ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
ということで4人で坂路トレーニングである。
「ヴィオラさんも走るんですか?」
ニシノさんが不思議そうにボクに聞いてくる。
そうだよね、トレーナーが併走するのおかしいよね。
「ライスちゃんが一緒に走らないと不機嫌になるので……」
「だってヴィオラちゃんだけ走らないのずるいもん」
「どういうことだってばよ……」
何でトレーナーが選手と一緒に走らないとずるいのかまるで分らないが、ライスちゃんの機嫌のためしぶしぶボクも一緒に走っている。
同じ飛び級でも早熟気味なニシノさんと体がまだできてないボクでは差がありすぎるのだがそういったところもライスちゃんには考慮してもらえていなかった。
そんな雑談をしながら、ボクたちは坂路コースの入り口に並ぶ。
「ペースはそれぞれウマなりで行きましょう。ボクは15-15のペースで行きます」
15-15とは1ハロン、200mを15秒のペースで走ることである。このペースが坂路トレーニングの基本的な速度である。
坂路コース自体が少しずつ斜度が上がっていくので、ちょっとずつきつくなるが現役ならそこまでつらくないペースと言われている。
もっともボクらの学年はデビューまで速くても1年はあるので、現状でこのペースで走れるのはかなり優秀な部類だ。
現にボクが走る場合結構きつめのペースになる。
とはいえライスちゃんはすでにデビューできるレベルの能力だし、ミホノさんもニシノさんも選抜レースを見ている限りそれくらいの能力はあると思うのでそうきつくはないペースだと思う。
二人ともレース後だし、あまり無理はないペースがいいだろう。
「わかりました」
「私もヴィオラさんについていきますね」
最初はボクのペースに合わせて走るような雰囲気でいたはずだったのが……
よーいどんで併走を始めたら、まずライスちゃんがペースを上げ始めた。
しょっぱなからボクは置いていかれてしまう。最初の1ハロン、14秒以下で走っている感じだった。
それにつられてミホノさんもニシノさんもペースを上げる。
完全に一杯で走り始める3人に、ボクは最初に行ったペースを守り続ける。
ボクはあのレベルについていけないし……
結局3人とも全力で走り切り、ライスちゃんが一番最初にゴールを通過した。
ライスちゃんはレース出てないしね。まあ妥当な結果でしょう。
「むぅ、全然追いつけませんでした」
ニシノさんが不満そうに言う。
でもラスト1ハロンニシノさんだけ13秒切ってたしやばいぐらい優秀だと思うよ。
「もっと修練が必要ですね」
ミホノさんも不満気である。
だけど最終的に13秒半のラップを正確に刻めるんだからこちらもすごい優秀だと思うよ。
「ライスの勝ちだね」
「ライスちゃん」
「何?」
「お仕置きね」
「なんで!?」
「ウマなりって言ったでしょ」
「ライスのウマなりだもん」
全力で走るウマなりってそんなわけあるか!
そのまま地面に座らせて長座前屈で押しつぶす。
「にぎゃー!!!」
「ちょっと硬いね。まだまだいけそう」
「むりっ、ライス壊れちゃうよぉ!!」
一度限界以上に曲げたことでかなり柔らかくなったが、それでもはやり硬いところがあるライスちゃんはストレッチだけは苦手である。
お仕置きとするならこれが一番いい。うるせえ壊れるほどストレッチしてやる。
「お二人もクールダウンしたほうがいいですよ。ストレッチなら教えますが……」
「ではお言葉に甘えて」
「私もお付き合いします」
「そちらもちょうど二人ですからボクの真似してください。あ、無理しない程度でいいですからね」
「ライスはもうむりぃ!!」
「うるさいライスちゃんはもっと無理しろ!」
「ひぎぃ!!」
こちらの様子をうかがいながらストレッチを始めるミホノさんとニシノさん。
仲良きことは美しきことかな。
ボクはライスちゃんの体を限界以上に曲げながら、二人にストレッチについて説明をするのであった。
ライスシャワーの路線は?
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当然クラシック路線
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あえてのティアラ路線
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裏路線で賞金重視
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障害路線とかもある
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無茶ぶり短距離路線
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とにかく数を出る。