ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
さて、ライスちゃんからの唐突な告白に対して、どうこたえるかが問題だ。
これは非常に悩ましい。
断ったら二人の関係がぎくしゃくしそうとかいう現実的な問題もある。
今までライスちゃんと一緒にやってきたのにここで契約がなくなるのはかなり悲しいものがある。
ご両親からもよくしてもらったのにその縁がなくなるのも悲しいものだ。
ここまで考えて首をかしげる。
何で断る前提で考えているんだろう。
もう一度考えよう。
まずライスちゃんの外見。
うんすごい可愛い。正直すごく好みです。
次に体つき。
抱きしめると柔らかくていい匂いがしてとてもいいんだよね。
性格。
真面目で一生懸命。時々意地悪してくるところもかわいい。
あれ? 何も問題なくない? 何で断る前提で考えてたんだ?
よく考えるとライスちゃんの問題じゃなくて自分の問題だろう。
こんな素晴らしいライスちゃんに自分が釣り合っているように思えないのだ。
だからいつか嫌われる、嫌われなくても愛想をつかされると思ってしまう。
そういう弱さが迷いを産んでる。
断るべきか、腹をくくるべきか。
さっきまで考える限り断るのは悪手であり、ならばもう選択肢はひとつしかない。
「ボクも、ライスちゃんのこと好きだよ」
「ヴィオラちゃん……」
ライスちゃんをぎゅっと抱きしめる。
「かわいいし、頑張り屋さんなライスちゃんのこと大好きだよ」
弱気の自分を見ないふりをする。
ここまで来たら背伸びをし続けてライスちゃんに追いすがるしかないだろう。
顔を上に向けるとライスちゃんの顔が間近にある。
そのまま顔が近づいてきて……
「……」
「……」
さすがに恥ずかしくてボクもライスちゃんも何も言えなかった。
沈黙がしばらく流れる。
「そういえば……」
「?」
「ヴィオラちゃんのチョコは?」
「……」
ここでボクは自分の失敗を悟る。
既にチョコはみんなに配っていたものと同じのが1袋しか残っていない。
明らかに本命じゃないオーラが出すぎてる。
いやこんな展開予期できないし用意できるわけないし!!
「これしかないかも……」
「……」
ライスちゃんの笑顔が深くなる。
「実はヴィオラちゃんが本命チョコ用意してないのは知ってたんだけどね」
「ふえ?」
どうやらボクのあれこれはバレていたらしい。
「でも、ほら、告白に釣り合うプレゼントが欲しいなってライスは思うんだ」
「でもこれしかないんだけど……」
用意していたチョコを見せると、ライスちゃんが近づいてきてボクを抱きしめる。
「あるでしょ、ヴィオラちゃん自身」
耳元でささやかれるそれは拒否できない色が含まれていた。
「今晩は寝かせないから」
ボクはそのままライスちゃんのお部屋に連れていかれるしかなかったのであった。
評価・お気に入り・感想お待ちしております
雑談等はディスコード鯖
https://discord.gg/92whXVTDUF
で
10話ごとの幕間の話題も募集しております。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=325158&uid=349081