ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
ひとまずサンエイサンキューさんのトレーナーはルドルフさんとの約束通りボクが引き受けることにせざるを得ない。
ライスちゃんにもそう説明したところ
「いいと思うよ。サンキューちゃん、よろしくね」
「ライスさん、よろしくお願いします」
とあっけなく認めてくれた。
ボクの負担はちょっと重いがこれくらいならどうにかなるだろう。
夏合宿の方はというと、集中的なトレーニングにより、参加者の能力の底上げは順調だった。
一週間の食事トレーニングと休養により、サンエイサンキューさんの体は急速に出来上がっていった。
ボクのことはムチムチの錬金術師と呼んでほしい。サンキューさんもかなりむっちりしてきたので、これならある程度トレーニングを再開しても大丈夫だろう。
一週間経過で身体測定と能力チェックをし直して組むペアを変えることにする。
「ライスちゃんは少し絞りすぎちゃったからサンキューさんと組んでトレーニング強度を落とします。サンキューさんは無理しない程度で、きつかったらすぐに言ってください」
「わかったよ」
「わかりました」
アイルトンシンボリさんと組ませていたせいで、ライスちゃんは少し絞りすぎてしまったので今回から本格トレーニングを始めるサンエイサンキューさんと組ませて軽めのトレーニングに組み直す。
「シンボリさんは引き続きスピードアップを目指します。今週はミホノさんと組んでください」
「了解しました」
「了解だ」
アイルトンシンボリさんの方はまだ絞れるのでハードメニューの継続である。相方はハードなトレーニングに慣れているミホノブルボンさんで行こう。
「ニシノさんとサンダーさんはマイルの走り方の研究をやりましょうか。駆け引きなども覚えたほうがいいと思いますので資料も渡します」
「了解した」
「わかりました!」
ニシノフラワーさんとトロットサンダーさんはさらに一歩進んでレースの駆け引きなどを覚えてもらうことにする。二人とも中団待機からの王道戦術なので、駆け引きやレースの流れを読むのが大事なのもあるのでこの辺りを重視するべきだろう。
「ラブリイさんはボクと組んで、特別トレーニングです」
「緊張しますね」
単に余っただけとは言いにくいので特別トレーニングとしておく。
ラブリイさんのワクワクしている感じが申し訳なく思った。
「正直ラブリイさんは結構バランスよく仕上がっていますので、全体を少しずつ磨いていった方がいいと思います。ご自身で不足している部分は何か感じますか?」
「特にないけど……」
「けど?」
「逆に絶対勝てるっていう自信もおきないのが」
「なるほど」
全部が優秀だと飛びぬけたものが目立たなくて、それはそれで不安なんだろうなと思うが……
「それならこれにしましょう」
「これってビデオ?」
「名レース100選を見て、勝ち方を覚えるトレーニングです」
ウマ娘レースは徒競走と違いかなり駆け引きのあるものです。
ですが一方で本番のレースは20戦もないのが普通です。
なので駆け引きを覚える前に引退なんて言うのが実は普通だったりします。
だからこそ、他人のレースを見て、駆け引きや王道の勝ち方を覚えるというのも非常に大事だとボクは思うわけです。
「例えばティアラ三冠のメジロラモーヌさんの有馬記念でも見てみましょうか」
「はい」
「このレースを見ればダイナカリバーさんが勝つのが当然のように見えます。もちろん弱いわけではないですが、ラモーヌさんが勝てる余地は実力以前にまずないでしょう」
「進路がないですからね」
「ミホシンザンさんは直線ではいいところにいますが、道中外を回っているのでその分の不利が最後にたたっていますね。ダイナカリバーさんより内枠だったんですからもっといいポジションを取れたと思うんですが」
「確かにそうですね」
「こういう他人の成功、失敗を検討して走り方を検討するわけです」
「確かに大事ですね」
二人でレース研究をしつつ、時間は過ぎていくのであった。
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