これからテスト勉強等が重なって、このような事態が繰り返されるかもしれませんが、エタることはないと断言します。
それから、この作品を評価していただいた皆さんに感謝を申し上げます。お陰様で赤バーを獲得することができました。
それでは、本編をどうぞ。
少し歩いて、私たちが着いたのはテーマパーク。トリニティ近郊にあるそれは、最近ペロペロフレンズ……ではなくモモフレンズとのコラボイベントが開催されているらしい。通りでヒフミちゃんが行きたがるわけだ。彼女が目をキラキラさせながらオススメしていたのも納得がいく。
テーマパークに入場する。周りを見渡せば、色とりどりのアトラクション。初めて見るそれに私の視線は釘付けになっていた。
なんかやけに見覚えのある狐耳も見えた気がするが、気にしないでおく。
「ここがテーマパーク……初めてですね」
「そうなんですか!? ならいっぱい遊びましょうよ!」
「ふふ、そうですね」
正直に告白すると、テーマパークに行くのは初めてなので非常にワクワクしている。ヒフミちゃんは何度か行っているのかもしれないが、興奮が収まらないのは私と同じようだ。
「では……まずはどれにしましょうか」
「うーん……あのジェットコースターに乗ってみます? ナギサさんは怖い系とか大丈夫ですか?」
「
「多分……? あっ、ちょっと待ってえええっ〜〜〜〜!!」
ヒフミちゃんの手を取って強引にジェットコースターへ向かう。ここでは前の自分を出した方がいいんじゃないか、そう思い走り出した。絶叫系アトラクションはちょっぴり怖そうな気がするけど、多分大丈夫。私はそう信じたい。
「はあ……急に走らないでくださいよぉ……」
「うっ……いやごめんなさい……ちょっと前の自分を出そうかと」
「ナギサさんにもそういう側面があったんですね……」
「ええ、そうですとも。私だって遊びたくなるのです、今はほとんどありませんが」
ジェットコースターの列を待ちながら、会話に徹する。急に走ったことについては申し訳ない気持ちだ。つい興が乗ってしまった……と言っても言い訳にならないだろう。しかしそんなことよりジェットコースター、今私たちが待っているジェットコースターに早く乗りたい。私はどうしても待ちきれないのだ。
ふと、どれくらいの人が並んでいるのだろうか、そう思って後ろを見る。私の眼に映ったのは、さっき見た狐耳。それだけでなく、な~~~んだかよく見る気がするピンク髪もいる。嫌な予感。もう分かってしまった、セイアさんとミカさんに尾行されているのだ。カフェで別れたはずじゃなかったんですか!? 後でロールケーキぶち込みましょうか!?
躍起になる私の心だったが、もうそんな暇はないようだ。私たち——私とヒフミちゃんだけでなく——ミカさんとセイアさんもが乗るジェットコースターが来たのである。
「やっとですね! ……ってナギサさん大丈夫ですか……?」
「いえ……大丈夫です……」
「本当ですよね?」
「いいえ! 全く問題ありません!!」
ごめんなさい、ヒフミちゃん。私怖いです、二重の意味で。ジェットコースターが今になって恐ろしいと認識し始めたのもそうですが、まさかヒフミちゃんが圧をかけてくるとは思っていなかった……。私を心配してくれているのでしょうが、それでも譲れないものが私にはあるのです。
一度ジェットコースターに乗ると決めたなら、あとはそれを遂行する。一度進むと決めた道は引き返さない。それがトリニティの長たる覚悟なのです。
膨れっ面なヒフミちゃんを横目にちらりと見ながら、いよいよカートに乗り込む。
二人ずつ乗るタイプのカートだったのでちょうどいい。安全バーを降ろし、カートが動くのを待つ。
「本当に大丈夫なんですよね? 腰を抜かしても知りませんよ?」
「大丈夫ですよ! これは私が選んだことですから、えぇ!」
ヒフミちゃんでは私に対する心配が勝っている一方、私の中ではワクワクと恐怖感が入り混じっている。
そして、カートが動き始めてレールの上り坂に到達。ゆっくりと進んでいくカートに焦る気持ちが高まり、緊張感が積み重なっていく。
「ナギサさん、震えてる……」
「いいえ! これは武者震いです! それよりここからですよ!」
上り坂を越えたら急降下、それは分かっている。けれど、もどかしい気持ちが収まらない。風の音、レールの軋む音、それらが歯がゆさを駆り立ててくる。
「ナギちゃん強がってる〜」
「まあまあ、ここは敢えて不干渉ーーーー『シスターフッド』のように関わらないでおくことを貫こうじゃあないか。私たちがいては成り立たない、後輩兼恋人だけを前にしたナギサの勇姿をこの目に焼き付けることにしよう」
「それもそっか。私たちがいなくて見栄っ張りなナギちゃんしか得られない栄養素もあるからね」
後ろからの声、恐らく私たちの後ろに乗っているのだろうが、やはりミカさんとセイアさんは尾行していた!貴方たちの会話がちゃんと私の耳に入っているのは承知の上なのだろうか。
すると、どうやら頂点まで到達したようで、傾いて一気に加速。コースターは勢いに任せて急降下していく。
「わ──────っ!」
「わ────」
「きゃ─────────!!」
「────っていやああああああああああああああ!!!!!」
やはり、ジェットコースターは恐ろしかった。私の絶叫を見ればよく分かるだろう。
「うぅ……ヒフミちゃん……」
「ほら言ったじゃないですか! はぁ……そこのベンチで少し休んでてください!」
最初の急降下を皮切りに揺さぶられ続けたせいで、一気に力が抜けてしまった。腰を抜かしても知らないと言っていたヒフミちゃんが気にかけてくれるのは、きっと彼女の優しさなのだろう。ということで、その優しさに縋ることにした。本当に申し訳ありません、ヒフミちゃん……。
Q.ナギサと付き合うとどうなる?
A.ミカセイに尾行される