ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
6月に最初の選抜レースが行われた。
基本は12月の第三回選抜レースの時がトレーナー契約の最盛期であり、1年生の最初の選抜レースで契約する者はそう多くない。
今回は、ウマ娘側もトレーナー側も、お互いの情報を収集し、最高のパートナーを選ぶべく情報収集をするためのレースなのだ。
ボクは年齢が下なのもありデビューとか全く考えてないし、ライスちゃんという契約相手もいるからトレーナー契約に関していえば全く考える部分はなかった。だが、それはそうとしてライスちゃんのライバルになりえる相手を探して選抜レースを観察するということはしていた。
ボクが一番注目したのはやはりミホノブルボンさんであろう。
集めた情報によるとお父さんが元トレセン学園のトレーナーらしく、体づくりからしっかりされているのがわかる素晴らしい太腿と尻をしていた。
その上で逃げの戦法を取るのは少し意外ではあったが。
彼女が三冠ウマ娘を目標としていると聞いているが、逃げという戦法は三冠を取るにはかなりきつい。特に菊花賞は逃げで勝ったウマ娘は現状では歴史上いないという逃げに不利なレースである。
先行抜け出しあたりの王道戦術を取ればいいと思うのだが、何かあの逃げ戦術にも意図があるのだろうか。
そしてそんなブルボンさんと楽しそうに話しているのは前評判が一番高いニシノフラワーさんである。
飛び級で入ってきた彼女は頭脳ももちろんだが走りも期待されている才色兼備のウマ娘だ。天才少女枠でも頭しか期待されていないボクとはまるで違う。
体格は周りと比べれば小柄だが、体幹がしっかりしており、レースの走りを見ていても非常に優秀なウマ娘だと思う。ブルボンさんと仲がいい理由はわからないが、同じクラスだったりするのだろうか。
二人ともスカウトがかなり集まっていたが、そのあたりはうまくかわしていた。今の時点では情報収集に徹するのだろう。
そう思っていたのだが……
「あの、ヴィオラレジーナさんですよね」
「はい、そうですが……」
ミホノブルボンさんを引き連れたニシノフラワーさんに声を掛けられてしまった。
「飛び級仲間ということでお話してみたかったのでお声をおかけしたのですが、お時間大丈夫ですか?」
「え、ええ、大丈夫ですけど」
さすが才色兼備、コミュ力高いな! 基本コミュ力に欠けてクラスメイトに撫でまわされているボクとはえらい違いだ。
「トレーナーさん選びの相談に乗っていただきたくて」
「うーん、とはいってもボクもそこまで詳しくないよ?」
この人はこれが得意とか言う傾向は結構公開されているし、あとは相性次第だと思う。
基本的にトレセン学園のトレーナーはプライドが高いのでお互いに自浄作用も強いようで、癖のある人はいても悪い人はいない印象だ。
トレーナーとの相性なんかはボクにはわからないし……
ニシノさんにいくつか聞かれたがあまり答えられなかった。
「そういえばブルボンさんもヴィオラちゃんにトレーナーのことを聞きに来たの?」
「いえ、私はライスさんとヴィオラさんがしている坂路トレーニングについてお話を聞きたくて」
「どんなこと?」
「例えばラップがどれくらいだとどれくらいの負荷と考えているかとか、インターバルの取り方とかですね」
「あー、その辺はですね……」
ミホノブルボンさんは坂路トレーニングについて気になっていたらしい。さすが異世界では坂路の鬼と異名を取った馬の名前を持つウマ娘である。
あれやこれやと聞かれているうちに徐々に話に熱がこもってくる。
そんな説明をしているうちにミホノさんがこんな提案をしてきた。
「では少し実践してみたいのですが、お付き合いいただいても?」
「ミホノさん選抜レースで疲れてない?」
「1本ぐらいなら大丈夫です」
「ライスちゃんいける?」
「大丈夫だよ」
「ニシノさんはどうします?」
「せっかくだから1本お付き合いさせていただければ」
そんな感じの話になり、皆で坂路トレーニングをすることになったのであった。
ライスシャワーの路線は?
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当然クラシック路線
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あえてのティアラ路線
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裏路線で賞金重視
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障害路線とかもある
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無茶ぶり短距離路線
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とにかく数を出る。