転生淫魔による立身出世と楽園都市建設計画   作:アスタロット

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謎の美少年現る

 

花街からダキを排除した。

そうエザルドは仲間達と喜んでいた。

彼女達は、まるで戦勝のムードに包まれている。

まさに、そんな折だった。

 

ある時、夕暮れの花街でエザルドに背後から声を掛ける者がいた。

 

「もし、そこのお嬢さん。今は”仕事中”かな?」

 

聞き覚えの無い、やや甲高い声。

久々の新規客と思った。

 

「あら、この街一番の女に何の御用かし………ら?」

 

振り向いた彼女は、その客に釘付けとなった。

 

第一印象は、その清潔感である。

 

磨かれたブーツに、折り目がパキッとしているスラックス。

純白のシャツに黒いベスト。

派手さはないが、細かい装飾が際立つジャケットとタイ。

 

貴人麗人がお忍びで街にやって来たような、非常に洗練された身構え。

 

そして顔を見れば、エザルド自身が霞むほど容姿が優れている。

中性的な顔付きであったが、むしろそれが彼女の視界を支配した。

まるで、お伽話にある麗しの美少年である。

 

「美しいお嬢さん、僕と一晩どうかな?」

 

「あ、あら…私に声を掛けるなんて悪くないセンスね、貴方。でも貴方のような麗しい方が、こんな場所で女を買うつもりかしら?」

 

エザルドは内心舞い上がっている。

この様な客は今までに見た事がない。

明らかに住んでいる世界が違う。

そんな麗人が、自分を選んで声をかけて来た。

 

「一緒に過ごすのは誰でも良いわけじゃない、君だからしたいんだ。独りで夜を過ごすのは、とても寂しい。これから食事も併せて、どうかな?」

 

「へ、へぇ!!!わ、私は貴方が思うほど安くないわよ?」

 

エザルドは務めて平静を保とうとしていたが、紅潮は隠せなかった。

 

「勿論、分かっている。君の価値は計り知れない。だから君の言い値で良い」

 

「な、なら覚悟しておく事ね。で、貴方お名前は?」

 

「タキオ…タキオ・タチカワだ」

 

「タキオ?変わった名前ね…しかも姓持ち…まぁいいわ、さっそく行きましょ?ワクビスのお店は知ってるかしら?」

 

「ああ、知っている。一番良い店に行こう」

 

タキオと名乗る男は、エザルドをレストランにエスコートした。

そこは、貴族や豪商などの上流階級のみが入店を許される一流のレストランだった。

 

エザルドは夢の様な食事に舌鼓を打ち、タキオの宿泊している高級宿に迎え入れられた。

 

そこで二人は一晩を過ごした。

 

しかし、意外な事に彼はエザルドと身体を交えなかった。

 

代わりにエザルドに対して、タキオは熱心にキスや愛撫をした。

そのテクニックたるや凄まじいもので、彼女は一晩で何度も達し気を失った。

また、その行為で裸体を晒したのはエザルドのみ。

タキオは羽織っていたジャケットを壁にかけただけで、シャツやスラックスなどの衣服は頑なに脱ごうとしなかった。

 

そして、エザルドが目覚めた頃、日は昇り切った頃だった。

 

部屋を見渡すと、テーブルの上に書き置きを見つけた。

 

“最高の夜をありがとう。申し訳ないが、仕事があるので先に部屋を出る。また声を掛けるから、その時はよろしく”

 

その書き置きと共に置かれていたのは、大金。

一週間分の稼ぎでも足りない金額を、彼は不用心にも置いていった。

 

「夢だったのかしら…」

 

彼女は乱れ切った身体を整え、金と書き置きを大切に懐に仕舞い込み部屋を去った。

 

その日、エザルドはタキオに声をかけられた場所で再び立っていた。

 

当然、普段の客からも声を掛けられる。

 

しかし彼女は先約があると言い張り、全ての誘いを断っていた。

 

「あはっ…馬鹿みたい。そんな訳ないのにね…」

 

エザルドは客を誰も取らず、ついには日暮を迎えた。

 

「やあ美しいお嬢さん、また会ったね。あ、そうだ…そう言えば、キミの名前を聞いていなかったね」

 

「っ!?ッーーー!!!………エザルドよ」

 

「エザルド…エザルド!素晴らしい、美しい君にピッタリの良い名だ。さて…エザルド。もし君さえ良ければ今晩も…どうかな?」

 

タキオはエザルドに近寄り、彼女を優しく抱き寄せる。

そして、そっと耳元で囁く。

彼の美しい声の振動が、耳から頭に心地よく響き思考を支配する。

 

「んあっ…あっ…い、良いわよタキオ」

 

「じゃあエザルド、さっそく行こうか」

 

それから連日、エザルドはタキオに買われ続けた。

宿での行為は、キスと愛撫だけ。

気付けば日が昇り、タキオはいない。

その繰り返し。

 

一週間も経てば、エザルドはタキオに夢中となっていた。

美味い食事に、最高の快楽、高額な報酬の受け取りは、夢のような生活だった。

しかもそれをエスコートするのは、極上の美少年である。

 

エザルドはタキオに恩返ししようと、彼にも奉仕をしようとした。

しかし彼から許された奉仕は、キスまでだった。

それでも彼女は喜び、全身全霊をもって奉仕した。

その朝、残された書き置きには”ありがとう”という簡素な感謝と、報酬だった。

 

しかしその翌日から、彼がエザルドの元に来ることはなかった。

 

彼女は客を取るでもなく、同じ場所に立ち続けた。

しかし、いくら待ってもタキオは現れなかった。

娼婦仲間は彼女を心配した。

しかし、エザルドは同じ場所に立ち続けた。

 

「あはは…今度こそ本当に夢のお仕舞いね。客に本気になるなんて、商売女失格だわ」

 

そうして、その場を去ろうとした瞬間だ。

見覚えのある背中を見つけた。

あの清潔感に満ちた、身綺麗な装い。

間違いなく彼である。

 

エザルドはその背中を追いかけた。

彼を追いかけている最中、彼女は無自覚に下を湿らせていた。

頭の中は、タキオで一杯だった。

 

そして目的地らしき所まで来たのか、彼が立ち止まった。

しかし、そこはエザルドが信じ難い場所であった。

 

リラクゼーションマッサージ店”木の花”である。

 

エザルドが知らぬ間に営業を再開していたのか、タキオは何の躊躇いもなく店に入っていった。

 

エザルドは激昂した。

 

また大切なものが奪われたと思った。

 

ダキが腕の立つ冒険者だろうが構わない。

絶対に殺してやる。

 

そう決意し、タキオの後を追って店に押し入った。

 

しかし、店内には誰もいない。

タキオの姿もない。

 

そして気が付くと入り口の扉は閉ざされ、”ガチャリ”と響くカギがかかる音がした。

 

振り向くといつの間にか、エザルドの背後に回っていたタキオが鍵を後ろ手にかけていたのだ。

 

「タキオ、あなた…なんでここに」

 

「何でも何も、ここは僕の店…だからだよ、愛しのエザルド」

 

「えっ…う、嘘よ」

 

「ならよく見ておいて」

 

そう言うとタキオは自ら衣服を脱ぎ始めた。

 

ジャケットを脱ぎ捨て、スラックスを下ろし、ベストを脱ぐ。

 

次第に顕になる、美しい肢体。

しかし、それは男性的な美しさではなかった。

理想的なプロポーションをした女性の肢体。

 

そしてタキオがシャツを脱ぎはじめると、白いサラシで巻かれた胸があらわれた。

 

「う、うそ…うそよ…」

 

「嘘なんかじゃない、ほら見てよ」

 

タキオはギチギチに巻かれた晒しを、ゆっくりと緩めていく。

すると、どこに収まっていたのか不思議なくらいの豊かな双山が弾みながら顕となる。

 

「やっと髪も下ろせる」

 

「いや、やめて…」

 

最後にタキオは後頭部の髪留めを抜き取り、艶やかな長髪を垂れさせた。

 

「ほうら、見たことある女でしょ?どう?上手くいったかしら?」

 

そこには、憎き商売仇の女がいた。

 

「ッ!!!………してやる…殺してやる!アンタなんか!アンタなんか殺してやっ……あっ…んむぅ!んちゅる…んー!!」

 

エザルドはダキに引き寄せられ、強引に唇を奪われた。

 

「っぷはぁ…どうぞ、エザルドのご自由に…殺せるものなら、やってご覧なさい。無理だけどね」

 

その夜、エザルドは徹底的に犯された。

タキオの優しい愛撫とはまるで違う、貪るような、容赦のない責め。

淫魔の本性を解き放ったダキの体臭と、巧みな指と舌に、エザルドのプライドはあっけなく溶かされていった。

何度も達し、涙を流し、喘ぎながら、彼女はようやく理解した。

自分がどれほど無力で、ダキという存在に抗えないのかを。

朝、ぐったりと湯船に浸かりながら、ダキの胸に寄りかかったエザルドは、掠れた声で呟いた。

 

「んっ…うぅ………最低…最悪…」

 

「ごめんなさいエザルド…でもね、アナタを愛してるのは事実よ」

 

「嘘はやめて」

 

「あら、本当よ」

 

「……アンタの店、風呂に入れるのね」

 

「そうですよ〜!このお店では、安心安全が経営理念の一つなんです。お風呂もその一つ、ですね!」

 

「アンタみたいなセックス上手い極上の美人が、風呂にも入れてくれる店で奉仕してくれるなんて…そりゃ勝てないわね」

 

「ねえ、エザルド…相談があるのだけれど」

 

「何よ…」

 

「私と一緒に働かない?」

 

「…はぁ?」

 

「最近、お店が忙しくてしょうがないの。冒険者の依頼もある程度やらなきゃダメだし。そこで、貴女みたいな女性が来てくれたら、とっても有り難いの」

 

「無理…他の仲間もいる。あの娘達に顔向けできない。一緒にアンタへ嫌がらせした仲間よ」

 

「別に貴女一人だけ雇うなんて、一言も言ってないわ」

 

「えっ…?」

 

「私のせいで割を食ってる女の子、全員雇うって言ってるの」

 

「さずにこのお店だと狭すぎるわ」

 

「実はこのお店、増改築する予定なの。つい先日、隣が空き部屋になってね。それで商会と行政に根回しして、店舗拡大の許可を取ったばかりなのよ」

 

「何人行けるの?」

 

「交代制だから全員可能よ。あと、お客様を取れない日があっても、最低賃金は支払うわ」

 

「うそ、なにその優良条件。ところで…愛してる、っていうタキオの言葉…アレ、嘘なのかしら?」

 

「それは事実よ。心から愛しているわ」

 

「その愛する人を風俗で働かせる人ってどう思う?ダキさん」

 

「最低ね。一体誰なのよ、そんな愚か者」

 

「目の前にある、その立派な鏡を見たらどうかしら」

 

「あっ…すっごい。美女とすっごい美女がいるわ、最高ね。ほら温まったし、二回戦といきましょ?」

 

ダキは四肢を蛇のようにエザルドに絡め、エザルドと密着した。

そして、彼女を終わりない快楽漬けにした。

 

 

その後ダキは、エザルドを通して在野娼婦のスカウトを行った。

 

当初は難色を示す者がいたが、ダキが彼女達を買い叩き調教した。

彼女達はダキが与える快楽に逆らえず、知らぬうちに淫魔の支配下となった。

そして、彼女達はリニューアル”木の花”の新しいキャストとなったのだ。

 

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