淫魔がゆく ~転生淫魔の成り上がり~(旧題:転生淫魔による立身出世と楽園都市建設計画)   作:アスタロット

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復活のダキ

 

ルンビニィの里に末端の異端審問官五名、再び。

 

彼らは図々しくも、村の中央へと堂々と進んでくる。

リーダーのランドリューは、歪んだ笑みを浮かべていた。

 

「清廉なる信徒を惑わす怪しい女め……もう逃げられん。お前を異端の疑いで教会へ連行する。大人しく従え」

 

彼らは女の両腕を荒々しく掴み、引きずり出そうとした。

 

その瞬間、ユーリが血相を変えて飛び出した。

 

「やめろっ!姉さんに手を出すな!!」

 

若いユーリの抵抗など、訓練された審問官たちにとっては容易い相手だった。

一瞬で殴り倒され、地面に叩きつけられ、容赦なく蹴られる。

ユーリは血を吐きながらも這いずり、女の足に必死にしがみつこうとした。

 

「やめ……ろ……!姉さんを……いじめるな……!」

 

ランドリューは低く笑った。

 

「抵抗した罰だ。このガキの前で、たっぷりと犯してやる」

 

審問官たちはユーリの目の前で、容赦なく女の衣服を乱暴に剥ぎ取った。

 

複数の手が女の体を押さえつける。

 

「いや……っ!やめて……!いやぁ……!」

 

「ぅあ…やめろ…やめろぉ…ぁあっ!!…姉さんッ!!」

 

ユーリの絶叫が響く中、ランドリューが最初に女の体に覆い被さった。

激しく、荒々しく、容赦のない動きで女を犯し始める。

他の審問官たちも順番に、ユーリの目の前で女の体を貪った。

痛みと屈辱が女の体を貫く。

 

しかし、女は歯を食いしばり、表情を崩さなかった。

 

その瞬間。

 

ユーリの叫びが、女の頭の中で大きく響いた。

 

「姉さんを……いじめるな……!!」

 

「ユーリ…?」

 

その声が、引き金になった。

頭の奥で、何かが爆発した。

フラッシュバックが雪崩のように襲いかかる。

 

ワクビスの「木の花」でエザルド達と笑ったこと

ケベック子爵と背徳的な不倫関係にあったこと

ガレントとお互いに利用し合ったこと

ケンティウス司教の欲望を解放させたこと

異端審問官に拘束され拷問されたこと

処刑台に引きずり出されたこと

炎に焼かれたこと

 

すべてが、鮮明に蘇った。

 

女が静かに、男共に聞こえぬように呟く。

 

「私は……ダキだ……」

 

ダキの瞳が、ゆっくりと開く。

そこにあったのは、もう”銀の姉さん”としての優しい光ではなかった。

冷たく、鋭く、計算高く、そして、底知れぬ欲望と復讐心を湛えた目だった。

その瞬間、ダキの中にある殺意が臨海に達しようとした。

 

指先が微かに震え、手に力が込められる。

目が細くなり、冷たい殺気が体全体から溢れ出した。

空気が重く淀み、周囲の草がわずかに揺れるほどの、抑えきれない殺意。

 

(……殺す。この男たちを、今ここで、縊り殺してやる……一瞬で喉を掻き切り、血を啜って……

この屈辱を、すべて返してやる……!)

 

彼女の体が力で震えた。

 

しかし、次の瞬間。

 

ユーリの泣き叫ぶ声が、再び耳に届いた。

 

「やめて……! 姉さんを……やめてくれ……!!」

 

ダキの動きが、ぴたりと止まった。

 

(……村……この子が……皆が……)

 

彼女は奥歯を噛み締め、激しい殺意を飲み込んだ。

指先から力が抜け、筋肉がゆっくりと緩む。

 

(……今ここで殺せば、この村は教会の報復を受ける。皆が、ユーリが、巻き込まれる……私は、もうこの村を……汚したくない)

 

ダキは目を閉じ、激しい殺意を押し殺した。

代わりに、冷たい微笑みが浮かぶ。

 

(……今は耐える。この屈辱も、痛みも、すべて)

 

記憶が完全に蘇ったダキは、静かに目を開けた。

その瞳は、もう完全に以前のものだった。

 

「素晴らしい肉体だ、本部への手土産にするのも惜しいな……まぁいい。此度も、この者の信仰に免じて見逃してやる。が、次こそは無い」

 

五人の男達は満足し、去っていった。

 

 

ー数日後ー

 

 

ユーリは村の外れで、独り木刀を振り回していた。

 

動きは荒く、力任せ。

息が上がるのも構わず、ただ無心に振るい続けていた。

 

「守れなかった……俺が弱かったから……姉さんが… 銀の姉さんが、あんな目に……」

 

そこへ、ダキが現れた。

 

「……ユーリ。その振り方だと、すぐに肩を痛めるわよ。まずは脇を締めなさい」

 

ダキの口調は以前よりも力強くなっていた。

 

それから数日、ダキはユーリの稽古に付き合うようになった。

 

ある夕暮れ、汗だくのユーリが木刀を地面に突き立て、悔しそうに呟いた。

 

「その剣術で、アイツらも斬っちゃえばよかったのに」

 

共に稽古をしていたダキは木刀を下ろし、静かに言った。

 

「兵法は人をきるとばかりおもふは、僻ごと也。人をきるにはあらず、悪をころす也」

 

「……姉さん、何言ってんだ??」

 

ダキは小さく微笑んだが、その目は冷たかった。

 

「剣で人を斬り殺す事ばっかり考えちゃだめ。その先を見据えなさい、ってこと。まぁ、兄弟子の言葉なのだけれどね」

 

「先を見据えろって…俺よく分かんないよ」

 

「そのうち分かるわ。それまでユーリが生きていれば、ね」

 

 

 

 

ダキは一人決断した。

心は冷え切っていた。

 

「私に味をしめた奴らは、きっとまた来る。この村を巻き込む前に、排除しなければ。村人たちを守るため……というより、私の計画に支障をきたす。教会の連中は私の生存に気付いていない…今のうちなら」

 

思案した彼女は遅効性の毒を調合し、審問官たちが再び村に来た夜、酒に盛って飲ませた。

5人全員が酩酊状態になった後、馬車ごと谷底へ落とした。

 

転落後、ダキは現場に下り、残骸を確認した。

四人は即死していたが、ランドリューだけがまだ息があった。

 

血まみれのランドリューが、震える声でダキを見上げた。

 

「……お前……そうだ…助けろ、早く…早く俺を助けろ……」

 

ダキは無表情で彼を見下ろし、冷たく言った。

 

「ええ、勿論…その苦しみから解放してあげる…」

 

彼女はランドリューの首に手をかけ、容赦なく縊り殺した。

骨の折れる音が静かに響いた。

 

ダキは川で手を洗いながら、独り呟いた。

 

「……村も、これで当分は安全だろう」

 

 

 

 

「みなさん、お世話になりました」

 

ダキはルンビニィを去る決断をした。

 

これ以上村にいても、迷惑をかける。

 

ルンビニィを新たな活動拠点にしても良かった。

しかしダキは、村人による無性の善行に救われた。

その善性が、ルンビニィの里を利用しようとする彼女の考えに消極性を齎した。

 

よって彼女は村を去る。

 

ダキは村人たちに別れを告げた。

 

老婆たち、子供たち、そしてユーリ。

 

皆が泣きながら抱きついてくる中、ダキは静かに微笑んだ。

 

しかし、その目は冷たかった。

 

(……みんな、ありがとう。私はここを、十分に利用させてもらった。もう、ここに用はない…本当にありがとう)

 

しかし村の出口で、ユーリが木刀を握りしめて立ちはだかった。

 

「姉さん……俺も連れて行ってくれ!弟子として、ついて行く!嫌なら……ここで自殺する!」

 

ダキは困ったように眉を寄せ、ため息をついた。

 

「……ユーリ。私はね、本当に優しい人間じゃないの。人を殺したこともあるし、これからも殺す。……それでも、ついてくるの?」

 

ユーリは迷わず頷いた。

 

「……それでも、俺は姉さんの側にいたい」

 

ダキは長い沈黙の後、ユーリに問いかけた。

 

「……若気の至りね。家族に了承は取ったの?」

 

ユーリは満面の笑みで、口を開いた。

 

「俺、三男だから全然大丈夫だってさ!!それに俺、冒険者になりたかったんだ!だから、お願いだ!頼むよ!姉さん!」

 

「はぁ…仕方ない…なら、今後は私の事を” 師匠”と呼ぶ事!いいわね」

 

「はい!姉さん!!」

 

「あほんだら」

 

その瞬間ダキはユーリの頭を軽く叩いた。

 

「いでっ!」

 

「師匠と呼びなさい。この馬鹿弟子が」

 

彼女はユーリの頭を軽く叩きながら、内心で冷たく思った。

 

(……この子は純粋すぎる。でも、それが利用しやすい。私の道具として、十分に価値はある)

 

ダキは村の方向を一度だけ振り返った。

 

その目に、惜別の情はほとんどなかった。

 

「また会う日まで、会える時まで」

 

こうして、ダキはユーリを連れ、ルンビニィの里を後にした。

 

 

 

ールンビニィの里を離れて三日目の夜ー

 

 

 

二人は山中の小さな廃墟で野営をしていた。

 

焚き火が音を立て、辺りを淡く照らしている。

ダキは焚き火の向こう側からユーリを見つめ、静かに口を開いた。

 

「……ユーリ。もういい加減、隠しておくのはやめにするわ」

 

ユーリが顔を上げた。

 

ダキは淡々と、しかしはっきりと言った。

 

「私は淫魔…魔物よ。人間の精気を糧に生きる、魔物。教会に処刑されたはずの存在。あなたが慕っていた”銀の姉さん”の時は、一時的に記憶を失っていただけ」

 

ユーリは息を飲んだ。

しかし、すぐに震える声で答えた。

 

「……それでも、俺は師匠の側にいたい」

 

ダキは小さく笑った。

その笑みは冷たく、妖しかった。

 

「あなたは本当に馬鹿ね。私はこれから、目的のために沢山の男を抱くわ。体を売ることも、誘惑することも、利用することも厭わない。……そして、あなたのことも、食糧として使うつもりよ」

 

「構わない…」

 

ユーリの瞳がわずかに揺れた。

ダキは容赦なく続けた。

 

「その覚悟や良し…だけど、あなたの童貞は奪わない。それは、いずれ将来を誓った相手に捧げなさい。その代わり……私はコレであなたの精力をもらう」

 

そう言いながら、ダキは長い尻尾を顕現させた。

先端が花びらのように開き、ぬめぬめと糸を引き、光る肉色の器官。

それをユーリの目の前に近づける。

 

「……怖い?嫌なら今すぐやめてもいいのよ」

 

ユーリは尻尾の先端をじっと見つめた後、静かに首を横に振った。

 

「……それでも、俺は師匠の側にいたい」

 

ダキは一瞬、呆れたように目を細めた。

 

「……本当に、救いようのない子」

 

彼女はユーリの体を引き寄せ、強く抱きしめた。

唇を重ね、えぐいほど深く、貪るようなキスをする。

舌を激しく絡め、ユーリの息を奪う。

 

同時に、うごめく尻尾がユーリの腰を滑り下り、ズボンの中に侵入した。

キスを深く続けながら、ダキはユーリの精気を貪欲に吸い取る。

 

焚き火の明かりが、二人の影をゆらゆらと揺らめかした。

 

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