異聞ロマサガ2 〜無限ループを抜け出すための法〜 作:donguri3
久しぶりにロマサガ2のアプリ版をやって書いてみたくなりました。
七英雄の内、ノエルとロックブーケは救われて欲しいし、古代の大神官に天罰を…などなど個人の願望を吐き出したいだけの駄文ですが、もしお付き合い頂けたら幸いです。
ーそれは、悪い夢だった……。
幾多の戦いを越えた。
それは何千年にも及ぶ長い歴史物語で。
不可思議な事に、その間、自身という人格と記憶は老若男女あらゆる人格の奥深くに寄生して時を渡り続けていた。
もう一つ。
“自身”は知っていた。
その世界が「ロマシングサガ2」という幼い頃に擦り切れるまで遊んだゲームの世界である事を。
***
「ーーー!?」
窓から差し込む日差しが眩しい。
帝都アヴァロンの一室。偉大なる皇帝レオンの次男ジェラール。
それが「俺」の今の名前だと意識する。
つまりは、「今回も失敗であった」という事だ。
数秒前まで俺は七英雄と異世界の狭間で対峙し、苦闘の果てに打ち倒した。これで、99回目のゲームクリアだ。おめでとう。
だが、やはり今回も「目的」は果たせなかった。
どうやら記憶も曖昧だが、俺はこの世界を「ゲーム」として死ぬほど遊んで(RTAも含めて)いた人間でニホンという国に暮らしていた。
だが、ある日唐突に、ナーロッパ的な異世界…ロマサガ2の世界の住人になっていた。
はは、なんだろうな。もう自分の名前すらも思い出せないのに、ナーロッパなんてしょうもない言葉だけ覚えてやがる。不思議なものだ。
まあ、それはさておき。
こういう状況から抜け出すにはお約束としてゲームクリアだ。
そう思った俺はジェラールから始まるこのサーガを要領良く攻略していった。だが、ラスボスの七英雄を倒すと決まってこの朝にジェラールとして戻された。
最初はRTAの裏技を試したが、クリア後に巻き戻されたので、
効率重視の進行にしたがこれもダメ。
ゲームでなく現実ゆえの抜け穴も探して試してみたがダメ。
そして、今回が100回目である。
存外、100回目が条件か?とも思ったが、元ゲーマーとしての感覚と
99回生きたカンが共に違うと言っている。なので、無策では今度もダメ、なのだろう。
ーコン、コン
「ジェラール様」
メイドが起こしに来た。そうだ、今日は運命の日だった。
モタモタしては居られないが、惰性では「兄上」が亡き者になってしまう。
そう、俺と父上が封印の地に行く俺の初陣であり、クジンシー襲来の日。
実は過去のループでは見捨ててシナリオ通り進めるケースとなんとか助けるケースと試している。見捨てるのは非人道的だが、最初の数回はうまく説得出来なかったのだ。
苦し紛れにソウルスティールの見切りを伝授した時もあるが、いかんせん、力量不足で普通に負けてしまっていた、ということも。
ゲームならガバ、で済むがここは現実。ショックと罪悪感で自殺しかけて止められたりもした。
そんなアレコレを経て、2回に1回は悲劇を回避できる様になって来たが、
今回は前回ループで確率を100%にする準備を仕込み済み。
あとはやるだけ。とは言えやる事は多い。
早く支度をせねば。色々と…。