ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話   作:雅媛

26 / 80
6 パーティ

 パーティに参加することになった。

 

 壮行会的なものらしく、トレセン学園に入った一族のウマ娘たちを元気づける的な会らしい。

 上流階級っぽいイベントにビビっていたが、お父さまとお母さまに事前に何をするかを教えてもらったので、今回は十分準備してから参加できる。

 準備時間と事前情報があれば対応するのは得意な方だ。

 トレーナーとして一言挨拶する以外は、あとは適当にしゃべっていても隅っこでご飯を食べ続けていても構わないとのことであった。

 

 幸い服もお母さまに買ってもらったもので大丈夫だそうだし、どういう物を着ればいいとかそういうのもお母さまが教えてくれたので問題ない。

 

 後はのんびりパーティを眺めていればいいか。そんな風にボクは軽く考えていた。

 

 

 

 まず予想外その1は、パーティが予想以上に大規模であったことだ。

 メジロとかシンボリとかシャダイとかそういう有名どころの家じゃないし、そもそもライスちゃんのご実家のことなんて碌に知らなかったので、たいした人数はいないだろうと軽く考えていた。

 

 確かにライスちゃんの同期の人数だけ見ると7人とそう多いわけではないが、それでもこの時点でも予想以上に多いという印象であった。

 先輩たちも1年ごとに10人前後おり、予想以上に参加人数が多い。有名なウマ娘はいないが、一大勢力といった雰囲気であった。

 

 そのご両親や契約をしていればトレーナーさんたちもおり、100人規模のパーティというのがまず予想外なことだ。

 

 

 さらに予想外だったのは、開催者として出てきたお方だった。クリフジ。教科書にも載っている無敗の三冠女傑である。

 さすがにもうおばあちゃんであったが、ボクみたいなウマ娘でも知っているレジェンドが来る時点でもう意味が分からない。というかライスちゃんって、クリ冠の所属だったの!?

 

 

「おばあさま方はすごい方だけど、今のクリはレースでは大したことないからそんなに緊張しなくても大丈夫よ」

 

 

 お母さまはそういうけどこれは無理だよ!?

 ご両親の名前にもクリなんて入ってないから全然知らなかったし。

 

 こんな中であいさつするとかすごく緊張するんだけど。

 ほかのトレーナーも覚悟を決めている人か、ボクのように呆然としている人かの2択に分かれていた。

 

 

 

 立食形式で行われているパーティだが、ボクはライスちゃんと一緒に挨拶に早速呼ばれてしまった。

 一番学年が下でさらにトレーナーと契約済みということでトップバッターにされてしまったらしい。

 もっと熟練の人から先にしてよ! と言いたくなったがもうどうしようもない。

 

 緊張しすぎて頭が真っ白になったボクは準備していたあいさつ文なんてとっくに飛んでしまった。頭に思い浮かんだ言葉を必死に紡ぎ続けるしかできない

 

 

「ヴィオラレジーナです。この度ライスシャワーさんの担当として契約させていただきました」

 

 

 どうにか自己紹介をしたところでもう真っ白である。

 助けてライスちゃん!

 幸いライスちゃんは場慣れしているようであまり動揺していなさそうだ。

 

 ボクからマイクを手に取ったライスちゃんは、声高らかに宣言した。

 

 

「ライスたちの目標は、ずばりクラシック三冠、そして天皇賞三連覇です!!」

 

 

 おおおおおおい!!! なんていう目標ぶち上げてるんだよライスちゃん!

 全く無理とは言わないレベルの実力なのは否定しないけど、それはむりだよ!!

 しかし止める間もなくライスちゃんの言葉は続いていく。

 

 

「かつて、クリ家はクリフジのおばあ様をはじめ、偉大なウマ娘が数多く所属していました。残念ながら昨今はあまり成績が振るっておりません。しかし、ライスは先達の皆様にも勝るような偉大なウマ娘になるのです!!」

 

 

 どや顔で言い切ったライスちゃん。

 やべえ、なにいってくれてるの!?

 どうしようかと困っているところで、違う人の音声が入った。

 

 

「威勢のいいことはよいことですが、本当に可能なのですか? ライスシャワーにヴィオラレジーナさん」

 

 

 その声は、老齢とはとても思えない張に満ちていた。

 クリフジおばあさまが直々に尋ねてきたのだ。

 そこには幼子が騒いでいるかのような下に見る雰囲気が含まれているのをボクは見逃さなかった。

 

 まだ世間がわかっていない子たちの大言妄想である。

 そう言ってしまって許される空気を作ってくれたのはわかっていた。

 だからボクはこう答えた。

 

 

「当然可能です。シンボリルドルフを超える九冠ぐらいはとって、九冠バってキュウリかよ、と言わせて差し上げますわ」

 

 

 ものの勢いというのは恐ろしいもので、配慮への感謝よりも舐められた反発心が勝ってしまい勢いで言い放ってしまった。

 ライスちゃんとおそろいのドレスでカーテシーをして舞台から降りる。

 

 やっちまったと頭を抱えたくなる気持ちを押し殺しながら、笑顔でこの後もパーティを過ごさねばならないのは地獄であった。





【挿絵表示】

ドレスヴィオラ

評価お気に入り・感想お待ちしております

雑談等はディスコード鯖
https://discord.gg/92whXVTDUF


10話ごとの幕間の話題もここで募集しております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=325158&uid=349081

本作のライスちゃんの戦績(参考)上の方が当然いいです

  • 当然無敗全勝だよ
  • 何回か負けるけどキュウカンバーになるよ
  • 半分弱勝ってGⅠを4,5章ぐらい
  • 史実ぐらいのG1を3勝ぐらい
  • なかなか勝ちきれずにG1一回勝てれば
  • G1も勝てないぐらいじゃない?
  • 残念ながら未勝利
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。