ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
「わふっ!?」
トレーナー室に到着しリベーラさんを解放する。
意味不明な出来事にリベーラさんはぽかーんとしていた。
「あ、あの、ヴィオラさん、ライスさん、サンキューさん、一体何だったのですか?」
「いや、ルドルフさんからちょっと話を聞いて、もう一度お話したいなって思って」
「誘拐まがいなことをした意味は……?」
「ライスちゃんの趣味」
「趣味じゃないよ!?」
ひとまずリベーラさんをソファに座らせて、ケーキスタンドと紅茶を目の前に置く。
「もうちょっとちゃんと腰を落ち着けてお話しようかと思って」
「でも、私が勝てるようにするのは難しいんですよね」
「正直ボクには無理だね」
「どうしてです?」
リベーラさんは不満そうだが、無理なものは無理だ。
「ボクがトレーナーになったら体を丈夫にするのはできるけど、そこで終わりだからね。そこからルドルフさんやラモーヌさんみたいな絶対的な王者にしてあげられるほどトレーニング指導が上手くないし」
「それならそこからほかのトレーナーさんにお願いするとか……」
「ルドルフさんには貸しがあるしボクはそれでもかまわないんだけど、たぶん引き取り拒否されると思うよ。ボクの癖が染みついちゃうもの。体づくりは食事がメインだけどトレーニングとかもそれなりにやるからね」
「……」
「ルドルフさんのトレーナーだった東条さんやラモーヌさんのトレーナーの小内さんあたりならもっとうまくできるだろうけど、たぶんそれだと今度リベーラさんの脚が持たないでしょうし」
「……東条さんにお願いしたら同じこと言われました」
「でしょうね」
ボクのところに来る前に東条トレーナーとも話していたようだ。
同じような結論になるのはそうだろうと思った。
「ボクが引き受けたらたぶんそれなりに走れるようにしてあげられるとは思うけど、オープンクラスに入れるかどうか、ぐらいになっちゃうと思うよ」
中央に来る時点でトラブルがなければ未勝利から抜けるのはそこまで難しくないが、そのあとプレオープンクラスからオープンクラスに上がるのはそれなりに実力が必要だ。
そこまで鍛えられるかと言われるとかなり疑問である。
そりゃライスちゃんやサンキューさんみたいに才能あふれてれば別なんだけどさ……
「それでは……っ」
「ねえ、ちょっといいかしら」
「なに? サンキューさん」
「ご両親という言い訳は捨てたほうがいいですよ」
「っ!!」
サンキューさんの発言の何かがリベーラさんにつき刺さったらしい。
「ヴィオラさん。奥の部屋借りますね」
「どうぞ」
「少しお話ししましょう、リベーラさん」
そう言ってサンキューさんはリベーラさんを奥の部屋に連れて行ったのであった。