戦場に雨が降る   作:憂鬱なサラリーマン

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皆さんありがとうございます。
稚拙ながら2話目書いてみました。
よろしくお願いいたします。


雨はうちわでは防げない

雨は止むことなく降り続けていた。

その雨は、血と炎と煙にまみれた戦場を洗い流すかのようでありながら、同時に新たな惨劇を告げる太鼓にも思えた。

 

水と血を自在に操る鬼灯千月。

そして数多の戦乱を制し、神にも等しい力を誇るうちはマダラ。

 

二人の怪物が相対した瞬間、戦場はただの戦場ではなくなった。

それはもはや人知を超えた存在同士の決闘の場、天地すら震える修羅の舞台と化したのだ。

 

「……この雨、やはり貴様を呼ぶものか。」

 

マダラが紅い眼を細める。その瞳は写輪眼 いや、既に万華鏡という名の修羅の瞳。

 

「千月。俺は貴様を討つために来た。」

 

千月は表情を変えず、静かに佇んでいた。

雨は彼の肩を打ち、髪を濡らす。だがその姿は揺るぎない。

 

「…愚かな」

 

「なにを決まっている。」

 

マダラの声は雷鳴のように響く。

 

「強者が二人並び立つことは許されぬ。伝説は一つでよい。貴様はここで潰える。それでこそ俺の乾きは潤む」

 

その瞬間、戦場に奔る圧力が一変した。

二人の怪物がぶつかり合う前触れだけで、周囲の忍達は恐怖に膝を折る。誰もが理解した。この戦いはもはや人の域ではない、と。

 

最初に動いたのはマダラだった。

両手を組み、息を吸う。

次の瞬間、天地を呑むような炎が吹き荒れた。

 

「火遁・豪火滅却!」

 

炎の奔流が海のように広がり、大地を焦がし、空をも赤く染め上げる。

通常ならば一国すら焼き尽くす威力。だが千月は一歩も退かなかった。

 

周囲の雨が集まり、瞬く間に巨大な水壁を築き上げる。

轟音とともに炎と水がぶつかり合い、蒸気が戦場を覆う。

だが次の瞬間、その蒸気すら千月は操った。

 

蒸気が凝縮し、数百の水刃へと変貌する。

それらが矢のごとくマダラへ襲い掛かった。

 

須佐能乎。

 

紅き瞳が輝き、漆黒の鎧を纏う巨人が出現する。

その腕が振るわれ、水刃を粉砕する。

衝撃だけで大地が抉れ、周囲の死体がゴミクズのように吹き飛ぶ。

 

「やはり、貴様でなければ俺の須佐能乎は躍らぬ!」

 

マダラの声は歓喜に満ちていた。

だが千月は無言のまま、次の一手を放つ。

 

地面に広がる血が波打ち始める。

戦場に散った無数の死者の血液が集まり、千月の周囲で渦を巻く。

それは次第に人の形を取り、血と水で編まれた無数の兵士と化した。

 

「血の操り人形……!」

 

須佐能乎の巨腕が兵士を薙ぎ払うが、その血肉は崩れても即座に再生する。

まるで死者の怨念が実体化したかのように、何度でも立ち上がる。

 

マダラの瞳が輝いた。

 

「ならば消し飛ばすまでだ!」

 

彼の印が結ばれると、大地が揺れた。

無数の炎の龍が生まれ、空を裂いて千月へと襲い掛かる。

炎と血肉がぶつかり、爆発の連鎖が戦場を焼き尽くした。

 

しかし、その炎を割って現れたのは、なおも立つ千月だった。

雨と血で編まれた鎧が彼を守り、その眼差しは微動だにしない。

 

「…脳筋が、知略をこらせ」

 

その瞬間、千月の体が水と化し、空間を滑るように動いた。

次の刹那、マダラの須佐能乎の胸部に鋭い刃が突き立つ。

水と血を圧縮した極限の一撃――それは須佐能乎の防御すら貫き、マダラの体を震わせた。

 

「……ぬかせ。」

 

マダラは口元から血を流しながらも笑った。

 

「まだ終わらぬ!」

 

 

マダラに呼応するように大巨人が顕現する。

天を貫くかのように聳え立つ須佐能乎、その腕に握られた刀は、月をも断たんと振り下ろされた。

 

「……愚策」

 

静かな声とともに、雨が、血が、大地の水分すら渦を巻き、彼のもとへと集い始める。

膨大な水流は天へと昇り、やがて一匹の龍と化した。

その咆哮は雷鳴のごとく轟き渡り、須佐能乎に襲いかかる。

 

轟音。

天地を揺るがす破壊の嵐が戦場を包み込む。

巨人の刃は砕け、須佐能乎の巨影は水龍の咆哮に呑み込まれた。

断末魔すらも届かぬまま、蒼き鎧は泡沫と消えていった。

 

「なっ……」

 

マダラの瞳に驚愕が宿る。

己の切り札をも無に帰す力――それはもはや人ではない。

 

千月は歩み寄る。

 

「…やはり口だけのうるさき者よ」

 

マダラの須佐能乎が吠え、力を振るう。

巨人の刃が千月を叩き潰さんと迫る。

 

しかし、千月はただ手を振るっただけだった。

その瞬間、周囲の雨が一斉に刃と化し、嵐のごとく須佐能乎を切り裂いた。

巨人は悲鳴を上げるように崩れ、マダラの体が露わになる。

 

鞭のように伸びる水の刃がマダラの胴を捕らえ、一瞬で体を宙に弾き飛ばす。落下する寸前、マダラは影分身で分身を作り出し、身を守ろうとする。だが、千月の目には分身さえ本物のように見え、攻撃の軌道は完璧に制御されている。

 

「…愚か者が…」

 

千月の声が静かに戦場に響く。雨音に溶けるその声は、まるで凍てつく刃のようだ。

 

マダラは怒りと焦燥で目を赤く光らせる。力を振り絞り、天高く跳躍、巨大な火遁を放つ。しかし千月はただ立っているだけで、周囲の水が炎を一瞬で冷却し、蒸気となって霧を作り出す。視界が遮られ、火の熱も弱まり、攻撃は無力化される。

 

霧の中で千月の姿が再び現れる。まるで水と血の精霊が人型を取ったかのようだ。水化の術が極限に達し、彼の体から発せられる殺意が物理的に戦場を切り裂く。鞭、刃、槍、全てが一つに融合し、マダラの周囲を覆う。

 

マダラは目にも留まらぬ速さで反撃する。残り少ないチャクラを効率的に千月に致命を狙う。だが千月の動きは、それ以上に予測不可能で、まるで水自体が意思を持つかのように攻撃をかわす。マダラの攻撃が空を裂き、地面を抉る。だが千月は微動だにせず、瞬時に敵の体勢を崩す。

 

「無意味だ…」

 

千月の低い声が、マダラの体を打ち据える。水と血の刃がマダラの胴を一閃し、体を貫く寸前で、彼は全力で回避する。しかし、その衝撃で肩が外れ、鎧が砕ける。肉体に痛みが走り、血が混じる。

 

戦いは激しさを増す。千月の攻撃は美しい殺戮の舞のようであり、同時に冷酷そのもの。雨粒と血が混じり合い、戦場は赤い霧で満たされる。マダラの全力攻撃も、千月の支配する水の刃の前では、ほとんど通用しない。

 

千月は静かに足を止め、マダラを見据える。敵は全力で立ち向かうが、呼吸が荒く、わずかに焦りの色が混じる。千月は一歩前に出るだけで、水の刃が無数に襲いかかり、マダラの体を締め付けるように動く。

 

「…これほどの力…」

 

マダラは息をつき、眼光を研ぎ澄ます。片腕を失いかけた痛みを感じつつも、まだ戦う意志を燃やす。全力の体術で千月に反撃しようとするが、千月はさらに一段階上の水化術を展開する。水の粒子が数十倍に増え、形状を自在に変化させ、マダラの全身を包み込む。

 

雨音、血の匂い、そして水の刃が交錯する中、戦場は完全に千月の支配下にある。マダラの全力の攻撃が一つ一つ潰され、次第に動きが鈍る。千月は冷静にその隙を見逃さず、次の一撃に備える。

 

千月の手が静かに振られ、水の刃が無数に飛び、マダラを縛るように押し込む。敵の目には絶望が広がり、呼吸が乱れる。全身を強打する無数の水の刃が、まるで嵐の目に捕らえられたかのように、マダラを圧倒する。

 

両者の視線が交錯する。赤と青、冷酷と狂気、二つの魂が刃となる瞬間。

雨と血の匂いが濃密に漂い、戦場は凍りついた。

 

「さあ、終わらせるぞ」

 

マダラの声が響き渡る。千月も一言返す。

 

「…やっと遊びは終わりか」

 

その瞬間、二人の力がぶつかろうとする。




ありがとうございます。
たくさん書ける人達はすごいです。。

PS・感想欲しい。いただければ気力が上がります。

よろしくお願いいたします。
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