淫魔がゆく ~転生淫魔の聖女的楽園建国計画~(旧題:転生淫魔による立身出世と楽園都市建設計画) 作:アスタロット
ルティオンが教会本部へ戻ってから、数ヶ月が経過した。
特別室の大きな窓から、夜のワクビスを俯瞰する。
私は酒盃を傾けながら、静かに微笑んだ。
「ようやく、ここまで来た」
私のスケジュールは目白押しだ。
まずはシンクタンクとして、子爵の執務室へ向かう。
公邸には、もはや顔パスだ。
ケベック子爵は私の膝の上に頭を預け、熱い息を吐いていた。
「ダキ…お前とこうしていると、妻の顔が浮かんで後ろめたくて仕方ない。だが、どうしてもお前から離れられない」
私は彼の髪を優しく撫でながら、甘く囁いた。
「子爵様。罪悪感を感じるのなら、せめてその罪を価値あるものに変えなさい。あなたが中央に戻るためには、税収を上げるだけでは足りませんわ。ワクビスを貴族向けのリゾート地として整備するのです」
「ほう?それで」
彼は興味深そうに起き上がり、私に向き直った。
「高級別荘を建設し、女性貴族向けの、美男子を集めた癒しの施設を新設する。夫婦で静養に来させるのです。そうすれば、男性だけでなく妻たちも虜にできます」
ケベックは興奮した様子で頷いた。
「確かに。中央の連中は派手な成果を好む。リゾート地か、素晴らしい案だ」
私は彼の耳元で微笑みながら続けた。
「私が裏で全て調整してあげます。商人組合、税収、宣伝、すべてを都合良く整えましょう。あなたはただ、表向きに”みずからの手柄”として堂々と主張なさい」
私は彼の顎を持ち上げ、目を覗き込んだ。
「さあ、堅苦しい政治の話はここまで…今夜も、奥方様のことは忘れて、私だけを見てくださいませ」
ケベックは後ろめたそうな表情を浮かべながらも、私の唇に貪るようにキスをした。
罪悪感を抱きながらも、私の体から離れられないなんて。
本当に、愚かで可愛い男だ。
この男をさらに深く、自分の支配下に沈めていってやろう。
私はスカートを捲り、卑猥に股を開いた。
ケベックは何度も私を貪った。
♢
一方の商人組合。
彼らとも、さらに強固な協力関係となった。
当初は単なるコンサルタントであった、商人組合における私の立ち位置。
それが今や、私による影響力が著しい関係にある。
私はそんな組合の応接室でソファに腰を下ろし、向かいに座ったガレントと向き合っていた。
ガレントは上品に茶を一口飲み、落ち着いた声で言った。
「ダキさん、先日要請のあった件ですが、別荘地の用地買収もほぼ完了しました。子爵様の名前で進めることで、とても円滑に」
私は微笑みながら茶を啜った。
「ガレント様、いつも迅速で助かりますわ。ただし、条件は守っていただきますわよね?私の指示なしに勝手な利権拡大は困りますからね」
ガレントは苦笑しながら肩をすくめた。
「もちろん理解していますよ。我々も、あなたと組むことで以前より遥かに利益を上げられている。正直に言えば、もうあなたなしではこの街の商売は考えられませんな」
利益への欲と”ダキという女”への底知れない畏怖。
そんな感情が混じっているのが、手に取るように分かる。
私は努めて優雅に笑った。
「相手良し、手前良し、世間良し、ですわガレント様。あなた方は富を、私の店は安定と影響力を得る。お互いに利用し合っている、それで良いではありませんか」
ガレントはカップを掲げながら、ため息交じりに言った。
「利用し合っている、か。表向きはそう見えますがね。実際はあなたにかなり依存しているのが組合の現状です。組合の幹部たちも、もうそのことを理解していますよ」
よくわかっているじゃあないか。
私は口元がほくそ笑むのを我慢できなかった。
ガレントも商人組合も、表向きは対等なビジネスパートナー。
しかし実態は、私の影響力なしでは成り立たなくなっている。
彼らはそれを自覚しつつも、利益を優先して私に従っているのだ。
一方の花街だか。
その完全掌握は一朝一夕ではなかった。
街全体の娼婦を管理下に置くのは、税収の面でも、公衆衛生の面でも非常に大切だ。
しかし残った在野娼婦たちは、当初激しく抵抗した。
私はエザルドをはじめとする有力者を高待遇で取り込み、抵抗する者に対しては経済的締め付けと客の遠ざけで屈服させた。
最終的に、彼女たちは全員拡大した「木の花」の一員となり、花街全体の利権を掌握した。
この街において、女の働き手は幾らあっても困ることはない。
冒険者組合との関係も良好だ。
組合には特別団体割引を適用し、彼らを「木の花」の熱心な顧客に変えた。
組合長とは定期的に会食をし、治安情報や魔物討伐の最新情報を得ている。
治安維持の面でもかなり役立っている。
花街の警備は、役人よりもアウトローな冒険者どもがうってつけだ。
慈善事業も忘れてはいない。
孤児院への寄付や、貧民街への炊き出しを行った。
勿論、私もそれら行事に直接参加した。
何も知らぬ市民は、私を聖女だと称賛したよ。
結果、市民からの支持は絶大だった。
「やっとここまで来たかぁ」
私は窓の外に広がる街を眺めながら、静かに呟いた。
ソドムとゴモラ。
欲望を極め、快楽に溺れ、堕落の極みに達した街。
その街は神の怒りによって滅ぼされた。
だが私は違うと思う。
あれは、滅びるべきではなかった。
ただ、神という存在が、人の欲望を許せなかっただけだ。
天に神あり
地に神なし
もし神がいるのなら、天から見ていろ。
欲望を肯定し、快楽を極め、堕落を追求する。
抑圧から解放された、自由の都を。
誰もが自分の欲望に忠実に生き、誰もが快楽を貪り、誰もが肯定される。
それが、私の最終的な目的だ。
前世で成しえなかった、この世界で唯一の、真の楽園。
私と皆の、ユートピアだ。
さあて、あぶれたキャスト達を部屋に集めて酒池肉林といくか!
特別手当の百合百合イチャイチャパラダイス!
大乱行パーティーの開催じゃあ!!
いま私は、女体という名の神秘の海へダイヴするのだ!!
ひゃっほぅ!!