ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話   作:雅媛

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2 運命の分岐点1

 サンエイサンキューという馬の運命は過酷だった。

 重賞に何度も勝つほどの実力がありながら、厳しいローテーションでレースに出走し、結果再起不能なケガをして2年間の闘病生活の末になくなっている。

 

 馬主の問題とも、調教師の問題ともいわれるが、彼女がこの運命を引き継いでいるなら彼女の現状は非常に悪いだろう。

 ラブリイさんがわざわざ連れてきて、お願いしてきた以上何かあったと推測できるし、彼女の現在の体調を見ても体格に練習量が多すぎるのが容易に想定できる状況だった。

 

 

「……」

 

「賢い貴女ならわかると思いますが、ボクの手を取ればボクはどうにかしてあげます」

 

「……」

 

「ですがそれは多くのものを捨てることになる。ボクの推測が正しければそれは貴女の家族であり、家でしょう」

 

「……」

 

「貴女がどう生きるかは自由ですが、ボクの手を取ったなら引き返すことだけは許しません。それはここに連れてきたラブリイさんや、これから助けてくれる人たちの顔に泥を塗るからです。そんなことになるならボクは絶対に許さないでしょう」

 

「……」

 

「今決めろとは言いませんが……」

 

「たすけて」

 

「……」

 

「もう無理なの……」

 

「わかりました」

 

 

 明確に少女が助けを求めたのだ。ボクも腹をくくることにしよう。

 

 

「私、自分で言うのもなんだけどかなり優秀みたいなの」

 

「そうですね。それはボクも同意します。ちゃんとトレーニングを重ねれば重賞はもちろんGⅠだって行けると思いますよ」

 

 

 これは本音だ。先日測ったマイルのタイムを見るとニシノさんやミホノさんと同レベルだった。

 マイル適性が高そうでライバルが適正が同じニシノさんという問題があるが、それでも重賞はトラブルがなければ取れるだろうし、うまくレースを選べばGⅠだって勝てるだろう。

 

 

「でも練習が厳しすぎて……足もいたくて、ご飯も食べられなくて」

 

「ちょっと脚を借りますね。ご飯は食べててください」

 

 

 サンエイさんの脚を揉み始める。

 ハードなトレーニングをしているのにクールダウンはろくにしてないのだろう。ちょこちょこ炎症しているし、骨の状況もあまりよくなさそうだ。

 痛みもあるのだろう、サンエイさんは顔をしかめた。

 

 

「お父さんもお母さんも、レースに勝て、としか言わなくて、私が何を言っても聞いてくれなくて……」

 

「大変でしたね」

 

「もう走るのも嫌で、でも走るしか私にはなくて」

 

 

 このままだとやべートレーナーをつけられてやべーことになるのは想像できた。

 ハードトレーニングが売りなトレーナーは何人もいる。

 虐待レベルのことをするトレーナーだっている。

 

 学園にいる間は問題ないが、それでも家との関係を切って、その上で新しい後ろ盾が必要だろう。

 

 それをどこにするか、必死にボクは頭の中で計算をしていた。




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