ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話   作:雅媛

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6 ライブの開始

 グランドライブは東京レース場付属のライブ会場で、12月の1週目の週末に行われた。

 

 ちょうど秋のGⅠシーズンの切れ目であり、なおかつ東京開催が終わった後ということでこの時期が選ばれたのだ。

 夏休みの終わりごろからスタートして3か月で実行まで移したのはハローさんの実行力のおかげだろう。

 

 基本的に参加者にはちょっとしたお小遣い程度の報酬しか出ないが、無条件でライブのセンターに立てるということで参加者に困ることはなかった。

 一方でそんな状況なのでチケット代もトゥインクルシリーズのライブと比べるとかなり控えめである。おかげで目立った有名ウマ娘がいないにもかかわらず会場の入りはかなり良く、参加者も喜んでいる。

 

 

「でもこれで利益出るんですか?」

 

「ライブ本体で利益を出す必要はないですから。会場の入場者数も限られるから頭打ちなのもありますし」

 

 

 そういうバランス感覚が敏腕プロデューサーなのだろうな、と思った。

 

 

「とくにファンクラブ事業は結構期待してますから頑張ってくださいね」

 

「そんな青田刈りしたい人いますかね。リターンだってそんなに大きいものではないですし」

 

 

 ハローさん肝いりのファンクラブ事業は、デビュー前から特定のウマ娘を後援するという性質のものであり、入っているとそのウマ娘の現状の情報が定期的に入ったりグッズがもらえたりというものだが、当然ながらそのウマ娘が大成するとは限らない。未勝利で終わったりする可能性だってある。

 一口は安いがそう集まるものかと疑問なのだが、ハローさんは自信を持っていた。

 

 ボクも数合わせで作ってもらうことにしているが、メイクデビューするかもわからないと明言しているふざけた状況なので、たぶん誰も加入しないだろうと思っている。

 いや、たぶんお父さまとお母さまは入ってくれそうだが維持最低人数がそろわないと思っている。

 

 

「推したい人はかなりいるんですよ。そういう推しを探しに来ている人も多いと思いますから、頑張ってアピールしてくださいね」

 

「ボクなんか無理ですよ」

 

 

 ボクの特徴と言ったら紫色とかいう変な色の髪と、全員の中で一番小さい身長ぐらいしかない。トレーナー資格持ちは生意気に見えるだろうから推したい人なんて出ないだろう。

 まあライスちゃんとかサンキューさんの方は集まるだろうからそっちを楽しみにしていよう。

 

 

「さて、そろそろいい時間ですし、ヴィオラさん、出演者のみんなに気合を入れる挨拶をお願いします」

 

「え、ボクが? ハローさんの仕事でしょう」

 

「ヴィオラさんがしたほうがいいですよ」

 

「むー」

 

 

 体よく押し付けられてしまったボクは、みんなの前でガンバロー、ぐらいしか言えなかった。

 でもみんな頑張ろうと思ってくれたようなので、それはそれでよかったのかもしれない。

 

 

 こうしてグランドライブが始まろうとしていた。




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