ライスシャワーを特盛雑穀米にしてしまったTS転生系ウマ娘トレーナーの話 作:雅媛
サンキューさんもライスちゃんも無事重賞に勝ったので目指すは年末のGⅠである。
それまでにトレーニングにトレーニングを重ねて実力をつけなければならない。
幸い体づくりはうまくいって二人ともムチムチ骨太ボディになったので、怪我は気にしなくていいだろうから、少しハードなトレーニングをしてもいいだろう。
そんなのんびりとしたトレーニング日和の中。
「こんにちはー」
「セイちゃんお久しぶり」
ニシノさんがセイちゃんを連れて遊びに来た。
今年の夏合宿は遠征ばっかりだったから会えなかったんだよね。
ちょっと大きくなってお姉さんになったセイちゃんはすごくかわいくなっていた。髪も少し伸びてるし。
「セイちゃんかわいくなったね」
「そんなことないですよ」
ボクが褒めると嬉しそうに尻尾を振る。すごくかわいい。
抱っこしてなでなでしてあげよう。
しかし周りがヤバい状況だみたいな顔してるのはどういうことだ。
「ヴィオラさんは最近お変わりなかったですか?」
「変わったことねぇ……そういえば最近子供ができたんですよ」
「そうですか子供……え?子供!?」
「そうですよお腹の中に」
ボクがお腹を撫でるとセイちゃんの表情が固まった。
子供苦手なのだろうか。ボクのお腹にセイちゃんの手を当てさせる。手が少し震えていた。
「うまれたらセイちゃんも仲良くしてくれると嬉しいな」
「わ、わかりました……」
なんかちょっとしょんぼりしてしまったセイちゃんであった。まだお姉さんぶるには早かったか。
ニシノさんが、失恋は早い方がいいですからね、とか言って言っていたのでもしかしたらミホノさんとお付き合いしていることを伝えたのかもしれない。
抱きしめてなでなでしていたらぐったりしてしまった。
「とどめを刺しましたね」
「とどめって……」
ニシノさんが物騒な表現をしていたがただかわいがっているだけだよ。
◇ ◆ ◇ ◆
ということで妊娠したことをライスちゃんのご両親にも伝えたので、早速家族会議となった。
学園近くにあった一軒家に行くことになったが、どうやらクリの家が持っている別宅の一つなのだとか。近くボクとライスちゃんはこちらに住むことになる。生まれた子供を抱えてさすがに寮住まいとはいかないからね……
「きゃー、どうしましょう、どうしましょう」
一番テンションが高いのはお母さまである。
もうずっとどうしましょうと言いながらあれこれ注文を始めている。大丈夫なのだろうか。
「お手伝いさんとベビーシッターの手配などはこちらでしておこう。ヴィオラさんは産むのに集中して甘えてくれると嬉しい」
お父さまはとても頼もしかった。
現状妊娠中は体調の変化が少しあっただけでそれもすぐに収まったが、生まれた後の子供の世話はかなり心配だったのだ。
どうやらそのあたりは向こうが全部やってくれるらしい。
費用は心配だが、まあこの子は二人の孫にもなるわけだから全力で甘えさせてもらうことにする。
「何から何まですいません」
「いやいや、ライスのお嫁さんとなればこれくらい当然だよ。それに君は有望なトレーナーだからね。いくら投資しても惜しくないのさ」
「有望ですかね?」
「クリ家ではここ10年ぐらいなかった重賞勝利をもたらしたんだ。ヴィオラさんは自分の手柄と思っていないだろうが、もう少し誇ったほうがいろいろお得だよ」
「そんなものですか」
「そんなものさ。ライスもキミのおかげと思っているだろうしね」
そんなものか。頑張ったのはライスちゃんで、あとはチームのみんなの手伝いだからボクがどや顔するものではないと思うのだが、そんなものだと言われるなら大きな顔することにしようか。
「しかし体調は大丈夫なのかい? 年末は忙しいだろう?」
「体は物理的に重いですがそんなに問題ないですね。それにチームのことはメンバーもずいぶん助けてくれるので……」
「まあ今から別のトレーナーを入れるのも逆に問題だろうし任せるが、くれぐれも無理をしないでくれ」
お父さまはとても心配症だった。
「大丈夫よ。母は強いから」
一方お母さまは楽観的だ。
経験者がそういうならそんなものなのだろう。
チームのことはリベーラさんが全部書類仕事してくれるので、本当に助かっているし、何ならボク本当に要るのか少し疑問だ。そろそろトレーニングメニュー作るのとかもリベーラさんできるんじゃないかと思い始めているし……
そんな感じで年末に向けてボクらは頑張っていくのであった。
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