ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
今回サンエイサンキューさんが目指すのは札幌開催のレースでメイクデビューを勝ち抜き、その後ジュニアクラス初の重賞である札幌ジュニアステークスで勝利を収めることである。
メイクデビューは、1月の間なら連日でない限り何回も出走可能なので、1回負けても2回、3回と出る予定ではあるが、重賞までのインターバルを考えるとできれば1回で勝ち抜きたいところではある。
そういう理由もあって、今回選んだレースは7月最初の土曜日のメイクデビューであり、そのために金曜日の朝に現地入りするというなかなかハードなスケジュールである。
「その分ライバルの数は少ないですから……」
「まあそうですよね」
サンキューさんが参加する札幌芝1200mの出走者は6人、同日のもう一つのレースも7人とかなり参加者が少ない。
翌日日曜日のレースになると10人を余裕で超えるのにこの差である。
「それに、ライバルの様子もよく見れますし」
「ニシノフラワーさんも来てるもんね」
サンキューさんのライバルニシノフラワーさんも札幌に来ていた。目標は同じく札幌ジュニアステークスであろう。
ニシノさんが参加する日曜日のダート1000mの方は参加者が10人にもなっている。
「ニシノさん、強気ですねぇ」
「勝ち易きに勝つ方がいいと思うけど」
「なんですかそれ」
「孫子だったかな」
メイクデビューは選べるんだし勝ち易いのに勝ちに行った方がいいと思うけど、まあそのあたりは各自の判断である。
「ひとまず明日は頑張ろうね。待機所に10時集合だからアップも考えて8時にはここを出るようにしましょ」
「了解しました。それではまた明日」
そうして部屋に戻るとライスちゃんが待っていた。
チーム4人で、今回サポート役はライスちゃんの予定だったからライスちゃんとサンキューさんが同室でボクはリベーラさんと一緒になろうと思っていたのだが、サンキューさんは「二人の間を引き裂くなんてできません」と謎の遠慮をするし、リベーラさんは「ライスさんが怖いのでちょっと……」と拒否られてしまった。ライスちゃん、変なことしてないよね。
なのでライスちゃんとボクの相部屋になってしまったのだ。まあいつものことである。
適当に雑談しながら明日の準備をしていると……
「ヴィオラちゃん、体調大丈夫?」
「ん? サンキューさんなら万全だよ。移動馴れしているっていうだけあるねぇ」
「サンキューさんじゃなくてヴィオラちゃんの体調」
「ん?」
ライスちゃんに体調の心配をされてしまった。
「まあ飛行機初めてだったし、最近忙しかったからね。少しゆっくりしようかな」
疲れていると言えばつかれていた。慣れない書類仕事が多いし、気を使う手続きも少なくない。
何より飛行機での長距離移動はかなり体力を使う。
ライスちゃんやサンキューさんみたいな良家のウマ娘は幼いころから移動馴れするために旅行などを繰り返すと聞くがその理由がよく分かる。
結局早めに寝ようとしたが、明日のレースが楽しみでボクは無事夜更かし気味になってしまうのであった。
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