異聞ロマサガ2 〜無限ループを抜け出すための法〜 作:donguri3
「ありがとう。キミのキュートな声で素敵な目覚めだ。」
メイドに礼を言いながら過ぎる、
…ここで通りすぎる事、ちょっとハンサムなジェラールのお顔で爽やかオーラを放つ事により、メイドに引き止められて父上レオンの所へ連れて行かれるのを躱す事が重要だ。1アクションしか出来ないが、その1アクションがこの作戦の肝だ。
そのまま、倉庫へ行く。
何故か倉庫には前回までのループで得た武器防具の山が納められている。
これだけあったらアヴァロンが弱小国なのはおかしいやろ、というツッコミ待ちの見本市はこちらでございます。
最終皇帝のデイブレードにムーンライト…いや、集めるためであって、
女子になって見たかったとかそんな邪な感情はないよ…たぶん。
とりあえず倉庫から最強クラスの武器防具を拝借する。
あと、”アレ”も。
これを兄上につけさせてソウルスティール見切りつければほぼ勝てる(当たり前だ…)が、武人たる兄上は50%くらいの体感で馴染んだ武器を使い、そして死ぬ。しかも、受け取る時は「ありがとう、ジェラール。有り難く使わせて貰うよ」ってイケメンスマイル0距離射撃で騙して来ます。惚れてまうやろ。あと、本当に使ってくれる時と区別つかん。
で、だ。
確実に兄上がクジンシーを追い返す方法(残念ながら止め差す前に逃げる)が、ですね…
じゃじゃーん、
「メモリ破壊ぃ〜!」
でた!RTAの民御用達のグリッチ、
あるいは悪のドラ⚫︎モン。
ロマサガ2のSFC版ではメモリ初期化に関するバグがあった。また、メモリもすくなくて領域を使い回していたから、道具の個数が技番号と同じ領域で、個数をいじる事で、あり得ない技を習得できたり、酷いものではイベント管理フラグを書き換えたり出来てしまう。
ゆえにRTA界隈では当初こそ多用されたが。後に禁じ手としてメモリ破壊なしのプレイが主流となっていた。
まあ、今回はRTAを競うわけでもないし、現実の兄上を救うためだから遠慮なく使わせてもらいます。
持ち物の個数調整は済んでる。
持ち物袋を覗いてから一旦セーブ→ロードと念じ…
ー乱れ雪月花を習得しました!
ーカマイタチの見切りを習得しました!
ー冷気の見切りを習得しました!
ー死神のカマの見切りを習得しました!
え?お前が習得してどうすんの?と聞かれそうだが、、、
そこで、”アレ”の出番である。
前回、99回目のループでオアイーブを脅し伝承法の改良版、スキル伝授法という便利な術を開発させた。
この術は生きた2人の間でスキルをコピー可能とするもの。
さらに、術はアイテム化して255個倉庫に放り込んでありますが何か?
俺は最終戦のためにソウルスティールは見切りを持ってるから、これで兄上にスキルを強制移植すれば、クジンシーは兄上に通常攻撃しかできない事になる。
ついでに乱れ雪月花で死ぬほど痛い目を見させてやってほしい。
新宿=クジンシーはホントにクソ野郎なので。
そう言えば、お前、乱れ雪月花持ってないの?と言われそうだが残念ながら素手ゴロ勢の狂犬なので俺の武器は千手観音です。これは兄上のイメージと違うから移植しないけど。
で、本当はもっと色々魔改造したい所だが。
「ジェラール様?」
我にかえって追いかけて来たメイドが不思議そうにこちらをみて声をかけて来た。
残念ながらタイムアップだ。
字面にすると分かりにくいが、側から見ると俺は首を上下して謎の光に包まれて道具袋を覗き込んでから倉庫に出入りする動作を繰り返す不審者だ。良く4回もやらせてくれたもんだ。
ー呆気にとられただけかも知れないが。
ともあれ、目的は達したので、今度こそ大人しく着いていく。
「王子様って光るのか、イケメンだと光るのか…むむむ…」
メイドくん、なかなか良いキャラしてるね。あと、皇子な。
言わないけど。
***
玉座の間には父上でありアヴァロン31代皇帝レオン陛下と兄上ヴィクトールの姿があった。戦というと物々しいが、今回は、まあ、ピクニックみたいなもんだ。ひ弱な弟皇子様に安全な体制(過剰戦力)で実践経験を積ませるため、封印の地に住み着いた低級モンスターのお掃除だ。
が、史実では留守中に七英雄クジンシーが来襲して兄上ヴィクトールが死ぬ。それは避けねばならない。
「陛下、兄上。ジェラールが参りました。」
先ずは礼。挨拶は重要だと半⚫︎直樹も言ってた。くそ!なんで自分の本名だけ思い出せないんだ!
「うむ。」父上。
「ジェラール…本当に大丈夫かい?」兄上。外見も中身もイケメンめが。
「ありがとうございます。ですが、私も帝国皇族の末席。男児としての責務は果たしたく存じます。」ちなみに、我が家、子供は男児しかいない。
「うむ。」父上…原作では発言もうちょっとあったはずなのにうむしか言わないマシーンと化しとる。ちょっと心配。
「そうか…ならアヴァロンの留守は私が命に変えても守るから、ジェラールは安全第一に。…危なかったら、父上の後ろに隠れるんだよ?」
ウインクする兄上と白目の父上。
曲がりなりにも臣下が皇帝陛下盾にしちゃいかんでしょうに。
でも、良いタイミング。
「兄上、こちらを」
デイブレードとハルモニアスーツと謎の玉…は砕きつつ兄上の目を見つめる。スキルの継承だ。
「!?これは!?」
「倉庫の奥に眠っておりました。万が一、仮に七英雄が来襲してもご先祖様が我らをお守り頂けるのではないかと思いまして」
「凄いな、我が弟は!確かにこれらの武具には力を感じるし、さっきの宝玉から流れ込んだ力で新しい技が頭に入って来たよ。やはり、学問は大事だな」
そのスキル、俺から流したんですけどね?と言うと混乱を生じるので意味深に頷くのみ。
だが、これで、兄上がチート武器を使わなくてもクジンシーさんの敗走は決まったな。良かった。
***
ー封印の洞窟にて。
「息子は、ジェラールは一体どうしたのだ…」
しまった。つい楽しくて千手観音祭りを開催したら父上がドン引きに。
兄上救出確定が嬉し過ぎてテン上げし過ぎた。
病弱なはずの次男がモンスターを前に野生に回帰したかの如く走り出し、
拳で殴りまくってミンチどころか水分、いや、染みに変えていく姿はかなり閲覧注意な光景だったはず…
ーさて、この後、どうやって取り繕おうか…困ったな…