魔をされたら意味がありませんからね」

 

「ですが、だからと言って何もしなければ退学……」

 

「知恵を寄せあったとしても、こうして何も出ない時点でお察しって事でしょ?」

 

”……悪い方にばかり思考が寄ってるね”

 

「あまりいいとは言えない状況ですね。 はぁ……」

 

 

溜息を吐いてしまうが、一番吐きたいのは補習授業部の方だろう。 崖っぷちなのは彼女達の方なんだから。 手助けしたいけど、今この状況で出来る手立てが無いのもまた事実。

 

ヒマリちゃんに話せばナギサちゃんの居場所を教えてくれそうなものだけど……それを先生とハナコちゃんに止められてるからなぁ。 これ以上そう言う方法で助力するのはダメ、だそうだ。

 

こうしてこれと言った方法も思いつかないまま、ただ悪戯に時間だけが過ぎ去っていってしまった。

 

 

 

~~~~~

 

 

 

「結局、この別館にまた戻ってきてしまいましたね」

 

「合格できなかったんだから当たり前でしょ。 でも、そうね……」

 

「一応、一週間後の三次試験に合格出来れば退学することはない、って言いたかったんですけど……今それを言っても、気休めにならないですよね」

 

「今回の事を鑑みれば、本当に試験が出来るかどうかすら怪しい、か」

 

「そもそも、トリニティの裏切り者って何よ。 何で私達が疑われないといけない訳!?」

 

「……」

 

 

その夜になっても、彼女達の雰囲気は変わらないまま。 お通夜状態と言っても過言じゃなかった。 元気づけてあげたいけど、私が今何かを言った所で彼女達の心に響くとは到底思えない。 逆に傷つけてしまってさらに悪化……何て事態は避けなければならないのだ。

 

無力だなぁ、ナギサちゃんに啖呵を切ってこの様なんて。 本来なら彼女達に会わせる顔なんてないって所なんだろうけど、副顧問と言う立場である以上は彼女達と最後まで向き合わなければならない。

 

 

”……ごめんね、私がナギサにあんなことを言ったから”

 

「先生のせいだけじゃありませんよ。 私だってナギサちゃんに啖呵を切った手前、原因を作ったと言っても過言じゃないですし」

 

「お二方が謝ることではないでしょう。 話を聞いても、私達の為に言ってるのは明らかなんですから」

 

「ハナコちゃん……」

 

「私がその場にいたら退学上等で殴りかかっていたでしょうし」

 

「ハナコちゃん……?」

 

「ふふ、冗談です。 ですがこんな冗談で場を和ませないといけないと言うのもまた事実。 一週間で90点以上取れるようにしなければならないのもまた事実……」

 

「無理よ……ここまで頑張って漸く上がったって言うのに、ここから90点までなんて」

 

「……今日は、もう寝ましょう」

 

 

コハルちゃんの涙交じりの言葉を聞いて申し訳なさそうな表情をするハナコちゃんとアズサちゃんを見てか、ヒフミちゃんはそう言葉を漏らした。 確かに、こんなマイナスな思考で何かを言った所で事態は好転しないだろう。 ならここで寝て思考をリセットしたほうがまだマシ、か。

 

 

「きっと、きっと何か方法はあるはずです。 いえ、無いといけないんです……先生が、ランさんがここまで頑張ってくださったのに何もないなんて、言わせません」

 

「ヒフミちゃん……」

 

「そうですね。 今は寝ましょう……ですが、ヒフミちゃんもですよ? 頑張っていたのはヒフミちゃんも同じ、寧ろ補習授業部の中で一番休まなければいけないのはヒフミちゃんの方です」

 

「……そうですね。 私も休みます」

 

 

ハナコちゃんが少しだけ空気を変えてくれたものの、依然暗いまま。 浮かない顔をしたヒフミちゃん達を残して、私と先生は自室へと戻っていった。

 

三次試験まで残り一週間、絶対に諦められない戦いが始まる。

 

 

 

────────────────

 

 

 

そして迎えた翌日、教室で模擬試験の採点を行っていた私はと言うと。

 

 

「────────ああ言った割にはもう少しでは???」

 

 

採点が終わった私の一言がこれである。 昨日のお通夜みたいな空気を見ておいて何を言ってるんだって言いたくなるだろうけど……

 

 

ハナコ:100点

ヒフミ:82点

コハル:79点

アズサ:81点

 

 

まだ60点台なら悲観的な空気にもなるんだろうけど、全員が80点前後。 ハナコちゃんに至っては満点を叩きだしているわけで……残りの日数で十分90点も目指せる範囲に収まっているんだよね。

 

そりゃケアレスミスの危険性を考えれば楽観視は出来ないとは思うんだけど、追加で10点近く伸ばすのであれば一週間あれば十分では、と言うのが私の見解である。 だって最初の点数を考えればこの伸びは凄いでしょ、紙一重もクソもない生徒がいたんだぞ?

 

 

「まあそう言う気持ちも分かりますけどね。 問題はそれ以外の妨害にあるわけですし」

 

「そうではあるんだけどもね……妨害対策の方が重要かぁ」

 

「一応動向を探ってはいるのですが、あんまりいい結果とは言えないですね」

 

「ナギサちゃんがそう簡単に尻尾を見せてくれるとは思えないからね、仕方ないよ」

 

「仕方ないで済みそうにないからこそ、ではあるのですけど」

 

 

満点を叩き出したことによって教える側に立っていたハナコちゃんの言葉に、私は今日何度目か分からない溜息を吐く。 最近溜息を吐くことが多いな、幸せが逃げて行ってしまう。

 

今溜息を吐かなくても幸せは何時も逃げてるだろって言ったやつ誰だ? お前顔覚えたからな。

 

 

「今のところ掲示板には何の情報もありませんし、また直前で色々変わる可能性もあります」

 

「それ言っちゃえばキリがないよ。 対策のしようがない」

 

「やっぱり拉致しません? 脅せばすぐですよ?」

 

「ヒフミちゃん、余裕がないからって暴力的な面に堕ちないでほしいんだけど」

 

”アレが自称普通の生徒だって”

 

「お笑いですね、何処が普通だって話ですよ」

 

 

なんて話をしていたのも数日前の話。 そこから話は飛んで、気付いたら試験まで残り一日と言うところまで来てしまった。

 

流れるように数日間の話を飛ばしたって? どうせ毎日試験勉強と模擬試験と銀行強盗と水泳しかしてなかったんだから描写する必要ないでしょ。

 

 

「……あれ? 確か私、残り六日を全力で頑張りましょうって言ったような気がするのですが……」

 

「疲れてるんだよヒフミちゃん。 少し仮眠しよう?」

 

”いやそうするくらいなら寝た方が良いと思うんだけど”

 

「そうはいってもですね、また急な試験範囲の拡大だとか開始時間とか変更されたらたまったもんじゃないから掲示板を見てないといけないんですよね」

 

「今のところは特に変更などはありませんね。 試験範囲も場所も、時間も……強いて言えば、昨日から本館の雰囲気が変と言う事です」

 

「変って……具体的には?」

 

「人気がないと言うか静かと言うか……何時ものトリニティの空気を考えると不気味としか言いようがありません」

 

「また何か企んでいるわけじゃあないでしょうね」

 

「企んでいるでしょう。 そうでなければ説明がつきません」

 

 

やっぱり何かしてきた、と考えた方が良いんだろう。 それが一体どんな企みなのか現段階では判断できないけど、どうせ碌なもんじゃないと言う事だけは分かる。

 

 

「掲示板は私の方で監視しておきます。 ですのでヒフミちゃん達は……」

 

「駄目ですよ、ハナコちゃんも寝ないと」

 

「とは言っても、私に出来る事は限られてますから」

 

「その限られたことで、私達は成績が上がったんですよ? 自分を卑下しなくてもいいじゃないですか」

 

 

ヒフミちゃんの一言に、思わずと言った形で勢いを削がれるハナコちゃん。 そう、この数日の間に付きっきりで勉強を教えた結果、みんな90点の合格ラインを超えることが出来たのだ。 少なくとも試験で赤点……何て事態にはならないと思っていいだろう。

 

 

「それは私の教え方だけではありません。 先生やランちゃんの教え方が上手かったのもあります……それに、睡眠時間を削ってまで勉強に勤しんだ事も。 私一人の頑張りで出来た事ではないです」

 

「それは分かってますけど……」

 

「……ランさん、勉強教えてください」

 

「コハルちゃん? 根を詰めすぎてもかえって逆効果になるよ」

 

「分かってますけど……ッ! それでも、90点ギリギリなんて何が起こるか分からないじゃないですか。 100点を取れるようにすれば、誰だって文句は言わないはずです」

 

「違うね、少なくともそんな精神状態で挑んでも良い結果にはならないよ。 焦った状態で好成績を残せると思う?」

 

「う……」

 

 

自分でも無理を言っているのは理解していたのか、コハルちゃんの勢いが無くなる。 でも言いたいことは理解できる、しかしそれをするには時間が足りない。

 

徹夜明けの頭でテストをするよりはしっかりと休息を摂った状態で挑む方が遥かにマシなはずなのだ。

 

 

「ランの言う通りだ、休むのも戦略の内だぞ」

 

「でも……仕方ないじゃない。 不安で不安で」

 

「だからこそ、ですよ? 焦って行動しても事態は好転しません。 ですから休もうと言っているのです」

 

「……分かった、ちゃんと休む」

 

「ふふ、良い子ですね。 それと、アズサちゃんも今日くらいはキチンと休んでくださいね?」

 

「分かった。 ……今日くらいは、ゆっくり休もうと思う」

 

 

どこかぎこちないアズサちゃんの返事に引っかかりつつも、納得はしたらしいハナコちゃん。 そして何を言うでもなく就寝の準備をし始める。 私達も自室へと戻り、身の回りの事を済ませて眠るとしようかな。

 

泣いても笑っても、全て明日で決まる。 彼女達が合格出来るかどうかは……一体、誰が知っていると言うんだろうか。

 

 

 

~~~~~

 

 

 

「────────日程が、変わった?」

 

「ああ、どうやら明日の午前中らしい。 約束していた場所自体に変わりはないらしいからそこで合図を待つ……らしい」

 

「待ってくれ、明日は……」

 

「何か問題が? ……あぁ、そうか。 確かお前は試験が」

 

「そうだ。 それに準備も済んでいない以上、日程の前倒しはリスクが大きすぎる。 だから見直しを」

 

「私もそうは思ったが、どうやら決定事項らしくてな……済まないが、準備だけはしておいてくれ」

 

 

薄暗い廃墟の一角で、アズサともう一人の生徒が話し合いをしていた。 何の話をしているのかは不明瞭な為分からないが……雰囲気からして、あまりいい話だとは言えないのだろう。

 

狼狽するアズサに申し訳なさそうな視線を向けつつ、彼女は言葉を続けた。

 

 

「明日で全てが変わる、と思っているんだろう。 確かに、成功さえすれば私達アリウスにも、そしてトリニティにも大きな変化が起こるだろうな」

 

「トリニティのティーパーティー、ホストの桐藤ナギサ……彼女のヘイローを破壊する。 名目上はその為にお前はここにいるんだ」

 

「……」

 

「今更お前の実力は疑っていない。 ……上手くやるんだ、百合園セイアの時のように」

 

「分かった。 ……出来るだけの準備は、しておく」

 

「それでいい。 ……あぁ、それとアズサ」

 

「?」

 

 

話は終わったとばかりに立ち去ろうとしたアズサの背中に、彼女の言葉が投げかけられる。 何か伝え忘れた事でもあるのだろうかとアズサが振り返ると……

 

 

「忘れてないだろうな? ………ヴァ二」

 

「……ヴァニタス?」

 

「そう、それだ。 全ては虚しいもの」

 

「どんな努力も、成功も、失敗も……全ては最終的に、虚しいだけ」

 

「それが分かっているならいい。 しくじるなよ」

 

 

彼女の言葉に頷きだけで返事をし、アズサはその場から立ち去ろうとする……が、その足は途中で止まりその場で向きを変えて対峙していた彼女とまた向かい合った。 その行動を謎に思いながらも、アズサの次の行動を待つことにしたようだった。

 

 

「……サオリ」

 

「何だ?」

 

「本当に、そう思っているのか?」

 

「……どういう意味だ?」

 

「まだ、忘れられないんじゃないのかと」

 

「言うな、その先は」

 

「……」

 

「その先は、その先だけは言われたくない」

 

「……分かった」

 

 

そう言うと、今度こそアズサはその場から立ち去って行った。 残された生徒……アズサからサオリと呼ばれていた生徒は、左右へと忙しなく視線を向けて誤魔化そうとしていたが、やがて諦めたように項垂れる。

 

 

「……分かってる、分かってはいるんだ。 決めたはずなのに、心の何処かでまだ探している」

 

姉さん(・・・)、私はまだ……貴女のようにはなれそうにもない」

 

 

暗闇に、彼女の独白だけが響く。 その言葉の真意を知っている者は、少なくともこの場にはいなかった。

 

 

 




何でこんな終わり方したんだろうなって思った人、気持ちはまあ分かる

その内明らかになるんじゃないっすかね

それと金曜の更新は微妙かも、土曜は更新します

小説の書き方、どっちがいい?

  • これまでの書き方でいいよ
  • 新しい書き方でお願い
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