ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
トレセン学園の夏休みは7月8月丸々2か月あり、現役世代は夏合宿に励むのだが、中等部1年2年のころはそちらに行くかというと必ずしもそうとは限らない。
中等部2年は単純に7月ごろからメイクデビューをする子が多く、レースにターゲットを絞ることが多いためであり、中等部1年のころは、まだ体づくりであり本格的に集中してトレーニングする夏合宿は負荷が高すぎるためである。
場合によってはざっくり休んでしまう子もいるのが夏休みであり、ライスちゃんもおうちの都合とかもあるだろうからライスちゃんの都合に合わせて予定を考えるつもりだった。
「ライスちゃん、夏の予定は?」
「お父様とお母様が2週間くらい帰ってくるからその間はそっちにいる予定だよ」
「おお、いいねぇ」
「ヴィオラちゃんは?」
「ボク? 別に行くとこないしずっと学園にいる予定だけど」
「……」
ライスちゃんが驚いた顔をしていた。
いやだってボク家族が居ないから、行くとこないんだよね。施設に戻られても施設も困るだろうし、幸い寮はずっとやっててごはんも出るからずっといる予定だよ。出かけるお金もないし。
特に気にもせずそう思っていたのだが、ライスちゃんは違ったようだ。どうやらボクもどこかに帰るだろうと思いこんでいたらしい。
「じゃあヴィオラちゃんもライスと一緒にいこうよ」
「え、家族水入らずに悪いじゃん」
「ヴィオラちゃんはトレーナーさんだから家族みたいなものだよ!!」
「その理屈には無理があると思うよ!」
「そんなことないよ! マックイーンさんはトレーナーと担当は一心同体みたいなものって力説してたし!!」
「どういうことだってばよ」
メジロマックイーンさんは2つ上の先輩だが、ライスちゃんとは知りあいらしく時々話したり、併走に付き合ったりしてくれるのでボクも顔見知りである。
次は菊花賞を目指しているということで、夏合宿にも力が入っていると思うが…… うちのライスちゃんに変なことは教えないでほしい。
「ということで夏休み始まってから2週間はライスと一緒に避暑地に行くんだからね」
「強制的に予定が決まってしまった」
あまりお世話になるのは悪いなぁと思いつつも、まあ暇だから別段問題ないんだけど。
「ラブリイさんは?」
「私も2週間ぐらいは実家に帰って両親に会ってきますがそのあとが困ってるんですよね」
「? どうして?」
「夏をうまく過ごしましょうって言われても、自主練だけだとどこまで身が入るかわかりませんから」
「まあ2か月は長いよねぇ」
ある程度指導が画一的とはいえ、普段は教官が見てくれているからそう手を抜いた練習はしていないが、自主練だけになるとどうなるかわからないと。
「じゃあ自主合宿とかする? ボクがある程度教えてもいいけど」
「やってくれるなら助かりますね」
どうせライスちゃんとトレーニングは続けることになるし、そうなるなら併走相手がたくさんいたほうが効率はいいのだ。併走相手がボクだけだと実力差もそこそこあって限界があるし……
「とはいえ場所の問題があるかなぁ。トレセン学園でやってもいいけど、ちょっと飽きるよね」
「うちの別荘がありますし、そこなら自由に使えますよ」
「ありがたいけどちょっと悪い気もするね」
こういう時に別荘とかがぱっと出てくるあたりラブリイさんもお嬢様である。
「ライスちゃんとラブリイさん以外にも何人か誘いたいね。どれくらいの人数泊まれる?」
「10人ぐらいなら余裕はありますよ」
「じゃあクラスの子とかも誘ってみようか」
こうやって夏の予定が埋まっていく。
ボケーっと2か月すごすことになるかと思っていたが、案外忙しそうである。
ライスシャワーの路線は?
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当然クラシック路線
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あえてのティアラ路線
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裏路線で賞金重視
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障害路線とかもある
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無茶ぶり短距離路線
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とにかく数を出る。