ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
1 入学式
春になり、新年度が始まった。
4月には入学式があり新入生が入ってくる。
「ということで後輩勧誘をするぞー」
「おー!」
「なんで二人ともそんなやる気なの……」
メンバーを増やす気なんかまるでなかったボクに対して、二人はなぜかチームメンバーを増やす気満々であった。
「だって、後輩が居たら楽しそうじゃない」
「その分ボクが指導しなきゃいけないから大変なんだけど……」
「お願いお母さんちゃんと世話するから!」
「誰がお母さんじゃい! あとペットみたいなノリで新メンバー増やさないでよ!」
「ということで勧誘方法ですが、じゃじゃん。ニンジンたたき売りだよ!」
「ボクの言うこと聞く気ゼロじゃん」
と言いながらなぜかニンジンのたたき売りの準備を始める二人。
大量のニンジンと、木箱を用意してやる気満々である。
まあ二人とも新入生の歓迎的な何かをやりたいのだろう。
仕方がないから二人に付き合うこととした
「いらっしゃいいらっしゃい」
「ニンジンいかがですかー」
「今ならニンジン食べ放題だよー」
威勢よく声をあげる二人。
引く新入生。
引く在校生。
というかみんな引いている。
なんでニンジンたたき売りでメンバーが集まると思っているのか全く分からないが、二人が楽しそうなので良しとしておこう。
「楽しそうですわね」
「こんにちはマックイーンさん。ニンジンどうぞ」
メジロマックイーンさんが物珍し気にこちらに寄ってきた。
高等部1年のメジロマックイーンさんはライスちゃんと知り合いらしく、その縁で何度か話したことがあった。
メジロ家のご令嬢らしい品のいい方だが、どうも絞ってるのが気になる。
ボクに任せてもらえれば1月で怪我知らずのムチムチボディにしてあげるのに、と内心思っているがそこは担当トレーナーの考え方があるのだろう。
「で、人参配って何をしたいんですの?」
「うちのチームのメンバーを集めている、らしいです」
「意味が分かりませんわ」
「ボクも分からないです」
マックイーンさんが近づいて雑談しているのを見たせいか、徐々に人も近寄るようになってきた。しかしただのニンジン配りになってきてる気がする。チームに興味がありそうな人が全然いない。
まあ2年生はほとんどチームが決まっているし、1年生で今の時期からチーム加入する人なんてほとんどいないのだから当然だ。
やり方以前に時期が悪い。いややり方も悪い二重苦だから当然だろう。それに知名度もないチームという三重苦なのだから、これで加入希望者が出たほうが驚きである。
「これで加入希望者が出たほうが驚きですわ」
「そうですね」
「あの……」
「はい、人参ご希望ですか?」
「チームに興味があるのですが……」
「えっ?」
そこには新入生らしい、黒鹿毛の少女が困ったように立っていた。
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