ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話   作:雅媛

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8 挨拶

 リベーラさんと契約をしたので、親御さんであるメジロラモーヌさんにも会いに行くことにした。

 

 

「でもなんで黒塗りの高級車なんですかね……」

 

 

 迎えはリベーラさんが手配してくれたというので厚意に甘えることにしたのだが、そうして学園前につけられたのは黒塗りの高級車だった。

 長いし黒いしピカピカしてるしちょっと怖い。

 

 

「普通じゃないですか?」

 

 

 リベーラさんは当然のようにそうおっしゃる。

 

 

「普通でしょ」

 

 

 ライスちゃんもそんなことをのたまう。

 

 

「いやまあ、ヴィオラさんの気持ちもわかりますが……」

 

 

 サンキューさんだけがフォローをしてくれた。

 くそう、お嬢様集団の常識が怖い。

 

 そんな高級車のフカフカシートに座ってお姫様気分になりながら移動した先は、宮殿だった。

 

 

「何この宮殿……」

 

「メジロのお屋敷ですよ」

 

「こわい……」

 

「クリの本家のお屋敷もこんなだよ」

 

「ウマ娘名家こわい……」

 

 

 庭に小さなコースがある時点でボクの常識から離れた存在であるのは疑いようがない。

 爺やと呼ばれる初老の男性に連れられてボクたちは屋敷の中に入った。

 

 

 

 ガラス窓が大きいサンルーム?的な場所にメジロラモーヌさんはいた。

 史上初のティアラ三冠を成し遂げた、曰く魔性の黒鹿毛。

 

 リベーラさんと似ているが、妖艶さと美しさが圧倒的であり魔性という言葉が似合う女性であった。

 

 

「ただいま帰りました。母様」

 

「いらっしゃい。トレーナーさんたちもようこそ。どうぞお座りになって」

 

 

 そういうラモーヌさんの表情は硬い。顔が美しすぎるのも相まって人形のようだ。

 リベーラさんに緊張が走る。

 

 何というか親子仲が良くなさそうに見える。

 ルドルフさんだってあまり仲良しな感じには見えなかった。

 とはいえ容赦なく貸しを切ってくるのだからルドルフさんだって愛情がないとは思わないのだが……

 

 

「あの、トレーナーですがこちらにいらっしゃるヴィオラレジーナさんにお願いすることにしました」

 

「そう……」

 

「母様に紹介いただいた小内トレーナーにもお会いしたのですが、契約に至らず申し訳ありません」

 

「別にかまわないわ」

 

 

 リベーラさんが必死に話題を振るがラモーヌさんの反応は塩対応だ。

 普段からこんな感じなのだろうなぁということが予想できる。

 

 これはどうするべきなのだろうか。

 なんせ親なんて顔なんか見たことのないボクと、児童虐待状態だったサンキューさん、親にべた甘やかされているライスちゃんという温度差がすごいのがうちのチームの親子関係だ。

 

 冷え込んでいるレベルという中途半端な状態の親子関係の経験値を持っているメンバーは0だ。

 なんて声をかけるか。悩みながらボクは口を開いた。

 

 

「ラモーヌさん、リベーラさんへのラモーヌさんの愛を語っていただけませんか?」

 

「愛、そう、愛ね」

 

 

 ラモーヌさんというったら愛という単語をよく使うのは、ちょっと雑誌などを読んでいれば知れる知識だ。主にレースなどに使われていたが、娘をどう思っているのか聞いてみたくなった。そしてそれは地雷だった。

 

 

「私の娘への愛、それは山より高く海より深いものよ。まず見なさいリベーラの外見から行きましょう。いえ、外見というのは本質ではなく重要でないというのはそうなのだけど、それでも見なさいうちの子のかわいらしさを。生まれたときから確信していたけど世界で一番かわいいわ。本当に。もう奇跡的なかわいさね。もちろん外見だけでなくてない面も素晴らしいのがうちのリベーラなのだけど」

 

「あ、あの……」

 

「小さいころからとてもやさしい子なのよ。毎年わたしにもルドルフにも誕生日にはプレゼントをくれるのよ。手紙付きでね。もちろんすべてちゃんと保存してあるわ。日に焼けないように引き出しの奥深くに、家宝みたいなものだもの。みたい? 見せてあげてもいいわよ」

 

「母様……?」

 

 

 何でか急にマシンガントークを始めたラモーヌさん。

 娘のことになると急に早口になるオタクみたいになった。さっきまでの凛々しいオーラどこ行ったんだよ。もう表情デレデレじゃん。

 しかもその様子をリベーラさんも見たことなかったらしくすごい戸惑ってるし。

 親子関係どうなってるんだよ。

 

 

「あの……」

 

「あ、爺やさん」

 

「ラモーヌお嬢さまは、リベーラ様が好きすぎるのです。しかし、リベーラ様の前ではメジロにふさわしい母親を演じておりまして……」

 

「誰か止めろよリベーラさんこじらせてますよ」

 

「妹様の件でも同じようなことをしてましたから……」

 

 

 魔性の黒鹿毛はこじらせただけの母親だったようだ。




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ヴィオラレジーナの繁殖入り(意味深)はいつ?

  • いまでしょ
  • ライスちゃんが三冠取ったぐらいじゃない?
  • ライスちゃんが引退したぐらいだよ
  • ライスちゃんが卒業したぐらいだよ
  • 結婚できる年齢になったら
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