更紗帆奈の隣の家に住んでいた男の子の話   作:nalnalnalnal

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第27話 かずみ

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──ん……? 

 あれ、わたし……何してたんだっけ。それに、ここどこだろ。真っ暗で窮屈で身体も動かせない。

 

 

 変な感じ。夢じゃあるまいし。仮に夢だったらある意味悪夢になるかもしれないね。目が覚めるまで一生窮屈な思いをすることになる悪夢みたいな?

 

 

『金はいいから約束を……』

『そう。それでボンッ!』

 

 

 ──うぇっ!? ボンッ!? 今ボンッって言った!?

 

 

 ──はっ……ま、まさかこの擬音は爆弾!? つまりわたしは今から爆破されるぞと脅されているの!? つまり声の主は爆弾を持った誘拐犯!?

 夢なんかじゃない。わたしの脳内で細胞達が命令している。今すぐにここから抜け出せと。だったらわたしはそれに従う……わたしを爆散なんてさせないぞ!

 

 

 うぅ……だーせー!! 爆弾誘拐魔なんかにわたしは負けないんだー!

 

 

 

 

 

 

 

「わおっ!?」

「あ、起きたか」

 

 

 突然視界に真っ暗な場所から一転して太陽の光が差し込む。意識がより覚醒し、ガバッと起き上がった私の視界には燦々とした太陽の輝きと──中年男性をたった今地面に叩きつけたであろう男の人が立っていた。あ、夢か……

 

 

 ……ってえええ!? なんで地面に叩きつけられて……それにさっきの夢……モロ立花さんの夢だ。なんであんな夢見てたんだろ。でも割と最近の筈なのに懐かしさすら感じるなぁ。今、何してるんだろ、立花さん。でも流石にあの時はびっくりしたなぁ……

 

 

「爆弾誘拐魔……」

「……俺に言ってんの?」

「ああ違うの! 夢の話……でもなんでその人は叩きつけられてるの!?」

「コイツはセクハラ魔だから気にしないでよ」

「えっなにソレ!?」

 

 

 あの爆弾騒動の事をつい呟いてしまうと、目の前の男の人に聞こえていたみたいで慌てて撤回したら……せ、セクハラ魔!? 今わたしが寝てたから寝込みを襲おうとしてたって事!? な、なんて卑劣なー! 

 うぅ……気持ち悪さが先行してたけど……急に現実に引き戻されたら──

 

 

「お腹が減って力が出ないぃ……うう、動けないよぉ」

「寒暖差の激しい子だな。そういうことならコレ、食うか?」

「その香りは……いちごタルト……?」

 

 

 わたしの眼前に芳しい香りを放ついちごタルトを差し出すその人の顔は、立花さんと似通っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

「あすなろ市か来たのか」

「うん! あっ、お兄さんご飯作ってくれてありがとう! すっごく美味しいよ!」

「そっか。よかった。あとお兄さんはやめてくれ……そう歳も離れてないだろうに」

「そうかな? なんか大人びてる感じがするよ」

 

 

 わたしをセクハラ魔から守ってくれたこの人は六倉ナルさんって言うんだ。

 わたし、あすなろ市ってところで魔法少女をしてるんだ。少し特殊で、今は記憶喪失の状態なの……ある日、気付いた時にはトランクの中に全裸で詰め込まれていて、その後に色々あって、以前のわたしの友達でもあった魔法少女の『牧カオル』と『御崎海香』と一緒に生活をするようになったんだ。まぁ、それまでも色々とアクシデントはあったんだけど……何とかやっているんだよ。

 

 

 今日は二人と一緒に魔女を追っていたんだ。だったらいつの間にか神浜市までやって来てたみたいで……

 それで、その魔女と神浜市内の結界で戦っていたら──よく分からない力で二人と分断されちゃって……戦っていたから疲労も溜まっていて、公園で一休み。

 

 

 それが今までの経緯かな。

 

 

 そして、そんなわたしを見かねたナルさんはお家に招待してくれて、わざわざご飯を作ってくれたんだ。そしてナルさんのメニューはオムライス! 本人は素人だから期待するなと言っていたけど、全然そんな事ないよ。

 なんだか温かみのある味……母性を感じてしまう程のもの。立花さんのビーフストロガノフとおんなじだ! 

 

 

 あ、立花さんって言うのは、あすなろ市のBUY-LOTっていうショッピングモールの経営者に騙されて、そこにあった店と土地を奪われた怨みからそのショッピングモールを爆破しようとしてた人……なんだけど、全然悪い人じゃないんだよ!?

 突然現れたわたしにビーフストロガノフを作ってくれたし、ご飯つぶを残すのはダメだって間接的に言ってたし、ご飯を粗末にしない人が悪い人なわけがないから!

 後、わたしが目を覚ましたのも立花さんが持っていたトランクだったんだ。爆弾と間違われたんだけどね。

 

 

 まぁ、それは置いといて。

 

 

 ちなみに、ナルさんが文字通り足蹴にしていた人は、なんと寝ていたわたしの身体をまさぐろうとしていたらしい! 寝ている人の身体をサワサワするなんてダメだよ! 最低オブ最低だよ!

 だから偶然通りかかったナルさんが脳天チョップをお見舞いして叩きつけた……凄いパワーしてるよね。

 

 

 ナルさんが立花さんと似てるから、無意識的に立花さんの夢を見ていたのかな? 

 

 

「──で、なんであすなろ市から来たんだ? 一文無しで」

「うぐっ……ご、ごめんね?」

「いーんだよそれは。迷子?」

「それもそうなんだけど、今日は友達の魔法少女二人と来てて──ってあっ!」

 

 

 ──しまった! 魔法少女って言っちゃった! 幾ら魔法が使えるからって勝手に言っちゃダメだよね!?

 あ、ああどうしよう。ナルさん固まっちゃった……い、いや、ここは何とか誤魔化せられればまだセーフな筈!

 

 

 カオル、海香。大丈夫だよ……わたしが個人情報を守る──

 

 

「──なんだ。魔法少女だったのか」

「──うえっ!?」

 

 

 ──知ってるの!? 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、ナルさんは今は恋人さんと暮らしてるんだね」

「うん。今日は店番で居ないけどね」

「店番??」

「調整屋ってとこがあってさ、魔法少女がよく来店してんの。かずみも行くか? そのカオルさんと海香さんが居るかもしれないぞ」

 

 

 どうして魔法少女を知っているのか──色々と事情を聞いたんだ。ナルさんは魔法少女のお姉さんから魔力を託されて、今魔女と戦っているそうなんだ。必ずしも戦う必要はないけど、お姉さんが生きていたっていう事実を途絶えさせたくない。お姉さんの意志を継ぐ──そんな理由で戦っているらしい。

 

 

 あんまり軽々しく聞くような事じゃなかったなぁ……恋人さんに向ける筈の料理も、お姉さんの話も今日知り合ったわたしが聞いちゃってもいいのかな。って考えてたら、別に隠す事でもないって……もっと申し訳ないよ!

 

 

 恋人さんも魔法少女で、今は二人でこのお家で暮らしてるそうなんだ。恋人じゃないけど、わたしもカオルと海香と暮らしてるから親近感が湧いちゃうな。

 

 

「調整屋って何?」

「魔法少女の整体院……じゃないか。万屋……みたいな?」

「??」

「まぁとにかく、色んな魔法少女がよく来店してるからさ、もしかしたらその二人も居るかもしれないだろ?」

 

 

 わたしにそう話しながら、ナルさんはいそいそと食器を片付け始めていた。凄い……両手に沢山のお皿乗っけて、プロの人みたい! 

 調整屋かぁ……あすなろ市にはそんなのないけど、魔法少女がやってるお店なのかな?

 

 

「しっかし、綺麗に食べるねかずみは。洗い物が楽で助かる」

「ご飯は粗末にしないからね。ナルさんは知ってる? ご飯を粗末に扱う人は悪人なんだよ!」

「おーおーなんだ急に」

「友達の言葉なんだ。ご飯って、食べられるだけでも幸せだからって」

「へぇ。いい言葉じゃないか」

 

 

 海香の言葉──だからわたしはご飯は凄く大切にしてるんだ。この言葉もあるから、立花さんやナルさんが悪い人じゃないんだって分かるんだ。

 ちゃんといただきますもごちそうさまもしてるし、わたしも立花さんやナルさんに料理を振る舞ってみたいな。立花さんとナルさんが会ったらどうなるのかも見てみたいけど。

 

 

「で、どうする。調整屋に行ってみるか? 帆奈も居ると思うからついでに紹介できるけど」

「わたしは行ってみたいな!」

「そっか。じゃあ行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあナルさんは帆奈さんとそこで再会したんだ!」

「うん。流石にビビったけど、何とかやってるよ」

「わたしもね、最近友達と偶然再会したんだ!」

「カオルさんと海香さんだっけ?」

「うん!」

 

 

 調整屋への道中、わたしはナルさんと恋人の更紗帆奈さんの馴れ初めを聞いていた。二人は昔からの幼馴染で、一時期離れ離れだったんだけど、帆奈さんが魔法少女を眠らせる事件を起こして、ナルさんがそれの調査をしている内に再会したんだって!

 

 

 帆奈さん自身は根っからの悪人じゃなくて、ナルさんと同じくご飯を大切にする人なんだ。

 その眠らせる事件の罪滅ぼしとして、調整屋でたまにお手伝いをしているんだって。ナルさんと付き合ったのはつい最近で、今は二人で行動する事が増えたみたい。わたし、ナルさんのお家に上がっちゃったけど、帆奈さん怒らないかな。

 

 

 多分大丈夫だとはナルさんは言っているけど、全然大丈夫そうな顔には見えなかった。『誤魔化すか……?』とか言ってたし。怖い事言わないでよナルさん……

 

 

「ここの角は右だったな」

「神浜ってこんな昔の街並みが残ってるんだね? 都会ってイメージだったからびっくりだよ!」

「新興都市として有名だけど、歴史の深い街でもあるからね。お陰で面倒事が増えるんだけど」

「どんな事?」

「治安が悪い事」

「ええっ!? そんな風には見えなかったよ?」

「終わってる場所はほんとに終わってるんだよね。ここら辺はまだセーフだから」

 

 

 今わたし達が歩いているのが水名区ってところなんだけど、神浜の中心ら辺と比べると昔っぽさがあってなんだか空気が美味しいんだ。ふと空を見上げれば綺麗な夕焼けが──って、もう夕方!? 今日中には帰りたいのに……どうか調整屋に居ますように……!

 

 

 そう願いながら、わたし達は角を曲がって次の道へ──なんだか殆どおんなじに見えるけど、こういう造りになってるのかな? 珍しいなぁ……ってそうじゃなくて夜になる前には帰らないと! 

 少し早歩きになると、ナルさんも合わせてくれてまた角を曲がる──凄い。また殆どおんなじだ。お店の名前も……あれ?

 

 

 ──何度角を曲がっても、わたしの視界に映るのは全くおんなじ景色。全部が一緒だ……建物の配置も、お店の名前も全部。

 お店の名前ってこんな小さい範囲で被る事ってあるのかな? 単にわたしがこの街を知らないから分からないだけ?

 でもお店に立ってる旗とか全部一緒だ……どうなってるの?

 

 

「ねぇ、ナルさん……なんか、ずっとおんなじ道じゃない? こういう造りなの?」

「いや、こんな被ってはいなかったは筈──ん?」

「──あー……そういう感じね」

「えっ? 何が?」

「あそこ見てみ」

 

 

 突然立ち止まって面倒くさそうに呟いたナルさん──どうしたのかと尋ねると、指を真正面にさして、見ろと言う。だから指がさす方向を見ると──そこには、わたしと殆どおんなじ姿をした女の子が立っていた。

 ──えっ? わたし?

 

 

 でもわたしはここにいるよ……? しかも、魔法少女の時とおんなじ格好だ。どうなってるの?

 魔法少女の誰かが変身してたり? でもそんなのしたところでって話だし……でも、ナルさんは何か知っていそうな感じもするし。知り合い──とかかな?

 

 

「──えっ!?」

 

 

 なんて考えていたら──突然あの子がわたし達の方へと凄い速度で向かってくる。や、やっぱり魔法少女だ! でも──持ってる杖がわたしのものと全く一緒だ!

 ど、どうすればいいの!? 助けを求めるようにナルさんを見ると、なぜか全く焦らずに凄い冷静にあの子を見ていた。

 

 

 ナルさん!? なんでそんなに冷静なの!?

 

 

 ──って、うわぁっ! もう目の前まで来てる! わ、わたしも変身して戦わないと──

 

 

『──!?!?』

「……うぇっ?」

「よし」

 

 

 ──えっ?

 

 

 ──目を閉じたせいで何が起こったのか分からない。突然目の前でなんかめり込むような轟音が……でも、わたしは全然痛くない。不思議すぎる状況が気になり、ゆっくりおそるおそる目を開けてみると──

 

 

 ──目の前で頭から地面に突き刺さったわたしの姿をした子が視界に映った。

 

 

 って、ええええええ!?

 

 

「な、ナルさん!?」

「こいつ魔法少女じゃないから安心してよ」

「ど、どういう事!? 何が何だか……」

「ちょっと待って。こいつ消すから」

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、そのウワサっていうのが今の?」

「そういう訳。今のは『入れ替わり通りのウワサ』だな。偽物と本物が入れ替わるっつーヤツ」

「怖いよ!?」

 

 

 ナルさんが突然刀を召喚して、地面に突き刺さった子を真っ二つに斬った後、わたしは今神浜で起こってる怪奇現象についての話を聞いた。

 その怪奇現象が『ウワサ』っていう存在──名前の通り、噂の内容が現実になってしまう。っていうものなんだって。股の間から古い街並みを見ていたら引き込まれるとか、マスコットみたいなのが悪口を言ってくるとか……二個目のやつはちょっと雑じゃない!?

 

 

 ナルさんと帆奈さんや、ナルさんのチームメイトがウワサについて調べているらしくて、まだ根本的な原因は分かっていないらしいんだ。

 それはそれとして、わたしの姿をした子が目の前でボコボコにされたのはなんか……な、なんか……! 

 

 

「消したから大丈夫だって」

「そういう問題なのかな……?」

「そんな事より、調整屋だろ?」

「あっ、そうだった」

 

 

 あまりに突然すぎるハプニングのせいでめちゃくちゃ忘れてた……あっ、もう夜になっちゃう! 急がないと!

 ウワサっていうのもそりゃ……怖いけど! 今はカオルと海香を優先しなきゃ!

 

 

 ナルさんがあのウワサを消したから、もう角を曲がってもおんなじ景色になる事はなく、わたし達は簡単に調整屋へと向かう事が出来るようになったんだ。カオルと海香が他のウワサに巻き込まれてないといいんだけど、二人なら大丈夫かな? だって強いし! ナルさんと……どっちが強いんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

「かずみーーっ!」

「カオルーっ!海香ーっ!」

 

 

 そして──無事調整屋へと到着したわたし達の視界にすぐに映ったのは──見覚えしかない二人の魔法少女、カオルと海香だった。

 逸る気持ちを抑えられずに、わたしは二人へと飛び込む──そんなわたしを、カオルが見事キャッチしてくれたんだ。

 

 

「よ、ようやく会えた……無事でよかったわ」

「ふたりも無事でよかったよ!」

「え〜っと、その人は……?」

「あっ、この人は六倉ナルさんって言って、お家でご飯作ってくれたりウワサから守ってくれたんだ!」

 

 

 そうだ。ナルさんを二人に紹介しよう。わたしを助けてくれなんだから、悪い人じゃないって分かってくれる筈! なんかすっごい気まずそうな顔してるけど、どうしたんだろう?

 

 

「あー……えっと、六倉ナルです。とりあえず無事でよかった「よくないよね??? ねぇ??」」

「あっ、帆奈」

 

 

 突然ナルさんの背後からヌルッと現れた人をカオルはそう呼んでいた──この人がナルさんの彼女さんの更紗帆奈さんかな? 二人とももう知り合いだったんだ。

 そっか。確か店番任されてるって言ってたから……調整屋に来た時に知り合ったんだ。

 

 

「見ず知らずの子勝手に家に上げたんだね??」

「いや違うウワサウワサウワサさっきかずみが言ってたじゃないか」

「呼び捨て?? そんなに親密になったの??」

「本人の希望なんだってマジでいやほんと」

 

 

「……あれは大丈夫なの?」

「修羅場……かなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

「お姉さんから魔力を……! それで戦うようになったんだ」

「凄かったよ! 偽物のわたしを地面にめり込ませたから!」

「でも家に上げたのは事実なんだよね?」

「……っす……」

 

 

 修羅場を乗り切れなかったナルさんを横目に、わたし達はお互いの状況を把握しあった。二人は色々神浜を探したけど結局わたしは見つからなくて、道中で出会った魔法少女から調整屋の存在を聞いてやって来たみたい。

 店主の八雲みたまさんは今日は居ないみたいだけど、代わりに帆奈さんが店番。二人は休憩も含めて一旦ここで待ってみる事にしたみたいなの。

 

 

 わたしからはナルさんの事とウワサの事を話した。二人が巻き込まれてなくてよかったけど、なんで噂が現実になったりなんかするんだろう? 魔女の仕業なのかな? 原因がまだ分からないから、やっぱり危険なものなのかなと考えさせられるよ。

 

 

 それはそうと、帆奈さん滅茶苦茶怒ってるよ……!? 全然大丈夫じゃなかった……! 殆どナルさんに怒りが向けられているのは気のせいかな。

 

 

「まぁナルは後で説教として「え?」あんたは大丈夫なの? 記憶喪失らしいけど」

「カオルと海香が居るから大丈夫だよ」

「かずみは任せてよ。それより、ナルこそ大丈夫なの? 男だったら色々不便じゃない?」

「意外とそうでもないんだよ。チームも組んでるし、筋トレは無理矢理だけど毎日出来るし」

「あっ、確かにその手があるのか!」

「……変な事しないでよカオル」

 

 

 ナルさんのあの凄いパワーは筋トレから来てるんだ。そっか、魔法少女って魔力を使って身体を回復できるから……ナルさんもおなじ感じで回復できるんだ。

 頑丈でパワフルな身体って言ったらカオルとも似てるなぁ。立花さんとカオルを合わせた人みたいだね、ナルさんって!

 

 

「こいつに関しても心配は要らないよ。多分神浜で一番強いから」

「えっマジ? 魔法少女達を飛び抜けて?」

「大マジ」

「いや、七海さんとか和泉さんとか居るだろ」

「あたしはナルが一番強いと思うけどね」

「……やっぱり好きなんだね! ナルさんの事!」

「あったり前でしょ。あたしの恋人なんだから」

 

 

 凄いドヤ顔になってるの帆奈さん気づいてないのかな? クールな人って感じがするのにナルさんが絡んだ瞬間に笑顔が増えるんだよね。可愛いな〜。

 多分、本人は気づいてないし、ナルさんも少し恥ずかしがってるし……二人とも急に楽しそうになってるよ!

 

 

 ナルさん、この街で一番強いんだ……カオルと海香よりも強いかもしれないね! これはわたし達もうかうかしてられないね! 

 強くなるためには、やっぱりパワーが必要なのかな? いつもカオルのパワーで助けられてるのもあるし……よし、パワーをつけよう!

 

 

「カオル! わたしもパワーが欲しい!」

「え〜かずみってそういうタイプじゃないのに……いや、でもアリか」

「連携が崩れないようにしてよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、ナルさんまたね! 次はわたしが料理作るからね!」

「おー。楽しみにしてる」

「その時はあたしにちゃんと連絡「分かったから」……説教時間追加ね」

「なんでだよ!?」

 

 

 皆んなで話し込んでたら、すっかり夜になってたから、わたし達は急いであすなろ市へと帰る準備をした。もう少しだけ話したかったけど、あんまり迷惑もかけられないよね。

 

 

「かずみ。色々大変かもしれないけど、頑張れ」

「うん! ナルさんも帆奈さんと仲良くしてね」

「大丈夫だっての。ナルの事は絶対離さないから」

「束縛だ……!」

「そういう事言わないの」

 

 

 ナルさんと帆奈さんはこの後、神浜を飛び回ってわたし達が取り逃した魔女を探すらしい。わたし達が倒せていればこんな事にはならなかったけど、二人と会えたからよかった事もあったね。

 ナルさんと次会う時はわたしがオムライスを作ろうかな……ビーフストロガノフもアリかな〜。もっと沢山料理を作って練習しておこう!

 

 

「じゃあね二人とも。それと、かずみの事は本当にありがとう。記憶に関してはあたし達がちゃんと尽力するから安心してよ」

「ウワサ……不安因子も多いけれど、あなた達なら大丈夫そうね」

「ウワサ如きにはやられないっての」

 

 

 ウワサって、やっぱり神浜だけのモノなのかな。よし、決めた! わたしの記憶が戻ったらまた神浜に来てナルさん達のお手伝いをしよう!

 あっ、勿論料理も作るからね!

 

 

 その時の為にも、わたしも頑張らなくちゃ!

 

 

「じゃ、俺達は魔女探してくるわ」

「うん。二人とも、またね!」

 

 

 そしてわたし達は二人と別れ、あすなろ市へと急いだ──ちゃんと神浜にもう一回行くって事、忘れないようにしないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ねぇ、ウワサ消してよかったの?」

「まぁ、よくはないよな」

「でも代わりに俺が魔力を供給すればいい話なんだし、ウワサの魔力も取り込めるんだからそんなに不安になる事はないだろ」

「はぁ……あんた体よくこき使われてない?」

「いいんだよ別に。あの子達のお陰でトレーニングとかし易くなったから」

「それは関係あるの?」

「大アリだっての。ほら、さっさと魔女を探そう」

「……説教の事忘れてないよね?」

「……当たり前だろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







かずみ参戦。

後、多分過去の話に色々と加筆すると思います。少しキャラ毎の深掘りが少なすぎたかな〜と思ったので。もしかしたら話数も増えるかもしれませんが、大まかなストーリーに変更はないのでご了承を。


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