勘違い貧乳エルフ、日本の神社で胸囲1mm増える   作:名無しのおもちゃ箱

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2話目は作る予定無かったんですが
何となく興がのりました


勘違い貧乳エルフ、日本の神社で胸囲1mm増えた気になってる

辺りを見渡せば、どこまでも田んぼ。

そんな田舎町の片隅に、なぜか子宝祈願の神社がある。

代々うちはそこの神主の家系。特に変わったこともない、肩が凝るくらいの平和な暮らしだ。

 

ただ一つだけ古い伝承が残っている。

 

『異界より耳長き美しき婦人、ある日現れん。

その貌は若きに似たりといえども、齢は老女に勝る。

胸は地の如く平らにして、虚しきを宿す。

されど来たりし時は、穏やかにこれを迎えよ。』

 

正直意味が分からない。異世界から誰かがやってくるなど有り得るはずがない。しかし、その言い伝えが記された書物の隅に、色が違う墨や、鉛筆で書かれたであろう新しい文が追加されていた。

 

『伝説は本当だった』

『めんどくさいのが来た』

『3日耐えろ。そしたら3ヶ月は平和だ』

 

他にも幾つか書いてあったが大体内容は同じである。

幼い頃から両親に聞かせられていたが、なんか本当にあった話みたいに語り継がれているらしい。特に重要なのは耳の長い美人の貧乳さんということらしい。

異世界ということ以上に重要らしい。

 

はっきり言おう意味が分からない。

 

「異世界からの来訪者?漫画じゃあるまいし……」

 

そんな風に思っていた。

 

 

 

ある日の事だった。神社前の石段を踏みしめて登ってくる音が響いた。

鳥居の下から現れたその人は

風になびくブロンドの髪

吸い込まれそうな青い瞳

整った淡麗な顔立ち

 

私はすぐに言い伝えの人物だと理解した。なぜなら──

耳が長く、胸は地の如くぺったんこだったからだ。

 

穏やかに迎え入れろと、書かれていたことを思い出し戸惑いながらも

 

「ようこそ」

 

とだけなんとか言って見せた。

しかしその女性は私が絞り出した言葉など無視するように涙を流し、両手を組み、膝まづきながら

 

「これが……御神徳!」

 

などと宣った。

彼女の視線は私の顔などでは決してなくその視線の先には私の胸。人より少しだけ大きいこの胸を見ていた

 

「遺伝だよ」

 

無慈悲にもバッサリ切り捨ててしまった。

 

「そんなはずはない!」

「いや、うち代々そういう家系だから」

「神は人を試すお方……これは信仰心を測る試練だ!」

「めんどくさい客来たなあ」

 

伝承は本当だった。めんどくさいのが本当に来た。

 

 

 

---

 

滞在1日目

 

伝承に「3日耐えろ」と書き加えられていた事から、彼女の滞在期間は3日間なのだと思う。

最初の出会いのインパクトからたった3日間が大変そうだと思ったが私の予感はあっさりと覆された。

 

しっかりとしていた。今となっては参拝の仕方すら知らない人がいるというのに異世界から来た彼女がしっかりとできていた。

 

手を清め、柏手を二度打ち、深く祈る。

 

たったこれだけの動作に感動してしまった。彼女が美人だからではない。そう思った。 

 

「乳房繁栄の舞」などと言う奇天烈な踊りを踊り出すまでは、明らかにバストアップ体操だった。

 

田舎町とはいえ、いや田舎だからこそ割と遠くから来てくれる人達がいる。その人達の前で突然やりだした。

 

「観光客が見てるからやめろ」

 

ミステリアスな巫女のイメージを作ってきた私だったがこの時だけはキャラがぶれていたと思う。

更に彼女は「ここは豊乳神社だろう!」と言ってきた。

 

今の奇行。重要として伝えられてきた内容に態々貧乳である事が書かれていたこと。全てに納得が言った。

確かに「おっぱい神社」と呼ばれる神社が幾つか存在するが全てここと同じように子宝を願う神社。

何故かは知らないが胸にコンプレックスがある彼女は胸を大きくするためにここに来たのだろう。今までやって来た人達もきっとそうだったに違いない。

私はとびっきりの笑顔でこう言ってやった。

 

「ここは安産祈願、母子安全の神社。豊乳神社違う」

 

しかし彼女は折れなかった。「何を言っているんだ?」という顔しかされなかった。

成程、こんなんだから態々異世界から来れるのかと納得してしまった。

 

 

 

その日の夜、彼女は月を見ながら瞑想をしていた。アブに腕を刺されていた。本人は「胸を大きくする毒かもしれない」と喜んでいたがアブだ。胸を刺されれば大きくはなったかもしれないが、腫れたのは腕だった。

 

夜寝静まった頃ふと気配を感じ目を開けると私に馬乗りになって手をワキワキさせてる彼女がいた。

 

「神の御加護を……」

 

耐えろってそういう事か。

小さい頃から仕込まれ、近くに置いて寝ろと言われた薙刀はこの為だったのかと深く理解した。

 

 

 

 

 

---

 

滞在2日目

 

朝起きたら彼女は乳をマッサージしながら柏手していた。地元民に通報されかけた。

 

「やめろ、近所迷惑!」

「信仰の一環だ!」

 

それで許されてたまるか。

 

 

昼は近所の人から牛乳を貰ったらしく、風呂桶に注ぎ込み牛乳風呂を作っていた。

まず第一になんでそんなに溶け込んでるのか不明だった。まぁ、田舎特有の若い子は皆孫みたいなノリだろう。見た目は私と同い年位だとは思うけど、言い伝えによればババアのはず。

 

 

因みに牛乳風呂は臭いから辞めさせた。

 

 

別の人から豆乳、チーズを貰っていた。だからなんでそんなに打ち解けているんだ。胸を大きくするのにタンパク質は大切だが何故か賽銭箱に置いた。

 

今は夏、どうなるかすぐ分かる

 

「食べ物無駄にするな」

 

分かりきったことだった。

 

 

 

夜、彼女は絵馬に「Iカップ希望」と書いたらしい。

 

らしいというのは父から聞いたからだ。今まで何してたかと言うと、「女の子同士の方がいいでしょ」とさっさと逃げていた。許さない。

 

 

夜、書物に追加で書かれていた1文にとある内容が書かれていた。それは

 

『2日目本殿注意』

 

父と結託し待ち伏せていたら本当に来た。

 

「コレは……乳の……模型……!!」

「違う、米俵」

 

私と父で怒った。すごく怒った。

 

 

その晩、寝静まった頃また気配を感じて目を開けた。

 

「さぁ……神の御加護を……」

 

どうやら昨日のことを忘れてしまったらしい。そんなに強く……やったけど

 

 

 

---

 

滞在3日目(最終日)

 

早朝から石段ダッシュ、縄跳び、腕立て伏せ。

 

なぜか筋トレ寄りになっていた。

 

「神の試練に耐えることで胸は鍛えられる」

「鍛えても脂肪は増えないよ」

「そんなことは無い!さっき参拝に来ていた老婆も言っていた!!''胸は鍛えれば応えてくれる''と!!きっとこの神社の巫女長老だ!!」

 

朝早くにくるお婆さんと言えば農家のおばちゃん。

 

「違う、それ米袋担ぐ話」

 

 

 

 

 

最終チェック――

 

手水舎で手を清め、口を清め、耳を清めた。

 

流石に止めに入った。1日目の丁寧さはどこに行った。

 

 

 

満を持して測定した。

というか、させられた。

 

胸囲が、1mm増えていた。

 

「これぞ……神の御加護!!」

 

私は涙を流した。

彼女も涙を流した、胸を張った。張るものは、ない。

 

「違う、それ浮腫み」

「違う!奇跡だ!」

 

 

 

 

 

---

 

 

 

3ヶ月後

 

 

 

聞き覚えのある石段を踏みしめる音が境内に響いた。

 

 

 

「また来たぞ!!」

「……あんた、また来たのね」

「おい、またあの変なのが来たぞ」

「変なのではない!信仰の徒だ!」

 

 

まさか絵馬に書いたIカップになるまで続けるのだろうか。

 

こんな変なのから私を守ってくれた先代達に習い、私もいつかの誰かに向けて書物に書き加えた。

『薙刀を離すな』




言い伝えの書物には
『貧乳はステータスだ希少価値なんだ』
『母なる果実を忘れるな』
と、書かれていたとかいないとか
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