ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
「ヴィオラさん」
「何? サンキューさん」
「私、リベーラさんを何とかしてあげたいです」
「ふむ」
「私とは違うと思いますけど、きっとリベーラさんも苦しいと思うので……」
ルドルフさん所の帰りにサンキューさんがこんな話をしてきた。
何か彼女に感じるところがあるらしい。
「まあそれならもう少しお話してみようかねぇ……でもできないことはできないからなぁ……」
リベーラさんが二代目ルドルフもしくは二代目ラモーヌを目指すというならそれは無理だ。
あの二人の血を引いていても、才能に違いがありすぎる。二人とも奇跡的なバランスで強さを維持しているので、足せばいいという話ではなかったという話だ。
リベーラさんが何を考えているかはわからないが、少なくとも表面的にはそれを目指しているかのような雰囲気があった。
どうにか考えを変えさせないといけないだろうか……
「でもよく考えたらどうやってまた来てもらおうか」
トレーナー室に戻ってもう一度リベーラさんと話そうかと思ってふと立ち止まる。
連絡先交換もしなかったから、どうやって呼び出すかという問題が生じてしまった。
教室に上級生が行くのも問題が多そうだし……
「ライス、いいアイデアがあるよ」
ライスちゃんがそういうので任せることにしたのだが……
「いや、いろいろ問題でしょう」
ライスちゃんが用意したのはドサ袋1枚とサングラスとマスクが人数分。
不審者ルックでリベーラさんをさらおうという作戦であった。
「でもこれならライスたちってバレないでしょ?」
「いやバレるでしょ」
百歩譲ってサンキューさんは外見上の特徴が少なめだからわかりにくいかもしれない。でもライスちゃんはその青薔薇がついた特徴的な帽子髪飾りを隠しもしないからバレバレであるし、ボクなんかほかに見たことがない紫色の髪なんだからバレないはずがない。
「大丈夫だって。だってサングラスだよ」
「そのサングラスへの絶大な信頼は何……?」
ライスちゃんが譲らないのでこのまま作戦決行となった。
サングラスとマスクをつけて、3人でリベーラさんの教室を訪れる。
不審者が入ってきたことで教室がざわめく。ボクたちが制服を着ていなかったらすぐにたづなさんあたりが呼ばれていただろう。
そのままリベーラさんの席へと近づく。
「あの、ヴィオラさんにライスさんとサンキューさんですよね。なんでしょうか?」
リベーラさんが明らかにおびえていた。
不審者ルックで教室に入ってきたのだからそりゃビビる。ボクだってそんなことされたらビビる。
とはいえここまで来たのだから中止する選択肢はない。
「わふっ!?」
ボクはリベーラさんにドサ袋をかぶせると担ぎ上げた。
そうしてそのままリベーラさんをトレーナー室まで拉致したのであった。